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巨人戦チケットの怪

先日、テレビでちょっと気になるニュースが流れていた。扱いは小さかったのだが、「昨年夏、東京ドーム巨人戦の前売りチケットの発売に中高校生を並ばせていたとして、ある人物が逮捕された」というもので、その男は入手したチケットをホテルなどに高値で売りさばいていた、という。

旅行会社では、じつに様々な種類のチケット・切符を取り扱っているが、その中でもこの「東京ドーム巨人戦」のチケットはかなり入手困難な部類に入る。東京ではどうなのか知らないが、少なくとも関西ではそうだ。毎試合5万5千人もの人が試合を見ているのだから、2、3枚くらいなんとでもなりそうな気がするが、なかなかそうはならない。だから、お客さんから問い合わせや申し込みがあっても、たいていは「無理です」「とれませんでした」と断るケースがほとんどであった。が、どんな商売でもそうだろうが、“どうしても断れないお客さん”というやっかいなのが居る。そういう場合の苦肉の策が、ホテルの「巨人戦観戦宿泊パック」であった。

都内のいくつかのホテルでこの手のパックをやっているから宣伝などをご覧になった方もいらっしゃるだろう。また一部のレストランなどでも同様の「食事パック」をやっているところもある。念願のチケットが確保できるのはたいへんありがたいのだが、これが結構“いいお値段”する。もちろん、彼らも入手するのにそれなりの苦労をしているのだろうが、まさしく“客の足下をみた”料金設定になっていることが多い。それも、内野B席やC席が主体で、S席を扱うところはほとんどない。安くないお金を払っても、“選手が小さくしか見えない席”でしか見られないのである。一体どんな人が松井や清原の顔がよく見える席で試合を観ているのだろう? その疑問を解明できないまま、私は旅行会社を辞めてしまった…。

 

*このページの内容はメールマガジン No.029(1999.03.06発行) に掲載したものを加筆・修正したものです。

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