南の世界拾い読み 第5回
このコーナーは、南の国々(発展途上国)のメディアやNGO/NPOで流されている情報を独断で選んで、そのサマリーをコメントをつけて紹介していきます。情報の詳細を知りたい場合は、併記のホームページにアクセスしてくださいね。(本田真智子 常務理事)
 

1.Anti-Drug Agency's Plea to Teachers And Parents
http://allafrica.com/stories/200406220467.html
Nairobi(ケニア)
 
学校での薬物乱用の深刻化を止めるのは、教師と親の努力が必要である。The National Agency for the Campaign Against Drug Abuseのコーディネーターは幹部会議で、親が子供の行動などを学校に日常的に連絡すべきであると語った。学校で起きる多くの問題は喫煙、飲酒、薬物の売買が関係している。また、薬物の乱用はエイズなどに感染しやすくなると共に、危険な性行動も起こしやすくなる。それらの危険をおこさない、または解決するには親が教師に連絡をし、学校で起こる問題を解決するのにイニシアティブを発揮しなければならない。

コメント 日本でも今、高校生や中学生が薬物を乱用していると報道されることがある。私はその現場を見たことがないが、薬物依存の若者を更生するNPOの話を聞いたことがある。アフリカでも薬物を乱用する若者が多い。その理由は日本と同じ仲間の圧力や薬物を入手するのが簡単であることなどだが、違う点は失業や親の貧困などがある。どちらにしろ薬物の乱用は物事のなんの問題の解決にならないと、正論を述べても仕方がない。薬物を乱用する、依存する若者が薬物に走る根本原因を取り除かないと。その意味では、学校教師と親、そして周囲の協力による子ども達のケアは重要だと思う。しかし、よくよく考えると薬物の売買の総元締め、トップは薬物を使用しない。ここよね、ポイントは。
(all Africa.comよりThe East African Standard)
  

2. South Leaders launch GSTP new round in optimistic mood
http://twnside.org.sg/title2/twninfo127.htm
Sao Paulo(ブラジル)
 
6月16日に行われた、第3世界のリーダーたちによる開発途上国同士の貿易「南南貿易」を促進する第3回交渉ラウンドは、開発途上国の独自の動きを進めていくだろう。

第3回のGSTP(the Global System of Trade Preferences among Developing Countries)交渉ラウンドにはG77のメンバー国、中国、NGO、メディアなどが招待され、南南貿易の重要性とすすめ方が討議された。また、WTOとどのような関係もつかも話し合われた。また。

コメント 南南貿易はグローバル化が進み、持てるものと持たざるものの差が大きくなっていくなかで、持たざるもの同士の間に者やお金、人を回していく一つの方法としては有意義である。また、南南協力という言葉がNGOなどからいわれているが、開発途上国同士がお互いの持っている知識を交流し、支援しあう関係を築くことで、先進国のプレッシャーから逃れる方法もある。もちろん、WTOが貿易のルールをかなり先進国有利に作っているので、自由に独自に貿易をすすめるのは厳しいと思うので、楽観しできないが、ここにオルタナティブな貿易システムを構築しようという動きがあると思うと、応援したくなる。
(Third World Networkより
  

3.REFUGEE DAY:One Million Wasting Away
http://ipsnews.net/interna.asp?idnews=24276
モントリオール(カナダ)
 
国連安全保障理事会は6月18日に難民問題について議論したが、しかし、世界の多くの危険地帯にいる難民は飢えと闘いながら支援を待っている。現在スーダンで起きている難民の危機的な状況は、現在世界中の難民が抱えている典型的な例であろう。人道支援活動家はスーダン政府がビザの発行と難民支援の許可をゲームでもしているかのように扱い、難民支援に駆けつけられない状況にある。

6月20日は世界難民デーである。地球上の難民の数は1200万人にのぼっており、その75%とは開発途上国にいる。

コメント1200万人以上の難民の多くが女性と子供である。日本でも難民支援のNGOは多く、時々日本でも難民の様子のレポートがTVで流れるので、その困難な暮らしの様子は想像がつくだろう。しかし、難民の数が膨れ上がり、常態化することで、世界の多くの人は難民を忘れてしまうし、援助に疲れてもしまう。「またかぁ」って思うのだ。現在の難民の支援と帰還は大きな課題であるが、人々が難民にならない国づくり、世界づくりも重要だ。無駄に紛争をしない、攻撃をする前に粘り強い交渉で戦争にならないようにすればいいのにと、普通考えるのだが、どうも人間は性急であり、暴力に魅入られやすいらしい。自分の素手で誰かを殴ったら、相手だけでなく、殴った自分の手も痛むのだ。やっぱり痛いことは止めようという、シンプルな発想を相手を攻撃したいと思ったときにできれば、紛争も戦争もなく、普通の人たちが難民にもならなくてすむのではないだろうか。でも、普通、戦争や攻撃をする決定権を持っている人たちって、自分が犠牲になるとは考えないから、無理だな・・・
(IPS “INTER PRESS SERVICE NEWS AGENCY” より)
  

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