絶滅から学ぶ

……あとがき風の感想……

 ドードーはアリスの『不思議の国のアリス』に登場したことによって有名になった。 しかし、その不格好な姿以外に人々の関心を呼ぶことはなかったにちがいない。 おそらく当時のヨーロッパ人にとっても、インド洋上の小さな島にいた不格好な鳥は、見世物としてしか見ていなかったに違いない。

 ドードーを調べてみると、ドードーは歴史の大きく変わる時代に生きた証人である。 大航海時代は西洋から見れば栄光の時代であるが、反対から見れば植民地となり長い間 搾取される歴史の始まりである。
この時代の始めにドードーのいたマスカリン諸島は発見された。この島は便利な中継地として利用された。ドードーは人の胃袋を満たすために保存食料とし狩られ、人が持ち込んだ動物(豚や猿)にも食べられて、わずか100年ほどで絶滅した。

 モーリシャス島もアジアや南アメリカの植民地が、受けた歴史のモデルケースとしてみることができる。 島には今の屋久島のように豊かな森があったのだが、すべて伐採されヨーロッパに運ばれた。その跡地は平坦に開墾され、砂糖などの趣向品が造られた。
 プランテーションはこの地が始まりではないが、人に都合よく自然を作り替えて、その上から西洋文明を絨毯のように敷いた。自然のすべてを覆い隠してしまうやり方は、確かにこの地から始まったと思われる。

 ドードーの生きた時代を水平に見ると、金儲けのために神をも利用する商人と、布教のために残虐な行為を許す教会との関係が明瞭である。ポルトガルの英雄たちに続くコロンブスたちも征服者としてとらえることが出来る。アラブ商人たちの交易を奪うために、最初から暴力による征服を目指した。このことは現在も形を変えて続いている。資本主義のプリミテブな醜い姿がここにある。

 ドードーも偶然に発見されたのではなく、インドを目指すために、最短なコースを選んだオランダ商船隊によって発見された。この時からマスカリン諸島はインド航路の重要な中継地となり現在に至る。

ドードーの絶滅は歴史にとって偶然ではなく必然であったのだ。 我々はおそらく氷河時代以前から、マスカリン諸島に生息していた孤立種を、自分たちの欲望によって絶滅させてしまったのである。

2011年 11/24 加筆訂正

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