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リージェント・リゾート・チェンマイ

▼読者投稿

【背景】
このホテルは昨年の正月に泊まり、サービスの良さが気に入ったため、その滞在時に今年1月の宿泊を予約し、併せて客室の希望を入れていました。その後各種雑誌で頻繁にホテルが紹介され、広く人気が出てきたようです。去年の途中から日本人スタッフが常駐するようになりました。ところが今回ここで出会った日本人スタッフは、ホテル従業員として以前に社会人としての基本的な躾や言葉遣いが身についておらず、極めて気分の悪い滞在になりました。

【経緯】
発端はチェックイン時のトラブルです。希望を入れていた部屋が用意できておらず、別の部屋となる上、滞在中にも移動が必要とのことでした。1年も前から要請していた希望が受け入れられなかったことに驚いた私は、どうしてこの事態に至ったのか、早くに予約を入れたことは無意味だったのか、無理なら他に希望が通るような有効な手段は何かあるか、などを尋ねました。

このやりとりの途中から、問題の日本人スタッフとの対話となりました。彼女は私の質問を「思い通りにならない客がゴネている」と解したのか、「この時期は特に多くのお客様が来られ、部屋の調整がつかないことがあるのです。」 と現状の説明のみをするだけで、私の質問に答えません。ホテル側に落ち度はないことを説明する要請があったのでしょうが、発言が私の質問と全くかみ合わないのです。
「私どものスタッフはご希望の部屋を取ろうと努力したと思うのですが…」、
「どうしてもご希望の部屋に泊まりたいとあれば、メールを頂ければよかったのですが…」、
「○○様のお部屋は昨日まで決まっていなかったんですよ。」
悪いのは自分ではなく、年末に押し掛けてきた大勢の客であるような言い方です。

私は客室の予約の事情は理解でき、起きてしまったことは仕方がないので、これにとやかくクレームするつもりはありません。ただ再び訪れることを考えて、早くに予約を入れても期待できないのかどうかを知りたかっただけです。その点、現地人スタッフと英語でやりとりしている間は気分を害することはありませんでした。しかしその後、会話にわざわざ参加しながら私の疑問に答えられない日本人スタッフの誠意のなさで、ホテルのマネージメントに関する印象を一気に悪くしてしまいました。彼女は結局、部屋まで案内する道すがら、「すみません、すみません」と言ってました。

【考察】
今回不満を持った点は日本語での会話という低次元な内容でしたが、原因を突き詰めると日本人スタッフの社会人としての資質に尽きます。客の疑問に応えるという以前に、まず彼女は謝るタイミングを間違っています。お客に不都合なことが起きた時は、すぐに誠意を込めて対応するべきです。ホテル側に非がないなら、はっきり説明すればいいのです。後になって「すみませんでした」を連発しても、遅すぎます。それも、不手際があったことを自分やホテルが悪かったとは決して言わず、「偶然、たまたま」のせいにした。謝っておきながら態度がこれでは、客は納得しません。

この後の滞在中にも時折彼女を見かけたのですが、とにかく頭が悪い。フロントにただ立っているだけで、他の仕事は何一つできないのです。ロビーで困っている人がいても知らん振り。気が付くという感性がありません。慌ててコンセルジュがフォローに来ます。

外国語に堪能でも日本語の表現能力がなかったり、また社会的に非常識でプロ意識に欠けた日本人スタッフを置くのは残念に思うと共に、日本人が少ない職場でのスタッフ採用の難しさを実感しました。
(Tさん、男性、30才代)

 

■作者コメント

このホテルは以前におすすめホテルとして掲載しました。投稿文中にもあるように、各種雑誌などでも多く紹介され、概して評判はいいようです。ホテルそのものはたいへん素晴らしいのに、たった1人のスタッフのぞんざいな対応がすべてを台無しにしてしまうこと、このコーナーでも何度かありました。「海外のホテルでの日本人スタッフ」については、私自身の経験でも当たりはずれがあったように思います。

正月というやや特殊な時期のことですから、ホテル側の客室アサインがたいへんなことはわかります。が、利用者の立場として、1年も前に予約を入れたのに、なぜ希望通りにならないのか? どうすれば確実に予約通りになるのか? という疑問が残るのは当然のことです。フロント嬢が言うように、確認のメールを入れる、というのは有効な方法でしょうが、そんなことをホテル側が強要するのは問題です。

Tさんが書かれているように、起こってしまったことはしかたがありませんが、謝るべき部分は素直に謝り、客の問いに明確・的確に答える、という基本的なことができるかできないかで、利用者の印象は大きく変わります。どんなに素晴らしいホテルでもミスはあります。そのフォローが確実にできるホテルこそが一流ホテルと言えるのでしょう。

 

■関連サイト

リージェント・リゾート・チェンマイ
http://www.fshr.com/locations/ChiangMai/index.html

 

*このページの内容はメールマガジン No.104(2001.02.16発行) に掲載したものです。

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