コンロッド

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 エンジンをチューニングするにあたりコンロッドの選択は結構頭を悩ますところであるが,今回製作するエンジンの制約条件である,貧乏チュー...もとい「出来るだけ純正部品を使用する」に従いあっさり純正コンロッドを使用することにした(^^;。
これに伴いこれから造るエンジンのポテンシャルが知れてしまうが,重量バランス取りと軽量化研磨を施す事によって,ちょっとだけ回転系のポテンシャルアップをを図る事にした。

 重量バランス取りの作業を行なう際に「肝」となるのが「秤」である。0.1g単位まで測定できるものがベストであるが,買うと4万円前後はするそうなので,既に思いきって購入されたG/S氏から借りる事が出来たのでありがたく使わせていただいたのだ(^^)。こうして高精度なデジタル秤を使えることになったので,せっかくだから小端部と大端部の重量をそれぞれ測定して重量をバランスさせたくなる。ご存知の通りコンロッドの小端部側はピストンと一緒に上下の往復運動をしており,大端部側はクランクピンと一緒に回転運動をするので,クランク丸ごとの重量を会わせるだけでなく,それぞれの重量も合わせると更に回転系のダイナミックバランスが良くなるのだ。特に今回はお金を掛けない事が条件であり,クランクのバランス取りを行なわないため,お金のかからないコンロッドで頑張るのだ(笑)。

 その為には取り付けの精度と再現性が高い治具を製作したくてはならないが,これが結構難しかったのだ。はじめは小端部,大端部を別々に支持する治具を製作したが秤に載せた時,それぞれの治具の距離がばらつく為,繰り返し測定誤差が大きすぎ使い物にならなかったっす(^^;。

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ボツ治具(^^;。コンロッド飾り用に使えます(笑)

で,2作目にしてその欠点を改良した物を製作したのが下の写真。部屋に転がっていた太目の針金を材料にし,現物合わせにて半田で繋ぎ合わせて製作。コストゼロの割には取り付け精度も完璧で繰り返し測定誤差も0.1g以下に納まって十分使えるものになりました(^^)。

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ご覧のように小端部と大端部の支持部を連結し,それぞれの穴にはめ込む部分をスプリング状にしてあるので,はめ込みのガタも無く再組付けしても測定値がばらつく事は無かったです。削る際には治具を外さないといけないのですが取り付けに気を使う事が無く,とっても使い勝手の良いものが出来て満足でした(^^)。

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使用方法はこのように小端部側を秤に載せ,同じ高さの台に大端部側を載せて測定し,今度は反対にして大端部側の重量を測定します。その後,予め治具のみで同様に測定しておいて,治具の重量を差し引いた値が小端部と大端部のそれぞれの重量となるわけです。これと同時に全体の重量も測定して,それぞれで測った値の合計と比較して誤差も求めておきますが,大体±0.1g以内に入っていました。
これを4本分測定して,それぞれの重量を合わせるために,せっせと削っていく事になります。

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ちなみに秤に載せる先端部は針金を曲げただけの丸みのついた形状だと誤差が出やすかったので,ヤスリでダイヤ状に削って点接触にしてやることがポイントでした。

実際に削っていく時に注意した点は,あくまでも表面の凸凹を取るのみと考え,大きな形状変更はしないようにし,もとの形状を遵守しました。そして,4本をこまめに測定しながら一番軽いやつを基準に重量を合わせていきました。

コンロッドNo.

加工前 研磨後
小端部 大端部 全体 小端部 大端部 全体
No.1 135.7g 417.2g 552.9g 126.0g 412.8g 538.8g
No.2 132.6g 417.6g 550.2g 125.6g 413.2g 538.8g
No.3 134.1g 419.0g 553.1g 125.7g 413.1g 538.8g
No.4 133.0g 418.2g 551.2g 125.8g 413.0g 538.8g

上の表が加工前後のそれぞれの重量です。加工前の全体の重量差は最大2.9gもありましたが,小端部と大端部それぞれの重量差もかなり大きく,全体の重量だけを測定した重量合わせではそれぞれの重量差を1g以内に納めるのも困難なことでしょう。そうなると如何にクランクやピストンのバランス取りを行なってもその効果が薄れてしまうので,この小−大端部での重量合わせが回転系のバランス取りの中でかなり重要度が高いと思いました(^^)。後はメタル大端部にメタルを含めた重量も測定し,微調整することになります。

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で,表面の研磨はこんな感じ。研磨する事によって微細な切り欠きを無くし,疲労破壊強度が向上すると言われているので,とりあえず頑張って磨いてみました。どの程度効果があるかは解りませんけど(^^;。


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