(3)核となる協働パートナー「ワンデイシェフ」の募集
コミレスの運営方法として「ワンデイシェフシステム」を取り入れたいと思ったのは、事業計画を具体化する2年位前に、四日市の 「こらぼ屋」 というコミレスを知り、実際に現地にうかがい、見学や試食をさせていただき、コミレスネットの海山氏のお話をうかがう中で、自分で料理が出来なくてもレストランが運営でき、シェフの皆さんにも楽しんでいただける素晴らしいしくみであると思ったからである。
ちょうど、身近で、料理がとても上手で、機会があれば手作りのお菓子やランチを提供してくれていたK子さんのことが頭に浮かんだ。ボランティア活動を通しての知り合いでもあり、コミレスという考え方も、想いも共有できそうだったので一番に相談をしてみたところ、興味を持ってくれたので、実現できるかもしれない、という勇気が出た。ビジネスプランコンテストに応募するための事業計画つくりでは、相談したり、協力いただいたりしたが、K子さん以外にワンデイシェフの目処がついていた訳ではなく、開店までに果たして何人(組)のシェフが確保できるか、不安もあった。
それでも、何とか最低でも開店までにせめて毎日ランチを提供できるだけのシェフを確保したいという思いで、いろいろな方々に声をかけていった。しかし、実際には開店の時には4組(5名)の登録があったが、週の内、火曜日と水曜日の二日間だけのランチという状態で見切り発車をせざるを得なかった。そんな状態でお客様に来ていただけるのか、営業が成り立つのか不安もあったが、しかし、無理に誰かにお願いをしたり、自分がシェフとして厨房に入ることは考えなかった。
ここでは、管理人(=協働コーディネーター)は「場」の提供者として、この場を使って、何かをやってみたい、生きがいを見つけたい、夢を実現したい、楽しみたい、元気になりたい、といった人々を応援し、「つくる人」と「ほしい人」をつなぐ場を提供し、多様な想いや情報、物や人が交流し、それぞれが主体的に何かを実現してゆくための支援をする、という「協働コーディネーター」としての役割を実践していかなければいけない。
その中で、一番大事にしたいことは「誰もが主役」である。だから、「てまえみそですが・・・」などと謙遜や遠慮などしないで、得意なこと、好きなことをどんどん持ち寄って、ちょっと皆のために使うことで、人も、まちも、自分も、元気になろうよ!という場と機会を提案、支援しながら、自ら「シェフをしてみたい」という、料理が大好きで、得意な主役の登場を待ち続けている。
2005年11月からスタートして1月後、12月にもう1組(3名)が登録をしてくれたが、残念ながら1組(男性1人)が本業が忙しくなってしまって、シェフに入れなくなってしまった。その後、年が明けて、2月から1組(1名)、5月から1組(5名)、6月から1組(1名)と、少しずつ増えてきてはいるが、まだ全ての営業日にランチを提供できる体制までにはなっていない(2006年8月末現在)。こらぼ屋の海山氏のお話でも、最初は7人の登録から始まって、3年後には50組ものシェフ登録があったということだったので、引き続き「シェフ募集」もしながら、一日も早く「毎日ランチ」を提供できる体制ができることを願っている。
|