夜想曲2
(ビクターインタラクティブソフトウェア)


<ストーリー>

単位と引き換えに、夏休み中、教授の知り合いの図書館でアルバイトすることになった大学生の主人公。
だが、その図書館というのは、避暑地の山奥にある不気味な洋館であった。
「死に関する本」ばかりを集めてあるという、気味の悪い噂が絶えないこの図書館で、
主人公はひとり、管理人として寝泊まりするようになる。
そして、主人公はこの図書館に吸い寄せられるようにやって来る人々がもたらす、様々な事件に遭遇する。
それらの事件にかかわっていくうちに、主人公はこの館に秘められた秘密に近付いていく。
かつてこの図書館で起こった、悲しくも凄惨な事件の真相とは…?


赤川次郎氏が原作で、話題になった作品「夜想曲」の続編です。
ただ、正確には続編というよりパラレルワールド&完全版といった感じの内容です。
第一話〜第三話までの独立シナリオをすべてクリアすると、メインシナリオの「解決編」へと進む…という流れは前作と同じですし、
何よりも、肝心のメインシナリオが、前作で語りきれなかったエピソードを補完するという形でしたから。
また、前作の後の話にも関わらず、主人公男女のデフォルトの名前が前作と同じだったり、
前作で死んだはずの○○がオープニングに現れたりと、なんだかつじつまが会わない箇所がいくつか見られました。
まあ、内容自体の面白さは損なわれていませんので、あまり気にしない方がいいかもしれません。

 

 

さて、このゲーム、前作同様「奇怪な館を舞台にしたホラー物のようで実は推理物
という不思議な作品なのですが、今作では推理の難易度が格段にパワーアップしています。
ハッキリ言って、かなり難しいです。
よく考えて選択肢を選ばないと、すぐに推理に行き詰まってしまいますし、
何も考えずに「選択肢つぶし」を繰り返すだけでは、おそらく解決までに相当の時間がかかってしまうでしょう。
テキストを流し読みしていると、大事な情報を読み飛ばしてしまうこともしばしばなため、
しっかり内容を把握しておかねばならず、ほどよい緊張感の中でプレイすることができるのが面白かったです。
なんだか昔のパソコンAVGみたいで、今ではあまり見られない内容ですね、こういうの。
もっとも、第二話のあまりの難しさには、さすがの私も
ブチ切れそうになりましたが。
自力でコンプリートする気なら、かなりの根気を必要とするでしょう。

 

 

また、このゲームの特筆すべき斬新なシステムに「ミステリーチップ」というのがあります。
これは1ゲームにつき5回まで使えるコマンド(△ボタン)で、シナリオ中、
「あれ?コイツ変なこと言ってるなぁ」とか「あれ?コレおかしいぞ」と思った時に使う(△ボタンを押す)と、
選択肢を待たずにその場で推理を展開したり、通常では見られない展開が起こったりするという、
言わば「隠れた分岐」を探すことができるシステムです。
これは、かなり面白いシステムだと思いました。
もっとも、作中では第一話以外、あまり意味のある使い方をされてなかったような気がしますが…。
その点は残念です。

 

 

そういうわけで、結論としては
「推理物として楽しめる数少ないサウンドノベル」
といったところです。
前作より内容が洗練されていると思いますしね。
ただ、前作のデータがないと全てのシナリオを見れないってのが
チト気になりますが…。
ま、いいか。私は持ってますし(笑)。

 

追記:パッケージの帯やCDケースの裏をよく見ると…。

 

おまけ:登場人物紹介


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