私がどうしても欲しい奇妙な本 2000.6.10
 私が出会った本・読んだ本はたくさんありますが、その中で、一番印象に残っている本というと・・・
小学校3・4年生頃に図書室で読んだ本、「おとうさんがいっぱい」です。確か、小学校低学年向けの本だったと思う。かなり大きめの文字だったことを覚えている。表紙はおとうさんの顔が3つ描かれていた(謎)。子供向けの本なのに、内容は、ホントに奇妙なお話ばかりで、短編が5つ(全部、私が生まれる前に書かれた話らしい)。 その本は何度も何度も図書室から借りて読んだので、今でもよく覚えている。何度も読んで、怖い思いをしていた・・・。(←怖い思いが、喜びだった・・・あぶなっ!)
 その中の、「僕は五階で」という話は、鍵っ子の少年が、自分の団地の5階の部屋から出ようとして、出られない話。ドアからでても、自分の部屋に戻ってしまう・・・隣の部屋や、下の階にはいりこむけど、どうやってみても、自分の部屋に戻ってしまう・・・出前を頼んでみると、自分のところにはこないけど、どこかの部屋に配達され、電話で確認してみると、店の人は少年に渡したと言う・・・。自分が異次元?の世界にいってしまい、誰からも気づかれていないという孤独感を味わう奇妙な話。タイトルにもなっている「おとうさんがいっぱい」という話は、ある日おとうさんが3人に増えてしまい、混乱してしまう話。他にも、おとうさんが壁の中に入ってしまう話や、夢の中にでてくる子供が自分に成長していく話など・・・が収められている。
 昔から、変わったものが好きで、怖いものが大好きだった私は、その奇妙な怖い話を気に入ってしまった。話は全部、主人公が小学生。今思えば、全部、「自分の存在」について、考えさせられる話ばかりだったと思う。「決まった生き方」、「暮し方」、「ものの見方」を変えるということは、どういうことなのか・・・。今までどおりにしてきたことを、少し変えるだけで、大きく変わるものがあるのに、「いつもの生活」、「元どおりの暮らし」の方を選んでしまう・・・。一つの決まった人生、親に決められた人生・・・を歩んでいくことが当たり前になってしまうことの怖さを伝えていたのかもしれません。
 話は戻って・・・・・・。私は、小学校卒業する時に、絶対その本を持って卒業しようと決めていた(盗むつもりだったんかいっ!)。それくらいにその本が大好きだった(じゃ、店で買わんかいっ!) 卒業式間近に図書室へ行ってみたら、本を隠していた場所に本がない(隠してたんかいっ!)(^_^;)。どこを探しても見つからず、結局手ぶらで卒業・・・・(あたりまえじゃいっ!) 中学の時から、ずっと・・・1年に一回くらい、その本を思い出し、欲しいなぁと思う。
 で、今日がその1年に1回の日だった(笑) ネットで書籍の検索をかけて、探してみた。その本がやっと見つかった(^^)。その本は、25年前に出版され、1988年に別の出版社からも出たらしい。本の内容や著者についての詳しいこともわかった。(著者・三田村信行という人は、怖い話・奇妙な話を他にも、たくさん書いているらしい。)早速ネット上で本を注文した(笑)。早ければ、今週中に本が届く。ホントに楽しみっ!!たかが小学生向けの本とはいえ、約20年欲しいと思いつづけたものが、手にはいる瞬間がすぐそこまできている。何度も何度も読んで、小学生の時の気分に戻るんだろうか・・・。