ファンタジー3・4
(スタークラフト)
スタークラフトの海外移植ファンタジーRPGシリーズです。
この頃の海外RPGは、非常に面白い作品が多かったです。
ハード的な制約が厳しかった分、グラフィックはなるべく単純にして、
その分内容重視の作品を作ろうという気概をひしひしと感じる事ができました。
また、そこがかえって想像力をかきたてられ、すんなりと感情移入することができた作品が多かったです。
思えば、この頃がパソコンRPGの全盛期だったような気がします。
今の海外RPGって、変にグラフィックをリアルにした分、操作性が悪くなったり、感情移入しにくく
なってしまったような気がするんですよね。
特に、海外ゲーム独特のあの濃すぎる顔グラフィックは何とかならないものでしょうか。
別に私はアニメ絵が好きってわけではありませんが、あの絵はちょっとなじみにくいです、正直言って。
いっそ顔グラフィックがない方がマシなんですけど。
ま、国民性の違いだからしょうがないんですけどね…。
さて、まずは「3」から紹介します。
内容は、悪の魔道士ニカデモスを倒す事が目的の2Dフィールド探索型RPGという、まぁありふれたものです。
はっきり言って画面構成はムチャクチャ地味です。
なんかアイコン付のウィンドウをたくさん開いて並べただけのような感じで、
一見すると「これ本当にゲーム画面?」と思いたくなるような無味乾燥な画面です。
ですが、その分、システムは非常にしっかりと作られていました。
このゲーム、ダンジョンはオートマッピング方式であるため、あの当時のRPGの常識であった
「自分で方眼紙にマップを書く」という行為が必要なく、また実に多くのイベントが用意されていたので、
ダンジョンを隅々まで歩き回るのが楽しくてしょうがありませんでした。
また、グラフィックがおそろしく地味な代わりに文章がきちんと作られていたため、
かえって感情移入度が高まって、ゲームの雰囲気にすんなりのめり込むことができました。
もっとも、このゲーム、難易度はわりと高めです。
その理由はアイテムや魔法の効き目がえらい極端なためです。
これはどういう事かと言いますと、例えば最も強力な回復魔法「Healing4」を使った場合、
HP(体力)が1ポイントしか回復しないこともあれば、99ポイント回復する場合もあるのです。
(このゲーム、MAXレベルで最大HPが200程度であることを考えれば、いかに極端であるかがわかるでしょう)
また、全体攻撃魔法も効果がランダムなため、下手をすると敵一体にしかダメージを与えられないこともザラです。
この辺の極端さが、このゲームの敷居を高くしていた原因でしょう。
そして、「4」。
今回の目的は、前作で倒した魔道士ニカデモスの息子アラサモスを倒すこと。
まあ…なんと言うか…やっぱりよくある内容です。
基本的なシステムは前作とほぼ同じですが、グラフィック面が飛躍的にレベルアップしました。
街グラフィックの追加、ダンジョンもウルティマやドラクエっぽい感じに変わり、
また、戦闘モードもキャラを実際に動かして戦うタクティカルコンバット風に変わりました。
それがいけなかった。
ディスクアクセスはやたらに多くなるし、
ダンジョンは単にだだっ広くわかりにくくなっただけだし、
タクティカルコンバットは実質的に戦略性ゼロなのでめんどくさくなっただけだし、
もうことごとく裏目に出まくりです。
本末転倒ってこういうのを言うんでしょう、きっと。
また、「4」は「3」に輪をかけてゲームを難しくする、訳のわからない新要素がありました。
このゲームにも、体力回復や魔力回復のアイテムとしておなじみのポーション(水薬)が存在するのですが、
なんとこのゲームのポーションは腐ってダメージを与えることがあるです。
つまり、戦闘でうけたダメージを回復させようとしてヒーリングポーションを飲んだら
実は腐っててさらにダメージを受けてしまう、なんてことが頻繁に起こるのです。
ちなみに、腐ってるポーションの見分け方は存在しません。
しかも、ポーションが腐ってるかどうかはどうやらランダム。
さらに、ゲームクリアに不可欠な希少な薬さえも遠慮なく腐ります。
一体、何のためにこんなアホな要素をわざわざ追加したのでしょうか?
未だに製作者に問いただしてやりたい気分が残ってます。
…というわけで、私にとって「3」はお気に入りの作品のひとつなんですが、「4」はハッキリ言って駄作でした。
それにしても、今となっては「3」のような「見た目は地味だけど味のあるRPG」ってのは、もう発売されないんでしょうか…。
やっぱ自分で作るしかないのかなぁ…。
でも、自分で自分の作った謎解いたってしょうがないしなぁ。