「黒ノ十三」ベストシナリオTOP3


「黒ノ十三」は、その名の通り全部で13本のシナリオが用意されています。
そんな中で、特にお気に入りの3本を厳選してみました。
しかし、暗いというより不快な話ばっかです、この作品は…。
おかげでコメントも少々過激ですが、そこはブラックユーモアと言うことでご容赦をヽ( ´ー‘)丿
みなさんにとってのベストシナリオは何ですか?
ぜひ感想を聞かせて欲しいです。


第1位:「羽音」

(あらすじ)

空を飛ぼうとして飛べない虫
そんな自分の夢を見て目を覚ます主人公、今中多恵子。
優しい母に起こされて、今日も重い体を引きずって学校へと通う。
行きたくもない学校へ…。

学校には、楽しいことなどひとつもなかった。
無視され、いじめられ、つまはじきにされる。
その度に、彼女の中の「何か」がザワザワとざわめく。
胸の中で、何かが蠢く。
それは、あの時からだった。
いつも自分をいじめる3人組に、「あれ」を無理矢理口の中にねじ込まれた時から…。
悪意にさらされるたび、多恵子の中でカサカサ響く「羽音」。

誰も多恵子を救ってくれなかった。
それどころか、周囲はどんどん彼女を追いつめていった。
彼女の中の「羽音」は、ますます大きくなっていく。
そんな中、ついに彼女は、ある「おまじない」をすることを決意する。
いつからか学校で噂になっていた、かつて彼女と同じようないじめに耐えかねて屋上から
飛び降り自殺した、ある女生徒の力を借りるおまじない。

…だが、それは多恵子を救うどころか…。
彼女は、すでに…。

 

< コメント >

出ました…家庭用ゲーム史上最悪と言っても過言でないこのシナリオ。
あらすじを読んでも救いのない内容だということがわかるでしょうが、これでも相当おとなしく書いてるくらいです。
いかにフィクションとは言え、ここまで救いようのない話をよくぞ書けたものです。
ただ、誤解のないよう言っておきますが、決してシナリオ自体の構成や文章が救いようのないわけではありません。
あくまでも話の内容が救いようのないだけです。
失礼な言い方ですが、こんな話を書いたシナリオライターさんの精神を疑いたいくらい真っ暗です。
「恐怖」も「スリル」もない、ただひたすら人間の悪意とおぞましい暗黒面を見せつけられる、どうしようもない展開。
「とうとう救われなかった」どころか「最初から救われていなかった」このシナリオ。
このコメントを見て、「ちょっとやってみようかな?」と思った人に忠告しておきます。
気分がヘコんでる時はやめときましょう。
ムチャクチャ不快な思いをすることになります。

 

追記:なんとな〜くオープニングが「Air」に似てます、コレ。
   ですが、もし「Air」がこんな内容だったら
暴動が起きてるでしょう

第2位:「雨に泣いている」

(あらすじ)

主人公と恋人の真由子は、雨の帰り道、不思議な物体を拾う。
生物のように動き、鳴く、白いふわふわした肉のような塊。
不気味に思いつつも、なぜかその物体に魅かれた二人は、主人公のアパートにそれを持ち帰る。
それが後に、二人にあまりにも重い宿業をもたらすことになるとも知らずに…。

それから日々が過ぎ、その不思議な白い塊に主人公はますます魅せられていく。
それは、「これを食べてしまいたい」という、正気とは思えない魅力だった。
あの日以来、なぜか会っていない真由子のことさえ気に掛けなくなってしまうほどに。
しかし、この塊を拾って以来、主人公は常に何者かの視線を感じることが多くなった。
そう、まるで監視されているかのような…。

そんなある日、いつものようにぼんやりと塊を眺めている主人公の前に、一人の男が現れる。
まるで死神のように青白くやせこけたその男は、主人公に「それを返せ」と迫る。
不気味な来訪者に気圧されながらも、その申し出をはねのける主人公。
そんな主人公に、男はその白い塊「龍肉」の正体を語り始め、主人公をある場所に案内する。

そして、主人公は、外界と隔絶されたその場所で、龍肉にまつわる真実を知る。
さらに、そこには意外な人物が彼を待っていた。
…それは、主人公の恋人、真由子だった。
だが、なぜ、真由子がここに…?

…なぜ、あの時、あんなものを拾ってしまったのだろう…?
もう、あの時には帰れない…。


< コメント >

相変わらず救いようのないストーリーですが、ラストシーンの一言にジワリときてしまい、2位にエントリーしました。
「僕が泣くのは、真由子のことを思ってではない。
自分が人間であることを確かめたいからなのだ…」
このセリフがなかったら、このシナリオはベスト3に入らなかったでしょう。
他のシナリオにも、もう少しこういう「救いようがないけど、なんとなくしんみりさせられる」結末があればよかったのに…。


第3位:「女嫌い」

(あらすじ)

猛暑が続いていた。
気楽なひとり暮らしがしたくて、寮から今の下宿に引っ越した「僕」は、最近寝つきが悪かった。
ここのところの猛暑もあるが、得体の知れない老婆の出て来る夢と、
それに伴う金縛りに悩まされていたからだ。
そんな僕を心配してくれる、同じ大学で知り合ったひとりの女の子。
僕はどうも昔から女の子が苦手…と言うか、うっとうしくて嫌いだった。
でも、そんな僕にも、気さくに彼女は話しかけ、何かと世話を焼いてくれる。
女の子にはひたすら愛想の悪い僕に、なぜ彼女はこうも親しくしてくれるのだろうか。
そんな彼女をいつしか信頼していた僕は、最近寝付きが悪い理由を話していた。
普通に考えれば馬鹿げた妄想としか思えない夢と金縛りの話を、彼女は真剣に聞いてくれた。
彼女の真摯な態度に、僕はつまらないことで思い煩うのはやめようと思った。

…だが、老婆の夢と金縛りは一向に止まず、そればかりか僕は、
起きていても頻繁に老婆の姿を見るようになっていた。
恐怖にさいなまれ、学校へも行かず部屋に閉じこもってしまう僕。
そんな僕を心配して、彼女は下宿まで来てくれた。
彼女の励ましを受け、僕は彼女と共にこの怪異の原因を突き止めようと決意した。

…それが、僕の記憶を呼び覚まし、彼女にあのような仕打ちをすることになるとも知らずに…。
僕を好きだと言ってくれた彼女に対して、あのような仕打ちを…。
いや、僕を好きだと言ってくれたからこそ…。


< コメント >

まず一言。
主人公!テメェは死ね!
よくもまあここまで人の好意を踏みにじる行動ができたものです、コイツは。
普通、こういうシナリオの場合、主人公とヒロインが力を合わせる展開になるものを…。
そりゃまあ、そういう展開にしたら「お約束」とか「ワンパターン」とか言われるかもしれませんが…。
だからと言って、あれはあんまりです。
確かに斬新と言えば斬新な展開でしたが、セオリーを無視すれば面白いシナリオになるってもんでもないでしょうに。
途中までなんかほのぼのとしているだけに、たまらんです。
せめてハッピーエンドへの分岐もあるのであれば、こういうエンディングもありなのでしょうが。
ま、あえてこういうエンディングにしたのも、英断って言うべきなのかなぁ…。


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