(2) 大陸の時代(中生代白亜紀〜新生代古第三紀)
主に火成活動による地質形成

 ジュラ紀末に陸化した日本は、新生代中新世になって日本海ができるまで、東アジア大陸の一部を成していました。
 この時代、白亜紀から古第三紀にかけ、西南日本内帯では広域的な火成活動が起こりました。各地で激しい火山活動による大規模な火砕流が発生し、巨大なカルデラが形成されたのです。また、地下深くではマグマが冷え固まって花こう岩類ができました。兵庫県には、この時期にできた火砕岩類や花こう岩類が広く分布しています。
 また白亜紀後期には、淡路南部に東西に細長く伸びた和泉内海ができて、アンモナイトや二枚貝などの化石を含む泥岩や砂岩が厚く堆積しました。
 始新世の終わり頃(3800万年前頃)になると、神戸あたりに海が進入して古神戸湖と呼ばれる湖ができました。神戸層群は、このときの湖に堆積した地層です。


(1) 篠山層群の堆積

 ジュラ紀後半から白亜紀にかけて、兵庫県は全域にわたって陸化が進みました。丹波地方の篠山付近に分布する篠山層群は、白亜紀前期の地殻変動で生じた沈降域に形成された湖成層です。篠山層群の上部層には、火山岩類が多くはさまれるので、このころから火成作用がさかんになり始めたことがわかります。
 この火山活動は、次の西日本内帯の大規模な中性〜酸性火成活動のさきがけとなるものでした。

(2) 激しい火成活動の時代

 白亜紀中期〜後期(約1億年〜7000万年前)になると、兵庫県の全域は完全に陸域となり、火成作用がさらに活発になりました。カルデラの形成をともなう大規模な火山活動と花こう岩類の貫入が広範囲に起こり、それらは古第三紀まで断続的に続いたのです。この火成作用は、日本だけではなく東アジア一円に広く起こりました。
 では、このような大規模な火成活動は、どうして起こったのでしょうか。それは海洋プレートが沈み込むことによる熱の発生と、プレートからの水の供給。そして、温度の高い海嶺が沈み込んだために大量のマグマが発生したと考えられています。
 兵庫中央部は、この時の火山噴出物に広く覆われており、分布する地域によって有馬層群・生野層群・相生層群などと呼ばれてきました。これらの地層は、溶結凝灰岩を主体とする酸性火砕岩類からなっています。このような火山活動にやや遅れて、花こう岩類が貫入しました。花こう岩類としては、六甲花こう岩・播磨花こう岩などがあげられます。
 日本有数の金属鉱山であった生野鉱山や明延鉱山は、この時代の火山活動による熱水によってできた鉱床(熱水鉱脈鉱床)です。

相生層群の溶結凝灰岩(高御位山山頂) 六甲山地の花崗岩(横尾山)
(3) 和泉層群の堆積

 論鶴羽山地を中心とした淡路島南部には、砂岩・泥岩互層を主体とする堆積岩が分布しています。これが、和泉層群であり、アンモナイト・三角貝・イノセラムスなどの化石を多産することでも有名です。これは、白亜紀前期頃から活動を始めた中央構造線の北側に沿った細長い堆積盆に形成された地層なのです。

和泉層群の砂泥互層(淡路吹上浜) 和泉層群中のアンモナイト(淡路湊)
岩屋層の砂岩(淡路絵島)
(4) 神戸層群の堆積

 三田盆地、神戸市の西部、淡路島の北部には、神戸層群とよばれる地層が分布しています。これは、中期始新世末〜前期漸新世(3800万年〜3100万年前)、日本がまだ大陸の一部だった頃にできた地層です。
 神戸層群の中でもっとも古い多井畑層(神戸市西部)や岩屋層(淡路北部)は、海で堆積した地層で、貝の化石を産出します。その上位の白川層などの地層は、湖や河川で砂や火山灰などを厚く堆積した地層で、保存の良い植物化石が多く産出することで有名です。このときの湖を古神戸湖と呼んでいます。


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