第16話「鉄人、『ベアルファレス』を語る」


ベアルファレス。

なんか北アイルランドの首都みたいな名前ですが(←そりゃベルファスト)、最近発売されたファンタジーARPGです。
一言で言うなら
「アクション版一人タクティクスオウガ」って感じの、
クォータービューのちびキャラがちょこちょこ動く形式の画面構成という、モロ好みの雰囲気。
おまけに主人公作成型(性別も選択可)マルチエンディングRPGとくれば、これはもう私にとっては即買いゲームでした。

 

 

このゲームは、伝説の地下都市の遺跡「アスラ・ファエル」を舞台として、そこに眠る財宝や失われた秘術を求める
冒険者達を主人公とした、クォータービュー型アクションRPGです。
このゲームには総勢13人の仲間が出てくるのですが、通常は主人公を含む3人でパーティーを組んで行動します。
誰を仲間に選んだか、またシナリオ中に出てくる選択肢の選び方によって仲間との相性が変化していき、
ゲームクリア後、もっとも深い関係になった仲間とのエンディングを迎える、という形式です。
こう書くと、一見マルチシナリオのように見えますが、シナリオ自体は一本道です。
まあ、それでも仲間にしたキャラによってかなり違う台詞回しや動作をしてくれますし、個性豊かな人物が揃っている
ので割と楽しめるのですが、やはり私としては選んだ仲間によってシナリオが変化するようにして欲しかったです。
キャラクター別のオリジナルイベントも少ないですし、その辺は少し残念でした。

 

 

また、このゲームの特徴として「トラップ」というのがあります。
これは読んで字の如く、キャラ毎に持っている「罠」のことで、キャラによって凍結や炎、雷などの様々な効果があります。
この「トラップ」をうまく利用して地下遺跡のさまざまな難所をくぐり抜けていくのが、このゲームの醍醐味です。
炎のトラップで敵の巣を燃やしたり、凍結のトラップで敵を凍らせてから攻撃したり、吸引のトラップで道を塞ぐ岩を
動かしたりと、なかなかにバリエーション豊かで楽しめます。
ただ、後半になるほどこうしたパズル的なアクションが少なくなっていくのがちょっと不満でしたが…。
また、このゲームでは、トラップの他に魔法も使えるのですが、はっきり言って回復魔法以外は全然役に立ちません。
おかげで攻撃魔法系のキャラが足手まといにしかならなかったので、この点は改善の余地ありです。

 

さて、財宝探しが目的と言っておきながら、この作品の真のテーマはずばり「神」です。
およそアクションRPGらしからぬ深遠なテーマなのですが、この作品のシナリオを私は大変気に入っています。
古今東西、ラスボスが神ってパターンのRPGはそれこそ腐るほど出てきましたが、この作品ほど「神とは何か」という、
あまりに単純にして深刻な命題に対して明確な答えを出しているRPGを、私は見たことがありません。
たいていそういう場合、「宇宙の意思」だの「高次元の存在」だのといった感じのあいまいな表現でお茶を濁すのが
多いんですが、この作品では、実にわかりやすい言葉で語っていたので、非常に感心しました。
こういう話をすると、なんだかアヤシイカルト宗教の話かと思われる方がいるかもしれませんが、むしろその逆です。
そんなうさんくさいものでも説教臭いものでもありません。
クライマックスで○○○○○○が語る「神とは何か」というシーンは、悪い意味で宗教にハマってる方々にぜひ見てもらいたいです。
ま、ここでネタバレやっちゃうのはまずいですから、毎度おなじみの「やってみろ!」としか言えませんが…(^^;

 

 

…とまあ、そんなわけで色々と書いてしまいましたが、なんだかんだ言って10回もリプレイしていますし、
私はこのゲーム、かなり気に入ってます。
モロ続編希望です。
見た目が地味なせいか、ゲーム雑誌でもあまり宣伝されていないようですから、少しでも知名度を広げるために、
ここで宣伝しておきましょう。

ベアルファレスは面白い!
お金に余裕がある人は買おう!


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