ベイブルをフルスクラッチしてみる

蒼き流星SPTレイズナーより
SPT-BB-02U BAYBULL

レイズナーの僚機、ベイブルを作ってみます。
PCの不具合などで公開が遅れたので作業内容は
振り返って行います。
適当な長さに切って更新していきますので
日付は更新日の物に成ります。
短い更新期間に成ると思いますがおつきあいを
お願いします。

10/01/06
関節の可動部は

スムーズに動き
ゆるまず
任意の角度で固定出来き
強度が高い

が大事なことで僕が作るときに心がけています。
しかし、レジン製の末端肥大のSPTはその条件を
満たすことが厳しいのです。

今回のベイブルは設計当初、レイズナーのヒジ関節に比べれば
動かしやすく作りやすいと思っていたのですが
ヒジ関節のブロックが小さく可動部のギミックが
入れられないと気がつきました。

動かすことは出来るはずですが、大きなレーザードライフルを
持たすとヒジ関節が下がり保持できないと思われます。
強度や組み立てやすさを考えると3ミリ内経のポリキャップを
使いたいのですがスペースが確保できず・・・。

時間もないので二軸関節はやめて一軸として
ラチェットを入れることにしました。
ヒジ関節周りを設計し直して、MODELAで製作し
ギヤの部分を手で削っています。
レイズナーのヒジよりも作りやすく確実に可動します。

ヒジ関節の下の部位は新機軸のギミックです。
洗濯ばさみ状のパーツはスプリングで押し上げられています。
ヒジ関節の可動範囲を広げるためのスライドギミックでして
前腕部を組み立てた後に差し込めるように成っています。
模型におけるスライドギミックは関節と同じようにスムーズに動き
任意の位置で固定出来る必要があります。
スカルガンナーやガッシュランにもスライドギミックを設けましたが
レジンが収縮する過程でポリキャップのサイズが合わなくなり
ゆるむことがあり他の方法を考えてました。
バネの力で押し当てるので緩むことは無いと思います。
伸縮するようなギミックなどにも使えると思います。
押さえつけるのでスライド時にがたつくこともありません。
手の部分はまだ出来ていませんが、腕は完成したので
複製に入れます。肩はレイズナーと違い
1パーツで構成しています。
(スラスターとアーマーは別パーツ)
ヒジ関節は画稿と違ってしまいましたが
力不足と言うことで大目に見てください・・・
と、肩口のパーツ作り忘れたので、旋盤で削りだしています。
ドリルチャックを買ったので中心に穴を楽に開けられるようになりました。

09/12/22
脚部フレームです。と言ってもヒザ関節から足首までですが。
レイズナーの時も同じでしたが、設定画を再現すると
大腿側の可動は不可能です。ここはヒザ関節ブロックではなく
関節の周りに軟質の蛇腹カバーがかぶせてあるようで
ヒザを曲げたときは蛇腹がたわむという事なのでしょう。

流石にそれは再現できないのでレイズナーは下腿部側にしか
可動軸を設けませんでした。
ベイブルもそれに準じた物にする予定でしたが
試作を作り試した結果、1軸で可動範囲を広げると
曲げたときにヒザ関節が偉く間延びしてしまうので
2軸に変更したのが画像の物です。

この構造はザカールで使った物ですが、レイズナー・ザカールに
比べ横幅を取っているので強度的には問題なさそうです。
大腿部の関節部は後を変更することで何とかなりました。
データ段階でパーツ分割の考えがまとまらなかったこともあり、
下腿部はフレーム化しました。途中出ている黒い棒は
甲のアーマーを固定する物です。
フレームの中はこんな感じです。
ヒザ関節はポリキャップで固定し抜き差しが出来ます。
これは関節がゆるんだときにビスを締められるように。

足首は可動範囲を広げるために下方にスライドするのですが
そのときに甲のアーマーの取り付け部も一緒に下がります。
下腿部を取り付けたところ。
ここまで曲げられます。
正座をさせるつもりはないのでこのあたりで良いかと。
これ以上曲げるとヒザ裏を大きく切り欠く必要が出てしまうのです。

09/12/15
足の原型を作り込みます。
画像の物はMODELAでハードワックスを削りだし、
それをレジンにした物です。パーツはすべて左右に分けて
作ってありパーツによっては接着してひとつのパーツにしてあります。

この場合足首にあたる関節の下に来る部位以外は接着し
1パーツとし、ポリパーツを挟み込む足首は2パーツにしました。
このポリパーツは関節技特大ロングを固定する物なのですが
関節技は経年劣化で割れる場合があるようで
割れてしまったら交換してもらうために取り外し可能にしました。
カカトのパーツは元々足首と一体で削りだしレジン化しました。
それを複製時にレジンの二度流しで別パーツ化してあります。

これは量産用の型を作りやすくするためと
塗装時にマスキングを施さなくても良いように。
元々同じ型から成形した物なので合いは抜群です。
レイズナーとほぼ同じ形状のベイブルの足なので
パーツ分割も同じです。
レイズナーでこうしていたらと思う部分が多々あるので
ベイブルはそれを実行しています。
つま先と足首のダボとホゾもその一つです。
組み立てた物です。
トランファムやブロックヘッドのようなつま先から甲に
伸びる出っ張りがあります。

黒い点は左右に分割されていたときにフライス盤で分割線を下にして
垂直に穴をあけて左右の位置決めをした跡です。
1ミリの下穴をあけて2ミリか3ミリの穴を掘り
ポリランナーで左右を固定します。
作業が終わり分割の必要がなくなればそのまま接着して
1パーツにします。1ミリの穴はシアノン接着剤で塞ぎ表面処理を
します。
アキレス腱の部分に当たる溝は「スジボリ堂」の超鋼タガネで彫りました。

09/12/08
前回更新時と同じ物の細部を見てもらいます。
頭部は作ってみるとプラネテスのスーツに形状が似てます。
初期のSPTは5mサイズだったのでこの頭部に
人の上半身がありキャノピー越しに見えていたので
ベイブルはそのデザインを継承しているようです。
「大河原デザインは立体映えする」と言うのを組み立てながら
何度も思いました。単純な形状で構成されているのに
見る角度で情報量は変わり面白いです。
胸部の分割は画像は左右ですが、前後に変更します。
当初レイズナーのような胸の出っ張りが無く
物足りなさを感じましたが、改めてベイブルを作りレイズナーを見ると
胸中央のダクトは野暮ったいと言うか取って付けた感がありますね。
この形状が本来のレイズナーだったんだと思ってきました。

胸部横のダクトは装甲で強度を出して廃熱は前方の開いている部分からと
勝手に決めました。プラモだと出っ張って処理されてます。
玉バーニアは手で作ったら偉く面倒な代物。
このあたりはデジタルモデリングが本領を発揮します。
ライフルは1/72のダイキャストモデルを参考にしつつ、
過去の道楽模型堂SPTシリーズからサイズを合わせて
製作。
このスネのライン取りも削りだしてから形状把握が出来て
加工しました。

09/12/06
MODELAを駆使して・・・と、そんなに大げさではなく
ハードワックスを削りだしシリコン流して型をつくり、
レジンを流した物を組み立てて細部を加工した物です。
バックパックはレイズナーから。
玉バーニアもMODELAで削りだした物。
球を作るのは色々と苦労してましたが
MODELAがあれば簡単です。
下腿部は形状把握の甘さが出てしまっています。
後で修正。
ライフルも削りだし。

09/12/05
CADで作った正面図を元に、六角大王で3D CGを作ります。
形状がレイズナーに似ているので、(レイズナーの時はこう作ったんだよな〜)とか
思い出してしまいました。
六角で初めて側面図が完成。やはり側面もレイズナーに比べて
ボリュームアップしています。
ほとんど同じ形状だと思っていた足もレイズナーとは別物でした。
バックパックはこの時点では存在せず。
レイズナーと共通の部位なので新規に作り起こしレイズナーの方も
新しくしようかと考えています。
頭部や大腿部は曲面主体なのでデータを作るのにも一苦労です。
頭部は十分に人が乗れそうです。
ベイブル奪回作戦の時はデビットとシモーヌが二人で乗るくらいなので
実際に広いのかも。
ただ作るとしたらキャノピーの合わせが大変かなと。

胸部側面のダクトが設定画から読み取れず。
この時は凸か凹なのか決められなかったので
へこましてモデリング。
肩のアーマーもレイズナーとは微妙に形が違っていたり・・・・。
でもV−MAX後の装甲開閉とか考えなくて良いので助かります。
腰部の装甲は、太腿を大きくしたのでスペースを取るために
大きめにしています。このあたりはレイズナーで苦労したので。

腕はガンダムマーク2的なラインなのでヒジ関節などはMS的な表現が出来そうです。

2009/12/4
ベイブルは主人公エイジがグラドス軍から持ち出したSPT3機のうちの
1機です。ガンダムで言えばガンキャノン的な位置づけのメカでして
実際の話ではレイズナーになるデザインでした。

ところが顔がないベイブルのデザインでは主役機として
問題があるらしいと言うことでベイブルのデザインをベースに
ガンダム顔のレイズナーが出来たようです。

秀逸なデザインであるレイズナーの頭部なのですが
人が乗ることを考えれば顔がついたことで
サイズの問題が出たりして・・・・。
中々上手くいかない物ですね。

道楽模型堂的には5年前のレイズナーを
リメイクする物でもあります。
切削機のMODELAを使い始めてから
スクラッチする工程や技法が大幅に変わり
レイズナーも一部MODELAを使用していますが
現在なら「こう作る」という部分が色々と出てきてしまっているからです。

いずれ作るニューレイズナーへつながれば良いとベイブルを
選びました。まあ、敵ばかり増えてしまったのでレイズナーにも
味方機が必要ですからね。
さて、実際の作業に入ります。いつもの通り元にする設定画は
斜の画稿です。スキャナーで画稿をPCに入れてCADに読み込み
正面図を作成します。画像の物はその途中の物。
頭部はドルバックにでも出てきそうな形状ですが
とりあえず線を引いた物です。
細部の線を引き似せる作業中の物。
頭部は上の物とは別物に。
レイズナーの図面も参考に整合性を出していきます。
ベイブルは格闘戦専用機ということなので装甲がレイズナーより
厚めとなっています。そんなことで各部を少し太めにしています。

レイズナーとベイブルの設定画を重ねると
微妙な違いがあり同じサイズに見える太腿部などは
ボリュームが全然違っていたりします。
当初はレイズナーのパーツが使えるだろうと
思ってまして、ガッシュランのインスト作業が
大幅に遅れてたので流用出来てラッキーとか思ってましたが
使えるパーツは肩とバックパック本体だけという・・・・。
慌てて当初の計画を変更し作図の時間を削ることにしました。
直立不動から手足の角度を変えた物。
前の段階では半分しかありませんでしたが
反転コピーして半身をつくり合わせています。
ついでに色も付けてみました。
色がつくとまたイメージが変わります。

今までなら側面図を作りレイズナーの頃なら後面図も作っていましたが
今回は正面だけの作図にしました。
(理由は上にも画きましたが時間が無かったから)

斜の設定画から起こした正面図を下敷きにして
六角大王で立体化するのですが前後の幅は
六角上で決めれば良いからです。
レイズナーのサイズがベースとして使えますので
問題ありません。