〜陰陽道と泰明の師について〜

 
ゲームの基礎をなすのが「陰陽道」です。
生まれた日を藤姫に教えると、あなたが五行のどれに属するのかが判ります。
五行には生かす相性と剋する相性がありますので、
お目当ての方とはどうなのかも、ちょっぴり気になる所ですね。
ところで陰陽道とはどんなものなのでしょう。
今ブームになっている風水や、動物占いなどは陰陽道を元にしていると考えられます。
森羅万象の理を哲学的に解き明かしたもの…
さて、この世界の成り立ちを陰陽道的に解釈すると、
まず、陰陽の二極が発生し、そこに木火土金水(もっかどごんすい)があり、
万物はそれで成り立っているという事になります。
では、ここで日本の神話に記された世界の成り立ちを見てみましょう。
混沌の中に、造化三神が天と地を作った。
そして、イザナギとイザナミの2神を作る。
この2神は夫婦の神となり、子生みをするが、その子供が所謂日本列島である。
更に2神は色々な子(神)を生む。最後に生んだ火の神に身体を焼かれてイザナミが
死んでしまうと、それを悲しんだイザナギは死者を追って黄泉の国へ向かう。
イザナミを取り戻せなかったイザナギは、黄泉の国からの帰りに川で穢れを落とすをする。
その時に生まれたのがアマテラス・ツクヨミ・スサノオの3神である。
とまあ、こんな所です。何となく根底に流れるものは同じですね。 ジャンプして来た場合ここから戻る
 
泰明の師について
泰明の師は、本人が言っているように安倍清明です。
平安時代の日本で、陰陽道を極めた高名な陰陽師で、一条戻り橋に式神を隠していて
必要な時に呼び出していたようです。
ゲームの世界は、まさに清明が活躍していた時代である事を物語っていましたね。
お話の中でもチラッと触れてありましたが、清明の出生は謎に包まれてい、
片親が人間ではないという説もあるようです。そういえば泰明も人間ではないんじゃないかと
言われてしまうエピソードがありましたね。
ゲームでは、朝、泰明を誘おうと思っても、「陰陽寮出仕中」で不在な事があります。
陰陽寮とは陰陽道の勉強をする所で、どうやら泰明はここの陰陽頭を務めているようですね。
 
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〜泰明はなぜ無駄な言葉を嫌うのか〜

 
ゲームの中で、はじめ泰明の言葉のきつさに驚く神子と永泉のエピソードがありました。
じきに泰明は無駄な言葉を嫌うという事が判るのですが、それは何故でしょう?
それは、日本が古来より「言霊幸はう国」と言われてきた事に所以があります。
「言霊ことだま」とは、人の発する言の葉にも力が宿っているという事です。
ゲームの中でも、セフルが「呪詛の言葉や罵りの言葉」に力があると言っていましたが、
つまりは肯定的な言葉にも否定的な言葉にも、物事をその通りにする力があると言う事なのです。
つまり、言葉も呪術や祈祷と同じように思っている泰明が、無駄な事を言ったが故に、
その通りになってしまう事を避けようとする彼なりの理屈なのかもしれませんね。
 
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〜私って穢れなの?!

 
泰明との恋愛が進む中、苦悩する泰明に「女は穢れだ。」と言われて驚く神子のシーンがありました。
さて、「穢れ」とはゲームの豆辞典では「神聖なるものの力を削ぐ不浄なもの」というような説明が
あります。よく、「ご神体である神聖な山には女性は入ってはいけない。」とか「炭坑は女人禁制」
とかいう言葉も耳にします。遙か〜のユーザーは圧倒的に女性なので、ここの所は非常に気になりま
すね。そこでまず、穢れの定義についてお話しましょう。
遙か〜のゲームの世界「京」で穢れとは、「呪詛」「物忌み」「怨霊」等を指しましたが、
現代にはその様な観念はありませんよね?では、現代にも存在する穢れはなにかというと、
主に「血液」「出産」「死亡」がそれに当たります。身内に死者がでた年のお年賀を失礼するのも、
そういった「穢れ」観念から発生して続いている慣わしなのです。
もちろん、物の怪や物忌みなどの観念が当たり前だった平安時代当時の「穢れ」の中にも
これらは入っていたと思われます。
つまり、女性が穢れであると泰明が言った真相は、「女性は月の経血が穢れである。」という事で
あって、女性の存在自体を指すものではない訳なのです。もっと言えば、もし泰明が棘で指を切っ
て出血したら、彼は自らの出血を穢れとし、出血が止まるまで自室に篭って居る事でしょう。
…泰明の言葉にショックを受けた女性の方、安心して戴けましたでしょうか?
では、もう少し補足をしておきましょう。女性自体が穢れではないと言う確証のひとつに、
「野宮」を思い出して戴きます。ゲーム中では、斎王に任じられた女性が潔斎を行う所でした。
そうそう、内親王が禊を行う場所として、白虎のイベントでも登場していましたね。
「斎王いつきのみこについて説明をすると、神典「古事記」「日本書紀」に記された日本で最も
尊い太陽の女神「天照大御神」の祭祀を、俗世間とは隔離された“斎宮”で執り行う女性の事でした。
この役目は、代々天皇の血縁から選ばれました。斎王の由来は、第10代崇神天皇の夢枕に天照大御神
が現れ、御神座を遷すよう神勅を受け、それまで天皇が直接お祭りしていたご神体を遷すことにし、
今を遡る事2004年前、第11代垂仁天皇の皇女(天皇の娘)倭姫命(やまとひめのみこと)が伊勢に
お祭りした事に始まります。(現在の伊勢の神宮)現在は斎宮は存在しませんが、伊勢の神宮の大切な
祭祀を行うのは今でもやはり、天皇の血縁の女性なのです。
少し、話が長くなってしまいましたが、最後にもうひとつ。
「穢れ」とは、祓い清める事が出来ます。一番判りやすい例が、戦闘中に使う「撫物」です。
力の具現化で手に入る人型をした絵が描かれた札で、麻痺や毒を治す力があります。
「穢れ」とは、通常とは違う異常な状態の物全般を指す為、麻痺や毒の状態も穢れな訳です。
それを祓うこの札は、現在でも6月と12月に行われる「大祓」で、使われている物と同じと
思われます。大祓では、紙製の人型に息を吹きかけ身体の悪い部分を撫でて焚き上げる事で
身の穢れを祓い無病息災を祈る祭りなのです。要は人型を自分の身代わりにして穢れを取り除く
訳です。(地域により異なる)
また、白虎イベントにあった「内親王の禊」も、穢れを祓う行為のひとつです。
(みそぎ)についてもお話しましょう。上記に書いたように、禊は穢れを祓う手段のひとつです。
名前の通り、「身を削ぐ」という意味合いがあり、身に纏う穢れを取り払う効力があります。
それだけに禊を行うには精神力を要します。禊の方法も地域により様々ではありますが、
代表的な禊についての記述がこのページにありましたので、そこをもう一度読んでみて下さい。
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…という訳で、日本最古の禊と思われるのが、川の水で身を清める行為だと思われます。
友雅殿がゲームの中で、野宮には霊水が湧いていると言っていましたので、恐らく内親王はその
霊水で禊をしているのでしょう。
 
 
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