4.素材選びと手作りをモットーに
「野の花」ではメンバーが当番制で店に立つ。今のところ謝礼程度の時間給しか出せない上、他に仕事をもっている人、自分あるいは連れ合いの親の介護をしている人なども多く、店の仕事をみんなで分担し合うという意味で交代制という形をとっている。店に立つことができないメンバーも、会計、買い物、ケーキを焼くなど自分ができる形で運営に関わっている。複数の人が調理に関わることに加え、厨房設備も限られているので、メニューはコーヒー・紅茶・ココア、ハーブティー、ジュースなどの飲み物、日替わりケーキ、おにぎり、あっさりアツアツうどん、カレーうどんといった軽食に限られている。
しかし、食材に配慮し、共同購入品を中心に減農薬・無農薬・有機栽培の北海道産の野菜や米、添加物の入らない調味料、遺伝子組み替え対策済のものをできるだけ使うように心がけている。
また、一品一品に心を込め、ていねいにつくってお客さんに出している。コーヒー、紅茶、ココアは何度も何度もおいしい入れ方を練習した。おにぎりは注文を受けてから握る。外はカチッとしていて中がふっくらとなるような握り方を心がけ、中身には手作りの梅干や添加物の入らない天日干のかつお節を使う。うどんのだしも自分たちが選んだ素材を使って作っている。
食事を注文してくれたお客さんには当番の人が用意したおかずや漬物がつく。週 1回「蕎麦の日」があり、メンバーの連れ合いが手打ちする蕎麦を出している。
お弁当やオードブルも注文を受けて販売している。近隣の町内会や老人クラブなどが主なお客さんである。今年は幼稚園・小学校の運動会用のお弁当の注文があった。日々の軽食とは異なり、お弁当やオードブルづくりはメンバーの料理の腕前を十分に発揮できる機会であり、各自の得意料理やアイディアをもとにメニューが決まっていく。
その他、「野の花」では、ケーキ、クッキー、あんまん・肉まん、ぎょうざ、草もち、おはぎ、豆乳、漬物など各メンバーが得意とする手作り食品を販売している。
素材にこだわり、ひと手間かけた「野の花」の 料理・食品 は評判が良い。お客さんに「おいしい」と喜んでもらうと本当にうれしく感じる。
今、レストランや居酒屋では業務用の冷凍食品が大量に使われていて、大根おろしまで冷凍品を使う店があるそうだ。また、スーパーやコンビニではたくさんのお弁当やおかずが売られていて一見おいしそうに見えるが、実際に買って食べてみるとがっかりすることも多い。素材も素性が不確かである。
そんな時代だからこそ、素材を吟味し、ていねいに手作りした料理、お弁当、お惣菜をより多くの人に提供したいと思っている。店で提供するものの品質を維持させるため、 料理・食品 に対し、お客さんから、あるいは他のメンバーからも率直な感想をもらえる雰囲気を作っている。クレームがついた時は謙虚に受け止め改善している。
近隣の町内会や老人クラブ等へのお弁当、オードブルの注文も。少しずつ地域でのお得意さんが増えている
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