アミバ。
この名を聞いてときめいてしまう人はちょっとアブナイ。
この名を聞いてもなんだかわからない人は幸せな人ですが、
ここから先を読んでもたぶん理解できないでしょう。
新聞広告の裏で漢字の書取り練習でもした方がよっぽど有意義です。
…話を戻しましょう。
アミバ…それは「北斗の拳」で1,2を争う小悪党…もとい個性派。
そして、一部に熱狂的な信者を生んだカリスマ。
ちなみに、最近は、やたらにカリスマという言葉が濫用されていますが、
そもそもカリスマと呼ばれる人には、人を引き付けてやまない強烈な個性がなければなりません。
ちょっと人気のある美容師やインチキ教祖ごときにカリスマなどという言葉を軽々しく使わないでください。
言葉が汚れます。
ここから先を読めば、あなたもカリスマという言葉をどういう人に使うべきか、ご理解いただけるかと思います。
アミバ様の魅力…
それは、数々の名ゼリフと己の力に対する絶対的なまでの自信、
そしてあの感動的な死様、この3つでしょう。
「ん?間違ったかなぁ〜?」
「この俺様の顔をたたきやがったんだ〜っ!」
「どうやら貴様は最高の木人形(デク)のようだ」
「激振孔だぁ〜!」
「媚びろ〜媚びろぉ〜」
「俺は天才だッ!」
…これらの数々の名言を、絶妙なタイミングで使いこなすその技量は、
もはや究極奥義と言っても過言ではないでしょう。
無想転生なんか目じゃありません。
確かにアミバ様は拳の勝負ではケンシロウに負けましたが、精神面では常に彼を圧倒していたと私は思います。
していたと言ったらしていたの!
そして、どんなに失敗しても、つねに自分を天才だと信じるその芯の強さ。
たとえトキに恥をかかされようが、間違った秘孔を突いちゃおうが、
まったく反省しない態度…もとい、常に前向きな態度は、世紀末の希望の光であったとさえ言えます。
少なくともリンよりは希望が持てます。
それでいて、失敗した場合でも、「ん?間違ったかな〜」と、きちんと自分の非を認めているのです!
このことから、彼が自分のことを「天才」と言っているのは、つねに自分をギリギリまで追いつめるための
戒めであることが推測されます。
あの名チャンピオン、モハメド・アリが、つねに大口叩きで自分を奮い立たせていたように…。
そして、あの壮絶な死様。
ケンシロウの残悔積歩拳を食らい、自分の意志と関係なく足が動き、転落死をまぬがれなくなった
その瞬間まで、「天才のこのおれがなぜ〜」と、己の信念を曲げなかったその鉄の意志。
そして、末期の叫び「うわらば」。
これほど人の心を捕えて放さない死様など、そう滅多にあるものではありません。
私も彼を見習って、最期に「うわらば」と言い残して死にたいものです。
たぶん遺族は泣くでしょう、別の意味で。
…さあ、これであなたにもアミバ様の魅力がご理解いただけたかと思います。
「アミバ様に…会いたいな」とか、
「もっとアミバ様の事、知りたいの…」など、
ほとんどギャルゲー状態の方もきっといるでしょう。
そんなあなたは、文庫本板「北斗の拳」3、4巻を買いましょう。
アミバ様とジャギ様とウイグル様が
あなたを待ってます。
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