Vol.41 2007年8月10日号

協働のデザイン  第27回 真の市民社会の発展に向けて
                         「NPO公共哲学研究会」発足!!!

世古一穂(金沢大学大学院教授 / (特非)NPO研修・情報センター 代表理事)

キーワード・・・ 市民社会、公共哲学、東アジアの市民社会形成、市民社会のメディア理論、
         公開フォーラム

 1998年にNPO法がは施行されて10年、NPOは日本に定着してきたが、 日本の市民社会構築に向けては、その基盤となる哲学が不在である。哲学不在のままでは日本の市民社会の発展の方向性が、状況によってぶれがちである。

 そこで筆者が呼びかけ人となり、下記の趣意書に示すような 「NPO公共哲学研究会」を立ち上げることとなった。

 趣旨に賛同される方は是非参加してください。

「NPO公共哲学研究会」発足について(案)   
   NPO PUBLIC PHILOSOPHY CONSORTIUM  (略称NPPC)

金沢大学大学院教授/ ( 特非 ) NPO研修・情報センター代表理事 世古一穂

1 研究会の趣旨

  「NPO公共哲学研究会」は次の 5 つの柱を目的、ミッションとする

 @ 日本の市民社会の基盤となる「NPO公共哲学」を構築する

 1998年にNPO法が施行されて、NPO法人数は2007年現在、3万法人を越える状況になっている。しかし、社会構造的に市民セクターの財政基盤が脆弱なこと、行政セクターとの協働が強調されているが実際にはNPOが行政の下請け化するなど自立した市民セクターの形成にはいたっていない。

 市民活動団体の基本的な活動理念、ミッション、社会的役割を根本的に問い直す必要がでてきている。

 そのためには日本の市民社会の基盤となる哲学が必要である。

 それは従来の「公共」概念からパラダイム転換し、市民セクターが拓く新しい“公共”を理念化するものである。

 本研究会はそれを市民とアカデミズムの研究者との連携のもとに「NPO公共哲学」として構築し、普及していくことを大きな目的とする。

 

 A プロジェクトを創出し、実証作業を通して「NPO公共哲学」を形成しつつその真価を問う

 アカデミズムで議論すると同時に、日本におけるNPO、行政、企業のパートナーシップにもとづく参加協働型社会を形成していく上での課題を抽出する。その解決方策を、プロジェクトを創出し、実践的に検討、検証することにより、現実社会を変革する哲学として「NPO公共哲学」を形成し、これを普及していく。

 B 東アジアにおける市民社会形成にむけての「NPO公共哲学」としていく

 西洋の市民社会とは異なる日本の文化、歴史を踏まえた日本の市民社会を形成していく基盤となる哲学を構築するとともに 、 東アジアの市民と協力・対話しつつ研究活動をおこなう。東アジアのNPO・NGOのネットワーキングの基盤となる「NPO公共哲学」を研究、創造していく。

 また、これから日本のNPO・NGOは、政府や政党・議員・NGO / NPO、国際機関に対する政策提言活動をますます発展させていくことが必要である。

 そのためにも、環境、貧困、人権等、地球的視野での公正と共存という視点での「NPO公共哲学」を目指していく。

 C 市民社会をエンパワメントするメディア理論の創出

 日本のメディアの批判的研究を通して、市民社会におけるマスメディア、市民メディアの新たな役割について検証し、具体的な市民社会をエンパワメントするメ  ディア理論を創出する。

 D  「NPO公共哲学」の成果の出版

 研究成果をまとめて出版し、「NPO公共哲学」の意義と必要性を世に問い、社会的認知を高める。「NPO公共哲学」のシリーズ化を目指す。

2 研究会の構成メンバー 

 @ メンバー構成の基本的考え方

  ・ 研究会は市民、NPO、企業、アカデミズム、行政関係等の多様な人々によって構成する

  ・ コアメンバーはゆるい固定メンバーとするがコアメンバーの推薦により増やしていくこととする。

 A コアメンバーの中から研究会の運営委員を選び、企画や運営に関する事務や記録を担当する

 B コアメンバー案(●印は運営委員) (下記は 2007 年 8 月 1 日現在のメンバー)

    ●稲垣久和  東京基督教大学教授

    ●世古一穂   ( 特非 ) NPO研修・情報センター 代表理事/金沢大学大学院教授
               NPO研修・情報センターメルマガ編集委員(以下TRC編集委員と略)

    ●土田修   東京新聞記者/ TRC編集委員

    ●岡室美恵子 笹川平和財団 笹川日中友好基金 主任研究員/ TRC編集委員

    ●土屋真美子  横浜市 市民活動支援センター 運営委員

    ●杉澤幹生   ( 特非 ) NPO支援機構すぎなみ事務局長

    ●船戸潔    ( 特非 ) NPO研修・情報センター理事/ 中野区 職員

     福澤郁文   ( 特非 ) シャプラニール監事/デザインFF代表

     長坂寿久  拓殖大学教授/ TRC編集委員

     池内健治  自由が丘産能短期大学教授 /TRC編集委員

     伊藤寿子  社団法人 環境科学センター 研究員/編集者

     久保田裕美 財団法人農政調査委員会 研究員/ TRC編集委員

     伊藤久雄  東京自治研究センター 事務局長 

     李省展(イ・ソンジョン)恵泉女学園大学教授/日韓研究者 

     山内洋    ( 特非 ) まちづくりに夢をつなぐ市民の会

  ※印の方は適宜参加のメンバー   

   ※ 加藤哲夫   ( 特非 ) せんだい・みやぎNPOセンター 代表理事

   ※ 山岡義典  法政大学教授/日本NPOセンター理事

   ※ 世古有佳里 ヨーク大学Phd .

   ※ 高橋伸幸  東京基督教学園/編集者

   ※ 前川実   財団法人 アジア・太平洋人権情報センター 上席研究員

3 研究会の運営方針と運営方法

 ( 1 )運営方針

    @ 研究会のコアメンバーは対等で、それぞれ役割分担をして責任を担う。

    A 研究会の議論は公開を原則とする。

 ( 2 )運営方法

    @ 研究会は定例研究会と公開フォーラムで構成する

    A 毎月1回定例研究会を開催する

      ・曜日と時間:原則として第 4 金曜日  18 時半〜 21 時  夏休み、冬休みは午後

      ・場所:原則として ( 特非 ) NPO研修・情報センター 事務所TEL 03-5363-9016
                   (地下鉄丸の内線新宿御苑前から四谷方面 8 分四谷区民センター裏)

       またはすぎなみNPO支援センターTEL 03-3314-7260 (JR 阿佐ヶ谷駅 南口 3 分)

      ・会費:1回1000円

   B 毎回の進行方法と議論のまとめとその公開について

     ・定例研究会はファシリテーターをおいて議論する。ファシリテーターは運営委員が担当する。

     ・毎回話題提供者をたてレクチャー(1時間)、レクチャーをめぐっての議論(1時間半)、
      まとめ(30分)を基本に議論する。

     ・毎回のまとめを原稿化して、 ( 特非 ) NPO研修・情報センターのメルマガで公開して、
      議論を拡げていく。

     ・読んで反応のあった人を順次コアメンバーに加えていく。

     ・メルマガに「NPO公共哲学研究会」の欄を設け、記事の原稿執筆は運営委員が担当する。

  C  フォーラムの開催

    ・年に2回公開フォーラムを開催し、研究成果を社会化する。

    ・企画は運営委員で立案し、定例研究会で議論、検討して
     フォーラムの運営はコアメンバーが協働して開催する。

 ( 3 )「NPO公共哲学研究会」の運営費用について

    ・定例研究会は参加者の参加費、毎回1人1000円を徴収して行なう。

     参加費1000円の内訳は会場費及びコピー代500円と
     フォーラム開催費の積み立て分500円とする。

    ・フォーラム開催についてはフォーラム開催費の積み立て金とフォーラムの参加費でまかなう。

    ・積極的に助成金を申請して研究活動、フォーラムの開催費用をファンドレーズする。

( 4 )運営委員の役割分担

  ・コーディネーター         世古一穂、

  ・記録、原稿執筆、編集、校正    稲垣久和、土田修、岡室美恵子、土屋真美子

  ・会計               世古一穂、船戸潔

  ・会場、広報 等          杉澤幹生、世古一穂、土田修

 「NPO公共哲学研究会」発足にあたって 公開フォーラムを9月29日、すぎなみNPO支援センターで開催します。
 詳細はリンクのチラシをご覧ください。
 関心のある方の参加を御願いします。

 

 



 

 

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