私のアコーディオン

ちっちゃいちゃん  でっかいちゃん

 私のアコーディオンは、ボタン式といって、鍵盤の代わりにボタンがいっぱい付いています。パッと見るとタイプライターのような感じだけど、その姿はとってもスタイリッシュで、”楽器って美しい”なんて素直に感動しちゃう。一番最初に買ったアコーディオンは、本体も蛇腹もベルトもみーんな真っ赤で、ボタンは白で貝殻のような模様がきらきら。パリの楽器やさんで出会ったときは、体中の血液がざわっとしたくらいの一目惚れでした。右手には62個、左手には80個もボタンがついているので、最初出会ったときはドレミもわからず、ただ頭がくらくらしたものでした。彼女は小さめなので、”ちっちゃいちゃん”と呼ばれています。立って演奏したりするときは、大活躍。彼女の音はとてもノスタルジックで、かわいい。

 2つ目のアコーディオンは、ちっちゃいちゃんが、がーんとパワーアップした感じ。その名も”でっかいちゃん”(そのまんま)。彼女は希望の色や音色をメーカーにオーダーして作っていただいたもの。彼女の本体はラメ入りの渋いエンジ色で、蛇腹はエンジ色で白い縁取り、そしてボタンは一つ一つに、”しずく”と呼ばれる透明感のあるミラーがはめ込まれてます。このボタンに照明があたると、きらきらと本当にきれい。ボタンの数も右手70個左手120個なので、彼女はその名のとおりとてもでかい。ちっちゃいちゃんには2つしか音色がないけれど、でっかいちゃんには5つも音色があります。でっかいちゃんの音色は本当に渋くてシック。

 彼女たちはミュゼットという独特の音色を持っていて、ミュゼット・アコーディオンとも呼ばれてます。見た目は鍵盤のものより全体的に小さめだけど、ちっちゃいちゃんでさえ、3オクターブ半もあります。

 さてさて、彼女たちに出会って、17年が過ぎました。最初はドレミもわからず、くらくらしていた私でしたが、今ではなんとか仲良くやっています。ちっちゃいちゃんで8キロ、でっかいちゃんで11キロ。やっぱり重い。腰や肩は大変ですが、これからも、よろしくね!

あかねのいでたち   モドル