TOMJINの聖地巡礼レポート ザ・サードインパクト



第6回 夜霧よ今夜もありがとう?


何といっていいやら、申し訳のしようがない。
去年巡礼に行ってからそろそろ1年が経とうというのに、いまだレポートが終わってい
ないではないか。
しかも、またぞろ巡礼を計画しているからタチが悪い。

まあ、それはそれとして。
何事もないかのように、レポートいってみよう。

岩屋を出て、国道を走ること数十分。
もう記憶の彼方の、あるレストランに入る。
何やら、名物料理があるということで入ったらしいのだが、はっきりいって覚えていな
い。ただ、とにかくハラが減っていたので、おいしかったということだけは覚えている。
いや、実際おいしかったと記憶しているが、どんな料理を食べたかまで覚えていない。
で、ひとしきり食事を終えたところで、東京へ戻る組と、岡山に残る組に分かれ、それ
ぞれ車に分乗した。
現代文明の利器、カーナビを信じて、ひたすら美星町へ向かって走る。
筆者が運転する車が先頭になって走っていたのだが、何やら高速道路に入るに至って、
心配になってきたらしい。
後ろを走る同行者から、筆者のケータイに電話が入る。
「美星へ行くんですよね?」
うーむ。
そう言われてしまうと、正直自信がない。
だが、すでに高速道路に入ってしまっている。
いまさら逆走もできないので、どう答えたか考えていると、標識が見えてきた。

美星 40キロ

なるほど。
そういうわけで、筆者が自信ありげに返答する。
「まちがいないっす」
当たり前だ。
無言の返答だった。
しかし。
40キロ?
それはそれで、結構な距離ではないか。
いつの間にそんなに美星から離れてしまったのだ。
そんなわけで、しばしの間、高速道をひた走る。
高速道を降り、山道を走り、やっとのことで到着した美星町は、曇りだった。
お約束の青空市場で買い物をし、アイスクリームなどをほおばりながら休憩を取る。ま
あ、すぐそばに今夜の宿である「ペンションコメット」があるのだが、美星に来たから
には一度はたちよらないと気が済まない。
筆者は今回、アイスクリームのほかに、前から食べてみたかった「美星のパン」を買っ
てみた。
手作りの出来たてと聞いていたが、店内に入ると、ほとんどの品物が切れており、仕方
がなく残り物を買ってくる。
宿で食べてみようと思い、丁寧にくるんでもらって車へ運ぶ。
休憩も終わり、岡山組と帰京組がそこで分かれ、筆者たちは二日目の宿「ペンションコ
メット」へ向かう。

到着すると、気のよさそうな主婦然としたオーナーが出迎えてくれる。

ペンションコメット

で、部屋のカギをもらって中に入ると、畳の感触が心地よい。
周りが山だということもあってか、非常に静かで風も涼しい。

ペンションコメットより

ただ、さすがに7月なのでクーラーをつけようとスイッチを押すと、もわーっと異様な
ニオイが室内に充満した。
「なんだこれは!?」
「まさか、毒ガス!?」

「いや、ちょっと待って」
と、慌てる筆者をなだめた唐須さんが、クーラーを止めてフィルターを見てみると、ま
あすごい。
びっしりとホコリがついているではないか。
そりゃにおうわな。
唐須さんはその手の職業ということなので、フィルターを掃除すると言い出し、せっか
くなのでお願いすることにした。
しかしまあ、岡山まで来て、エアコンのフィルター掃除をするとは思いもしなかっただ
ろう。
で、落ち着いたところで、室内を見てみる。
畳敷きの部屋と、ロフトがついている。
どんなのだろうと、ロフトに上がろうとはしごと見ると、これがまたすごい。
普通、階段などを思い浮かべてみると分かると思うが、下から上へ上がるには階段はナ
ナメになっているのが普通だ。はしごとて、地面から屋根へ上がるには、地面に垂直に
立てかけるより、家の壁にナナメにかけたほうが上がりやすいだろう。
ところが、このはしご、壁にぴったり張り付くように設置されている。
しかも、1段目の足をかけるところが異様に高い。
これでは、まず懸垂の要領で身体を上へ上げないと、足をはしごへかけることができな
い。

ロフトへのはしご

それでも何とか上へ上がったわけだが、写真を撮り終えて降りるときになって、さらに
重大なことに気がついた。
高い。
しかも、はしごとロフトの距離が結構ある。
はっきり言って怖い。
手に汗握って、しかもカメラを落とさないように降りるのは至難の技だった。
しかも、最後は、はしごから飛び降りないと降りられないのだ。
小人数で行くときは、このロフトは使用しないことをお勧めする。今回、勇気ある景虎
さんが使用したのだが、夜中にトイレに行くときに、寝ている筆者のすぐわきに飛び降り
てきたときは、さすがにドキドキした。


高いー。怖いー。

おっと、いきなり夜になってしまったが、それ以前にいろいろ行く。
室内であれこれ話をしたり、ノートに記念の一言を書いてもらったりしているうちに、
夕食の時間になる。
ペンションコメットの食事は、おいしくてボリュームがある、と聞いていたが、うわさ
にたがわぬもので、正直筆者は、食べ残してしまった。
おいしいがゆえに、今になっても悔やまれる。今度行ったときは、残さず食べようと心
に誓うのだった。
ペンションコメットに泊まる際には、昼食を抜いておいた方が懸命である。たとえ昼食
を抜いたにしても、それを補って余りある食事に満足することだろう。
で、ふくれた腹を抱えて今夜のメインイベント、美星天文台へ行く。
んがっ。
曇ってるんだな、これが。
しかも、霧まで出てくる始末。
そんな中、筆者は強引に写真を撮る。

美星天文台

宇宙・・・?

フラッシュをたくと、霧の粒子に光が乱反射して写真にならないので、フラッシュなし
で撮ってみた。
さて、中へ入ると、いきなりお土産売り場。なんかすごい。
どうやって入場するのかと思ったら、とりあえず受付らしいところがあるので聞いてみ
ると、入館料300円ということだった。
一人300円を払って入場したはいいが、外は曇りな上霧が出ている。
待っていれば晴れ来るだろうかと、館内をぶらぶらしながら、しばし待つ。
しかし、晴れる気配はない。
それでもいちるの望みをかけて展望台に向かう。
が、無情にも展望台は、曇天のため使用不可であった。
泣く泣くドームが閉まったままの展望鏡を撮影し、お土産を買って帰ってきた。

展望鏡

帰るころには、あたりはすっかり真っ暗で、特に天文台付近は照明制限がなされている
ため、とても怖い。真っ暗なのだ。ほんとに。自分の手すら見えない。当然、同行者の
姿など見えるはずもない。
少しの間だったが、真の闇というものを体験した。アニメ的表現だと、真っ暗の中に目
だけが映っているような、そんな感じである。
天文台から離れるにつれ、照明の数も増え、ようやく普通の夜の道に戻ってきた筆者た
ちだったが、まだまだ闇の恐怖は続くのだった。
天文台からかなり離れたところにある駐車場まで戻り、車に乗り込んだわけだが、照明
制限があってもなくても、もともと街灯の少ない美星町の夜の霧は、ドライビングには
まったく向かない。
フォグライトを点けても前がまったく見えないのだ。
交通量がないに等しいので、事故にはならなかったが、あと少しのところで曲がり角に
ぶつかるところだった。
それでも何とか、宿に戻ってきた我々は、順番に風呂に入る。
ここの風呂は、いわゆるほんとにお風呂で、ご家庭のバスルームより少し大きい程度の
ものである。
だから、入る時間帯が悪いと、あまり気持ちのよいものではない。
我々はかなり遅い時間に入ったため、お湯がぬるまっている上、前に入った人の髪の毛
が浮いていたりして、長湯をしようとは思わなかった。
食事が終わったら、真っ先に入ることをお勧めする。
そして、上がる際には、できれば、浴槽を見て、自分の髪の毛とかが浮いていないか確
認してから上がるようにしていただきたい。
そんなこんなで、夜になり、疲れもあってか、我々はすぐに眠りについた。
翌日はいよいよ最終日である。



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