「コンピュータと戯れて」第二段




サブタイトル「いろっていろいろ・・・・」





前回は白黒までで話しを終えましたが、今回は初っ端から色で始まります。
まずは辞書を開いて「色」とは?
目に見えるものが持つもっとも普遍的な属性の一つ。
赤・青・黄および白・黒を基本とし、その中間の種類が無限にある。色彩。カラー。

黒・白およびその間色を除いたもの。
・・・ なかなかな説明ですね、とくに二番目にはまいりました。一般用語としての「色」にはこんな意味があったのですね。
ちなみに今回は学研の「グランド辞スパ」という辞書ソフトを使ってみました。



それでは気を取り直して

色とは、前回もちらりと説明したように私たち人間が視覚器を通して認識した光の波長なのです。もっとも私たち人間の場合、可視光領域と呼ばれる限られた範囲の電磁場の波長しか認識できません。人間の以外の生物、例えば昆虫や爬虫類、はたまた魚などには可視光領域以外の波長領域を認識できる生物もいますが ・・・ 基本的にそれらの領域は扱いません!だって CRT やプリンターから視覚に映らない色を塗ったって無意味だし

話しを戻しましょう。

まず「色」という媒体を情報体として取り扱うためには、「色」というものの定義から始めなければなりません。定義することで私たちは「色」を定量化することができるのです。
「色」が定量化されてはじめて私たちは「色」を情報体として取り扱うことができるようになります。もっともここでなされる定義は、あくまでも実用にあった定義になります。つまり科学(物理の理論)的に正しいかどうかは二の次です。
ようはやろうとしている事象にもっとも都合のいい形で定義すればいいのです。あとはこの定義に基づいて定量化された情報体を用いる手法が存在していれば私たちの事象は達成されるのです。
定量化の前に「色」は如何にして実現すればよいのか、実はこれは意外に簡単で、単純に幾つかの基本色となる原色を混ぜ合わせることで実現することができます。
例えば一般に幅広く知られているのが RGB (テレビなどでよく見受けられるあの RGB です)と呼ばれる生成手法です。
色の基本三原色などと教わった方もいらっしゃると思いますが、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の三色を混ぜ合わせることで幅広い範囲の色彩が表現できるのです。ただ、この混合方式はあくまでも発光入射光同士の加え合わせにしか使えません。つまりですね、三色の光を発する光源が必要になるのです。
さて、貴方の前にあるテレビあるいは、いま目の前にある CRT に水滴をかけてみて下さい。
( ただし液晶モニターをご使用の方はやめておいてね、壊れても責任持てないから ・・・ ところで CRT は Cathode-Ray Tube の略で日本語では陰極線管と呼びます。基本原理は真空管上に電子ビームを通し、磁力によって湾曲制御した電子ビームに発光体を照射させます。すると意図したところの発光体が意図する色を発光する仕組みです )
水をかけるのが嫌な方は虫眼鏡で画面の表面を拡大して見てみてください。
( このような行為は眼に非常に悪いため、拡大したモニター表面を長時間見た結果、資料の低下や障害を負っても私は責任を取れませんので、適度に判断してください。皆さんの良識を私は信じています )
するとモニター表面上に無数の蛍光点が見えるはずです。その光点をさらによく見てみると赤・緑・青の集合体で構成されているのが判るかはずです。遠目には色彩豊かなモニターも実は単純な三色の Raster パターンによって構成されたもの過ぎないのです。

話しを戻します。

異なる原色の加え合わせによって多彩な色を実現するこの手法は一般に加法混色と呼ばれています。加法が Additive と呼ばれることから RGB からなる基本三原色は Additive Primaries Color と呼ばれます。
さて、話しの目的は「色」の定量化でしたよね、まずは定義から始めましょう。
「色」とは、有限の基底要素から成り立つ体としましょう。すると基底要素に対する重みを調整することで「色」を得ることができるはずです。

言葉を簡単にしましょう。

「色」とは基本色の混合によって生成されたもの、基本色を度合いを調整することで「色」は表現されるものとします。
あとはこの基本色を線形的に加え合わせればよいわけですから、「色」の定量化は基本色の度合いを値とすれば実現されます。
これで当初の目的は達成されましたが、実はまだまだ奥が深く、光を放つ CRT のような媒体ならよいのですが、プリンターで出力された紙のように光を吸収し、反射光で色彩を表現している媒体では、RGB のような定量化はうまくいきません。

そこで今度は、光を吸収する媒体に対する「色」を規定します。基本は加法混合と同じです。つまり「色」に対する定義は同じです。
ただし、加法は発光色に対して、反射光を扱う訳ですから「色」の基本色が異なります。基本は 青(Cyan)、赤(Magenta)、黄色(Yellow)の三原色(CMY)ですが、これにもう一つ、墨(blacK)を追加した CMYK が一般に用いられます。ここで注意していただきたいのは「一般」という言葉です。これは CMYK を用いる媒体に依存された基本色に対応したため、つまり紙を対象にしたためなのです。
一般的な無地の紙の色は白になります。そしてこの白とは、入射光が反射した結果、殆どの可視光波長を反射した結果の光が、私たちの光学視覚器に受動された結果になります。
では「色」は?
入射光に対して、意図的に反射光を制御すればいいわけで、結果的には入射光を吸収して必要な波長領域だけを反射すれば「色」を人為的に再現することが可能になります。そのため光を減らすわけですから、この実装方法を減色混合法、横文字では Subtractive と呼ばれます。続いて基本原色に対する横文字は、Subtractive Primaries Color になります。

さて、減法混合色の原色ですが、前述を見て頂くと CMY と CMYK の二つを紹介しましたが、これはですね、さぁ、絵具を取り出して白い紙に ・・・ そんな実験をしなくていいですよ、簡単(?)に説明します。ようするに白い媒体に「色」を表現するにあたって、原色を用いて白を徐々に減色するわけですが、CMY を幾ら配合しようが黒という「色」を実装することができないのです ・・・ 灰色に近い色が実現できないため、これにも海より深いわけがあるのですが、割愛します ・・・ って言うか、私の勉強不足のため理解していません。ようは墨だけは、独立した色で実装するしかないのです。
取り合えず、CMY についてはこれ以上扱いません。基本的には RGB で全てを済まそうと思っていますので、以後はすっごく適当に用語を羅列していきます。

一気に色を指定する手法の幾つかを列挙します。そうは言っても三つしかしないけど

HSIモデル(HSL、HCD等々・・・)
色相(Hue):色というものに順序を与える指標
彩度(Saturation、Chroma):色に対する白色の影響力、ようは色の濃度
明度(Intensity、Ligtness、Darkness、Brightness、Value):ようするに明るさです・・色の強さかな

HSLモデル
上記のHSIモデルの明度に対して光度(Luminosity)を明度の変わりに用いたもの

YCbCrモデル
Yは光度(luminositY)
Cbは原色の青からのクロミナンス(Chrominance)
Crは原色の赤からのクロミナンス

なんだか御座なり的になってきたのでこの辺りでやめます。

ひとまずは「色」の心が見得たとしまして、「色」についてはこれ以上言及することを止めます。ところで、「これのどこがコンピュータと戯れているのじゃ!」って、声が聞こえてきそうだなぁ・・実はここまでが前置きです。長い前置きでしたが、これから本格的にこんぴーたと戯れます ・・・ いや、コンピュータに玩ばれましょう、っと行きたいところですが、今回もこの辺りでいったん区切ります。
つまり ・・・・ また 「つづく」 になります・・・では、乞う御期待!

またまたつづく



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