貴女の視界   

君の目の高さは 僕と同じ
僕たちは同じ世界を見ていた
                              
互いに見上げることもなく
見下すこともない

さまざまなものを 同じ視点で見ていた

君の視界から いろんなものが消え
僕だけが 残った

僕の視界には君以外のものも映っていた

時を経て 君は本来の視界を
取り戻した

ただひとつ 言えることは 何時、何処で逢っても
僕たちの視界は いつも同じ



   分霊   


暖かく 柔らかいものを
互いの魂に刻み合った

君は大粒の涙で それを包み
僕は無言で 受け入れた

この空の下で
君が元気に生きていてくれれば
それで いい

風に吹かれ 長い髪が揺れる
天を仰ぎながら 君はすり抜けてゆく

僕の魂が歩いて行く
君の魂が ここにある




輝く人へ


魂の粒子が 喜んで踊っていたのが分かった
きらきらしたものに接すると 
その振動が伝わり 震え出す

一時、粒子の喜びが 切なさという振動に変わったが
あなたの粒子は更に強くなり
私の粒子も更に強くなった

どうして互いに こんなに強くなれたのだろうと
思うとき 君の言葉を思い出す
「最高の私を目指します  輝いてみせます」

長い時の流れはあるが
その言葉を信じ 私もまた
輝く自分を目指す




永遠   


あの時の心は永遠に残る

心は日々 変わってゆくものだが
あの時の心のまま 僕たちの過去は
存在している

頂点まで 上り詰めた心のまま
僕たちは 離れ離れになった

それ故 今がどうあれ
僕たちの心は 永遠のものとなった


四季の想い


早春に君と出会い 桜咲く風の中で
暖かき心に触れた

照り付ける太陽のもとで
君の強さと無邪気さを知った

初秋の涼やかな風に触れ
揺れ動く心を 自然は見透かしていた

降り積もる雪の中 募る想いに
言葉が漏れる

桜散り蓮華の咲く日 動いて止まった
二人の心

節目ごとの季節の匂いが
これから何度も僕らを迎え
僕らもまた その風に触れる

悲しいのでもなく 切ないのでもない


哀願  


想いが充満し 瞳から溢れ出た
潤い 枯れるその繰り返し

僕の言葉は 君の瞳を濡らし
君の決意は 涙を天に返す

幾度それを繰り返しただろう

だめですか?
・・・僕は答えられない・・・

千切れそうになる心

幸いだったのは 暖かな日差しが
僕らを包んでいたこと

最後には何度も涙する君が
可笑しくなって 二人笑った


眩い力 


僕の知らないところで
再び君は 歩き出した

僕の言葉を信じ 自分の力を信じ
本当に強くなった

君が眩しい 
そして そんな君を誇りに思う
君が僕を誇りだと言ったように
僕も君を誇りに思う

誰に認められる訳でもないが
貴女は僕の誇りです