私は
 by ayarin      
私は、スモルニー学園中東部…おっと、違った中等部の1年生。
お菓子を作るのがだ〜いすき(*^_^*)
今日から行われる、コンテストに出品するために頑張っちゃうんだから♪
ディア先生〜。
 
「あら、 良く来たわね。頑張ってコンテストの出場権を獲得してね。」
 
ええ、もっちろんです。がんばりますよ〜。
さて、さっそくお菓子作りをしなくっちゃ。。。
って、ちょっと待って。通常の授業はどうしたのかしら?
こんな事にかまけていたら、普通のお勉強を忘れちゃうわん。
ええ、本当はね。
うふふ。
私の意中の先生は保健体育の先生なんだからね。
そっちのお勉強もやんないと、楽しみが減っちゃうもんね。
 
そんな訳で、普通の授業をやっている教室にやってきましたわ。
お菓子作りは、明日からにしましょう。
 
「よう、お前はコンテストに出るのだと聞いていたが、こちらにも顔を出してくれるとはな。先生嬉しいぞ。」
 
保健体育の魚篭透先生が感涙にむせび泣くのを見ながら、私はほくほくで保健体育の授業を満喫しました。
 
 
 
そして翌朝。
さぁて、がんばるわよ〜。
 
お菓子を作るレシピを教えてもらうため、わたしは取り敢えず家庭科室に向かった。
廊下を歩いていると、こんな会話が耳に入った。
    …なんでも、お菓子を作る材料を手に入れるためには、高等部の素敵なスイートナイツの皆様と援助交際しないとダメみたいなのね。
はい?
私は思わず目が点に…。
そんな、馬鹿なでしょう。
ネオ・ロマンスじゃなかったの?これ。
それに、高等部なのに、援交?スイートナイツといえば、学園の超アイドル9人でしょう?こっちがお金払いたい位…おっとっと(~_~;)
 
さて、動揺しているからいまはあんまり喋らないでおこうっと。
取り敢えずはディア様のお話を聞こう。そうしよう。
 
「あら、レシピを習いに来たのかしら?」
 
「それもそうなんですけれど…材料はどうやって手に入れるんですか?」
 
「材料は…
スイートナイツという、高等部の9人の男の子の事はご存知よね?
彼等と仲良しになって、彼等の街に連れていってもらえば手に入るわよ。」
 
取り敢えず私はディア先生の元を後にした。
彼等と仲良くなって…家に連れてってもらわないといけないなんて、それってそれって…。
ぐるぐる妄想が渦巻いて、誰にしようか悩みに悩んだ。
うーん。
気が付いたら教室の前に来ていた。
大好きな魚篭透先生。
先生の事は、諦めなければいけないのだろうか…。
せめてその前に、先生の鍛えられたちからこぶくらい触っておきたいわ。
がらりと教室のドアを開けると、中にはayarinが居た。確かayarinもコンテストに出場するはず。。。
 
「あれ?今は休み時間だよ〜。」
 
ayarinはレシピの本を見ながらチョコレートを食べていた。
TVとかで特集をしている食べ物って、食べたくなるんだよね。うん。
 
「そういうの見てると、食べたくなっちゃうのよね〜」
 
私がそういうと、ayarinも「だよね」とか言いながら私にチョコを差し出した。
私もayarinの隣に座ってチョコを食べつつレシピを覗いた。
 
「ねぇ。。。変な噂を聞いちゃったんだけど…知ってる?」
 
「もしかして、材料を手に入れるためには9人のスイートナイツを落とさないといけないって事?」
 
「そうそう!!ねぇぇ、それってきっついよね〜!!」
 
やっぱりayarinもそれを気にしていたのか。そりゃそうだよ。9人は辛いよ。
それに、アンジェリークはもともと低年齢を対象に作られたゲームだよ。しかも、今回学園物なんだから。。。
 
「まったく、本当にどうなってるんだろう。でも、スイートナイツってみんなかっこいいよね!
ねぇねぇ、 ちゃんなら誰を落とす〜?」
 
ayarinと私は、一緒に美術部のマネージャーをやっている仲だ。
しかーし!マネージャーとは表向き、実は2人で美術部長の私設ファンクラブを設立しているのだ。
もちろん、抜け駆け無し、囲む時は仲良く、をモットーにやって来た訳なのである。
2人がコンテストに出場するにあたっては、やっぱり暗黙の了解が必要でしょう。
 
「私はね〜、ゼフェル先輩にするっ。うふふ。」
 
「そうだね。ayarinは昔、幼馴染のゼフェル先輩に追っかけまわされて、芋虫とかで苛められてたからねぇ。じゃ、私はジュリアス先輩にしよう。」
 
私がそう言うと、ayarinはゲラゲラ転がって笑い出した。
 
ちゃんらしいね〜。あの、こっわーい生徒会長を落とすんだぁぁぁ。流石だよぉ〜。」
 
…どうやら、私がこれを機会にジュリアス先輩のお笑いの一面を開発しようと目論んでいる事を見破ったようだ。
ジュリアス先輩が、自分の手下分のオスカー先輩を「落研」に無理矢理入らせている事を、私達は知っているのだ。
落研部長のクラヴィス先輩が授業をサボらないように監視するためとジュリアス先輩は言っているが、フフフ実は違うのだ。
そして、我等がリュミエール先輩からは、いつもの厚かましさを発揮して、クラブ活動の時に2人がかりで材料を分捕ろうという手はずを整えた。
 
さて、これからが大変だ。
スイートナイツの先輩の居場所を探さなくては。
ayarinは、ゼフェル先輩が所属する学園HP作製同好会に行っちゃった。
あの子は先輩と幼馴染だからいいよねぇ。。。
さて、ジュリアス先輩は今の時間、どこにいるんだろう?
 
   生徒会室     乗馬クラブの部室
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
生徒会室の前にやって来た。
はぁぁぁ、ここにくると緊張するよ。滅多にこんな所こないもんね。
ノックをしてみる。
  「はーい、どーしたの?」
副生徒会長のレイチェルが出てきた。
 「生徒会長のジュリアス先輩いますかー?」
 「残念だねー。会長はたった今出ちゃったよ。ごめんねー。」
 
…残念。では、乗馬クラブの方に行ってみよう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
乗馬クラブの部長をしているんだから、ここには居るでしょう。
そう思って部室を覗いてみるが、部室はからっぽ。
 「なにしてんの?」
急に背後から声をかけられて、私は心臓が飛び上がるほど驚いた。
びっくりして振り向くと、そこには、校則違反No1のオリヴィエ先輩が立っていた。
「ハッハーン。オスカー探してるんでしょう。まったく、あの下半身無節操男めが。」
……はい?オリヴィエ先輩、ぴー入っちゃってますけど…。
「ち、違います!!」
「あらぁ、別に隠さなくったっていいんだよぉ。乗馬クラブに女の子が来て、今までオスカー目当てじゃなかった事はないんだから。
みーんなそうなんだよね。まったく、あんな歩くハーレクイーンロマンスのどこが良いんだか。」
オリヴィエ先輩はむっちゃ嫌そうな顔をしていた。
3日前に自分の彼女を寝取られていればそれも無理無いか…って、これもぴーだわね(~_~;)
「あ、そういやあんたってばリュミエールんとこの美術部の女の子じゃない?やーだ、もしかしてリュミちゃんに頼まれて偵察〜☆ミ
あのこったら、清純そうな顔をしてやっぱり暗黒系だったのね。あの目つきは常々おかしいと思っていたけど。」
…あぁ、話が思わぬ所に飛び火しているよ。
「ち、ちがいますってば!私はジュリアス先輩を探しているんですー」
やっとの事でそう言うと、オリヴィエ先輩は目を真ん丸くした。
「はー?あんた、リュミエールの部の後輩でしょ?もしジュリアスに呼び出しくらってんなら、リュミエールに相談すりゃ、あいつ庇ってくれるよん。」
だーかーら…呼び出しなんてくらってませんってば。
そりゃ、ちょっとは髪染めてるかもしれないけど、オリヴィエ先輩が居る限り、この位平気だもんね。
なんだかブルーデーモードのオリヴィエ先輩を逃れるべく、私はほうほうの体でその場を逃げ出した。
 
仕方が無い。ジュリアス先輩を探すのは放課後にしよう。
放課後なら確実に居場所が判っている。
私は取り敢えず、午後の授業を受けに教室に戻った。
 
 
「あ、 ちゃん、どうだった?」
 
教室に入るとayarinが嬉しそうに聞いてきた。
 
「居なかったよジュリアス先輩。それどころか、オリヴィエ先輩に絡まれて大変だったんだから。」
 
「そりゃ、大変だったね。あ、そうか。乗馬クラブに行ったんでしょ?オスカー先輩の居る。」
 
「当たり。それよりayarinはどうだった?」
 
「うん。それがね、ゼフェル先輩ったら全然昔と変わってないんだよ。
あのね、うざってんだよ!とか言っておっぱらわれちゃったよ。」
 
どうやら私達のスタートは散々に始まったようだ。
 
午後の授業は物理だった。得瑠素都先生は催眠波を出す事では有名な先生だった。
 
 
さて、放課後がやってきた。ayarinの声援に送られて私は乗馬クラブが使っている馬場にやってきた。
あぁ、居る居る。
乗馬クラブの部員の3倍はいそうな、オスカー先輩の取り巻きの女性徒達。
私の到着した垣根も、すでにそんな先輩達でぎっしり埋まって、とてもジュリアス先輩に接近するどころではないようだ。
困ったな…。
諦めて帰ろうとした時、偶然クラブに出てきたオスカー先輩と鉢合わせた。
オスカー先輩は私を見て フフン と鼻を鳴らした。
,…と思いきや、いきなり私の手をとり跪いて (^・^)チュッ をした。
 
「…フ、俺の可愛いお嬢ちゃん。新顔だな。ちょっとばかりライバルが多いが、君みたいな可愛い女性は大歓迎だ。
俺のファンのお嬢ちゃん達に負けないように、頑張ってくれよ。じゃ!」
 
オスカー先輩は、爽やかな笑顔を残して去っていった。
あぁ・・・あの様子じゃ、すっかり私のことを自分のファンだと勘違いしているよ。トホホ。
私のお目当てはジュリアス先輩なんだけど。
…おっとまて。オスカー先輩が残していったものがもうひとつあるようだ。
遠くからこっちを見ている女性徒達の視線が痛い。
きっと、ライバルが増えたと思いこんでいるに違いない。
うーん、面倒だから誤解は解いておきたいなぁ。。。
 
 
オスカー先輩とその取り巻きが去っていった閑散とした馬場の垣根に寄り掛かっていると、
向こうから金色の光がぴかぴか近づいてきた。
まぎれもない、ジュリアス先輩だ!
 
「ジュリアス先輩!!」
 
私が駆け寄ると、ジュリアス先輩は驚いたようにこちらを見ている。
 
「…入部希望者か?……いや、良く見るとそなたは一年生。学園で判らない事があるならいかような事でも私に尋ねるといい。」
 
口調は堅いが、言ってる事はリュミエール先輩並に優しいじゃないですか!
私は小躍りしながらこう言った。
 
「ジュリアス先輩!ケーキの材料下さい!!!」
 
 
 
 
……我ながらなんとストレート。
しかし、その判りやすさがジュリアス先輩に大いにウケたようで、こうして私はジュリアス先輩のお家に招かれ、
ジュリアス先輩の大邸宅のひろーい台所で、たった今ケーキを作っている。
ジュリアス先輩がくれた材料は
・スポンジスーパー
・いちご
・生クリーム
これは、私の頭の中には「??????????????」というレシピになっている。
一体こりゃなんだ?私に何をつくれと?
まあ、せっかくなので私は取り敢えず作ってみることにした。
 
「おいしくたのしくつくっちゃお♪」
 
 カチャカチャカチャ
 
「でっきたぁー」
 
出来あがったのはおっきなおっきなバースデーケーキだった。
 
「…私は学園中の生徒の素行から履歴までチェックしているのだ。そなたは今日誕生日であろう?
この材料がそなたにはピッタリかと判断させてもらった。」
 
おお、なんと嬉しくも恐ろしい。
ジュリアス先輩と食べるバースデーケーキ。
思わぬ贈り物に、私はとっても嬉しかった。
こう見えてこの方は一途とみた。
この方を落とすには既成事実が1番!
 
 
私は、中等学部だという設定をすっかり忘れて、幸せなお誕生日を過ごしました。
 
 
ちゃんちゃん♪めでたしめでたし♪>本当か?
 

 
ちゃん、お誕生日おめでとう!!
あなたが主役のお話を贈ります♪
しかし、なにか間違っています。
とにかく、謝っときます。「ごめん!!」<m(__)m>(笑)