カールトンホテル(シンガポール) 〜個人予約は泣き寝入り?〜 |
▼読者投稿
私の苦い思い出のホテルは、今年の2月にシンガポールに行って友人と宿泊したカールトンホテルです。3連泊しての最後の夜、夜11時頃ほろ酔い加減で夕食先から友人と一緒にホテルに戻ってきた時の出来事です。
私達の部屋のある階でエレベーターを降り廊下を歩いて部屋に戻る際に、なにげなく前方を歩いている男性を見ていると、その人が私達の部屋の前で立ち止まりスーと鍵を空けて入って行ったのです。友人と二人、顔を見合わせて驚き、一瞬時が止まりました…。泥棒? 慌ててドンドンとドアを叩くと、中から日本人の男性が謝りながら出てきました。エレベータ付近にいたガードマンを呼び寄せて、フロントの人を呼んでもらう間にその男性に問い詰めたところ、部屋のナンバーを忘れてしまいフロントで新しくカードキーをもらって部屋に戻ったら違う部屋だったとのことでした。
1階のフロントに戻り、責任追及すると副マネージャーが出てきてただ謝るだけです。友人は英語が得意でないので、日本語の話せるスタッフはいないのかと尋ねましたら、夜でいないし、もともと日本人スタッフは働いていないということでした。シンガポールの世界的なチェーンホテルでも日本語が通じないのです。
よくよくその男性とホテルマンの話を照らし合わせると、その男性は九州の高校の先生で、修学旅行の同伴でその日に到着したそうです。他の同僚の部屋を訪ねた後、自分の部屋番号を忘れてしまい、ホテルに日本の旅行会社(添乗員)からもらった資料にかかれていた私達の部屋番号を示してフロントから新しいカードキーを再発行してもらったとのことでした。
普通はホテルの配布でも無い資料を見て、そのままホテルはキーを発行するものなのでしょうか? 端末で宿泊者名簿は調べないのでしょうか? その部屋に誰がいつから宿泊しているか、男性か女性かや年齢の判断はフロントはするべきではないのでしょうか。グループの場合、名前と実際に部屋を利用する人の名前が違う可能性もありますが、私達は違う日にチェックインしていて個人申し込みであって、あきらかに違うグループです。でもフロントマンの言い訳によると、同じ日本人だから間違えたとのことでした。多少高くても海外での安全性や快適性を買う為に、一流といわれているホテルを選択したのにこのありさまでした。
その部屋にはもう安心して眠れないから上のクラスの別の部屋に交換して欲しいと希望を述べましたが、満室の為出来ないとのことでした。そして自分達の部屋に戻って鍵を空けようとすると、私達のカードは無効になっていて、またフロントに連絡して再発行の手続き…。なかなかゆっくり出来ず、もちろんその夜は興奮してよく眠れませんでした。もしその男性が悪い人だったら、私達が部屋で寝ていたら、等々考えると恐ろしいです。
文句をいったあげく翌日はチェックアウトだったので、お詫びに空港までの送迎サービスをしてくれましたが、私達のシンガポールのイメージは悪いものになりました。私達が女性の二人連れということも有り、苦情を言っても馬鹿にされたのでしょうか? 個人でインターネットで申し込んでいたので、旅行代理店にも文句も言えず結局どこにも苦情を言えず、泣き寝入りでした。こんな時に苦情を言える先というのは無いのでしょうか?
(Mさん、女性、30才代)
■作者コメント
個人で直予約をした場合、なにかトラブルがあればまさに「自力で」なんとかするしかありません。海外の、しかも日本語が通じないホテルを利用する際には、多少のリスクは覚悟しないといけないのかもしれません。
私の添乗員時代のことを言えば、自分のことはともかくとして、お客様のクレームを日本へ持ち帰るわけにはいかず、基本的には現地で処理する必要がありました。私自身も英語は堪能なほうではないのでたいへん苦労したのですが、とにかく相手に「怒ってるんだぞ!」ということをわからせることです。特にことばは必要ありません。「納得できない」「承諾できない」という目で相手を睨み続けるのみです。たいていはこれで何とかなりましたが…。
明らかにホテル側の対応が間違っているわけですから、泣き寝入りは損です。
*このページの内容はメールマガジン No.095(2000.10.28発行) に掲載したものです。