― 読者の感想から ―

「NPO協働e-news」の読者から寄せられたの感想を紹介します。
多くの方からの「NPO協働e-news」をよりよいメディアにするためのご意見ご感想をお待ちしています。
  

1.『言論のデザイン』について

●「第5回 自立した地域づくりのチャンス」のとりわけ最後の文章に感銘を受けました。
《合併特例区は今のところ合併市町村のみに適応される制度で、5年という時限があるものでしかないが、この制度を活用した自治体での地域自治の成功例をもって合併する、しないに関わらず、一般に活用できる法人格をもった地域自治組織として制度化する道をさぐれないか、地域内分権、多様性のある統合の方策として一般制度化の方向を目指すというのが前提である。》
一連の政府の施策に対して、「中央主導の合併論議」「アメとムチ」といった批判がありますが、批判も大事ですが相手が思っている以上の効果をこちら側が上げてしまおう、というしたたかさも重要と考えます。合併特例区による試みは、旧町村区単位ではあるものの、現状の引き伸ばしではありません。コミュニティ自治が今までなかなか行い得なかった多くの自治体が、初めて経験する形になってくるはずです。そして、特例区で得た経験を、市(町村)内の他地区でも行っていく、一般制度化につなげていけばコミュニティ自治の新しい展開に繋がっていくことになります。特区制度は、既に幾つかの分野で省庁が全国適用しているものが生まれてきています。安易な妥協や、お上の方針に従うだけではなく、しかし反対ありきのアマチュアリズムからも脱却した地点での市民の意識転換は、行政の意識改革にも発展することでしょう。財源のしっかりした確保のもとでのコミュニティ自治の展開は、税金の使途を納税者が決めていくという制度併用へのきっかけともなると思います。合併特例区を合併ありきのものとしてだけではなく、一般制度化、全地域への波及まで見据えて捉えることは非常に重要なことだと痛感いたしました。
(NPO職員 男性)

●「第4回 指定管理者制度を検証する」を読んで。指定管理者制度について、三重県でも今秋から初導入される予定です。「二者の協働ではなく、第三者に開かれ、公益性をもったサービス提供であるか、その成果を市民が評価するしくみが不可欠」とありましたが、ともすると導入することだけが目的化して、官から民への移行が進んだように捉えてしまいがちであることから、導入後の状況も気をつけて見ていかなければならないと感じました。
(行政職員 女性)
  

2.『世界の潮流とNGOの動き』について

●『「フェアトレード」商品に目を向けよう』を読んで。
 恥ずかしながら、「フェアトレード」といういう言葉を初めて目にしました。日用品や食料品を購入する際に訪れるスーパーやコンビニエンスストア、商店などでは、フェアトレード商品を目にした事がありません。あるいは私の目に入っていないだけ、ということもあると思います。
 記事を拝見してから、インターネットで複数のフェアトレード商品を扱うサイトを見てみました。NGOのサイトや個人での輸入販売のサイトなど、検索してみると続々HPが見つかり、改めて自らの認識不足を感じました。
 記事内にもある通り、企業の社会的責任という概念は環境問題という側面も含め、ここ数年随分浸透してきているように思います。しかしながら、この「フェアトレード」に関しては、企業よりも個人やNGOの活動が活発なように見受けられました。
 公共広告機構のコマーシャル、というのもとても良い案だと思います。やはり多くの方々にアピールするには、テレビCMを使った広報、というのはかなり有力だと思います。
 多くの市民が利用するコンビニエンスストアやなどで、「フェアトレード商品のコーナー」が設置されれば、特に若い層にも認識が広まり、将来的に持続する制度になるのでは、とも感じました。
 今後は、個人的に何か購入する時に、フェアトレード商品も選択肢のひとつとして、積極的に検討していきたいと思います。
(財団職員 女性)

●『「フェアトレード」商品に目を向けよう』を読んで。
私自身買い物好きということもあって、「フェアトレード」という言葉は知っていた。公正な取引を通じて、生産先の自立を促すという仕組みは、何かの役に少しでもたつんだという付加価値がつくように思え、商品を購入する際には、選択基準のひとつとなっていた。しかし、本当に公正な取引が行われているかとなると疑わしかったため、結局は、フェアトレード商品だからという理由で購入したことはない。
現在、周囲には商品が溢れているので、消費者には選択の自由がかなりある。選択した商品に何らかの価値があるから購入するのであり、その判断は、人によって様々だ。販売者も選んでもらうための戦略を練っていて、どの業態でも生産者が見える商品販売をしているように思う。スーパーマーケットに行くと「○○さんが作った大根」や「この牛肉は□工場で加工しました」というPOPがつけられているし、ハンバーガーショップに行くと、加工の手順が書かれたポスターが貼られていたりする。私が子どものころ、そんな広告は見た覚えがない。これは、消費者が生産形態に注目し、購入の基準になっている証拠だと考えられる。
そういった中で、フェアトレードを根付かせるのであれば、消費者がどれだけ販売者・生産者を信じることができるかという問題がある。そのためには取引が見える体制を整えて情報を公開していくことや、消費者を満足させる品質を保ち続けることが必要だと思う。もちろん、取引が不正なものになったり、E-news本文にもあるようにブームになったら増産してその後の体制を考えないなど、フェアトレードの目的の一つである「生産国の自立支援」を阻害しては意味がない。
消費者の選択で世界は変わると私も思う。自分だけが満足すればいいという考え方は最終的に自分に跳ね返り、環境や治安の悪化につながっている。その悪循環を断ち切る可能性をフェアトレードは持っている。E-newsを読んで、フェアトレードの基準制度を知り、今まで疑っていた部分を違った目で見ることができるようになった。これからも今まで同様注目し、賛同できる取引商品は購入して、ささやかな社会貢献をしていきたい。
(NPOサポートセンター職員 女性)
  

3.『知の有効性を拓く』について

●「第5回 改憲論と非政府的視点(4)」の土田氏の論点は非常に共感するものがあった。「自己責任論」の異常さは自分の中で論理として上手く整理がつかないものであったが、『「自衛隊撤退論」を人質の「自己責任論」へすり替え』『政府・与党に操作されたマスメディアは日本の世論を不毛で内向きな「自己責任論」へとせき立てた。』というくだりを読み、漸く腑に落ちた。そして、もうひとつ危惧すべきは、こうした操作されたマスメディア報道に易々と乗せられてしまう国民の多さである。私の周囲でもNPO活動に対する嫌悪感、敵愾心をもって事件を語る人間の何と多かったことか。北朝鮮の小泉首相訪問後の家族会への批判が集中したことも記憶に新しいが、これもイメージに流されやすい衆愚の共通の問題があるように思う。TRCメールマガジンはこうした問題について深く考える私にとっての重要な教材になっている。仕事中にはまってしまうとあっという間に時間が経ってしまうのが問題ですが…。
(会社員 女性)

●昨今は目や耳を塞ぎたくなるようなニュースが多くて常に重苦しい緊張感で暮らしているのですが、フイリピンのイラク撤退ニュースに救われる思いでした。しかし、マスメディアには私の納得のいく論争もなく、土田修氏の提言にやっとホットしております。環境も経済もどん詰まりのなかで、私達日本人は「民主主義」とは、「平和」とは、「本当の豊かさ」とはと言った地球人としてのしきりなおしが必要なようです。気の遠くなるような話ですが、「人の心が戦争を生むなら、人の心が平和を創る」ことを我が身に言い聞かせつつ市民活動を継続していきます。TRCメルマガが心を揺さぶる発信を続けてくだることを期待しています。
(NPO代表 女性)
  

4.『南の世界拾い読み』について

●「南の世界拾い読み 第5回」を読んで、個人的な意見としては少年犯罪の大きな原因の一つは食べ物にあると思う、精製された食べ物(白砂糖、白米)や化学合成物質ばかりを多く取りすぎると、肉体的にも病んでくるが、同時に精神的にも病む。日本で昔ながらに食されてきた伝統的な食生活に戻ることが可能ならば、すぐにキレる子どもも減ってくるのではないだろうか。また、世界の経済格差が大きくなっている問題は、不当に安い賃金や価格で先進国があまりにも有利な条件で経済取引を行っているからであり、今後はフェアーな取引にしなければならないと思うし、それをやっていきたい。
(企業 男性)
  

5.『協働コーディネーター養成講座修了者の活躍する現場から』について

●第1回NPO法人まちづくりネットワーク京都「アジアの中の京都」プロジェクト』を読んで
「協働コーディネーター養成講座修了者による取り組み紹介」ということで、興味を持って読ませていただいた。
京都以外の人間にとって、京都は修学旅行で訪れる場所、歴史と伝統の息づく観光地といったイメージが色濃い。日本史の中での京都については今までにも多く取りざたされているが、「アジアの中の京都」という切り口で、学識者ではなく実際に生活する人々の視点で企画・実施される講座は興味深い。
また、一般的な講演とは違い、参加者が体験と理論の両方により学ぶ形式は、講師陣がホンモノであればこそ実現可能なものであると思う。日々の生活の中に根付いているさまざまな文化が日本独自のものではなく、外国文化との習合により形成されたものであることなど、自ら体験することが参加者への深いおとしこみにつながっていると思われる。趣意にも記載されているとおり、老舗の若手後継者や職人といった現役の人々が企画レベルから責任を持って関わっている点は、市民のまちづくりへの意気込みを感じるし、官主導では実現が難しかったと思う。
ただ、少し残念だったのは、講座修了者が本プロジェクトに対し、協働コーディネーターとしてどのように関わりを持ったのかが記事からは分かりづらい点である。事業実施報告のような感が否めない。記事前文にある「講座の成果」ということがどういうことか判断しかねるため、コーディネーターとして、この事業に実際に関わっていたのであれば、修了者による協働コーディネーターの視点でのくだりがあれば、より参考になったのではないかと感じた。
(NPOサポートセンター職員 女性)

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