突然ですが、今回は調子を変えてSFについてちんたらと書いて行きます。
題してSFはお好きですか?

 

 

突然ですが、2000/09/06、この日 The Radiant Seas (邦題 『制覇せよ、光輝の海を!』)を読み終えました、Asaro CatherineのSkolian世界を舞台にしたSFです。
ちなみに http://www.sff.net/people/asaro/page_RS.htp にThe Radiant Seasに関する公式サイトが開かれておりますのでご参考にしてください。
ところで訳書のカバーのSozのイメージと原書のイメージがかなり隔たりがあるのが結構興味深いですね;^^ って言うか、向こうの人の感性と日本人の感性の違いが覗えて、おもしろいもんです。ちなみに日本側のイメージでは、なんって言うか、やはり漫画やアニメの影響が伺われ、あちらの人は基本的にハードな絵なわけね
話の内容に関しては、Primary Inversion(邦題 『飛翔せよ、閃光の虚空へ!』)の続きです。

ちなみにPrimary Inversionに関しては、現在4章まではこちらで http://www.sff.net/people/asaro/chapspi.htp 読むことができます、ただし原文です ・・・・ かく言う私も原文でちょっと辛いのですが、だらだらと読んでいます。無論、訳書は既に完読しているので、話は知っているのですが;^^

ストーリをざっと紹介しますと、
未来の人類社会を二分する星間勢力同士のVIP同士が恋に落ち、周囲を巻き込んで駆け落ちをする・・・って言うのがPrimary Inversionの全貌で、今回のThe Radiant Seas はその後の二人のお話でして、話しの結末には二人の間に生まれた子供がオチを掻っ攫うってお話です。ちなみに舞台における我々地球の位置付けは、弱小な第三勢力ではっきり言って問題外の勢力です
私的には近年、久しぶりに出会ったヒット作です。


この世界で使われるSF小道具は、体内にコンピュータを埋め込んだ強化人間(さらにナノロボットを飼っています)やDNAをいじった人類、テレパスをベースにした情報補間システム(作品内では超感ウェブと呼ばれています)、量子固定化技術、虚数空間に飛び込む星間航法です。
改造人間の中に埋め込まれたコンピュータに自己認識力、個性があるのが面白い発想ですね。だって持ち主に反対意見を言ったりするのですよ。また、量子状態を操作する技術ってのは興味深かった。ただこの超感ウェブのベースとなる超感空間というものに関しては、いまひとつ具体的なイメージが掴めなかった・・・・・これは前作においてもそうでした。


さて、 Asaroに関してはサイトがあるので是非ご覧になってみてください。

http://www.sff.net/people/asaro/
http://www.geocities.com/CapeCanaveral/Lab/7439/

 

Asaroに関してはこの辺りにして、ここからは個人的に影響を受けたSFを一部ご紹介します。

 


まずは Cherryh, Carolyne Janice です。
この方の作品に始めてであったのは、80年頃に出たDown Below Station(邦題 『ダウンビロウ・ステーション』)からです。ただし、Down Below Stationはたまたま紀伊国屋で82年ごろに出合って読み始めたのですが、あまりにもたるくって途中で挫折しました。その後、和訳版が出版されたので改めて邦訳で読みました。
話は面白いのですが、途中で幾度挫折しそうになったか・・・・呼んでいる途中で眠くなるお話展開でした。
ただ、Cherryh からは、人工的に人間を造り出す世界のアイディアにはびっくらこきました。技術的に将来には確実に現実社会にブレークスルーするテクノロジであるとは思っていましたが、その利用法について当時の私にとって、倫理観な衝撃を受け、目から鱗でした。
優秀な人物のクローンを大量生産した軍隊や遺伝子を改良した社会・・・・作品を読んだ当時は、私にとっては斬新でした。
その後、 CyteenやRimrunnersを邦訳で読みまして、やっぱり疲れる作家だな〜がわたくしの率直な感想です。
Cyteenに関しては・・・・・眠くなった。
Rimrunnerは面白かったです。

Cherryhに関するサイトがありましたのでURLをあげました。
http://www.cherryh.com/
作品一覧が窺えます。
http://www.asahi-net.or.jp/~UE4K-NGT/bnavi/cherryh_cj.html

 

続いては Haldeman, Joe のThe Forever War (邦題 『終わりなき戦い』)です。
こちらは最初に呼んだ感想は、Heinlein, Robert A の Starship Troopers (邦題 『宇宙の戦士』)のリメイクかいな・・・・ただ、改めて読み直すと、Heinlein の作品が単純な戦争SFで、アメリカ的正義感万歳的な作品なの対して、Haldeman の作品はヴェトナム戦争を体験したアメリカらしい作品で、戦場で苦悩する青年兵士、そして敵の終わりの無いゲリラ戦に精神的にまいり、兵役を終えても社会生活に復員できない苦悩、そして戦争と無関係な社会に住む人々の格差・・・・やっぱり全体的な感想としては
Heinlein は Starship Troopers で第二次大戦を経験した健全なアメリカを未来社会にイメージを当てはめ、Haldeman はヴェトナムを経験した病んだアメリカ社会に未来社会をフラッシュバックしているようです。
この作品は、私にとって一兵士の内面を精密に描く手法を勉強させて頂きました。

 


さて、Williams,Walter Jon のAmbassador Of Progress (邦題 『進化の使者』)ですが
分断された星間人類社会が、再び星間社会として結成しようとする話です。文明的に後進化した惑星社会を、一方的に先進文明が一方的理由によって文明侵略を行うお話です。
読んだときに浮かんだのが Bradley, Marion Zimmer (本名?Zimmer, Marion Eleanor)の Darkover シリーズでしょうか。
もっとも、Willamsの作品は、異星生命体連合の人類に対する懲罰軍団が迫っているため、急遽、人類社会は全人類生存圏の力を結集して対抗しようというお話です。一方、Darkover は漂流した星間航行船が漂着し退化した人類社会を再発見した人類星間社会との交流をベースにしたお話です。
どちらの作品も一読の価値がありますので、読んでみては如何でしょうか?
さて、Darkoverに関するサイトを紹介します。

http://www.lang.esys.tsukuba.ac.jp/~koyanagi/darkover/site/index.en.html
http://www.mzbfm.com/

 

McCollum, Michael を続いてピックアップ
とりあえず二タイトルを紹介します
  Antares Dawn (邦題 『アンタレスの夜明け』)
  Antares Passage (邦題 『アンタレス突破』)
この二作品は個人的に思いで深い作品です。

まず、Anters Dawn ですが、こちらは原書を悪戦苦闘しながら読んでいる最中に邦訳版が出版され、渡りに船で、結局、邦訳を読みました・・・でぇ、なぜ思い出深いのか?
それはですね、ちょうどその時期はSFを読むのを断っており、たまたま偶然、新宿の紀伊国屋をぶらついており、友人との待ち合わせまでの時間つぶしに立ち読みしてはまったのが Antares Dawn だったのです。以後、Anters Passage は邦訳がでるまで我慢していました。

未読の A Greater Infinity (邦題 『時空監視官出動!』 )は是非読みたいのですが、いまだ入手出来ていません。(読めるんでしたら原書でも和書でも、なんでもかまわないのですが・・・・・さすがに英語以外の言語は読めないからな・・・・・)

さて、 この二作ですが、SFの小道具は至ってメジャーなものを使っています。
恒星に縛れたゲートウェイをベースにした超空間航行技術、そして生理的に人類に対し嫌悪感を懐いている異星生命体、それ以外は基本的に現代の(素直な)延長線の世界観で構築されています。
アンタレスをハブにしていた惑星が、アンタレスの超新星爆発により人類社会から孤立、百年ぶりに人類社会と交流を持てたが、そこでは異星生命体との壮絶な死闘を繰り広げる人類社会があったっていうお話です。しかも人類が苦境に追われているってなネタです。
しかし、作品全体を通しては、技術的な描写がしっかりと描かれているおり、さらに話の展開もスムーズに進み、読み応えはあります。

 

Sheffield, Charles のThe McCandrew Chronicles (邦題 『マッカンドルー航宙記』)
みょうちくりんな重力制御技術など存在しません、ただブラックホールを生成可能って言うマジックが主人公のマッカンドルーを星間の冒険に旅立たせてくれています。
お話的は地味で、マッカンドルーという名の天才(意外と偏屈もの)が星間航行船を設計し、周囲が大騒ぎするお話です。もっとも星間船といえども光速の呪縛からは逃れていないため、船自体は高加速が可能なだけです。
ただ、この高加速を実現するアイディア自体は私の個人的に執筆しているお話の星間航法システムのベースになっています。

ついでに Sheffield の作品で印象に残っているのは Sight of Proteus (邦題 『プロテウスの啓示』)です。
たしか生体改造がどうたらこうしたってなお話で、原書では続きが出ており、日本では中途半端な状態のままほったらかしになっております。
結局、なんだったんだろう、この話し・・・・

 

なんかこれ以上紹介していても切りがないので今回は次で最後にします・・・・もし続きをご所望でしたらリクエストのメールなどをください。

最後です。
こちらはSFに対する新たな可能性に気が付かせてくれた作品です。
もっとも今では様々な方々のお目について、割かしメジャーな作品になっていますが・・・・
TiptreeJr., James の短編で、The Only Neat Thing To Do (邦題 『たったひとつの冴えたやりかた』)
誕生祝い贈られた宇宙船で冒険を夢見た少女のおはなしです。
The Hugo Awards は惜しくも Zelazny,Roger の 24 Views Of Mount Fuji, By Hokusai に掻っ攫われたそうですが
是非、未だ未読でSFに興味のある方は読んでみてください。 一読の価値はあると思います。

 

 

ご意見、ご感想、ご要望等々はこちらのメールアドレス takamegu@lycos.ne.jp までご一報ください。

それではまた・・・・・・高松恵

ついでですが、私が趣味で書いているお話にご興味ある方は、こちらのサイトへどうぞ!
http://www1.pos.to/~shogetsu/bluePlanet/bp_Index.shtml



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