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お金は返ってくるの?

読者の方からいただいたご質問を紹介します。

去年、ある旅行会社のツアーに参加して、とても楽しい旅行が出来ました。ところが帰国して1ヶ月ほど経って、その旅行会社が倒産してしまったのです。わたしの場合、旅行に行った後だったのでまったく影響はなかったのですが、万一、申し込んで代金も振り込んだ後で倒産した場合、旅行代金は返却してもらえるのでしょうか。また、こういう会社やツアーは避けた方がよい、というようなアドバイスをいただければと思います。

難しい話(=正確な話)はやめにしてなるべく簡単にご説明すると、皆さんご存じのように、2001年4月から金融機関のペイオフが解禁となりますが、理屈としてはそれとほぼ同じといえます。金融機関が破綻した場合、1000万円は間違いなく戻ってきますが、これは「1000万円しか返ってこない」ということではなく「それ以上はその金融機関の資産しだい」ということです。

旅行会社の場合、日本旅行業協会には「弁済業務保証金制度」というものがあります。これは、協会会員の各旅行会社から年間売上高に応じて保証金を集め、倒産した場合は保証金の五倍を限度に弁済するというものです。それ以上についてはその会社の資産しだいになります。しかしながら、「倒産する」ということは「お金がない」ということですから、全額が戻ってくるのは極めて希ではないでしょうか。四季の旅社の時には15%程度しか戻らなかったという話も聞きます(*未確認情報です)。

さらに、協会に加盟しない旅行会社にはこの弁済制度すらありません。国内には約8000の旅行会社がありますが、そのうち協会に加盟しているのはわずか1300社あまりです。

楽しみにしていた旅行に行けないばかりかお金も戻ってこないとなれば、まさしく踏んだり蹴ったりですが、そうならないためにも旅行会社は慎重に選びたいものです。どこなら安心とは言えませんが、中堅のジェットツアーでさえ倒産するご時世です。私が言えばあまり説得力がありませんが、やはり大手の旅行会社の方が少しは安心でしょう。(とは言うものの、今は大手でさえ四苦八苦しているのが現状です。)

やや話がそれますが、危険を回避する方法の1つとして、「常連になる」のも有益です。多くの旅行会社では、出発の21日前までに旅行代金の全額を支払うことになっています。一見客にはある程度徹底していますが、常連であれば、出発間際まで支払いを待ってもらえることも多いはずです。出発5日前に支払い、その5日の間に倒産したら… 運が悪かったと諦めるしかない…かな?

 

*このページの内容はメールマガジン No.053(1999.07.11発行) に掲載したものに加筆・修正したものです。

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