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部屋の真ん中にバスタブ

アメリカのタホ(Tahoe) という街をご存じだろうか? サンフランシスコから北東へ車で約4時間、カリフォルニア州とネバダ州の境にあり、最寄りの空港はリノ(Reno)もしくはサクラメント(Sacramento)。その名もタホ湖というきれいな湖があり、近くにはスキー場もある。そして小規模ながらもカジノもある。

何軒かあるホテルの1つ、シーザースタホ(CAESARS TAHOE) は、その1階のほぼすべてがカジノというホテルである。そういうホテルだから内装も派手であって、各階の廊下のじゅうたんは赤や青。部屋のじゅうたんや壁のクロスも原色系で、ソファーはブルーのレザー張り。さながらラブホテルのごとくである。(ホテルそのものはまともなリゾートホテルなのだが…)そして何よりも驚くのは、部屋の真ん中にバスタブがあること。バスルームが、ではない。バスタブが、である。しかも円形の。丸いバスタブがベッドのすぐ横にむきだしで置かれているのである。囲いも何もない。ビニールのカーテンで仕切れるようにはなっているものの、着替えるスペースはなく、同室者に全裸を見られることになってしまう。

私がこのホテルを利用したのは議員さんの視察ツアーの添乗であった。私は1人部屋だからいいものの、いい歳したおっさん同士をこんな部屋に案内すれば文句が出るのがふつうである。幸いにして、この時はすでにツアー日程の終盤であり、それまでにお客さんたちとはすっかり仲良くなっていたので怒られずに済んだばかりか、「変わったホテルもあるもんやな〜」「ええ勉強になったわ」などと感心される始末であった。

リゾート地であり、カジノがある街であるから、ホテルとしてもカップルや夫婦の利用を想定しているわけで、だからこそこんな部屋が存在するのだろう。この話はもう8年ほど前のことで、ホテルのサイトを見るとどうやら改装されたらしく、あっさり系の内装に変わってしまっているが、「バスタブ」は今でも健在らしい。画像があるので興味のある方は下のページをご覧あれ。

 ■CAESARS TAHOE
 http://www.caesars.com/tahoe/default.html

 

*このページの内容はメールマガジン No.070(1999.11.05発行) に掲載したものです。

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