機動警察パトレイバーに登場する作業レイバー
菱井インダストリー謹製のタイラント2000を
フルスクラッチしてみます。

サイズは1/72スケールで全高約11p。
何故このサイズかといえばリボ○テックと同じだったり。
つまりあんな事やこんな事も出来たり出来なかったり。

そんな訳で早速製作スタートです。

2008年7月15日
と言うことで、タイラント2000無事に完成しました。
長いことお付き合いくださりありがとうございました。

2008年6月14日
MODELAを使い0.5ミリのプラ板を足裏のモールドに
削ります。
こちらは、背面のモールド。これを貼り付けてスジ彫りをします。
これはプラ板を削りだした物。MODELAで2分くらいで
削りあがります。
両面テープで貼り付けてエッチングノコでスジ彫り。
これがやりたくて、タイラントを作ったのです。 やはりパトレイバーは作業用とからまなきゃ!!
チュイーン・チュイィィンー・・・「神妙にお縄につけっ!!」

「ぬおおおぉ!!泉っ何をもたもたしとる」
「おっ、太田さん」
「こうするんだ、馬鹿者が」

ガキンッ!!!ゲシゲシ!!?

「やり過ぎだぞ、太田ぁ」
「観念しろ、犯罪者め」・・・


とか、リボイングラムを使うと世界が広がります。

2008年6月2日
関節のシーリング部分はモールドで再現することにしました。
このあたりはリボを参考にしつつ、分割のラインが
シワに見えるようにしたつもりです。
布の部分が別に動くことで、隙間を見せないように
しましたが、効果はあまりなかったかも・・・。
ヒザ関節はオーソドックスに。
分割線が見えてしまいますが、目立たない場所なので
これでよかったかと。
ヒザは90度曲がります。
股関節は大腿の付け根で横に回転します。
多少ですけど、ポーズ付けには問題ないようです。
股関節は正面からはほとんど見えないので
ほっとしています。
腕の可動部も悩みどころ。
関節にはイエローサブマリンのリボ玉みたいなのを
使用しています。ヒジはスペースの関係でもう
玉が見えても良いと判断、単純にリボでも見えているので
これで良しとしました。で、更に悩みどころの肩関節。
ここもイエ玉(勝手に名前つけました)を中心に
ボールジョイント風に動かすことにしてシワモールドを
境にして動かすことにしました。
普通に動かすことに成功。
画像を見る分にはあまり接合部は目立たないようなので
見た目も成功にします。

2008年5月16日
足首の関節です。
レイバーの関節部はシーリングの布でおおわれた
珍しいデザインです。布を使い同じように作れば楽だろうと
思われがちなんですが、動かすと外装から布が
出てきてしまうことが考えられます。

今回はサイズも小スケールなので布や紙などの素材は
使わずにモールドとして関節部にシワが寄った
パーツを作ることにしました。
タイラントの足首は布でシーリングされているタイプなので
まず可動部の構造を作ります。
実際スペースが足りないので単純な物と考えたのですが
関節技を固定するスペースを考えると可動軸の位置が
上手くとれないことが判明。

仕方ないのでスネに取り付け部をかねてポリキャップを入れて
左右に振れるようにしました。
ヒザ関節を作ります。ここも基部からの製作。
レジンの固まりをフライス盤で板状に削り出します。
ポリパーツを入れるために1ミリのエンドミルで四角く
穴を開けます。
横からポリを入れてヒザ関節を挟み込む大腿部の
フレームと合わせます。
今回は可動部の図面は引いていません。
現物合わせで可動部を考えて形にしています。

ヒザ関節が大きくなってしまったので、
そのまま上に延長し股関節の受けも兼ねる構造に
急遽変更しました。大腿部も内側をフレームの形にくりぬきます。
組み立てたフレームです。 大腿部は上からかぶせる感じに。
脚の可動部は完成しました。これに関節部のカバーを取り付けます。
問題は股関節かな・・・。
現時点で考えていることをするにはサイズが小さいようです。
さて、どうした物か・・・・

2008年5月15日
引き続き下腿部です。関節を入れるため不要な部分を
削り取ります。まずドリルで穴を開けます。
穴をニッパーやナイフや超音波カッターで繋げます。
リューターで削り取ります。レジンなので刃は超鋼を使用。
ヒザ関節部分もくりぬきます。 足の中は平面を出したいので、フライス盤で切削。
足首の基部を作るためにレジンの固まりを作ります。
これは直径2センチくらいのポリエチレン製のフタです。
整髪剤などのキャップとか普段から集めておくと
こんな時に使えます。
旋盤で必要な径にした後真横からフライス盤で切削し
楕円形に加工します。
楕円に加工した基部を足のパーツにポリランナーで接続。
ワセリンを塗りポリパテを盛って足と基部の隙間を無くします。
基部に関節技を取り付けて足首関節にします。

2008年5月8日
下腿部を型から取り出しました。白い部分が新たに
出来た部分です。はみ出ている部分を削り出します。
ヒザアーマーが設定画と見比べると形状が違うので
ポリパテを盛ります。ポリパテには瞬間接着剤を混ぜて
食い付きを良くします。マスキングテープは
面を出すために貼り付けたのですが、盛りつけが必要な
部分ではなかったので無意味な結果に・・・。
下腿部のディテールアップをします。と言っても設定画に
ある物しか加えません。

画像を見てください。まずスネの部分の横棒二本です。
どうやら凸モールドらしいので
簡単にエバーグリーンの1ミリ丸棒を接着してみました・・・。
と言ってもこれはお試し版なのでプラ棒が
曲面に馴染んでいません
そこでフライス盤で1ミリ幅の深さ3.5ミリの溝を掘ります。
レジンのランナーを1ミリ厚にフライス盤で削り
スネの溝にはめ込み削り出せばスネに馴染んだ
凸モールドができあがります。
で、上のスネの画像を見てもらえれば分かるように
タイラント2000は出来上がっていたりします。

2008年5月7日
今回は下腿部の加工です。
パーツ分割を考えて縦に2パーツに分かれるのを
側面に分割線を持ってきます。

これは可動部の兼ね合いと複製時の抜きの問題と
設定画にあるモールドを分割線にすることで
組み立て時に合わせ目消しを無くすためでもあります。

まずフライス盤に両面テープでパーツを固定します。
画像に写っている木の部分はフライステーブルに
はまるように削りだしたガイドレールです。
これに合わせてパーツを取り付ければガイドに平行に
パーツを置くことが出来ます。

3ミリのエンドミルでテーブルぎりぎりまで切削します。
反対側のパーツも同じようにセットすれば
反対側が同じように削ることが出来ます。
これが工作機械の便利なところで計測も必要ないのです。

画像はさらに次の行程です。
分割線は直線ではなく黒い線の形に削ります。
段になっている部分は手で削り出すことにして
手前でフライス盤を止めます。
片方削りあがりました。反対側も削ります。
レジン製の厚みがあるパーツの切り出しは
結構しんどい物がありますがフライス盤だと
かなり楽です。
反対側も削り出しました。こちらも残っている部分を
切削して左右対称にします。
前回と同じようにパーツにダボとホゾをつけます。
下腿部後ろ側は削り落としたので無くなっています。
パーツにサフを吹きシリコン型に戻します。

ここにレジンを流せば後ろ半分が復活するのです。
その前に接合部の仮止め用にポリランナーを
差し込んでおきます。
レジンを流しました。
硬化後に型から取りだし接合面に
ナイフを入れればサフのところから簡単に
新造部が分離できます。

2008年5月6日
今回はワックス原型を複製した後から始まります。
片面だけシリコンを流す片面型を作り、レジンが
軽くあふれるくらい流します。画像はあふれたところで
繋がった状態のパーツです。
これを超音波カッターで切れ込みを入れて
パーツ分割。普通のカッターでもOKです。
あふれた部分をミニフライス盤のバイトに固定して平面に
削ります。
削った部分をきれいに処理すれば、大本のパーツ完成。
大腿部のパーツは前後の2パーツで構成してあります。これは、モデラで削り出す都合と
片面型を作る都合な訳ですが完成形は1パーツになります。
完成形にするために両面テープなどで貼り合わせておくのですが、
加工がしやすいように何度もバラス必要があるので、ポリランナーで固定します。
余分な部分をフライス盤で削り取り面が出ているのでその面を基準に
2カ所に1ミリのドリルで垂直に穴を開けます。

両面テープで貼り合わせてドリルでさらに貼り合わせたパーツまで掘り込みます。
これで大腿部の前後パーツに1ミリの穴が同じ位置に開きました。
2.9ミリのドリルで穴を大きくし3ミリ径のポリランナーを差し込むとぴったりパーツが合わさります。
ばらしと合わせが何度でも自由に行えるので作業効率がよくなります。
片方のパーツには1ミリの穴が開いたままなので、縫い針にシアノン瞬間接着剤を
滴になるようにつけ穴に流し込み硬化スプレーで固めます。
盛り上がり固まったシアノンをペーパーでならし処理は完了します。
パーツの接続にこの作業を繰り返し組み立てていきます。

針にシアノンをつけてレジンの気泡部分に流し込むときれいに流れ込んでくれます。
ガレージキットに気泡が見つかったら試してみてください。

2008年4月29日
モデリング用のハードワックスをモデラで切削しました。
前作のスカルガンナーからちょこちょことワックスを使っていましたが
やはりモデラの切削にはワックスがベストなのかもしれません。
ただまだ扱いが分からないのでこれで本当に良いのかなという状態ですが。

さてこのワックスは従来宝飾品などの製作でロストワックスという成形を
行うために使用します。あとソフビの原型などに使用する物で
物作りにはドンピシャな素材と言うことに成るのです。
まあネックは価格が高いと言ったところでしょうか。

画像は腕と脚です。細かいモールドがないのはCGを作る時間や技量がないのと
ポリゴンの数が少ないため基本は面の集合で曲面を出しているため
ワックスを加工しなければならないので余計な物は一切無い形状になっております。

時間の関係上この時点での関節やパーツ分割は一切考えていません。
レジンに変換することが第一な訳です。
手足は円柱状なので問題ないとして、この胴体が肝でしょうか。
過去に例がないほどの奥行き・・・。

設定的にはカウンターウエイトと言うことで物を手で
持ち上げたときに釣り合わせる為の用ですが普段は確実に
前傾と言うことでしょうかね。

しかし、魅力あるデザインは概ね作りにくい物だったりするわけですよ。
特にこの背中の箱ですが、無垢で作ると本当にカウンターウエイトに成って
しまうので中身は中空にする必要があります。

プラ板で箱組が定石だと思いますが、角が丸い為削る必要が出てくるので
ここもモデラで切削。しかし物が大きいので時間もワックスも無駄になるので
どうした物かと考えました。

結論が画像の枠。これを複製して4つ接着すると必要な幅に成ります。
開いている側面はプラ板を貼り付ければ中身が空っぽの箱が
完成します。削りだした物は厚みがあるので角をある程度削っても
OKです。
ボディの方はポリゴンの角の部分があるので
デザインナイフでカンナ掛けをして滑らかにし、
スポンジヤスリで表面を滑らかにします。
組み合わせるとこんな状態です。

2008年4月17日
ここ近年の茂吉のフルスクラッチの仕方は図面引きから始まります。
プロポーションなどはすべてここで決まるのです。

設定画を見る限り、作業用のレイバーの手足は
円柱状が殆どであるため手足の作図は省いても良さそうです。

過去の作品と言っても立体化前提の時代の作品の為に
正面と側面はほぼ繋がります。基本的な位置取りは
斜の画稿からサイズを決めて線を引きました。
SPTと違い劇中でもほぼ同じプロポーションで描かれているので
設定画への突き詰めは程ほどにして作業時間の短縮を
選んでいます。
CADの図面を元に六角大王で3D可したものです。細かいパーツは手作業で
現物にあたりを付けながら作ります。モールドも手作業です。
その辺はCGを作ってモデラで削っての作業をすべてやるとそれはそれで時間が掛かるのです。
だから微妙な曲面は原型を削り仕上げることになります。この辺りはスキルの問題と
自分に合った作業の仕方が本当の理由だったり。