第3話「鉄人、サウンドノベルで踊る」


夏の夕暮。
「Dance Dance Revolution(以下DDR)」をプレイしていた時のことです。
ふと私の脳裏に、こんな考えが浮かび上がってきました。
「DDR専用コントローラーでサウンドノベルをやったら
どうなるのだろうか?」

 

アホです。
クーラーなし&風通し皆無の官舎で、滝のような汗かきながら「DDR」なんぞやってたために、
熱中症にでもかかって脳がいかれていたんじゃないでしょうか。
しかし、その時の私は、そんな疑問を微塵も抱くことなく、おもむろに「弟切草」をプレステにセットしました。

 

 

そして、一時間後…
「がぁぁぁァ!こんなのやってられるかッ!」

 

当然です。
なんだかひどく疲れました。それも、「DDR」をプレイしている時の疲労とは違います。
なんと言うか、長時間そわそわとエレベーターを待っている時のような
消極的な疲労でした。
なにせ選択肢が出る時以外はひたすら○ボタンをふみふみするだけなのですから。
こんな無意味な行動で限りある寿命を1時間削ってしまったのです。
間違いなく、今までの人生で5本の指に入る
極上の時間の無駄でした。

 

 

後日、この話を聞いた先輩の一言がすべてを物語っています。

「何やってんのよ、キミは」


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