高橋青年のステファン・グラッペリ物語13「音楽の日」

高橋青年のステファン・グラッペリ物語

13「音楽の日」


1995年6月 パリ、モンマルトルの丘にて

 フランスでは毎年、夏至の日(6月20日頃)は「音楽の日」です。
 パリは普段から路上で演奏している人が多いのですが、この日ばかりは特別で、物凄い数の音楽家が、街のいたる所に出現します。
 街角、地下鉄、カフェなど、本当に凄い数です。

 高橋青年と山口あかねもパリに住んでいる時、この「音楽の日」に遭遇して、大変驚きました。
 そして「いつか自分達も演奏してみたい」と思いました。

 1995年6月、高橋青年と山口あかねは、フランスへ行って「音楽の日」に演奏してみる事にしました。
 二人はモンマルトルの丘で、大正ロマン風の衣装を着て演奏しました。

 せっかくパリまで来たので、高橋青年は、グラッペリに会えないかと思い、連絡を取ってみました。
 すると、グラッペリはレコーディングの真最中で、二人をスタジオに招待してくれました。
 二人がスタジオに行ってみると、グラッペリは、ミッシェル・ペトルチアーニというフランスのジャズ・ピアニストとレコーディングをしていました。
 この時の録音は、「フラミンゴ」というタイトルでCD化されています。


1995年6月 パリのスタジオにて

 スタジオで、マネージャーのジョゼフさんが、二人を見つけて嬉しそうに言いました。
 「この間日本で君たちにもらったシャツ、グラッペリが気に入ってよく着ているよ。」

 二人はつくづく、「グラッペリは花柄のシャツが好きなんだなぁ」と思いました。

つづく

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