「南」の世界拾い読み 第22回

 このコーナーは、主に南の国々(開発途上国)のメディアやNGO/NPOで流されている情報を中心に独断で選んで、そのサマリーをコメントをつけて紹介していきます。情報の詳細を知りたい場合は、併記のホームページにアクセスしてください。
  今回のテーマは‘女性の性と生殖をめぐる権利'。人権として大きく捉え、世界的な動きを包括的に述べている記事、地域の性教育の現状、そして最も読むものの胸をうつケニアでの具体的な事例を取り上げた。 (本田真智子  ( 特非 ) NPO研修・情報センター常務理事)

1. 適切な性教育は性暴力や性感染症の蔓延などを防ぐ可能性がある
EDUCATION-LATIN AMERICA : Let's (Not) Talk About Sex
http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=32929

Mexico City (メキシコ) ラテンアメリカの多くの国では、小学校や中学校で性教育をしなければならないが、多くの場合はなされていないか、満足の行くものではない。

 アルゼンチン、ブラジル、チリ、キューバ、メキシコ及びベネズエラの IPS の特派員による非公式な調査によると、キューバをのぞいて性教育は行われていないか、行われていてもつぎはぎのようなものである。

 子供のために考えられたものではない、単なるテレビの広告などのよる性情報しか手に入らないこの地域の子供たちには、適切な性の知識が不足している。教育者、国連の専門家、市民活動家などは、このような性情報の不足により、子供たちに対する性暴力、性感染症の蔓延、10代の妊娠及び望まれない子供たちの誕生などを生み出していると警告している。

 ラテンアメリカの地域では教会や、それ以上に保守的な団体によって性教育の促進が妨げられてきた。また、キューバでは性教育が幼稚園から大学まで行われており、妊娠や結婚による学校中退者の著しい現象という成果を得、国連人口基金に評価されている。しかし、いくつかの研究ではキューバのより若い世代で性的な活動が活発になっているという結果も報告されている。

( IPS Inter Press Service News Agency より)

2. “ノーセックス、ノーフィッシュ”
Kenya: Sex-for-Fish Trade Still Flourishing
http://allafrica.com/stories/200604200083.html

Nairobi ( ケニア )  朝の風をきって、2隻のボートは競争するように岸に向かった。ビクトリア湖で最も賑わいを見せる海岸には、水揚げされた魚を手に入れようとカンガをまとった女性たちが、籠を手にして押しかけ、怒ったように叫んでいる。

 ボートを係留させた漁師が「今日は信用取引はしないよ」と叫んだ。それを聞いた30歳の女性、アナスタシアは顔に失望を浮かべて、遠くの丘を見つめた。彼女は前日、信用取引で魚を得ようとしたが、漁師に300ケニアシリング分の魚と引き換えに性交渉を要求され、抗議して立ち去ったのだ。

 “ノーセックス、ノーフィッシュ”

 この海岸で働く75%の女性はよそからの移住者で、未亡人や、離婚した女性、未婚女性で、自分たちの稼ぎで家族の生活を支えなければならない。ここでは、魚を得る際、漁師に性交渉を要求される。それがこの地域に HIV /エイズを蔓延させる原因にもなっている。

 この地域は漁獲高が高い割には、人々は貧しさに苦しんでいる。 それが女性たちの就学を困難にさせている。教育がないため、女性たちはますます貧しさに苦しまなければならない。そのため、教育者たちが中心になり、この地域の貧しい女性たちの境遇の改善のための、教育キャンペーンを行っている。学校中退者のための支援、裁縫のトレーニングなどの支援をすすめている。女性たちを漁師たちからの性交渉の強制から救い出している。

( all Africa.com より)
 

3.多くの女性たちが妊娠によって死んでいく現実
Right to family planning: A new human right
http://southasia.oneworld.net/article/view/130802/1/

 女性たちが自分たちの問題を国内で解決できない場合は、国際的な舞台にその問題を提起して解決を図る。 家族計画の権利、体と子供の数を決定する女性の権利を獲得する闘いも、この戦略がとられた。世界人権宣言がされたときに、家族計画の問題は議論されなかった。しかし、現在は、過去の1世紀の置ける経験と、女性の地位の向上などにより、女性の権利と生殖における自己決定権は、一般的な人権や他の権利に大きな影響を与えると理解されている。自分たちの暮らす国の、教育やトレーニングを受けたり、自分の経済活動、政治への参加、文化への参加なども含まれている。

 女性の政治的 /法的な権利と比べて、家族計画の権利は新しいものだが、先進国の女性運動などにより、大きな問題となってきている。

 南の国々での女性の地位、性と生殖を巡る状況は相変わらず厳しいものであり、多くの女性たちが妊娠によって命を落としている。

 ( One World South Asiaより)

コメント 何かもっともらしいコメントを書こうと思ったが、思い浮かばない。女性がそして子供たちが性的に虐待される、性をめぐって不利益を与えられるという記事を読むと、どうしても感情的な反応しかできなくなる。ケニアの例など、はらわたが煮えくり返る。

 やはり経済的に自立することが性差別から脱出することになる。そのためには情報が大切であり、その情報を入手する力を持つこと、峻別する知恵を持つことが重要だ。だからこそ、教育を受けて、情報を自分で詠み、考える基礎力を持つことが必要になる。やはり、教育って大切だなぁとしみじみ思う。

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