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年金改革は女性を激しく攻撃する
LATIN AMERICA : Pension Reforms Hit Women Hard
http://www.ipsnews.net/africa/print.asp?idnews=26744
Santiago ( チリ ) ラテンアメリカで行われている年金制度改革は、ジェンダーに基づいた差別を深刻化させ、税制措置が採られなければ、女性の貧困や脆弱性をますますひどくすることになる。
近代化、自由市場などの新自由主義経済モデルの、ラテンアメリカにおける女性へのネガティブなインパクトの分析は、もっとも完全な年金システムのジェンダー差別に関する完全な研究である。
ラテンアメリカの年金制度改革はチリで1981年に始まり、1990年代に広がった。その目標は財政赤字の解消、米国ワシントンの国際金融機関によってかされた、社会サービスの縮小をすることであった。
女性の労働が家庭内労働であり、また低い収入でのインフォーマル・セクターの労働であり、年金基金への個人の積み立ての資金が難しい。受け取る年金の額は、どのくらいの年金資金を積み立てているかによるので、収入が少なく積み立てができない、または少なく女性は受け取る年金も少ない(または、ない)。また、女性のほうが長く生きる傾向にあり、貧困に拍車をかけている。特に、農村部に住んでいる女性にとって厳しい状況にある。
( IPS Inter Press Service News Agency より)
コメント つい忘れがちだが、南の国々に住む人たちも年金システムを持っている。企業や公務員などは一生働くわけではなく、引退して年金(恩給)で生活する。また、給与所得者や、銀行にアクセスできない人たちは一生働き、貧困の中で生を閉じる。
私たちも年金制度の改革が大きな課題になっている。しかし、日本の場合は財源が少なくなっていること以上に、システムを運用している人たちの不正が目に付く。
年金の問題は財源、運用システム、ジェンダー、貧困、社会の経済活動の環境など、様々な問題があぶりだされる。
ここでは、年金基金を納めなければならないというシステムで、収入が男性より低く、家事労働に従事したり、インフォーマル・セクターで働いている女性は基金を納めることができない。また、女性の年金受け取り開始時期が遅かったり。年金に対して貧困層がアクセスできなかったり。そういうことが語られている。
老後の生活は個人で賄うか、または一生働かなければいけないというのは、洋の東西または南北問わないかもしれない。しかし、社会保障のシステムとして国家を考えては意味がないということか。それならば、国家がある意味ってなんなのだろう?
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