研磨ツール

 今回のエンジン製作で重要かつ最も大変な作業となる研磨に使用したツールをご紹介しましょう。まあいろんなツールでいろんな方法があるとは思いますが,ご参考なれば幸いです(^^)。

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とりあえず自作リューター。

おいらの場合,自宅の部屋の中で作業するので(笑)エアーツールなど使用できないのは当然で,大きな音の出るドリルに取り付けるフレキシブルチューブも長時間の使用には近所迷惑なので,小型で静かなものを探していました。電動でモーターと電源部が一体になったものも市販されていましたが,4万円近くもしてお話にならなかったので,いつものように自作することに(^^;。

見ての通り簡単な構成です(笑)。
フレキシブルチューブは単体で東急ハンズにて購入。3mmシャフトの軸受けがボールベアリングのもので6,500円くらいだったかな。
モーターは大昔おいらがラジコン少年だった時に使っていたモーターを発掘してきて使用しました。考えてみたら約17年前のものなのだがまだ残っていたのが我ながら恐ろしい(笑)。同じ頃ラジコン少年だった人には懐かしいはず(^^)。ちなみにこのモーターも軸受けにボールベアリングが使用されていて,ブラシ部分には放熱用のフィンも付いているので長時間の使用にも耐えてくれるのだ。

そしてモーターとフレキチューブを固定する台を自作し,ユニバーサルジョイント(1,200円)で連結してやる。更にこの台を安定させるものがが必要になるが,ある程度しっかりした物が欲しかったのでボール盤用の万力を用いました。ホームセンターで980円でしたが,このリューターを使用しない時はちゃんと万力としても使用できるので結構便利です。

電源もアマチュア無線をやり始めた頃に自作してあったやつで,20ボルトまで無段階に調整できる安定化電源を使用。5アンペアまで出力できるので十分なトルクを発揮できました。電源はわざわざ自作しなくても,無線屋さんに行けば同じ位のスペックのものが売っていますね。定価は高いけど結構値引きしてあるのが多いので,探せば数千円で入手できるでしょう。

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次は実際に使ったもので,左から荒削りの順に超硬バー(2形状),サンダーバンド#120(3種類),フラップホイール(#120,#240),フェルトバフである。バフ以外はすべて3mmシャフトです。

ダイヤカットの超鋼バーは1本3千円以上しましたが,高いだけあってアルミだろうがスチールだろうがガンガン削れて,少しもちびりません。荒めの鋳肌を落したり形状を大きく変えたりするのにとっても重宝しました(^^)。もちろんバルブガイドやコンロッドもサクサク削れます。先端の直径は6.4mmで,形状は左側の全体が丸みをおびたものと,右側の円柱形で先だけ丸くなったものの2種類を用意し,削る部分の形状によって使いやすい方を選択しましたが,どちらの使用頻度も同じ位だった事を考えるとこの2種類を選択して正解でした。この他にハイスの円柱形で先端の丸くなっていないやつも買いましたが先端のエッジがキツく,削った部分に段差が出来るのでぜんぜん使用しませんでした。
ただ,この超硬バーを使用するにあたって注意しなくてはならないのが,コンロッドなどのスチールを削った場合,切粉が非常に鋭く手にバンバン刺さってくれるし,目に入ったりしたらとんでもないです。さすがに作業用の皮手袋と保護メガネを買って使用しましたが,保護マスクをしていなかったので,作業の翌日の朝に鼻をかんだら,まっ茶色の錆びた鼻水が出てきました(^^;;;;。すぐに保護マスクを買いに行ったのは言うまでもない。しかし保護具フル装備でコンロッドを削っている姿は人に見せられるものではありませんね(笑)。

次に3種類のサンダーバンドは直径4.4mm,8mm,10.5mm(実測)のものを用意しました。一番小さい4.4mmのやつは上記の超硬バーより小さい唯一の荒削りツールなので,超硬バーで削れなかった細かい部分も削ったり,超鋼バーの削った跡をちょっと均すのに使いました。しかし,#120だけでは荒すぎて中仕上に移るまでが大変だったので普通の耐水ペーパーを帯状に切ったやつを巻きつけてテープで固定したやつで削る事が多かったです。これなら細かい部分の仕上まで行う事が出来ました。

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こちらは広い部分で使用したと各種ディスクです。

電動グラインダーは一般的な物でなく羽研ぎ用のものです。通常の12,000回転の奴だと切削速度が速すぎて削りすぎてしまったり,バフがけの時もバフ焼けしやすいし,重量も重く削りミスを起こし易かったのでもっと回転数が低く軽いやつを探したら刃研ぎ用になりました。普通のやつと比較して回転数が半分(6,000rpm)で重量も950gと軽いのでかなり使いやすいです。ベアリングの支持部が樹脂で出来ている為,耐久性が劣ると思いますが使用目的がほとんど磨き作業だったのでとりあえず問題ないでしょう(^^;。

使用したディスクは左の写真でグラインダーに取り付けてあるフラップホイール状のものと,左下のデライトディスク(#400),右下のフェルトディスクの3種類を主に使用しました。これらはコンロッドの側面やキャップ部を磨くのに重宝したもので,中でもデライトディライトディスクは最高の仕事をしてくれました(^^)。

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これがデライトディスクだ!
中仕上用の目の細かいディスクを探していたところ見なれない妙な材質だがパッケージに#400と書かれていたので,ダメもとで買ってみて試したら,めちゃめちゃ大ヒットでした(^^)。超硬バーやグラインダーで荒削りした跡が見る見るうちに綺麗に輝いていきました。#400と言っても電動工具を使用した場合,同じ番手の耐水ペーパーを手で磨いた場合より遥かに綺麗で,柔らかい材質も手伝って多少の凸凹も綺麗にフラットになり,コンロッドのキャップの凹んだ形状にも馴染み易く,これが使える所の中仕上げは一瞬の内に完了し笑いが止まらないほどでした(^^)。ちなみにお値段は850円位で,若干減りが早いですがこれが有ると無いとでは作業の進行に大きく差が出るでしょう。コンロッド磨きの最高主勲章を与えてあげました(^^)。

最後の仕上には前述のバンドホイールの軸に耐水ペーパーを巻き付けたリューターを使って#600,#800,#1000,#1500,#2000と磨いていきます。(アルミの場合は#600,#1000,#1500くらいで十分です。)広い部分やリューターが使えないくらい細かい所は普通にペーパーをちぎって手で磨きましたけど。
あとはグラインダーのフェルトディスクとリューターのフェルトバフを使い分け,青棒で仕上ました。

とまぁ,ざっくり書いてみましたが人それぞれやり方が異なると思いますので,いろいろ試されたら良いでしょう。おいらもここに書いてあるもの以外でいろいろ試してみてはボツになったものが沢山ありますしね(^^;。でも最後の研磨仕上げを決めるのはやはり手を抜かずにペーパーの番手を徐々に小さくして磨き上げるのが一番のように思えましたね(^^)。


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