ドードーは、1598年頃にインド洋上のモーリシャス諸島で発見され、わずか100年後の1681年頃に絶滅した鳥は、「醜い、飛べない大きな鳥、それもハトだった」のです。
 
  驚いたことに、この鳥は大きなハト(鳩)だったのです。インド洋の絶海の孤島で捕食者のいない生活は、飛ぶことを忘れさせてしまいました。この事実が分かったのはつい最近と言っても良いでしょう。ドードーは氷河時代以前から生息していた原始的なハトだったのです、しかもインド洋のモーリシャス諸島(モーリシャス・レユニオン・ロドリゲス島)にしか生息しておらず、地球上の何処にも見つけることの出来ない貴重な孤立種であったのです。

 欲望に目が眩んだ人間が支配した大航海時代に、インドに向かうインド洋の便利な寄港地としてモーリシャス諸島が発見され、そこに住んでいたドードーも便利な食料として捕獲・乱獲されたのです 。 また、人間の持ち込んだペットなどの動物達(サル・豚)もドードーや卵を食べました。最後にドードーにとどめを刺し、生息域を奪ったのは砂糖のプランテーション開発だと言われています。

 
  私達は知らずに地球上から貴重な孤立種を絶滅させてしまったのです。いま世界中でドードーは「絶滅動物のシンボル」として知られています。欲望や単なる好奇心のために動植物や地球の資源を奪うことは、限りある地球の命を縮め、人間自身の命を奪う行為であることに気づかなければ成りません。


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第一章目次………
〈内容〉
ルイス・キャロルとドードーとの出会い/
モーリシャスドードー/レユニオンドードー/ロドリゲスドードー/見世物なったドードーと博物館の誕生/ドードーを愛した皇帝/残されたドードー画/モーリシャス島の自然/ドードー絶滅の歴史/チャールズ・ダーウィンとモーリシャス島。

第二章目次………
〈内容〉
ギリシャ地代から中世へ変化する人間の世界観/近代地図の誕生/幻想動物とキリスト教の世界/香辛料を求めて欲望の大航海時代/マルコポーロの旅とその影響/ポルトガルが先鞭を付けた大航海時代/香辛料の島を巡る物語/欲望の世界史。

第三章目次………
〈内容〉
ドードのエンサイクロペディア/方舟神話とドードー/描かれたドードーの世界/画家が描くドードー油絵/ドードーの人形やオブジェ/切手になったドードー/ドードーを愛した作家達/リンク集/参考図書/あとがきなど。

第四章目次
〈内容〉
ドードーは江戸時代に長崎の出島にやってきたのか、江戸時代、動物図譜を創ることが大名・旗本・町民に流行した。 2014年新作(2016年更新)

 ドードー作者に メールを送る

  
ドードー研究の先駆者 蜂須賀 正氏 
 明治時代の華族・蜂須賀 正氏(はちすか・まさうじ)は徳島藩蜂須賀家16代の末裔であり、冒険家・飛行家などで知られているが、鳥類学者としてドードー研究したことはあまり知られていない。1920年(大正9年)にイギリス オックスフォード大学に留学した時、ドードーの剥製に出合った、当時、ドードーの情報は少なく見向きもされなかったが、彼はその鳥に魅了された。畢生の論文「ドードーとその一族」、または「マスカリン群島の絶滅鳥について」(1953年)を出版する。彼の足跡を探り、彼が執筆したが本の完成を見ることなく死亡した、その幻の稀覯和本を探してみたい。

蜂須賀正氏の研究家である小野塚力氏より重要な御教示を頂いた。蜂須賀正氏のドードーの博士論文は国会図書館に収蔵されているとの情報である。検索するとタイトル『 The dodo and Kindred bird ;The extinct bird of the Mascarene Islands.』出版 London : H.F.&G.Witherby,1953 著者 蜂須賀正氏である。また小野塚力氏はこの論文を翻訳し始めており、同人誌「片影2号」に一部発表されている。是非、これらの本を見てみたい。2012年4月23日 蜂須賀正氏の業績・ドードーの研究 

蜂須賀正氏博物随想『世界の涯』復刻刊行案内、2015.03.15


ビクトリア時代の様子が知れるテレビ放送 「もう一つのドードー剥製の末路」
 
NHKで海外ドラマシリーズとして『女王ビクトリア 愛に生きる』が始まった。全8回が終わったが、当時を知る事が出来る、おもしろい有益なドラマである。8回以降も放映があると思うが、楽しみなのは「ロンドン博覧会」の場面である。写真が普及したのはロンドン博覧会で、出品作品全てを写真撮影してカタログを制作した、アルバートのアイディアである、これが写真の記録性を知らしめ普及に絶大な力を発揮した。(私見


ドードー作者 の 別ホームページ 案内
 『馬込と大田区の歴史を保存する会』
  
「大田区の史跡・デジカメ散策」(「馬込と大田区の歴史を保存する会」 製作)古池上道(平間街道)、池上本門寺などの史跡、六郷の渡し、大田区内の神社・狛犬写真、江戸から東京へなどの話を浮世絵や取材写真で紹介。明治初期の廃仏毀釈よる美術品流失の話。テレビ放映された馬込原産・白い胡瓜の話
https://www.photo-make.jp/hm_2/oota.html
八代将軍吉宗の始めた本草学探求は、日本中の藩から領内の動植物を全て書き出し、名前や詳細を付け、絵師に彩色した造り提出しろと言う、とんでもない壮大な命令であった。ここから江戸時代の動植物を描いた図譜が生まれ、鳥や植物の豊かな図譜が大名・旗本や裕福な町民によって創られた。世界と同じように博物学が生まれ、明治になっても外国に引けを取らない文化を保つことが出来たのである。


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