
作品説明
作品は、すべて作家自身の手作りのため、同じ猫の形でもひとつひとつに個性があります。
また、焼き上がりによる釉薬の色目の違いもあり、同じ猫は2匹といません。
●ひとつひとつ異なる表情
よく見て頂くと顔の表情、体の造形などは、わざと変化させている部分もございます。
手作りだからこそ、ひとつひとつ表情が異なり、同じ様にならないのが手作りのおもしろさです。
瞳には、「昼の目」(画像左)と、「夜の目」(画像右)があります。
また、耳の形も変えることで機嫌の違いも表現しています。
●招き猫の手
招き猫は一般的に、右手が金運を招き、左手は人を招くと言われます。
●猫の体
猫は前からだけではなく、後ろ姿も美しいのです。どこから見て頂いても絵になるように心掛けて作っています。
また、口元を彫り込んで作っているため、見る角度によてって表情が変わるよう工夫しています。

●首飾り
布紐は地元、京都の企業・
杉乃實製の和紐を使用しています。
布紐についているチョーカーも陶器製です。手作りの焼き物に金属風の上絵付をほどこしてあります。
鈴の形をした土鈴は、厄除けの意味があります。
福の文字を彫り込んだものには、文字が上向きと逆向きの福があります。
逆向きの福は、風水では「福が落ちてくる。福が貯まる。」と言われる縁起物です。


●紋様
体に描きこんでいる柄は、京都の西陣織や神社仏閣の装飾を参考にして、
下描きなしで、思いつくまま描いています。
そのため、一点一点柄が違います。
絵付けのかすれや濃淡も、あえて均一にせず出している場合があります。
その方が一匹一匹の個性が豊かになるからです。
画一的ではないところに、人の手の温かみが感じられます。
●焼成
焼き上げる時、窯の中を酸欠状態にする還元焼成により、釉薬の色味に深みが増します。
釉薬によっては、濃淡だけでなく、まったく違った色になるものもあり、
焼きあがってみなければ分からない釉薬も好んで使用しています。
そのため、量産にはむかないのですが、作品としては味わい深いものになります。
●焼成による生地のヒビや割れ
焼き物は高温で焼く事により、生地の密度を高めて固くします。
その際に一割ほど縮むのですが、きれいに縮ませるには、厚さを均一に作る必要があります。
吉田猫は土を手で捻って形を作り、ヘラで削って仕上げていますので、生地に厚みの差ができやすく、
焼き上がりにヒビや割れができる場合がございます。
場合によってはリペアしてある作品もありますが、作品を表現する上で、むしろそれらは味になると考えています。
金継などは、作品に更なる希少価値を付加しているものもあります。
●素材
作品に使用している土や、窯の焼き上げ温度などは、食器や花器を作るのと同じものです。
大事にして頂ければ劣化も少なく、生涯楽しんでいただけます。
どうぞ末永く可愛がってやってください。