Vol.49 2008年7月15日号

能登酒蔵復興市民トラストにご協力を              世古一穂(酒蔵環境研究会代表幹事)

●復興基金から復興トラストへ

 昨年3月25日に発生した能登半島地震によって能登の酒蔵が甚大な被害を受けま した。これらの酒蔵の復興支援のため、酒蔵環境研究会では有志とともに「能登酒蔵復興市民基金」を立ち上げました。北海道、東京、静岡、石川、京都、大阪、福岡など全国各地でお酒の会を開き、被災した酒蔵の様子を伝え、お酒の共同購入を呼びかけ、酒蔵復興のための基金を募りました。「基金」は当初から1年間限定と決めてお り、去る5月に活動期間を終了しました。

●被災した酒蔵が酒造りを再開

 この1年間で、被災した酒蔵はいずれも蔵を再建し、酒造りを再開し、廃業・休業 した酒蔵は一軒もありませんでした。これは行政の酒蔵への補助金や、大工さんなどの民間企業が酒蔵の再建工事を優先的に行ってくれたことと合わせ、私たち市民によ
る能登のお酒の買い支えが、酒蔵の大きな支えになったことは間違いありません。この活動で私たちは「呑みボラ」という新語をつくりましたが、呑みボラが見事に力を発揮しました。
 
●トラストは持続可能な酒蔵支援

 さて、能登酒蔵復興市民基金では、集めた基金を原資に、被災した酒蔵を支援する「酒蔵トラスト」をこの5月に立ち上げました。今年度は中島酒造店とトラストを組みます。
 具体的には、私たちがあらかじめお酒を購入することを約束し、「地元産の米(石川酒52号)」で「金沢酵母」を使用し「精米歩合60%」の「純米吟醸酒」を中島酒造店に造ってもらいます。出来上がったお酒はトラスト会員(募集中)に有償配布します。基金はそのまま残り、翌年もお酒を造ることができます。
  トラストは持続可能な酒蔵支援です。この仕組みは「飲み手」「酒蔵」「地域」との間に「win−win」の関係を創り出すことができます。それを実証するためにも、トラストへの協力をお願いいたします。
  なお、次年度は白藤酒造店でトラストを行い、清水酒造店、数馬酒造の順にトラストを組んでいく予定を立てています。

 

1.はじめに

 本書が語る日本酒は純米酒である。業界統計によると、原料の100%が米と麹からなる純米酒の出荷量は、平成18年度全国で約316千石(約57.0千 KL )と清酒全体の出荷量の8%程度である。それでも清酒全体の出荷量が減少しているなかで、純米酒は横這いにとどまっており、 5年前に比べ出荷比率は上昇している。これは、現在の純米酒の置かれた状況をまさに表していると言えよう。統計上の日本酒全量(添加アルコール重量を含む)との対比では純米酒は 1割に満たない量でしかないが、ここ2−3年は僅かながらも増加をみせているのである。このようになんとか純米酒の生産量が踏みとどまっているのは、本書で紹介するような「挑戦」を続ける蔵元が地域に存在し、それを支持する飲み手がいるからではないか。

 さて、本書を手にとってまず感銘を受けることは、四六版という小振りな本にも拘らず収録写真が豊富であり、モノクロ写真によって酒造りの現場が迫真性をもって伝ってくることである。そして内容は、執筆者代表の世古一穂氏が長年の全国蔵元との交流から得た鋭い見識から、本書の目的のために選んだ 7 つの蔵元に対し、徹底した取材と鮮やかな表現力を駆使して語りかける本となっている。土田修氏、吉岡幸彦氏が執筆する酒蔵を訪ねてのルポは、各蔵元固有の特色を浮かび上がらせるとともに、挑戦する酒蔵に共通したものを引き出している。本書は「日本酒の書物として決定版を世に送る」との気概に恥じない内容と説得力をもっている。そして写真は中島秀雄氏の手になるものである。

 本書完成に至る経緯と内容の紹介は、すでに当メールマガジンの Vol.45 において、執筆者のひとり、土田氏が原稿を寄せており、日本酒への深い想いに裏づけされた文章が綴られている。メルマガ読者の皆さんはすでにご覧になっていると思う。さて評者は、不幸にしてアルコール・アセトアルデヒド分解酵素の保有に乏しく、日本酒に纏わる奥義を語る資格はない。従って本稿執筆の任に堪えない者であるが、それでもなお今回お引き受けしたのは、本書が類書と違い、地域づくり、まちづくりとの連関性を強く打ち出した画期的内容を持ち、その点を紹介できればと思ったからである。

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申し込み用チラシの原稿は下記の通りです

能登酒蔵復興トラスト会員募集中

 平成19年3月25日に発生した能登半島地震で被災した酒蔵を応援するために、私たちは「能登酒蔵復興市民基金」を設立し、1年間の期限付きで募金活動を続けて来ました。そして1年後の平成20年5月に、集めた「基金」を元にして「能登酒蔵復興トラス
ト」を立ち上げました。このトラストは「お酒の飲み手」と「酒蔵」を結びつけることにより、「酒蔵の復興」と「地域の復興」を応援することを目的にしています。能登半島地震で被災した酒蔵を継続的に安定的に応援する「能登酒蔵復興トラスト」にご協力をお願いいたします。

●トラスト対象の酒蔵
平成20年 中島酒造店(輪島市)
平成21年 白藤酒造店・平成22年 清水酒造店・平成23年 数馬酒造
平成20年会員募集中

●入会資格:次の3点に該当する方ならどなたでも会員になれます。
 ・このトラストの趣旨に賛同される方
 ・満20歳以上の方
 ・日本国内在住の方

●会員特典:中島酒造店でトラスト用に醸造した酒を2本(720ml瓶)差し上げます。

●トラストの酒(毎年酒造会社と協議して決定。中島酒造店と合意事項は以下の通り)
 ・純米吟醸酒
 ・掛米に石川県産の酒造好適米「石川酒52号」を使用(精米歩合60%)
 ・金沢酵母を使用

●年会費1口4000円(2本分の酒代+送料+運営費)
 お酒には3月の「しぼりたて」と10月の「ひやおろし」があり、どちらかを選んでいただきます。
 両方を希望される方は2口の申込みになります。

●H20年申込書(申込口数:しぼりたて 口・ひやおろし 口)
 記載事項:お名前・電話番号・e-mail・ご住所(お届け先)

申し込み先:酒蔵環境研究会(代表幹事世古一穂)・東京都新宿区内藤町1−6御苑ハイツ305
 TEL03−5363−9016
 FAX03−5363−9026
 ticn@mui.biglobe.ne.jp


 



 

 

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