――ブッシュ再選の印象は。
トッド氏「これまで賢くないのはブッシュ個人だといわれていたが、再選によって今後は米国民全体がそう見られる。世界中で反ブッシュが反米に変わる恐れがある」
――今回の大統領選は重要な歴史的選択といわれた。
トッド氏「問題はブッシュかケリーかではなく、五千億ドルと史上最悪に膨れ上がった双子の赤字に象徴されるように、米国自体が非常に弱っていることだ」「米国はこれまで他国を利用し、他国に依存する形で繁栄してきた。猛禽類のように弱者の肉を食べて生きてきたと言える。しかし最早限界だ」
――これからの米国はどのように進んでいくのか。
トッド氏「国家を維持するには二通りしかない。一つはこれまでの帝国主義を続けること。もう一つは米国人の生活水準を切り下げること。二割低くすれば経済危機を回避できるが、そこまでできるだろうか」
――米欧関係は修復できるか。
トッド氏「欧州にできるのは、関係修復ではなく完全に自立することだろう。既に車も電化製品も米国製は消え、日本などアジア製ばかり。米国はそれほど衰退している」
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