不肖私が主催するゲームサークル「POLARSTAR」で、2001年から2013年まで発行していたゲームレビュー誌「どせいさん」シリーズ。そこに寄稿していた私のゲームレビューを掲載します。初期の原稿は私のサイトの内容そのままなので割愛いたします。 どせいさん発行履歴(レビュー割愛分) 2001/12/29 格げどせいさん 2002/05/03 ぱずるどせいさん 2003/08/15 あくしょんどせいさん 2005/05/01 シューティングどせいさん 2006/11/05 格げどせいさん おかわり |
ギルティギアゼクス |
ドリームキャスト |
2007/08/15 格げキャス子さん |
カプコンもSNKも落ち目になってしまった現在、格ゲープレイヤーの期待を一身に背負う(ACは外したみたいだが)ギルティシリーズの2作目。ゼクスシリーズの1作目と言った方がいいかもしれない。アーケード版は2000年の発売。美しいハイレゾのグラフィックに、カッコいいキャラクターたちとド派手な必殺技、滑らかな動き。初めて見たときは、「格ゲーもここまで来たのか」と驚かされたものだった。それからあんまり進化していないという説も・・・。 システムは、あちこちのゲームから寄せ集めてカッコ重視の横文字の名前を付けている(チェーン→ガトリング、エリアル→ダスト等)。寄せ集めのわりには破綻も無くキチンと纏まっているのは評価できる。デッドアングルとかフォルトレスとか言われても意味分からないんだけど。 本作の最大の美点は「技が出しやすい」ということだろう。ガトリングがあるので適当にボタンをガチャガチャ押しているだけでコンボになるし、ガトリングからのキャンセル必殺技も簡単に出せる。コマンド入力が下手な私が、通常技キャンセルで超必殺技が出せる(ことがある)のは本作とストV3rdとKOF11だけだ。 CPU戦の難易度は低めで、適当なガチャプレイでも結構楽しめる。ラスボス前のテスタメントがちょっと手ごわく、ラスボスのディズィーは激強。ファーストプレイでは、3時間ぐらいコンティニューし続けたものだ。ところが慣れとはすごい物で、いつの間にかノーコンティニューでクリアできるようになっていた。俺つえー!と言いたいところだが、イノにはよく負けるし聖騎士ソルには歯が立たない。 で、残った紙面でマイキャラ・ディズィーの魅力について滔々と語りたいところなのだが、まあそれはまた別の機会に。ディズィーは毎回のように弱体化させられるので、本作のディズィーが一番強力かも。泡が無いのは残念だけど、ジャンプKが強いし、ネクロも威力が高い。ゲージがまず溜まらないけど、ディズィーレーザー(大)も魅せ技としての魅力十分。パッドでは非常に出しづらいのだが、フォルトレスディフェンスキャンセルでガインガインと高威力のしゃがみHSが連発できるのも爽快。まあバグ技なんで次作から無くなってしまった。その代わり(?)フォースロマンキャンセルが導入され、数フレームの目押しが当然のごとく要求され、素人にはますます敷居が高くなってしまった。 久し振りにDC版をプレイしたら、ディズィーのイラストがあんまり可愛くないのにビックリ。こんなガキンチョだったっけ?まあ3歳だけど。初めてXXをプレイしたときは「うわ〜ディズィーがオバサン顔に〜」と思ったものだが、いつの間にかそちらに馴染んでしまっていたようだ。 まあディズィーの顔グラはともかく、PS2で続編が何作も出ているので、今更DC版をオススメする理由は無い。が、キャラが増えている以外は大きな違いは無いので、ラスボスのイノの言動がムカツク、ラスボスは可愛くなくちゃとか、エディーじゃやだ、ザトーじゃ無きゃダメとか、そういう人はDC版が最適かも。 |
スーパーストリートファイターIIX |
ドリームキャスト |
2007/08/15 格げキャス子さん |
一世を風靡したストUシリーズの最終作。通信販売限定なので、当時はかなりタマが少なかったように思う。しかし、ネット対戦の終了とPS2版ハイパーストUの発売もあって放出した人が多いのか、今では意外に見つけることができる。 本作は、今でも都会のゲームセンターで稼動しているほど、息の長い高い評価を得ている。その理由として、1・キャラ間のバランスがいい、2・分かりやすいシンプルなシステム、3・技を当てたときの気持ち良さ、スーパーコンボの爽快感、4・魅力的なキャラクター達、などが挙げられるだろう。 私は対戦をやりこんだ口ではないので、バランスについてとやかく言うのは割愛させていただく。Xの頃ぐらいから、強者こそ正義!弱い奴はゲームをやるな!みたいな雰囲気が蔓延していたような気がする。被害妄想かもしれないけど・・・。 最近(と言ってももう10年ぐらいになるのか)の格闘ゲームは、やれチェーンだガトリングだ、エリアルだのオリコンだのクイックシフトだの、複雑なシステムがてんこ盛り。それによってハメを防いだり、上級者の伸び代を増やそうとしたりしているのは分かるのだが、おかげで素人と玄人の差はますます開くばかりで、対戦格闘離れの原因にもなっている。本作ではそのような複雑な要素は一切無い。初代ストUに無くて本作にあるのは、スーパーコンボと投げ抜けぐらいだろうか。その後の格ゲーでは必須とも言えるダッシュや空中ガード、ガードキャンセルも無い。やる気をモリモリ削ぐ長い長いコンボも無いので、純粋に技一つ一つの当て合いスカし合いを楽しむことが出来る。 チェーンなどの多段技が無い分、技一つ一つに重みがあり、単発技を当てただけで気持ちがいい。また、ゲージが満タンになったときに出せるスーパーコンボの爽快感は格別。超必自体は龍虎あたりが発祥だと思うが、技を出すことによってゲージを溜め、ゲージがあればいつでも一発逆転が狙えるというシステムは本作が起源だと思う。ほとんどの2D格闘は本作のゲージシステムを踏襲している。一撃必殺だったスーパーコンボも今では手垢にまみれ、小足ヒット確認から入れるのがデフォみたいになってしまったが、本作では文字通りの一撃必殺で、たとえ瀕死でも、スパコンならなんとかしてくれる!みたいなロマンがあるのがいい。 キャラクターの魅力に関しては、さすがカプコンといったところ。耽美とかビジュアル系といった奴らはいないのに(しいて言えばバルログ?)、どのキャラクターもカッコよく個性に溢れている。ホークなんて渋くて男惚れしてしまう(Xになって立ち大Kが弱体化してカッコ悪くなってしまったのだが・・・)。10年後、魅力的な格ゲーキャラクターのアンケートを取ったら、ストUキャラが上位を占めるのではないだろうか。間違ってもオロとかK9999とかアバとかが挙げられることは無いと思う・・・。 さてここまでは長所だが、以下に感じた短所を簡潔に。1・技が出にくい、2・CPUのルーチンが的確すぎ。よって、異常にストレスの溜まるCPU戦になってしまっている。対人戦しかしない人ならともかく、技も出しやすいしCPUも弱めなサターン版のストリートファイターコレクションのほうがオススメだ。 |
バーチャファイター3tb |
ドリームキャスト |
2007/08/15 格げキャス子さん |
バーチャ3は、シリーズの中ではコケたほうというイメージがあった。しかし、5のコケっぷりを見ると、十分成功した作品だと今ならば言える。確かにムーブメントを作った2ほどはヒットしなかったが、2より私は3が好きだ。 本作から投げのコマンドが全てP+Gに統一されて、投げが失敗したときはスカリポーズが出るようになった。2は投げのコマンドがPだったりP+Kだったりで、投げ失敗時にも自動2択で打撃が出たりした。投げ仕込みのヒジ、ヒジ、ヒジ・・・なんてジャッキーと当たった日にはやる気も失せたものだ。投げコマンドの統一と投げ失敗時リスクの発生には無条件で賛成。 また、エスケープボタンが追加されて4ボタン方式になった。平面的な戦いから奥行きを活かした立体的な攻防へ、ということなんだろうけど、正直それほど活用されていなかったように思う。4の避けのようにシステム的な無敵時間があるわけではないので、上手く相手の技をかわすのは難しい。じゃあ無敵時間をつければいいかと言えば、避け天国になってもらっても困るし、難しいところだ。4は投げシステムの変更に伴って、打撃・避け・投げの3すくみが上手く機能していた。だからといって、それをエボ、FT、5まで引っ張るのはさすがに飽きると言うものだが。 アンジュレーション(勾配)の導入も新要素。立ち位置によって有利不利があったりコンボが変わったりと、悪くない要素なのだが、対戦ではみんなアキラステージばっかり使っていたような。そのくせ、5がコケるとアンジュをなくしたからだとか批判して、全くゲーム製作者も大変だなあ。 3は意欲的な作品だったが、当時ウケが悪かったせいか、避けボタン、アンジュ、ガードで回転技が引っかかる点、チームバトル、鷹嵐、などの新要素は軒並み続編で削除された。しかしながら3の欠点はそんなことじゃなくて、なんと言っても最大の欠点は、「キャラがカッコ悪い」の一言に尽きる。キャラの顔がマネキンみたいで気持ち悪く、ジャッキーなんかヤンキーと言うよりむしろジャンキー。衣装がまたセンスが悪く、例えば2のリオンのライフジャケットなど素直にカッコいいと思えたものだが、3では土産物屋で買ったようなダサいTシャツ姿になってしまった。ジジイはホビットみたいだし、影のメッシュのシャツ(鎖帷子?)やツルツルのズボン(??)なんて最悪。3の衣装を担当した奴とOK出した奴は責任取れ!ってU氏か。あとさすがにtbで修正されたが、下Kカウンターから投げがつながるのはいかにも寒い。 DC版の移植度はどうか。ゲーム内容はよく移植できていて、業務用のコンボも違和感無く入れることが出来る。しかしながら、VSモードが無いとか、まともなトレーニングモードが無いとか、ボタンコンフィグで同時押しを割り当てられないとか、DCの浮沈を一身に背負った看板作品のわりに、完成度はかなり低い。発売当初こそ思わなかったのだが、キャリバーやDOA2に比べるとポリゴンの関節部分がガタガタだ。グラフィックがゲーム性を決めるわけではないが、ハードホルダーのセガには最高のものを出してほしかったわけで。DC撤退が発表されるまで、3完全版の発売を期待していたあの頃の私。 |
ファイティングバイパーズ2 |
ドリームキャスト |
2007/08/15 格げキャス子さん |
前作は全国大会などが行われたりと、かなりヒットしたと言えるが、2のほうは正直売れなかった。何故だろうか?3D格闘自体が下火になってしまったこともあるが、私は一にも二にもキャラ設定の失敗だと思う。まずイメージイラストに今井トゥーンズ氏を起用しているのだが、これが失敗。ごてごてと気持ち悪い有機的な絵柄で、はっきり言ってバイパーズのクールな世界観と全くマッチしていない。このイラストで引いた人はかなりいるのでは。ポリゴンキャラ自体も今井氏のイラストを元にしているので、やたらごてごてと装飾過剰でかっこ悪い。特にサンマンのアーマーやバンの肩当て、ジェーンの巨大なグローブなど見事にダサい。それから、初めて実物を見たときの発色の悪さも忘れられない。暗い檻の中で血の気のないマネキンのような連中が殴りあうのを見たとき、このゲームがコケるのを確信した。新キャラのチャーリーもエミも、プレイヤーを魅了するものがまるで感じられない。結局旧キャラも新キャラも、全然愛着が持てない。ハニーもなぜかあんまり可愛くなくなってしまった。 このゲームのバーチャとの大きな相違点は、壁、受身、アーマー、ガードアタックである。壁は、バーチャでリングアウトが不評だった為に導入されたのだろう。受身は空中コンボ確定を防ぐ為に導入されたと思われる。バイパーズは、簡単に敵を浮かせることが出来る反面、浮かせても受身のためにダメージが確定しない・あるいは反撃されるという要素がある。個人的には、浮かせたときぐらい確定ダメージというリターンがあってもいいと思う。それよりもっと浮かせにくくして欲しいと思う。アーマーだが、これはなかなか面白い要素ではないだろうか。アーマーを破壊されると受けるダメージが増えるので、相手にダメージを与えるのと別に、相手のアーマーを如何に破壊するかという観点から戦略を組み立てる必要が出てくる。またアーマーを破壊したときのエフェクトも爽快で、してやったり気分が満喫できる。ただ前作に比べて、アーマー非装着時でもそれほどダメージに差が無いような気がするが。ガードアタックは、相手の技をガード後に反撃するというもの。また、アーマー破壊技でもある。今でこそ当身技、ブロッキング、ジャストディフェンスなどの攻撃的防御が普及しているが、前作の当時はかなり新鮮な要素だった。とにかく攻めがきついゲームなので、守りも強くしようとした結果なのだろう。今作は下段GAが導入されたので、とりあえず下段技でつぶしとこうという考えが通用しにくくなった。PKG同時押しでテックガードというものが今作で導入されたが、GAとかぶっているし、GAのほうが攻撃的で楽しいと思う。投げスカリが導入されたのも前作が初めてだろうか。当時はバーチャ2で投げと打撃の自動2択が嫌というほど横行していた時期なので、リターンに見合ったリスクを、ということなのだろう。 上述のように、バイパーズはバーチャ2のネガをつぶすように考察され、実際それが上手く機能していた。しかし残念ながら2には、そのような新しい提案は見受けられない。むしろやたら面倒で不自然なコマンドなど、考えが古臭い。一気に2本取れるスーパーKOは新要素だが、とても新しい提案とは言えない。戦績によって攻略ルートやボスが変わる要素が導入されたが、別にどうでもいいや。デルソルとかカーンとかキモイし。 |
マーブルVS.カプコン2 |
ドリームキャスト |
2007/08/15 格げキャス子さん |
VSシリーズ4作目。前作の「マーブルVSカプコン」がキャラが増えただけでほとんど進化のない作品だったため、VSシリーズも終わりかと思っていたが、NAOMI基盤を得て見事に進化して帰ってきた。 ぱっと見て画面が非常に美しい(当時)。キャラクター自体は今までとあまり変わらないが、ポリゴンを使った背景がとても美しい。ビームなどのエフェクトも非常に美麗で、見ているだけで楽しい。 そして今作のウリは、なんといってもこのキャラクター数。なんと総勢56人。今までの格闘ゲームの常識をはるかに超えた数だ。嬉しいのは、初代X−MENから前作まで、アメコミシリーズに出ていたキャラが全て使えるということ。ほぼ忘れ去られていたであろうコロッサスとかサノスなどが勢ぞろい。版権を取るだけでも大変だっただろう。カプコン側の熱意に脱帽。ただ、キャラが多すぎて要らないキャラも多いように思う。ロックマン系とかアミンゴ・サオトメ・ソンソンなんて要らなかったのでは?キャラが多いせいで、マーブル側の新キャラ・マロウなんてものすごく影が薄いし。マロウの顔、ぱっと思い出せる?いっそのことマーブルキャラだけでゲームにしたほうが良かったのでは。 本作は、ゲームの要であるエリアルレイブが非常に入りやすくなった。前までは、跳び込みからエリアルレイブに持っていくのに、着地後の前ダッシュが必要だった。本作ではジャンプ技からスムーズにエリアルにつなぐことができ、非常にやり易くなっている。また前作までは相手の高度を見ながらタイミングを調節しなくてはならなかったが、今作は適当にボタンを連打しているだけでもエリアルがビシバシ入る。そのため、初心者でも十分にエリアルの爽快感を満喫することができるようになった。ハイパーコンボ自体も波動+ボタン同時押しなどと簡単なコマンドなので、エリアルの締めにハイパーコンボを入れることも、私ですらわりと簡単に出来る。当然対戦では逆にエリアルを入れられることも多くなっている。腕に差があると一方的な虐殺ショーになってしまうが、まあそういうゲームということで。 それからディレイドコンボとヴァリアブルコンビネーション。どちらもハイパーコンボをこれでもかと相手に叩きこむシステム。お互いかぶっているような気もするが、ボタン同時押しで手軽に出せるVCと、相手の状況を見ながらコマンドを入れていくDCという使い分けか。どちらも決まったときの爽快感はかなりのものだ。 次は短所を。本作では、待機キャラが援護攻撃をしてくれる「アシスト」が無制限に使える。これが曲者で、いきなり予想外の場所に攻撃判定が発生するので、対処が非常に困難だ。アシストの攻撃からエリアルにつなぐこともできる。アシストで出現したキャラにも当たり判定はあるのだが、なぜか食らったダメージは全て回復可能なので、ほとんどリスク無しでアシストを使うことができる。当然対戦ではアシストの嵐。特に通信対戦では、本当にうんざりするほど皆アシストばかり使っていた。いったい誰と誰が戦っているのか分からないほどだ。アシストのせいで、キャラバランスも悪化。ほとんどハメのような対戦風景は日常茶飯事。アシストなからましかば、と本気で思う。 |
アドヴァンスド ワールド ウォー 千年帝国の興亡 |
セガサターン |
2007/08/17 どんだけどせいさんやねん |
メガドイブの「アドバンスド大戦略」の血を引くWWII系シミュレーション。サターンではWWII大戦略は他に2作出ているが、正直出来は今ひとつ。1作目の「鋼鉄の戦風」はシステム的にはメガドライブの直系で悪くは無いのだが、「爆撃シーンをキャンセルできない」というイラつくバグがあるため、2週目をプレイする気が全然起きない。「作戦ファイル」はバグこそ修正されたものの、仮想シナリオがヌル過ぎで全く面白くないし、ソ連キャンペーンなんてまるで食指が動かない。 で、3作目の本作。本作では前作までとは大きくシステムが変わっている。まず目を引くのが、空と陸の2面に分かれたマップ。従来のシステムでは戦車のZOCで飛行機を足止めしたり出来てしまうのだが、本作では戦車の上空に飛行機が留まったり通過したりすることも出来るようになった。飛行機の下の地上部隊は戦闘時にパラメータが加算修正されて、「制空権」という概念を上手くゲームに落としている。グラフィック的にも、天候や時刻によってさまざまに変化する半透明な上空マップが美しい。朝・昼・夜といった時刻の概念が出てきたのも本作からか。今までは1ターン=1日で、まあターン中に適当に休憩を取っているんだろうと夢想したものだが、本作では24時間数十日間ぶっ通しで戦いずくめ。兵隊さんは大変なんです。 次に、FPW(フォースパワー)というシステム。従来での弾薬、燃料、士気といったものを強引に一つにまとめたシステムだ。従来では、燃料切れで動けなくなった部隊がマップ上で立ち往生していたり、航空機が燃料切れで墜落するのを防ぐために離着陸を繰り返すのが面倒だったが、本作ではそういった面倒なことが簡略化されてプレイしやすくなった。 そして最もゲーム性に影響する大きな変更としては、将軍システムが挙げられる。「将軍」と呼ばれる重要な部隊があって、将軍に近接した部隊は、前述のFPWやユニット数を補給できるというもの。ラングリッサーと同じシステムと言えば分かりやすいだろう。それにより、将軍と配下の部隊は常にまとまって行動する必要があり、「師団」という概念を表現している。また、従来のように部隊単位で経験値が入るのではなく、配下の部隊の戦闘で得た経験値で将軍がレベルアップしていく、というのもラングリッサーと同様だ。部隊単位での経験値が無いため、例え部隊が全滅したとしても(滅多に無いが)、前作のようにリセットボタンを押さずにはいられない、ということが無い。旧作では、成長を重ねた歴戦の歩兵部隊が全滅すると本当に脱力したものだった・・・。本作では、将軍ですら撃破されてもリセットする必要は無い。まあそんなことはまず無いけど。 また、本作では従来の「部隊の合流」という概念が無い。従来では、「戦力は兵力の2乗に比例する」というランチェスターの法則に則り、如何にユニット数をMAX状態で維持するかが重要になっていた。従来は都市上でしかユニット数の補充が出来ないため、最前線に戦車団を展開して、その背後に合流用の戦車を配置し、戦闘で失った機数を素早く合流によって補充する必要があった。そのせいで、部隊をなるべく同じ種類の部隊で構成するほうが有利、ということになってしまう。折角駆逐戦車やら突撃砲やら色々な種類の兵器が用意されていても、合流のメリットを考えると地上部隊は全て4号戦車、なんてことになりがち。本作では合流自体が無いため、フンメルだろうがマーダーだろうが好きに使っていいですよ、ということになる。「将軍に隣接していればユニットの補充を受けられる」というシステムも、兵器の柔軟な運用に有利に働いている。 最後に前作との根本的な違いとして、敵も味方もマップ内では兵器の生産が出来ない、という点が挙げられる。従来のSIMでは、趨勢が決まったあとはダラダラと戦車とか航空機を生産し続けてダレるとか、いくらでも湧いてくる歩兵にウンザリすることも多かったが、本作では、マップ上にあらかじめ配置されている部隊のみで決着をつけるようになっている。都市から補充できる物資も限られているため、如何に被害を出さず、戦線を硬直させずに迅速に進軍するか、が問われるようになっている。この生産不可システムは、昔からのボードSIMライクで私が本作で一番気に入っているところだ。ただ、ターン中の兵器生産が無い分、ターン開始前の作戦画面での兵器生産・開発・配置が重要になってくるのだが、ここでセーブ出来ないのは大いに不満なところ(ラングリッサーは出来る)。 総じて、新しいシステムは全てゲームを簡略化・初心者向けにする方向に向いている。特にFPW制と将軍システムは、本格ウォーSIMよりもライトなRPGチックSIMが好きな人に受け入れやすいはずだ。一度に運営する部隊数も他の本格ウォーSIMに比べて少なめでお手軽だ。放っておけばどんどん複雑化・肥大化するシリーズ物の中で、一度はこういったリセットを入れてみるのもいいことだと思う。難易度も全体的に低めで、例えば最終面のベルリン防衛戦ですら、普通に敵全滅勝利が可能。メガドラ版では考えられないことだ。普通にプレイするだけで、お遊び面の南極に行けたりもする。 さて、数々のシステムの変更により遊びやすくなり、愛好者も多い本作であるが、では最高傑作と言っていいだろうか。私の実感としては、う〜ん、なんとも微妙なところ。なんと言っても本作のネガが、「地味である」、その一言に尽きる。1部隊が5機編成(従来は10機)なために、どうしても戦闘が地味になってしまう。ファーストプレイ時はバグかと思ってしまったぐらい。さらには戦闘のメインがFPWの削り合いなため、ますます地味さに拍車をかけている。特に防御力が高いユニットとの戦闘は、心底爽快感に欠ける。FPWは将軍に隣接しているとターン開始時にMAXまで回復するため、1ターンでユニットを倒しきれるか否か、運に左右される部分も大きい。 また、航空機を運用する上空マップ。地上マップは四角マスをずらして配置した擬似ヘックスなのだが、上空は単純な格子マップ。上空の1マスが地上の4マスに相当するため(それはゲーム的には正しいのだが)、上空は異様に狭くて地味。さらに航空機は移動力が3〜4しかないため、空中戦はこれ以上無いほどの地味さ加減。例えるなら、飛車角の無い将棋。2面マップの弊害がもろに出てきてしまった感じだ。 先ほど難易度は低めと書いたが、本作ではターン制限が厳しい。ターンオーバーでも先に進めるために、ゲームを進めるだけなら難易度は低い。ただし、少ないターンで勝利を得ようと思ったなら(ボーナスがもらえたり別の面に分岐したりする)、難易度はぐっと高くなる。前述のように、FPW制のために素早く敵を撃破出来るかは運に頼る部分も大きいため、セーブ&リセットが必至になってしまう。天候がランダムなので、航空機の地上支援も運頼み。また、策敵システムを無視した繰り返しプレイでの敵の布陣の把握や、敵を誘導しておいての歩兵による速攻占領等も必要になってくる。それが戦略だと言えないことも無いが、ゲームシステムを悪用するようで気が引ける。ここはやはり、航空機と戦車と長距離砲の正当な運用こそ正解、という風にして欲しいところだ。その為には、早くクリアするほうがお得、なんてシステムは蛇足。どのみち生産も無ければ補給物資も制限があるのだから、ターン制限は緩くしてじっくり腰を据えてプレイできるようにして欲しいところだ。 また、初心者にも分かりやすい本作ではあるが、何十時間もプレイしている私にして、航空機支援がどうなっているのか(航空機の種類に関係するの?残りFPWが影響するの?夜間は?天候は?)説明不足なのと、ユニット数及びFPWの数値と攻撃力がどう関連するかよく分からないのも問題だ。 本格的SIMマニアには受けなかったのか、本作のシステムは以降には受け継がれずに、次回からはまた昔のシステムに戻ってしまった。当然のごとくシステムは複雑化し、DC版2001なんて心底ウンザリするゲームになってしまった。私自身は微妙ながらも、本作をWWII物の一押しに推す意見をネット上ではよく見かける。未プレイの方は是非一度プレイしてみてほしい。この地味さが気にならなければ、一生物になる可能性もある。 |
ギャルゲー |
セガサターン |
2008/8/16 どんだけどせいさんやねん2 |
のっけから否定的で申し訳ないが、私はいわゆるギャルゲーが苦手だ。別にギャル自体が嫌いなわけでは無いが、ターゲットがいつどこにいるか逐一把握してなけりゃいけなかったり、思った言葉をぐっと飲み込んでうすっぺらいお世辞を言わなければバッドエンドまっしぐらだったり、いつもは忘れていた痛い思い出が蘇ってきたりと、どうもプレイしていて楽しいと思うことが少ない。というわけで、あまりギャルゲーはプレイしていないけれど、数少ないプレイ暦の中からオススメギャルズランキング。 1.波多乃神奈<この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO> 堂々一位はYU-NOから、波多乃神奈。謎が多いYU-NO世界においても、ひときわ謎めいたミステリアスな美少女。生きるために体を売るという悲しい運命。問い詰める主人公の前で、自ら衣服を脱ぎ去り公園で×××・・・。分岐によっては彼女は死んでしまうのだが、マジで「死ぬな〜」と心で叫んでしまった。他にも魅力的な美少女が多数登場し、CGも綺麗でエロ度も十分、オススメの1本だ。シナリオは菅野(剣乃)氏なので、大風呂敷広げすぎなのはいつものこと。 2.持田真歩子<下級生> 二位は下級生から持田真歩子。わりと普通の女の子でクセが無く、純朴で世間ずれしていない自然体が魅力。バイトしている店で花さえ買っていればデートできるので、攻略難易度も低い。サターン版は当然エロシーンカットなので、WIN版を推す。あの純情そうな真歩子ちゃんがWIN版ではあんなことやらこんなことやら・・・。エルフらしくテキストも楽しめる。ちょっと1プレイが長いのが難点。 3.斉藤亜子<同級生if> 三位もエルフから、同級生ifの斉藤亜子。「同級生」ではなく社会人でありながら、世間知らずで純情で子供っぽい、そんなキャラクターがスマッシュヒット。ボブへアーと素人っぽい喋り方(プロの声優さんだが)も魅力的。全般的に「下級生」より難易度が低いしプレイ時間も短くて手ごろなので、初心者にもオススメできる。 4.想鐘サキ<クイズ七色DREAMS 虹色町の奇跡> エルフ作品が続いたので、次はカプコンの想鐘サキ。アーケードでは鐘紡サキだった。デートするたびに傷が増えていく、謎の少女の正体は?献身的でけな気な性格が魅力的。他にも、幽霊だとか魔法使いだとかゴキブリ食うヤツだとか、エキセントリックな女の子が目白押し。クイズゲームとしても、設問のバランスがよく難易度もほどほどのため、楽しくプレイできる。 5.名前未定<プリンセスメーカー2> 次はちょっと毛色を変えて、プリンセスメーカー2の主人公。名前はプレイヤーが付ける。グラフィックやBGMの雰囲気作りが上手い。特にバカンスでたわむれる娘の姿には癒される。ファーストプレイのバッドエンドには泣かされた。2回目のプレイで「お父さんのおかげでこんなに大きくなりました」みたいなこと言われたときも涙腺緩んでしまった。続編の「ゆめみる妖精」のほうがシステム的には完成度が高いが、肝心の女の子がでこっぱちで可愛くないのが致命的。ちなみに現在2キャラ分リアルプリンセスメーカープレイ中。 あとは思いつくままに紹介。 <タクティカルファイター> 女子高生を学校にも行かさずに格闘家に鍛え上げるという育成SIM。マイナータイトルにしては主人公の瞳が可愛らしく描けていて、健康的なお色気もあり、プレイ意欲をそそる。SIMとしての出来は微妙。育て方によって40kgの虚弱格闘家だったり80kgの巨漢になったりする。 <アポなしギャルズオリンポス> 女の子をアポなしで勝手に召還して魔物と戦わせるという、なんだかよく分からないゲーム。ストーリーも電波でまるで理解できない。サターンでクソゲーばかり出していたヒューマンにしてはゲームの出来はまとも。沢山いる女の子が意外と可愛らしく、イベントやエンディングもキャラごとにあるので、ギャルゲー好きには楽しめるだろう。 <全国制服少女フランプリファインドラブ> パズルをプレイして女の子とねんごろになるというよく分からないゲーム。パズルの難易度は低め。女の子は結構沢山いて、意外なほど一人一人のシナリオが作り込まれていて感情移入度が高い。エロさも十分。手元にパソコン版の攻略本があるが、なんとヘアー丸出し。 <My Dream〜ON AIRが待てなくて〜> 女の子を声優に育てる育成SIM。声優ブームの中で作られただけあって、声優陣は豪華で、しかも3人の中からCVを選んだり出来る。SIMとしての出来はそこそこで悪くは無い。絵柄は独特でみんなデコ助で幼児っぽいのだが、オススメはボーイッシュないずみ。 <フリートクスタジオ〜マリの気ままなおしゃべり〜> ラジオのDJになって番組を盛り上げようというゲーム。ゲストとの会話を選んでゲストの機嫌とリスナーの人気度を上げていく。選択肢によっては思わぬ方向に話が展開していくのが楽しい。主人公の新米DJ香坂マリとラスボスのアイドル河井奈津美の二役を国府田マリ子が演じている。芸達者だなあ。 <おまかせ!退魔業> 実写のギャルゲーは敬遠される傾向にあるが、私は結構好きだ。話が短くすぐ終わってしまうのだが、それなりに楽しい。女の子3人組FEELも、そこそこ可愛い。「ドクロちゃん」の千葉紗子が一番可愛くないような気が・・・。オープニングは歌・画ともいい感じだ。 <慟哭> あまりにデータイーストっぽく無いギャルゲー。女の子がどれも可愛らしく、YU-NOとタメを張るエロ度だ。それが惨殺されていくというのだから・・・。最初の犠牲者が出たときは心底身震いした。オススメではあるが、トリックが意地悪で難易度が高く、なかなか素直に進めさせてくれないのが大きな難点。攻略サイトは必須だろう。 <黒の断章> 耽美的な絵柄が美しい、クトゥルー神話を題材にしたアドベンチャー。サクサク進んで、慟哭やクロス探偵のように進めずにイライラすることが無い。配役で犯人が分かってしまうの難だが・・・。婚約者が目の前で殺されて、その場で輪姦される・・・というシナリオはちょっと抜いた、じゃなくて引いた。 <野々村病院の人々> まだサターンに18禁が許されていた時代の作品なので、オッパイがバッチリ拝める。エルフのゲームは凡百のギャルゲーと違い、主人公の男に魅力があるのがいい。もちろん女の子も可愛らしく、無駄に猟奇殺人に発展しない地に足の着いたシナリオも評価できる。 <プリンセスクラウン> キャラ人気は高いが、わりと平凡なアクションRPG。主人公グラドリエルが人気だが、一押しはライバルキャラのプロセルピナ。グラドリエルのような優等生ではないが、自分の欲望に正直な素直なキャラで好感が持てる。プロセルピナ編が短か過ぎるのが惜しまれる。 <スーパーリアル麻雀V> サターンで2〜7までプレイできるスーパーリアル麻雀シリーズだが、おそらく一番人気が高いのはVではないだろうか。スクロールがガクつくがちゃんとオッパイが見れるし、何より女の子が可愛らしい。本命はもちろん綾。麻雀としてはクソ以外の何物でもないが・・・。「海へ〜summer waltz」もオススメ。 |
ジオメトリウォーズ |
XBOX360 |
2008/12/28 POLARSTAR通信 |
ゴッサムからスピンオフしたシューティング。左アナログスティックで自機を操作し、右アナログスティックで弾の発射方向を決めるという、極めてシンプルなインターフェース。加えて画面は「光速船」ライクなワイヤーフレーム調のシンプルなグラフィック。従来のシューティングから贅肉を極限まで削ぎ落としたようなゲームに仕上がっている。 特筆すべきは美麗なグラフィック。先ほどシンプルなグラフィックと書いたが、それでいて尚目を引く派手なグラフィックなのが素晴らしい。背景の格子模様が重力や弾幕によって歪んだり、スターマインのように画面中で展開するビデオドラッグのような爆発のエフェクトなど、本当に綺麗。ハイデフ機の面目躍如だ。 画面が綺麗なだけではなく、ゲーム性も十分。逃げて撃つ、ただそれだけなのに楽しい。ただそれだけだから楽しいのだろうか。四方八方からの敵の猛攻を何とか切り抜けたときの覚醒気分は、他のどんなゲームよりも強烈だ。 1プレイが短くて済むのも気楽にプレイ出来ていい。上手い人はどうだか知らないが、私程度なら大抵1ゲーム5分程度で終わる。しかもその短時間で十分トリップ感が味わえる。おかげでちょっとのつもりが結局ずっとプレイしてしまったりするのだが・・・。 ゴッサム4に続編のWAVEが、またライブアーケードにも2が出ているが、どちらかと言えば本作のほうをオススメする。 追記:やり込むとやっぱり2のほうが断然面白い。よって2をオススメ。 |
ピンボールFX |
XBOX360 |
2008/12/28 POLARSTAR通信 |
名前の通りのピンボール。台は当初3台だったが、順調に追加コンテンツが配信され、今は7台にも増えた。最新台はなんとストIIをモチーフにしている。特に目を引くギミックの無いシンプルな台だが、ストIIキャラの声が飛び交うのが楽しい。ダルシムは苦手なキャラだったが、本作ではダルシム様様だ。 特筆することの無いスタンダードなピンボールなのだが、やはりハイデフで描かれたピンボール台は綺麗。描画はフルポリゴンなので、視点を好みで迫力重視・見易さ重視など色々変えられるのが長所。どの台もバランスよくデザインされているので、無茶苦茶面白いと言うほどでも無いのに、一度やり始めると止め時を失って、いつまでもプレイしてしまう。早々とボールをロストしても、すぐにリトライできるでついムキになってしまう。 体験版でプレイできるのが一番バランスが良くて人気の台なので、是非一度体験版をトライすることをオススメする。ただし、ラウンドの条件が説明不足なのが最大の難点で、ちょっとプレイしただけではなかなかスコアが伸びずに、面白みが分からないかもしれない。ちなみに完全版は800MSPで、無料の追加台を含めて4台で遊べてお徳。ちょっとした息抜きに気軽に遊べるので、ライブアーケードには相応しいタイトルだ。カジュアル派だけではなく、自分のスコアが世界何位かすぐに分かるので、やり込み派の人も満足できるだろう。Kazeのピンボールが好きだった人には是非オススメしたい。 |
ギアーズオブウォー |
XBOX360 |
2008/12/28 POLARSTAR通信 |
緻密に書き込まれたグラフィックが売りのTPS。HALOのようなFPSでは、臨場感があって狙いがつけ易いという利点がある反面、視界が狭く、障害物に引っかかったり突然足場から足を踏み外したりすることがままある。本作は操作キャラが客観的に見えるので、前述のような欠点は無く、また照準も狙い易いように上手く作ってある。HALOをやっていて「あ〜今横っ跳びできれば〜」と思うことがよくあるが、本作はそんなアクションも自由自在。キャラクターが背後から見えるゲームは、壁際で視点がおかしくなってわけが分からなくなることが多々あるが、本作ではその辺もうまく違和感の無いように処理してある。 登場人物はどれも強面&ガチガチのマッチョメンで、お色気の欠片も無い潔さがいい。主人公マーカスのCVはHALOの軍曹の人で、渋さに磨きがかかっている。渋いだけでなく、「プランBはなんだ」「ねえよそんなもん」のような軽口も楽しめる。敵も凶悪な面相のモンスターばかりだが、「どかーん☆」とお茶目なブーマーや、「ニンゲンメ」とセクシーボイスのセロンガードなどなど、プレイしているうちに愛着がわいてくるから不思議。 Z指定だけあって、ハードコアシーンは強烈。これでも海外版からは修正されているそうだが、チェーンソーで体がバラバラになったり、ヘッドショットで頭部がふっとんだりと、スプラッタフリークな私は大満足。続編の2はさらにスプラッタ度が上がっているようで、そのせいか日本では今の所発売未定。CERO何とかしてくれよ。 キャンペーンは全5面で、少な目と言われているが、私にはちょうどいいボリューム。難易度も、最高難易度はHALO3やCOD4に比べて多少控えめ。ただしラスボスは凶悪で難儀する。真ん中の難易度がムズ面白いので普通の人にはお勧め。 本作の特徴的なアクションに「カバー」がある。壁などに張り付いて敵の銃弾から身を隠せるというもので、システム的に擬似的な無敵を作り出すのはどうかと思ったが、やってみるとこれが意外と楽しい。敵もカバーを使ってくるので、うまく敵の側方に回りこんで敵のカバーを無効化させたりする戦略が楽しめる。ただしカバーや前述の横っ跳び、ダッシュなどの動作がすべてAボタンひとつでできる簡単操作が売りではあるが、そのためダッシュしているときにカバーが誤作動したり、素早くダッシュに移れなかったりなどのマイナス面もある。もうひとつの特徴が「アクティブリロード」。リロード中にタイミングよくゲージを止めることによって、リロードの時間を短縮させることができる。最初はなんだか面倒なシステムだと思ったが、リロードの隙をタイミングひとつで消すことができるというのは結構楽しくて、本作プレイ後にHALOをやるとリロード時の手持ち無沙汰な時間がなんだかもどかしく感じてしまう。パーフェクトなタイミングだと銃弾の威力が一定時間増加するというボーナスもあり、原理はよく分からないが、ゲーム的には楽しいのでOK。 オンライン対戦は、復活が無くやられると見ているだけなので、初心者にはかなりツライ。キャンペーンは十分楽しめるので、オフ専門の人にむしろオススメできる。 |
ヘイロー3 |
XBOX360 |
2008/12/28 POLARSTAR通信 |
旧XBOXで大ヒットしたHALOシリーズの完結編(らしい)。本作も大ヒットし、発売から1年以上が経過した今でも、ネット対戦が盛んで対戦相手に困ることは無い。 大作だけあって、細部まで隙無く作り込まれている。例えば武器バランス。前作で強かった即死武器四天王、スナイパー、ロケットランチャー、ショットガン、ソードがそれぞれ弱体化されたが、それでも見つけるとすぐ拾ってしまう魅力は健在。前作で使いにくかったブルートショットやニードラーも強化され、扱いやすくなっている。新武器のレーザーやハンマーなども爽快で楽しい武器だ。マップは、発売当初は評判が悪かったが、アップデートで調整が施され、また追加マップも増えて、今では評判の良かった2と遜色ないと言える。「対戦が楽しいFPS」なら他にも色々あるだろうが、対戦を丸々リプレイで残せて後でじっくりと研究が出来たり、詳細な対戦成績が自動で記録され、ネット上で参照することが出来たり、ルールやマップをいじって自由度の高い対戦を楽しめたりと、いろいろ便利ツールが搭載されているのは本作だけではないだろうか。 対人戦だけではない、ストーリーモードも本シリーズの楽しさの一つ。正直2のストーリーモードはいまひとつ評判が悪かった。特に高難度モードでのバランスの悪さが顕著で、硬すぎる白エリート、問答無用の即死スナイパー、虫のくせにウザ硬いドローン、うじゃうじゃ出てくるゴーストなど、心底イライラさせてくれたものだった。本作ではそこいらが上手く調整され、ショットガン+殴りなど、対人戦っぽく戦うことも出来るようになった。それでも易しすぎることも無く、最高難度では十分な歯ごたえで楽しませてくれる。前作ではおまけでしかなかったスカルだが、本作ではスカル自体の探索とスカルによる難易度調整で、さらにキャンペーンを楽しめるようになっている。前作には無かった巨大メカとのバトルや、対人戦ではあまり出ない武装バイクや小型飛行機の操縦も楽しめる。 ではキャンペーンの出来は最高かと言うと、実はそうではない。まず第一に、壮大なSF3部作の最後を飾る作品にしては、シナリオが意味不明かつ説明不足。いきなり空からチーフが降ってきて唖然としたし、地球に来たフラッドがどうなったのかとか、何が起こるか分からないのにいきなりHALO起動させるとか、2からの主要人物が意味も無く死ぬとか、前作で謎を残したグレイブマインドがどうなったのかさっぱりだとか、オチも達成感が無くつまらないとか、これだけ金をかけて作り込まれた大作なのに、なぜシナリオだけがこんなにも電波でクソなのか全く不思議だ。会話も、「HALOは棍棒じゃないのよ」とか「よく聞けティンカーベル」などの粋なセリフが全く無くなってしまった。そしてなにより、節々でスキップできないコルタナやグレイブマインドのカットインが入るのが、最高にイラつかせられる。誰だよこのキャンペーン監修したヤツは・・・。 とまあ、シナリオに不満はあるものの、プレイヤー人口が多くレベル制のおかげで、いつでも自分に合ったレベルの人間とネット対戦できるのは本作ならでは。初心者から熟練者まで、自信を持ってオススメできるタイトルだ。 |
バーチャファイター5 ライブアリーナ |
XBOX360 |
2008/12/28 POLARSTAR通信 |
バーチャ5は誰がどう見てもコケたタイトルだ。過去に一大ムーブメントを作り上げ、著名な博物館で展示されるほどのステータスを得たシリーズにしては、現状は寂しすぎる。 コケた要因は幾つでも挙げられる。相変わらず進化の無い初心者殺しの下PとP投げ。4とあまり変化の無い新鮮味の薄い内容。初めて見たとき目を疑ったバウンドコンボ。見た目にありえない壁張り付き。魅力もインパクトも乏しい新キャラ。不必要に増えすぎた技群と連携。技が増えたせいで薄れたキャラごとの個性。綺麗は綺麗だが、光源処理で見にくい事があるグラフィック。ワイド画面になったせいか、キャラが小さくて地味に見える。巨大化したジェフリーやウルフが普通サイズで、ルチャなんか小人プロレスに見える。グラフィックと合っていない当たり判定。混乱と調整不足が見え見えの0フレーム投げと投げの2回判定。そこまで不確実要素を無くしたいのかという投げ相殺の導入。地味で直感的でない新要素のオフェンシブムーブ。効果が高いくせに地味で2択の面白さをスポイルする屈伸の横行。4の頃から変わらない初心者狩り推奨カードシステム。 とまあ、挙げていけば幾らでもコケ要素は見つかりそうだ。だがしかし、プレイするとこれが意外にも結構楽しいのだ。なぜここまでコケたのかが不思議に思えるくらい、むしろヒットした4より面白いと思えるくらいだ。バウンドコンボにしろOMにしろ相殺にしろ、慣れてしまえば結構いいじゃんとまで感じるようになる。 360版最大の売りは、ネットでの通信対戦搭載。これは先に発売されたPS3には無い360だけの特典だ。360でバーチャ最新作が出ただけでも不思議なくらいだが、さらに通信対戦まで搭載してくるとは思いもしない驚きだ。しかも思った以上にいい出来なのだ。もちろんラグくて試合にならないときもあるが、主に日本国内の相手だと、ほとんどラグを感じずにまともに試合が出来る。マッチングシステムには少々難ありだが、十分楽しめるし、発売から1年がたった現在でも、そこそこ対戦相手を見つけることが出来る。 そして私が強くオススメしたいのは、対CPU戦。PS2のバーチャEVOもCPU戦が楽しかったが、本作はさらにCPUのアルゴリズムが作り込まれ、CPU戦が楽しめるようになっている。クエストモードではCPUにも多少だが個性が設定され、名前のあるCPUキャラをゲーセンを渡り歩いて倒していくのが楽しい。コスチュームなどの収集要素もプレイ意欲をそそる。私のような下Pヒット確認も出来ないようなヘタレでは、ネット対戦ではカモもいいところ。そんな私でも、CPU戦は十分楽しむことが出来るし、現に今でも引っ張り出してクエストモードをプレイしている。ただこれだけは言っておくが、いくらCPU戦をやっても対人戦は全く上手くならない。それだけは私が身をもって保証できる。 2009年1月には廉価版が出るので、興味の無かった人にも是非プレイしてもらいたいソフトだ。ただ、スティックがバカ高くてバカデカイのか高いくせに耐久性が低いのしかないのが最大の難点だ。廉価版が大ヒットしてくれれば、360で最新作のRが出るかも・・・無理かな・・・まあ別にいらないけ(ry |
コールオブデューティー4 モダン・ウォーフェア |
XBOX360 |
2008/12/28 POLARSTAR通信 |
人気のFPS、CODシリーズの第4作。前作までは第二次世界大戦が舞台だったが、本作では現代に舞台を移し、テロリストと近代兵器を駆使して戦うことになる。最新作の5は太平洋戦争が舞台だが、残念ながら日本での発売は未定。 特筆すべきは美しいグラフィック。HALO3やギアーズのレベルを超え、もはや異常と呼べるほど。中盤での、ザザーンみたいなギリースーツを纏った暗殺ミッションなど、すみませんこれ実写ですから!というレベルだ。 本作のウリもLIVE対戦。本作では、RPGさながらに経験値を稼いで武装をレベルアップさせていくという要素がある。「やり込んだヤツだけが得するシステムなんて・・・」と思ったのだが、実はそうではない。戦うだけならば、初期装備で十分。ただし、レベルアップすれば、様々な装備が選べて自由度の高い行動が取れるようになっていく。初期装備でも十分というのが上手い所だ。経験値は、例え負けても増えていく。そこも上手い所で、HALOは面白いゲームだが、負けて得るものは一切無い。当然負ければストレスが溜まる。FPSに限らず格ゲーでもレース物でも、オンライン対戦は「勝てなければ楽しくない」場合がほとんど。「勝者の法」は結構だが、それによって勝てない人間がどんどん脱落していった結果、オンラインは過疎り残るのは廃人級ばかり、故に新規プレイヤーもすぐ狩られてオンラインから消えていく、という悪循環になりがちだ。本作では、例え負けてもプレイに応じて経験値が入るので、たったそれだけのことで、負けたときのストレスが激減している。また、プレイ中に「チャレンジ」というミッションが用意されていて、どの武器で敵を何人倒せとか、しゃがんで敵を倒せだとか、様々な条件を満たすことによって経験値や特殊装備が手に入るようになる。決してチャレンジクリアにシャカリキにならなくてもプレイ回数で自然とクリアすることも出来、また武器ごとにチャレンジ項目があるので、自然と様々な武器を使うようになる、うまいシステムだと思う。このチャレンジがあるために、自分だけではなく他プレイヤーみんなが色々な武器を使うことになる。HALOと違って自分で使う武器は自分で選べるので、下手をすれば全員同じ武器ばかりということになりかねない。本作ではアサルトライフルにスナイパー、ショットガンにハンドガンと様々な武器を見かける。武器間のバランスがいいのも確かだが、チャレンジのシステムも使用武器の多様化に貢献しているだろう。 HALOと違ってすぐ死んでしまうのも、初心者には向いている。HALOでは上手いプレイヤーには返り討ちにあうことがままあるが、本作なら先に敵を発見さえすれば勝てることが多い。どんなに初心者でも、1キルも出来ずにやる気を失くすことは無いだろう。 キャンペーンでは最新テクノロジーを使った派手な戦いが楽しめ、リトライ時のストレスも少ない。地獄のベテランモードも十二分に楽しめる。ラス面だけは難しすぎて未だにクリア出来ないのだが・・・。本体を2台つなげても2人対戦しかできない(1台なら4人)のが最大の難点だが、それはレアケース。HALO3と並んでオススメできる1本だ。 |
バーンアウト パラダイス |
XBOX360 |
2008/12/28 POLARSTAR通信 |
箱庭系カーアクションゲーム。驚くべきは、その箱庭の完成度。ビル街から山道まであるだだっ広い街を丸々XBOX内に作りあげ、しかも端から端まで走っても全く手抜きやアラの見つからない見事な作り込みで、本当に街が一つテレビの中に存在しているかのようだ。景色のいいところで車を止めて散策してみたいと本気で思えるほど。TDUやGTAなどの箱庭系ゲームをプレイしていないので比較できないが、本作の次世代っぷりには心底驚いた。画面が綺麗になっただけの他ゲーなどとは雲泥の違いだ。 そしてその街の中で、タイムアタックや他車とのレースをしたりつぶし合いをしたり、ハイジャンプをしたり看板をぶち破ったり、プレイヤーは自由にやりたいことをやることが出来る。基本プレイはレースやつぶし合いに勝利してライセンスを上げていくことであるが、ダラダラ走って隠された看板やジャンプポイントを探すだけでも楽しい。ビルの屋上からハイジャンプして看板をぶち破る爽快感や、一般車を避けながらハイスピードで走り抜けるスリルは本作ならではの快感だ。 クラッシュすると、実写の衝突試験さながらのリアルなクラッシュシーンのショートリプレイが流れる。超豪華版ハードドライビンといった趣か。何度も見ることになるので見慣れてしまうが、初めて見たときのインパクトは絶大。スーパージャンプ時のカメラ演出もカッコいい。 これだけの広い街なのに、エリアの切り替わりでロード待ちなどは一切無い(ほんの一瞬のロードがあるが全く気にならない)。その分ゲーム開始時のロードは長いが、最初だけなので十分許容レベル。走っている最中でもところどころで自動セーブしてくれるので、疲れたら何も考えずにいつでも止められる。親切なマップにワンボタンでロード待ち無く一瞬で切り替えられるし、ホントに至れり尽くせりなゲームだ。 今年10月の無料アップデートでバイクと時間の経過が追加された。バイクで走るとまた新鮮な感覚だし、時間経過による景色の変化も美しい。夜は真っ暗になって走りにくいのだが、夜中ずっと走っていて、夜が明けてきたときの安堵感と夜明けの美しさは特筆物。これだけの大型アップデートが無料だと言うのだから、さすが天下のEAである。 街が広い上にやるべき事もいくらでもあるので、気に入った人は100時間単位でいくらでも遊び込めるだろう。私個人は、やるべきことが多すぎて逆に飽きてしまったきらいが無いでもない。ただいまプレイ時間30時間ちょい、バーンアウトライセンス取得済みだが、さすがに看板やジャンプ台も残り少なくなると、広大な街の中から探し出すのはキツイ。特にジャンプ台は既にクリアしたかどうか見て分からないのが面倒。前述のマップに自分でマークを書き込めたら更に良かった。ライセンスのほうも、次のレベルアップには120ものイベントをクリアしなければいけないので、ちょっと途方にくれている所。まあ少しずつ気が向いたときにコツコツ進めていこうかなと。オフでやれることが多すぎて、オンラインなんかやる気がしないのが正直な気持ち。 |
NINJA GAIDEN2 |
XBOX360 |
2008/12/28 POLARSTAR通信 |
旧XBOXでヒットしたアクションゲームの続編。板垣氏がテクモで監修した最後のゲームだ。前作は評価が高かったが、正直私はそれほど楽しめなかった。本作をプレイして驚いたのは、前作で感じた欠点がほとんど全て取り除かれていたことだ。 前作では、アクションゲームなのに無駄な探索要素が多くて、同じ場所を行ったり来たりしなければならなかったり、何をすればいいか分からずになかなか先に進めなくてイライラしたことが多かった。本作ではほとんど探索要素がなくなり、純粋にバトルの連続を楽しむことが出来る。また、前作は視点が悪く壁がらみでわけが分からなくなることが多かったが、本作ではカメラがぐっと進化して、視点がらみのイライラはかなり解消された。ネット上では視点が悪いという意見をたまに見るが、2の出来なら私は十分合格点だと思う。ただ、対ボス時の視点のロックは不十分で、カメラがボスの動きに追従できないことが多く、正直1周するまで視点のロックに気付かなかったぐらいだ。視点ともからむが、前作は足場や壁走りから何度も落ちてイライラさせられたが、本作ではシビアなジャンプは必要ない。また私は前作ではついに飯綱落としを出せなかったが、本作では入力タイミングが簡単になり、ファーストトライで楽勝で出せるようになった。また、前作ではアイテムの所持数が多く、ボス戦はテンポの悪いアイテム消耗戦の様相を呈していたが、本作では持てるアイテムが少なく、制限された状況の中でテンポよく戦うようになっている。また、本作では戦闘が終わるとある程度体力が回復したり、セーブポイントで体力が全快するなど、多少のミスはアイテムを消費せずにリカバリー出来るようになっている。少なくとも低難易度では、チマチマした計算をせずにガンガン戦うことができ、より爽快感が味わえるようになっている。武器や技が増え、それぞれ特徴があって使い分けが楽しい。どの技モーションも相当作り込んであって見栄えがするのはさすが。面数は、前作は全16面でちょっと多すぎて途中でダレてしまっていたが、本作では少し面数が少なくなり、ダレずに楽しめる程度に収まった。 本作は、敵の手足がもげ、首が飛び、血飛沫が飛び散る残酷描写が売りの一つになっている。一見ただの悪趣味だが、敵の四肢欠損によって攻略が変わるということによって、残酷描写がゲーム性に密接に組み込まれている。残酷描写や不具描写にうるさい昨今、このバイオレンスを押し通した板垣氏はやっぱり漢だった。でもやっぱり悪趣味は悪趣味だが。 難易度は4段階で、一番簡単な難易度でも私には結構難しく、二番目でかなりキツキツ。上から二番目の難易度で完全に無理ゲー。そこで投げた私が言うのもなんだが、前作ではノーマルで1周半ぐらいで飽きてしまったが、本作はクリアしても難易度を上げてプレイしたくなる魅力に溢れている。360の実績システムもモチベーションの維持に役立っている。一般ゲーマーから腕に覚えのある強者まで、幅広い層に存分に楽しめるいいゲームだ。まあ高難度で発狂する前に挫折したからそう言えるのかもしれないが・・・・。 |
ソウルキャリバーIV |
XBOX360 |
2008/12/28 POLARSTAR通信 |
ソウルキャリバーシリーズ第4作。エッジも入れれば5作目。過去の作品はアーケード版もあったが、本作は家庭用のみ。IIIのようにあとからアーケード版が出る可能性も無くは無いが、ネットで世界中と対戦できてしまう本作があるので、もはやアーケードは必要とされない時代なのかもしれない。 最新作だけあって、グラフィックがとても美しい。DOA4やバーチャも綺麗なグラフィックだったが、絵画的なセンスを考慮すると、僅差だが本作に軍配を上げてもいいだろう。エロさも加点すればダントツで本作の勝ちかも・・・。 新キャラは槍お姫様のヒルダ、ラスボスのアルゴル。そしてなんとスターウォーズからヨーダ、追加料金払えばベイダー、他ゲームとのコラボでアプレンティスが参戦。有名漫画家のデザインでアシュロットなどの5キャラも追加と豪華メンバーだ。 本作の売りの一つが、キャラクタークリエイション。前作でもあったが、キャラクターの外見を自由にカスタマイズできるというもの。前作では私はほとんどキャラクリなどしなかったが、本作はグラフィックが美麗になったので、それだけでキャラをいじるのが楽しい。パーツもかなり豊富にあり、何より色を自在に変えられるので自由度が高い。声は数種類から選ぶだけのなのだが、声の高さを変えられるので結構印象が変わる。ただTシャツのような汎用性のあるパーツが少ないのが難点。パーツはDLCで買うことが出来るが、なんか解除キーに金を払わされて損した気分。定期的に無料でダウンロードさせてくれるぐらい太っ腹に出来ないものだろうか。 売りのもう一つは、オンライン対戦。日本人同士なら、ラグを感じない対戦が出来る。ただマッチングシステムの出来はいいとは言えず、例えばクイックマッチを選んでも、「セッションは満員です」とか出て検索が途切れてしまう。いや、相手が見つかるまで検索しててくれていいから。他人の対戦を観戦出来るのはバーチャ5には無い長所。まあそこいらは旧XBOXのDOAUで既に実装されていたのだが。 3では2に比べて技が削減されコマンドが整理されていた。一般的に不評だったようだが、私は好感を持った。4ではさらにその路線が進められている。どのキャラも強力な技が変更・削除され、私は本作の調整を評価したい。キャリバーシリーズは中下に派生する厳しい連携が多く、知らなければガードすることすらままならず、相手の連携になすすべなく封殺されることが多い。4でもまだまだその傾向はあるが、多少緩和されたのが実感できる。かねがね要らないと思っていたソウルチャージも無くなった。ガードインパクトで投げを弾けなくなったのも私的には好印象。 タワーなどの一人用のモードが、過去のキャリバーと同様あんまり面白く無いので、ネット対戦に興味が無い人は飽きやすいかもしれない。家に遊びに来る友人がいる人には、画質のインパクトとキャラクリで受けを取れるし、バーチャのようなギスギスにならないおおらかな対戦が出来る、万人受けするいいソフトだと思う。 |
バハムート戦記 |
メガドライブ |
2009/08/15 セガのゲームは宇宙一ぃぃぃ |
セガのゲームで、今まで最もプレイしたタイトルは?と聞かれれば、即座に「バハムート戦記!」と答えるだろう。 エンディングのスタッフロールを見る限り、どう見てもセガ内製ではなさそうだが、セガから発売されているのでセガゲーということで。 ゲーム内容を知らない方向けに解説すると、1991年3月8日に発売されたメガドライブ用ソフトで、剣と魔法のファンタジー世界を舞台にした戦術系シミュレーションだ。91年は、本作やラングリッサー、太平記や三国志列伝、忍者武雷伝説、そしてなによりアドバンスド大戦略と、骨のあるシミュレーションゲームが連発された当たり年だった。 本作の魅力を思いつくままに挙げてみたい。 まずは魅力的なキャラクターたち。プレイヤーは8人(+1)のマスターからキャラクターを選択して、大陸の制覇(=他マスターの全滅)を目指すことになる。ゲームの魅力を語る上で外すことが出来ないので、各マスターを軽く紹介してみよう。性能に関しては、対CPU戦での解説だ。 正統派の万能型キャラクター、正義の騎士ジーク。ステータスが満遍なく高く、初期状態で復活の呪文が使えるのが大きい。初期状態の地の利も良く、全体回復魔法を持った聖騎士と攻撃力増強を持った魔道士のバランスも良く、高性能の軍師の助言や英雄としての活躍もあり、初心者にも扱いやすい最強マスターの筆頭である。 ジークのライバルである、狂戦士バストラル。魔法はからっきしだが格闘戦は最強という肉弾系マッチョキャラだ。部下が頼りないためジークより苦しいが、属性が中立ゆえに、すべての英雄を雇えるところが本キャラのミソ。ただし地政的に厳しく、序盤で敵マスターに攻め込まれて泣く泣くやり直すことも少なくない。ある程度部隊が強くなれば、暗黒魔法レベル4を使える英雄を雇い、最弱の魔法使いを最強の魔術師まで育て上げる育成プレイが楽しすぎる。 暗黒の女魔術師、シェルファ。すべての魔法が使える魔法特化キャラで、魔法が強いバハムート大陸では、最も自由度が高く楽しいマスターの一人だ。防御力が高いものの、体力が最低で、レベルが低い序盤のロック鳥の攻撃が苦しい。そこさえ乗り越えれば、最強モンスターのタロスを量産して大陸を席巻することが出来る。実年齢はババアだが、見かけは17歳の少女。十分いける。 ファンタジーといえばエルフ、ということでエル=モア。体力・防御力・攻撃力・魔法力どれも中途半端なステータスで、そのうえ部下のエルフロードの能力も物足りないと、ちょっときつめのマスターだ。ただし遠隔攻撃できる弓矢の能力は一級。また、他のマスターでは希少価値が高い風の魔法をふんだんに使えるのが長所。技量・飛行・高速移動で、B級モンスターのサーペントやサイクロプスを活躍させられる。そして、隠れキャラクターである、妹のエル=ウィン。戦闘能力こそ低いものの、暗黒魔法以外のすべての魔法を使えるため、はっきり言って兄より格段に強い。そして萌えキャラ。 ここまでは普通の人間系マスター。ここからがバハムート戦記に特徴的なモンスター系マスターになる。 暗黒の魔王、クリムト。ステータスが高く、配下のデビルロードがこれまた強く、CPUの難易度を下げればジークを超える最強キャラになる。実際CPUの操るクリムトは間違いなく最強軍団だ。ただし回復手段が乏しいため、CPUをレベル5にして自分がプレイすると結構辛い。飛行タイプの敵に相性が悪いのも辛いところ。黒マントと鉄仮面の容姿がカッコいいのだが、仮面を取るとネズミ顔でちょっと萎える。 巨大ドラゴンのシェルファ。マスターのステータスは物足りないのだが、配下のドラゴンが強い。CPU操るシェルファ軍団は、その恐るべき機動力によってレベルが低いプレイヤーの脅威以外の何者でもない。自分で操作するとクリムト同様回復手段が乏しいのがネック。火に強い敵にはさすがのドラゴンも分が悪く、コストの高いドラゴンが倒されると泣けてくる。 恐怖のアンデッド、バルマー卿。配下はすべて死の軍団で、金で部隊を雇えない特殊キャラ。特筆すべきはマスター及び配下のリッチーの暗黒魔法。死の呪文でバシバシ敵を葬り去るのは爽快の一言。CPUレベル5においては、ジークを超えるポテンシャルを発揮する。ただ部下をCPU委任にしておくと、馬鹿すぎて話しにならないが。防御力も体力も低いが、エナジードレインで必死に生き残る様はお茶目。ケープに隠れたご尊顔もチャーミング。 そして最後の一人、巨人ガイラム。回復手段が無い、部下は問題外、攻撃は当たらない、最初から敵マスターに囲まれていると、断トツの弱キャラだ。なんとかして火山を攻略して回復魔法を持つサラマンダーを部下にしたいのだが、イベント無しでは不可能に近い。何でこのキャラだけ突出して苦しいのか、理解できかねる。せめてもうちょっと体力があって投石の成功率が高ければ・・・。ただし、対人戦では部隊コストの低さから、かなりの強さを発揮すると聞く。 とまあ、キャラ設定とそれに合わせた能力、そして容姿が、すべて隙間無く組み合わされたパズルのように、ピッチリはまった魅力を感じ取れてもらえたと思う。本当はマスターだけでなく全モンスターの解説も書きたいところだが、それは別の機会に。 キャラクターの魅力の次は、美しいグラフィックとBGMを挙げたい。戦闘時の顔だけのマスターやただの球の水の精霊を見て「グラがショボイ」という人もいるが、これがいいんだってば!ゴチャゴチャしがちなヘクス式シミュレーションで、しかもメガドラの粗いドットで、ここまで視認性が高いのは見事だ。そしてオープニング。各マスターの絵画調のグラフィックに味がある。オープニングの最後、画面奥からドラゴンライダーが飛んできて「ピシャー!」とこちらに向かって炎を吐くのだが、初めて見たとき、その立体感に圧倒されたのを覚えている。本当に奥から手前に炎が飛んでくるように見えたのだ。それからBGM。各マスターに重厚なBGMが用意され、ゲームの風格を高めている。前述のオープニングのBGMも物語性があってかっこいい。 さて、肝心の本作の「ゲーム性の魅力」について語ろう。本作は、他のどのシミュレーションより自由度が高いのを特徴としている。設定により、さまざまなルールでプレイできるのだ。大戦略で索敵のオン・オフを選べる、というのとはわけが違う。例えば、バトルをリアルタイムで指先勝負で決することも出来るのだ。非リアルタイムでも、通常のへクス戦の他に最初から敵と相対している簡易戦闘を選ぶことも出来る(そしてそれもゲームとして成立している)のだ。あるいは効果絶大なイベントをするや否や、部隊をCPUに委任するか自分で操作するか、などなど。プレイヤーがみな「自分の設定が一番面白い」と思ってプレイしていることだろう。ちなみに私の設定は、上級ルール、血に染まりしバハムート、レベル5、召還部隊操作、イベント無し、領地委任無し、リアルタイムバトル無し、だ。なるべく運要素を排除して、かっちりとした詰め将棋的プレイを楽しんでいる。 私が上述の設定でプレイしていることを前提に本作の楽しさを語るならば、まさしく戦術の楽しさの一言だと思う。レベル5では、序盤は特にCPUの戦力は圧倒的で、なすすべも無く全滅させられることがままある。そこをじっくりと耐え、機を見計らって一気に進攻、勝利をもぎ取ったときの喜びは他には代えられない。しかも、一手間違えば味方が全滅、うまくいけば無傷で相手全滅など、まさに一手一手の最適な選択が勝利の鍵になる、詰め将棋的な理詰めのプレイが楽しめるのだ。もちろん何度も何度も何度もやられてはリセットを繰り返すことになるが、そんなマゾプレイが心底楽しい。激烈な戦闘の果てに部隊がクラスチェンジしたときの喜びは筆舌に尽くしがたい。自分より弱い敵をいたぶってレベルアップする凡百のRPGとは比べ物にならない快感だ。 終盤になって自国が最大勢力になってしまうと、あとは弱い敵をいたぶるだけで面白味が無くなってしまうのだが、部隊操作をCPUに任せて、自分の手を汚さずに他国が堕ちるのをぼけっと見ているのもまた楽しめる。ターン数オーバーで、引き分け時にしか見れないリザルト画面を見るのもまた一興かと。 CPUの思考ルーチンがしっかりしているのも本作の特徴。弱気なヤツとか猪突猛進タイプとか、キャラの特性に合わせた行動を取ってくるし、こちらの布陣の弱いところをついた厳しい攻めを見せてくれる。さすがに味方をCPUに任せるのは心もとないが、良く練りこまれたルーチンであると思う。また敵同士の戦闘はリアルタイムで見なければ一瞬で決着がつくのだが、実際にヘクス上で戦わせたとのと違和感のない戦闘結果を出してくる。ここいらも良く作りこんであると思う。 例によってケチもつけさせてもらうと、まず一番はイベントに致命的過ぎるものが多すぎること。せっかく戦略的に使えるものもあるイベントなのに、問答無用で瀕死の爆裂攻撃とか、手塩にかけて育てた複数部隊が裏切る部隊調略とか、一気に金・SPが0になる盗人・妖精だとか、積み重ねてきた苦労が一瞬でパーになるイベントが多数あるため、イベントをオフにせざるを得ない。また、快心の一撃が強力すぎて、雑魚の一撃でマスターが倒されて、苦労して組み立てた戦略が無に帰することがよくある。また、ランダムでモンスターが出現して領地を滅茶苦茶にすることが頻繁に発生する。ひどいときには、ゲーム開始数ターンでランダムエンカウントモンスターに逃げ場も無く蹂躙されてゲームオーバーになったりする。おそらく、対人戦にランダム要素を濃く持ち込んで、弱いプレイヤーにも勝機を見出せるように、との意図があるのだと思う。だが正直やりすぎだと思う。逆転劇が好きなら桃鉄でもやればいい。シミュレーションは、戦略をより練った者が勝者になればそれでいい。まあ私は対人戦はやらないので偉そうなことは言えないのだけど。 前述のネガは、設定の変更とリセットの活用でなんとかなる。が、何度もリセットを強いるのはゲームとしてどうかと思う。あと英雄のバランスが悪く、使える英雄と使えない英雄にはっきり別れすぎているのは残念なところ。 とまあ、不満点はあるものの史上最高のシミュレーションゲームだと私は思っているバハムート戦記。発売して20年近くがたつが、続編の話は聞こえてこない。メガCDが発売されたとき、誰もが本作の続編を望んだはずだが、出てきたのはダークウイザードとか言う愚にもつかない駄作だった。サターンが発売されたとき、誰もが(中略)、出てきたのはドラゴンフォースという悪くは無いがぬる〜いシミュレーションだった。DCが(中略)、出てきたのは・・・なんか出てきたっけ?今こそXBOX360で続編を出さんかい!それが無理ならXBLAに本作を移植しろ!いや移植して下さい! 実はWiiのバーチャルコンソールで本作をプレイすることが出来る。本作で必須だったリセットプレイも問題なく可能で、クラコンなら操作性も良く、セーブ用バッテリーの寿命におびえる暮らしからも開放される。600円で一生バハムート戦記がプレイ可能!正直うちのWiiもバハムート戦記専用ハードになってしまっている。当時としては豪華な別冊のキャラクター図鑑が無いのが唯一の欠点だが、まあそりゃ仕方ない。Wii本体を持っているなら、本作を買わずして何を買えというのだろうか。 続編ではないが、パソコンで「ファーレントゥーガ」というフリーのシミュレーションゲームがある。ファーレン自体がバハムート戦記にインスパイヤされて作られた物であると思うが、さらに有志によりバハムートの追加シナリオが作られている。グラフィックも美麗に描き直され、バランスも練られていると聞く。で、トライしてみたんだが設定方法が良く分からずに挫折。プレイまで至らなかった。無念・・・。 バハムート戦記と言えば、伝説の真のエンディングについて語らざるを得まい。と思ったが、条件が面倒くさい上にだらだら長いので当時1回見たっきり。というわけで何も語れないのであしからず。 |
ぷよぷよ!15th Anniversary |
プレイステーション2 |
2009/12/29 セガのゲームは宇宙一ぃぃぃ2 |
ぷよぷよの15周年記念作ということらしい。発売日は2006年12月14日(DS版)。2009年の現在で、続編のぷよぷよ7が発売されているが、それについては後述する。 以下の文章は、15thが発売された当時に書いたものを多少追加・変更したものなので、現在とはまた状況が違うかもしれないけれど、まあご容赦を。 本作は15周年記念作というだけのことはあって、正直あまりいい出来ではなかった前作のCHUとは比べ物にならないほど、かなりよく作りこんである。まさしくぷよぷよシリーズの決定版と言っていい出来だ。 まずぱっと見てすぐ分かる変更点として、さまざまなルールでプレイできる点がある。本流である所のフィーバールールはもちろん、相殺の無い初代・いまだに人気のある通ルールなどで対人戦・CPU対戦・ストーリーモードプレイが出来るようになっている。私はフィーバーに慣れてしまうと、もう通なんかプレイできないと思ってしまうのだが、そうではないオールドファンの方々にも安心。それらのルールの他に、フィールドが回転したり暗くて画面の一部分しか見えなかったりなど、全部で12種類の特殊ルールでプレイすることが出来る。まあ正直わざわざ変なルールでプレイすることも無いと思うのだが、ひたすら掘り進むルールは分かりやすさゆえにうちの子供たちに好評で、適当にハンデをつけて子供と対戦を楽しむことが出来る。本作は4人対戦が可能で、しかも自由にチーム分けが出来るので、子供2人チームvs私とか、子供のチームに助っ人で強めのCPUを混ぜてみたりだとか、パパチームvsママチームだとか、通常の甘口〜激辛のシステム的ハンデ以外に、家族全員でいろいろハンデを作って楽しむことが出来る。私は本作のためだけにマルチタップを買ってしまった。ちなみに、一人プレイはデジタルパッド(サターンパッドとかスティックとか)でプレイ可能だが、多人数対戦はアナログパッドが無いと不可能なので注意。 チュートリアルもいままでになく充実していて、自分で決められたパターンの連鎖を組む「授業」モードがある。だらだら流してしまう私には大して練習にならないが、本気で連鎖パターンを研究しようとする人には大いに役に立つことだろう。 さて、フィーバールールを知らない人のために、簡単にフィーバーモードについて説明しよう。敵の攻撃をこちらの攻撃で相殺できるのは通からだが、フィーバーでは相殺するたびにゲージが溜まり、ゲージが満タンになると(7相殺分)フィーバーモードに入る。フィーバーモードでは、自動で連鎖のタネが降ってきて、あとは発火するだけで自動で大連鎖ができるというもの。最初は「なにその大連鎖のインフレモードは」と思ったのだが、慣れるとこれがまた奥深くて楽しいのだ。通では連鎖力で負ければもう負けは確定でやる気ナッシングなのだが、フィーバーではたとえ単発消しでもフィーバーに入りさえすれば逆転の目があるので、最後の最後まで希望が持てる。じゃあ後出しで相殺した者勝ち、かと言えばそうでもなくて、相殺させた側はフィーバー時のタイムが増えて有利になる仕組み。またフィーバー前のお邪魔ぷよはフィーバー時に降ってこないので、わざとぷよが降るのを遅らせてタイミングを計る戦略も出てきた。フィーバー時に、即発火させずにリスクを冒して連鎖を伸ばすのも楽しい。相殺7回でフィーバーイン、初期タイムは15秒、相殺で1秒アップと、数値的なバランスも良く取れていて、ぷよぷよはフィーバーになって完成したといっても過言ではない。特にこの15thになってスピードやレスポンスの調整が気持ちよく、前述のように本作がぷよぷよの決定版と言って差し支えないだろう。 というわけで私はフィーバーモードばかりプレイしているが、本作のCPUはかなり手強い。CHUのようにインチキっぽい強さではなく、しっかりしたアルゴリズムに基づいた強さに思える。前作最強だったアコール先生の強さはそのままに、その上にシェゾ・ルルー・レムレス・サタンといった強キャラが控えている。私の腕前は階段積みで6〜7連鎖がやっとと、初代からやってるくせに全然進歩しないのだが(6連鎖しか出来ないくせに偉そうなことを言うな!と言われそうだが、6連鎖しか出来ないくせに偉そうなことを言わせていただくのでご容赦のほどを)、それぐらいの実力だとCPUルルーとの対戦が熱い!休日前夜にやり始めると30勝30敗とかでムキになって徹夜で朝までやってしまったりする。CPUに勝てないとすぐにクソゲーと言いたくなる私だが、本作のCPU戦は、負けても次は頑張るぞ!と思えるから不思議。CHUの塔では心底腹が立ったものだが・・・。サタンなんて、ホント手も足も出せない強さ。「サタンは弱い」が通例だったのに・・・。このCPUでも楽勝だという強者には、強いCPU3人と4人対戦をオススメ。1Pvsサタンvsレムレスvsルルーとか、マジ勝てる気がしない。「CPUが強いのは速攻だからだろ?」という諸兄は、連鎖縛りをつけてプレイすることをオススメする。大連鎖もきっちり仕掛けてくるので驚くこと請け合い。 本作のフィーバールールでは、フィーバー時の連鎖のタネが前作までと変わっている。CHUで「前作とタネが同じじゃん。もう飽きた」という人がいたので、きちんとそれに対応してきたのだろう。前作のタネは階段や座布団でどこが発火点か比較的分かりやすかったのだが、本作のタネは挟み込みを利用した不定形っぽい連鎖パターンになっていて、ぱっと見発火点が分かりにくくなっている。慣れればいい話だが、友達を呼んで対戦したときに初見で分かりにくいというのは、やっぱりいい印象は持たれない。私も、前作の綺麗なタネのほうがいいな〜などと思うことも無きにしも非ず。ただ、挟み込みを使っているので、発火点が複数あって、追い込まれたときにメイン以外から発火して急場をしのげることもある。ただしそれは3個ぷよ・でかぷよが来たときに暴発しやすいというデメリットもあり、なかなか難しい所。 フィーバー時に最大連鎖に失敗すると、次に振ってくるタネの連鎖数が落ちてしまう。それは前作も同じだが、本作では最低でも5連鎖のタネが降ってくる。前作では3連鎖まで落ちてしまったので、攻撃を綺麗に返せずにズルズルと3連鎖まで落ちるとウンザリしたのだが、本作なら最低5連鎖なのでまだ逆転の希望が持てる。そもそも相手が攻撃してきたときに上手く発火できるかどうかは100%運なので、運が悪かったせいで嫌な気分になる、なんてないほうがいいに決まってる。本作のスタッフは分かってるね!とベタ褒めしたところで続編の7は3連鎖まで減る仕様に戻っている。おいおい・・・。 既に出てきたように、本作では旧作から多くのキャラがゲスト出演している。出演は前からいるアルルの他に、サタン・シェゾ・ルルー・ぞう・ナス・タラ。人気キャラのウィッチやドラコなんかはなぜか出ていない。旧作からキャラを引っ張ってきた分、不人気キャラのフランケン・タルタルは削除。かなり妥当な判断かと。あとアクマと犬も削除してくれたら完璧。旧キャラは全てフィーバーっぽいグラフィックで書き下ろされている。人物キャラはそれなりにいいのだが、ナス・ぞう・タラあたりは構成する線が少なくて手抜きっぽく見えてしまうのは気のせいだろうか。なんやかんやでキャラ数が増えたが、ストーリーモードは全員分のストーリーがちゃんとあるのが見事。まあデモとか申し訳ないがドンドン飛ばさせていただくけれど。ストーリーモードはルーレットで対戦ルールを決めるのだが、ルーレットは目押しが容易なため、いつもフィーバールールでプレイしてしまう。そりゃそうだ、わざわざ面白くないルールを選ぶ必要は無い。だとすれば他のルールの(ストーリーモードでの)存在意義が無くなってしまうわけで、ステージごとにルールは強制でよかったと思う。 本作はPS2の他に、DS・PSP・Wiiで発売されている。通信対戦が出来るのはDS版だけ。フルプライスでもいいので、ネット対戦に強い360で出てくれないだろうか(と言いつつWiiの7の通信対戦やってないです)。 ボリュームがたっぷりあって、しかもCPUとのタイマン勝負だけでも一生遊べそうな本作。初心者から上級者まで、全てのレベルの人にオススメできる1本だ(初級者のくせにと言われそうだが)。 では例によってイチャモンを。私が一番気に入らないのは、「ぷよぷよ!」という題名。これなんて読むの?「ぷよぷよ」?それとも「ぷよぷよっ」とでも読めばいいのか?「ぷよぷよ」と読んだら初代と区別つかないじゃん。「ぷよアニ」とでも呼べばいいのか?もうすぐ40代の古臭い頭の私には、なんでもかんでもそういう風に短縮するのが気に入らないのだよ。ともかく読めない題名なんてもっての外。普通に「ぷよぷよフィーバー3」もしくは「ぷよぷよ6」にしてくれればいいのに。あれですか、次回作は「ぷよぷよ・・・」とか「ぷよぷよ\(^o^)/」とかになったりするのか?(注:続編は無難に7でした) あともうひとつ、本作の大きな欠点に「対戦の本数が2本先取固定」がある。ぷよぷよ上級者は想像できないのかもしれないが、初心者同士が対戦すると、お互いたいした連鎖も出来ないのでやたらと勝負が長引くことがある。そんなときは1本先取で十分、むしろ2本先取などウンザリする。2本先取固定は、初心者のことを全く考慮していないと言われても仕方が無いだろう。対CPU戦も、1本勝負でさくさくプレイしたいところ。あとリプレイセーブが無くなってしまったのは残念。セーブできなくてもいいので、試合後にすぐ見れる「感想戦」みたいなインスタントリプレイの機能がほしいところ。次回作では是非検討してほしい。 あともうひとつ、フィーバー時の全消しボーナスが強力(連鎖数+2&時間延長)のため、全消しが決まれば、相手も全消ししない限りはほぼ勝ちになってしまう。全消しが出来るかどうかは究極的にはツモ運なので、あまりに勝負が運に左右されるのは問題だと思う。連鎖+1ぐらいで十分だろう。フィーバーのタネによっては、最初にでかぷよが来るだけで全消し確定なんてのもあるから(逆にでかぷよで暴発確定もある)、もうちょっと運要素を薄めて欲しいところだ。 さて、さんざん15thについて語ったので、お次は最新作の7について。フィーバーモードが「変身モード」とかいって「でかぷよモード」と「ちびぷよモード」に分かれたのが最大の変更点。なんですかね〜、どっちも面白くないんですけど。でかぷよは3つくっつければ消え、どんどん単発消ししていけば連鎖がつながるようになっている。この後付連鎖のせいで、全然連鎖している実感と爽快感が得られない。それにフィーバーのように連鎖の延長のような工夫の余地が少なく、ひたすら降ってくるぷよを消すだけになってしまいがち。ちびぷよのほうは、フィーバーモードのぷよを小さくしたもので、ぷよが小さい分大連鎖が出来る。が、ぷよが小さいだけに爽快感が薄いし、大連鎖できる分威力が抑えてあるので、これまた爽快感が薄くなってしまっている。正直よ〜んの特技に匹敵するぐらいの「やっちまったな・・・」的な改悪と言わざるを得ない。 7ではテトリスのように、上を押すことで瞬時に接地できるようになった。それはそれでテンポを良くしているし、確かに旧作に戻ったときに瞬接できないもどかしさを感じるのだが、これ以上上級者と初級者の差を広げるのもどうかと思う。それに、上を押した瞬間に接地するので、容易に想像できるように起きミスが誘発されてしまう。もうちょっとリファインする必要があるか。 あとはキャラ。ストーリーモードの舞台が現代のこの世界なため(そうなのか?)、前作までのレギュラーキャラのアコール先生、ユウちゃん、さかな王子、どんぐりガエルたちが削られてしまった。代わりの新キャラがキモいまぐろ君とか熊人間とか、いったいどういうセンスだ?アミティも前作までのトレードマークだったぷよ帽子がチーマーのニット帽みたいになってるし。変身モードでは声優が無理やり声を変えてボイスを出しているので、聞いていて痛々しい。私の永遠のライバルのルルーがダミ声になってるよ!ストーリーモードはダラダラと長く、スケルトンが何度も何度も出てくるわ、キャラが減ったくせに固定キャラのストーリーしかないし、ラスボスはワケ分からん上にキャラが立ってないし、結局何が言いたいかと言えばりんごちゃんカワイイよりんごちゃん! |
ディフェンスグリッド |
XBOX360 |
2010/08/13 ハートキャッチポラスタ |
迷路状の通路に攻撃用タワーを配置し、侵入する敵を撃退する「タワーディフェンス」系の、XBOX360用LIVE ARCADE(ダウンロード専用)ソフトだ。半額セール期間に買ったのだが、ゴールドメンバーシップが切れていたため、気がついたら満額(1200MSP)払っていたのは秘密だ。 タワーディフェンス系の最高傑作、との評判も高い本作。360の処理能力を活かして、ウジャウジャ出てくる敵と飛び交う銃弾の嵐は一見の価値あり。ただし敵が出過ぎるとフリーズするのはご愛嬌か。ワンボタンで早送りやアンドゥできたりと、操作系もよく出来ている。トライ&エラーが必須のゲームなので、ストレスなく状況を巻き戻せるのは多いに助かる。反射神経は一切必要ないので、私のようなロートルでも安心。慣れるまでは「こんなんクリアできるか!」という面も、慣れれば高評価でクリアできるようになる難易度も絶妙。ストーリーモード自体は短い(全20面+5面)が、難易度が高いモードもあるので、物足りない人でも安心。私でも割と楽に実績200に出来たので(ただし実績にはバグ満載)、実績マニアの方もどうぞ。 ちょっとやって投げた方にワンポイントアドバイス。いろいろな種類のタワーがあるが、メインに使うのはガンタワーのみでOK。あとは要所の2〜3箇所をテンポラルタワーとレーザーで守ればバッチリ。対空はミサイルタワーが2機あれば十分。コストの高いタワーは使わず、ガンタワーをじゃんじゃんアップグレードしよう。それだけでストーリーモード全ゴールドメダル余裕でした。前述の難易度が高いモードでは通用しにくいので、イライラしながら何度も試行錯誤するのが結構楽しい。 追記:その後何度かアップデートがあったが、ついにフリーズ問題は解決せず。ゲームとしては面白いのに、頻繁にフリーズするなんて論外。あとハイスコアを狙いだすと、ケチケチプレイが必要になってストレスフル。それでも面白いと言えば面白いのだが・・・。 |
アフターバーナークライマックス |
XBOX360 |
2010/08/13 ハートキャッチポラスタ |
セガの往年の名作体感ゲームの続編。XBOX LIVE ARCADEで発売(PS3版もある)。当選発表のない怪しげなキャッシュバックキャンペーンや、発売してすぐに値下げがあったりと、売り方は迷走気味。 個人的に体感ゲームに順位を付けるとすると、スペースハリアー>アウトラン>アフターバーナーといったところだが、続編になるとアウトラン>アフターバーナー>>>スペースハリアーで異論はなさそうだ。 ちなみにアフターバーナー3ではなくクライマックスとなったのは、略記をABCにしたかったからに違いない。ABC包囲網とかABC兵器とか恋のレッスンABCとか、ともかく人はそういうのが好きなのである。 アーケードでプレイしたときは、画面が綺麗になっただけの焼き直しにしか感じなかったが、家庭用でプレイしてみると意外によく出来ていることに気がつく。そもそもアフターバーナー自体が、派手なだけで大味なゲームだったが、本作はよくブラッシュアップされている。ひとつにはダメージ制になったことで、なんでも一発死だった前作に比べて、「当たり易いが小ダメージ」「避け易いが大ダメージ」と攻撃にバラエティができた。また、前作では派手なだけで邪魔な存在だったローリングも、幾分死ににくくなってイライラ感も減った(でもやっぱり要らないと思うのだが)。それからタイトルにもあるクライマックスモード。パンツァードラグーンで言うバーサクモードで、今風に言えばバレットタイム。要するにボム的なものだが、発動時間を任意に決められるため、ちょっとだけ使ってすぐゲージ回復とか、目一杯使って大量ロックオンなどの戦略が選べる。大量にロックオンするとかなり気持ちがいい。 グラフィックもさすがに20年の時を経てかなり綺麗になっている。HD対応で多分アーケード版よりさらに美麗になっていると思う。前作では、ボーナスステージ以外は背景の違いぐらいで大してステージに変化が無かったが、本作ではボスを追いかけたり、僚機を守ったり、戦闘機でトンネル内を飛んだりする。ああ、パンツァーの新作がやりたいな〜。残念なところは、音響が昔と代わり映えの無いところ。せっかくのサラウンド環境を活かして、ミサイルをギリギリでかわす臨場感や、背後から敵機に追いかけられる恐怖を体感させて欲しかったところだ。 本作の特徴に、プレイによってEXオプションがアンロックされて、それによって難易度を劇的に変化できるようになる(主に難易度を落とす方向)点がある。ロックオンカーソルを巨大化させたら、鼻歌歌いながらスーパープレイが可能。コアな人には「そんなの邪道」と言われてしまいそうだが、ロートルには心地よい。そんなにゲームに血眼にならなくても気楽に楽しめりゃいいんじゃない?なんて思ってしまうのは衰えた証拠だろうか。難しい実績もEXオプションで楽勝。実績マニアにもお勧め。 本作はBGMを初代の曲に変えることが可能。ただアーケード版と同じくメロディラインの無いバージョンなので、ちょっと物足りない。メロディぐらい入れて欲しいし、もっと豪華にアレンジして欲しかったところ。当時は「ファイナルテイクオフのイントロかっこええ!」なんて思ったものだが、最近本物のHRやHMを聴くようになったので、比べるとショボくて仕方が無い。幸い360は好きなBGMを流せるので、メイデンの“Aces High”なんて流すとノリノリでいいかも。 |
ヘイローウォーズ |
XBOX360 |
2010/08/13 ハートキャッチポラスタ |
HALO世界を舞台にしたRTS(リアルタイムストラテジー)。RTSというものは、PCではそれなりの市場があるが、家庭用機(特に日本)ではあまり受け入れられていない。なぜならば、とにかくルールが複雑で操作も煩雑、というイメージが強いからにだろう。 さて、本作では360の純正パッドで無理なく操作できるように、操作系が工夫されている。二つのアナログレバーと、4つのボタン、左右のショルダーボタンとトリガー及び十字キーを総動員して、大部隊から個々の兵器まで、慣れれば思いのままに操作できるようになっている。例えば生産する兵器を選ぶときは、ドロップリストを出してカーソルをひいふうみいと動かすのではなく、右レバーとボタンを使って一発で選択することができる。 HALOと言えばキャラの魅力(主にコブナント)も売りのひとつだが、本作でもキャラはしっかり作ってある。相変わらずピーチクパーチクうるさいグラントや、偉そうにしゃべる預言者。よくできた造詣の彼らがチョコマカ動き回るのを見ているだけでも楽しい。モデリングだけではなく動きもしっかりしていて、例えば高速で走ると車がバンプではねたりする。キャラ同士の当たり判定もごまかし無くきちんと作ってあるので、渋滞を起こさずに大部隊を運用するのも腕の見せ所。キャラと言えば、ストーリーモードに出てくるセリーヌと女教授、もうちょっと何とかならなかったんだろうか。もっと容姿とか性格とか日本の美少女アンドロイドなんかを参考にしてもらってもいいんですが・・・。 はっきり言っておくと、キャンペーンモード(ストーリーモード)はクソのようにつまらない。途中で何度も嫌になって止めようかと思ってしまったぐらいだ。実績を獲得する為に、2周目3周目と無理やりプレイしたが、本当につまらなくて嫌になる。結局実績を諦めてただ今絶賛放置中。 それでは最大のウリのネット対戦!だが、実はまだ1度も対戦したことが無い。なんたってシルバーメンバーシップだし、いまさら猛者に揉まれて成り上がってやろう!なんて露ほども思えない。 ストーリーもだめ、ネット対戦も無しとなれば、何を楽しむのだろうか?いやいや、ちゃんと用意してありますよ。本作ではスカーミッシュというCPUと対戦できるモードがある。そんなの何が楽しいの?と言われるかもしれないが、それが楽しいのだ。勝つとレベルが上がっていって、負けると下がる。そのため、どこかでCPUといい勝負になるところに落ち着くわけで、CPUとの一進一退の攻防はかなり白熱する。このモードだけで優に100時間はプレイしている。変に凝った勝利条件のキャンペーンより、このスカーミッシュを単純につなげてプレイした方が面白かったのではないだろうか・・・。惜しいところは、プレイアブルキャラは6人いるが、結局人類側とコブナント側の2陣営しかいないので、飽きが来やすいところ。せっかくのHALO世界なんだから、フラッドとフォアランナー勢も出して欲しかった。もし続編があったら是非お願いします。あとCPUを味方に2vs2や3vs3をプレイすると、不条理にフルボッコにされてしまうのは私が下手だからだろうか。というわけで折角チーム戦があるのに1対1ばかりやっている。 ところでつまらないキャンペーンだが、面間のデモムービーは非常に美しい。いまさらムービーが美麗でも・・・とも思うのだが、初めて見たときははっとする美しさだった。ああ、艦長とか軍曹とかカッコイイのに・・・ 前述のように、実績の為につまらんキャンペーンをやらなければいけないし、オン実績もあるうえにオンライン対戦のランク実績もあるので、実績解除率マニアにはお勧めしない。 評価はスカーミッシュで長時間楽しませてくれた事を勘案して星三つ。RTS初心者でもHALOシリーズが好きな私のような人がいたら、お勧めできる1本だ。 |
キネクトアドベンチャー |
XBOX360 |
2011/08/12 こんなXBOXで大丈夫か?EVOLUTION |
キネクト本体を買うと、もれなくついてくるおまけソフト。 まず本作の前にキネクト本体の簡易レビューから。アマゾン等のレビューでも大まかに高評価のようだが、まあ10ぐらい凄いだろうと思って3ぐらいが実力というのが正直なところ。「マイノリティ・リポート」でトム・クルーズがウィンドウを手でサクサク操作していたが、そんなのはまだまだ実力不足。もっともっともっと認識力を上げてもらわなければならない。あなたは10回に1回ボタンが利かないコントローラーを我慢して使うだろうか?私だったら投げ捨てるね。部屋の広さとか、設置高さの問題、光源の問題など、プレイヤーがキネクトの都合に合わせなければならない問題が多い。私は周辺機器に振り回されるのは勘弁こうむりたい。ちなみに、心配していた遅延問題は、私がプレイしたソフト(キネクトアドベンチャー、ユアシェイプ フィットネスエボルブ)ではそれほど気にはならなかった。 では、キネクトアドベンチャーのレビューを。 本作はキネクトを使った5種類のミニゲーム集で、MS版「はじめてのWii」みたいなものか。内容は、割とありがちなライド物が2種類と、ボールを打ち返して的に当てるゲーム、ガラスに開いた穴をすばやくふさぐゲーム、ふわふわ動き回ってバブルを割るゲーム、の5種類。 ちょっとプレイしただけだと「何だ、子供だましか」と思ってしまうのだが、本気でプレイしだすと結構これが楽しい。どれも難易度(クリア基準)はかなり低めなので、とりあえずプレイさえすれば先に進むことが出来る。簡単なゆえに、思わずムキになってボールをはね返したり、あわててガラスの穴をふさいだりと、童心に帰って無邪気にプレイしてしまう。ミニゲームを続けながら課題をこなす「アドベンチャーモード」などは、ゲームオーバーが無いうえにポイントは累積されていくので、プレイし続ければ必ずクリアできるようになっている。言うなれば難易度調整の放棄だが、体を動かすこと自体が目的のようなものなので、これはこれでOKと思える。これで難易度が高く、何度もリトライしなければクリアできないようだと、キネクトのシビア領域での問題が否応なくクローズアップされてしまっていただろう。うまくごまかされたというか、乗せられていい気分にさせれらたというところか。 ゲームのひとつの「ワイルドライド」などは、ジャンプしたりしゃがんだり、体全体を素早く左右に動かしたりするので、「フィットネスエボルブ」などよりよっぽど運動になる。実際連続してプレイすると、息が上がって足がくたくたになるほどだ。 プレイに応じて少しずつ実績やアワードが貰えるので、モチベーションが維持できる。実績を取った後はスコア狙いやダイエット目的にやり続けさせるほどの完成度は無いが、まあオマケソフトなんでこんなもんでしょ。 |
マーブルVS.カプコン3 |
XBOX360 |
2011/08/12 こんなXBOXで大丈夫か?EVOLUTION |
マーブルVSカプコンシリーズ第3作。2011年2月発売。マブカプシリーズとしては3作目だが、VSシリーズで数えると6本目、94年のX−MENから数えると8本、実に17年にもわたる長寿シリーズになっている。ちなみに、本作はシリーズ初の家庭用オンリー作品だ。アーケード業界の衰退を如実に感じさせるようで一抹の寂しさがある。そう言えばキャリバーIVも家庭用専門だった。他力本願だが、アーケードがあると職人集団が究極まで攻略してくれるので、攻略知識だけ仕入れて喜んでいる私には都合が良かったのだが。 私はタツノコVSカプコンには触ったことが無いので、前作(マブカプ2)との比較をしていきたい。まず前作では総勢56人の大所帯だったが、本作では38人(+2)となっている。少ないと批判する人もいるようだが、私は十分な人数だと思う。むしろもう少しキャラを絞ってもいいとも思っている。犬とかビューティフルジョーとかモードックとかなんか場違いで邪魔な感じ。と言うかカプコン側は半分ぐらい要らないのでは・・・。 キャラクターはタツカプに続き、ポリゴンで描かれた綺麗なグラフィックだ。前作ではキャラが多い分、容量の関係かかなりキャラのドットが粗く、背景に比べてキャラクターは美麗とは言えなかった。アイアンマンなど、主要キャラのくせにノッペリとした地味キャラだったが、本作のポリゴンモデルを見て「なるほどアイアンマンってカッコよかったんだ」と思ったぐらいだ。 同じポリゴンでもスト4はいまひとつ垢抜けないグラフィックだったが、本作はずっとセンスが洗練され、超人どもがリアルな質感(筋肉感)で画面狭しと生き生きと飛び回っている。モリガンを始め各種ボインちゃんたちも、なんかこうハッとすると言うかグッとくると言うか。ストームなんて今までキモくて使う気も起きなかったが、本作のストームならOKさ!モリガンとか春麗のポリゴンモデルをグルグル回して眺めたのはここだけの秘密だ。みんなやってるよね・・・?まあともかく、15年前のカクカクポリゴンのストEXの頃と比べると、滑らかで肉感的な本作のポリゴンは、まさに隔世の感がある。技術の進歩とは凄いものだ。 与太話はともかく、ゲームシステムについて述べよう。作品ごとに操作系統の変わるシリーズだが、本作では小・中・大攻撃+エリアルボタン+パートナーチェンジ2ボタンの都合6ボタンになっている。前作のようにPK同時押しでパートナーチェンジが出来ないので6ボタンになっているが、攻撃ボタンが3つしかないので、前作より操作は簡略化された感じになっている。賛否はあるかもしれないが、エリアルボタンを別にしたことで、私のような素人には扱いやすくなっている。また、前作も技を出しやすかったが、本作はさらに技の入力が容易で、エリアルコンボも単純なものなら簡単に出すことが出来て、かなり初心者に配慮した作りになっている。 本作の新要素のひとつが、チームエリアルコンボ。エリアルコンボ中にレバー+エリアルボタンで(ノーゲージで)味方に交代しつつ、エリアル状態を引き継げるというもの。スト4では中足波動すら失敗する私だが、エリアル開始〜中中大S(エリアルボタンのこと)〜交代〜中中大S〜交代〜中中大スパコン、のようなコンボがわりと簡単に出来て、かなり派手で爽快だ。チームエリアルは3択で食らう側が強制解除することが出来るので、不確定要素が嫌いなガチプレイヤーは使わなければいいし、素人はガンガン使えばいいし、なかなかいいアイディアではないだろうか。 もうひとつの新要素、エックスファクター。1試合に1回のみ使用可能で、ボタン4つ同時押しで発動し、ロマンキャンセルのように全ての動作をキャンセルできる。その上、効果時間中、スピードアップ・攻撃力2倍・体力回復・ケズリ無効、とメリットてんこ盛りだ。効果時間も結構長く、攻撃力2倍とか少々やりすぎな気がしないでもないが、まあヤツら超人だから。最後の1人になってから使うと効果が増すので、まあ最後の悪あがきに使ってくださいということだろうか。 私は歳を取って向上心などどこかに置き忘れてしまったのか、ネットの強者に揉まれてレベルアップしようなどとは露ほども思わなくなってしまったが、CPUと適当にバシバシやりあうだけでも結構楽しい。コンボ練習の課題も、イライラ目押し満載のスト4に比べるとずっと楽しい。前作では無かったキャラ別のエンディングも、簡単なものではあるが全キャラ用意されているので、CPU戦プレイの励みになる。本作では、CPUの難易度を最高にすると、かなりえげつない攻撃をしかけてくる。小攻撃が入ればスパコンまで繋げてくるし、アシストもかなりキツく仕掛けてくる。単純に攻撃力が上がるのではなく、AIが的確に攻撃的になるので、最近の格ゲーは思考ルーチンもよく作りこんでいるなあと思わせる。もっと早くCPU戦にも力を入れていれば、攻略型のアクションジャンルのひとつとして格ゲーも生き残れたかもしれないのになあ、などと夢想してしまうこの頃。そりゃ弱肉強食の対戦偏重では、弱者脱落で先細りすることはストIIの頃から見えていたよ・・・。 本作では、追加キャラを2体DLCで購入することが出来る。キャラはシュマゴラスとジルで、1対400MSP(600円)。・・・・高くないですか?次世代機で追加要素がダウンロード販売されると聞いたときは、「小額でプレイ要素を追加できるなんて、なんていい時代なんだ。嫌なら買わなきゃいいしね」と思ったものだが、実際そういう時代になってみると、なんだか・・・アンロックだし・・・商売だから金を儲けなきゃいけないのは当然だが、なにか搾取されているようで嫌な感じ。今年の11月には、キャラを12体追加した完全版が出るとのこと。えっ、発売して9ヶ月で完全版商法ですか。いいゲームなだけに、アコギに思えてしまう商売姿勢は残念だ。 |
ユアシェイプ フィットネス・エボルブ |
XBOX360 |
2011/08/12 こんなXBOXで大丈夫か?EVOLUTION |
アマゾンのレビュー読むとを軒並み高評価なんだが、マジか?どの程度プレイして書いているのだろうか。私怨込みで評価させてもらえば、控えめに言ってクソもいいところなんだが。 このソフトで一番重要なのは「リズムに合わせること」。いや、運動で一番大切なのはフォームだから。リズムに合わせろと言われても、手本のお姉さんがすでに音楽に合ってないし。仕方ないのでBGMに合わせるのだが、そのせいで好きなBGMを流せない。それはともかく、「リズムに合っているかどうか」の判定が極めていい加減。リズムに合っていないとダメ出しされ続けて、実はフォームが少し違っていたりとか意味不明。「ZEN」のコーナーでは、キネクトで判定したボーンモデルが表示されるのだが、脚が逆関節に曲がっていたり、両手を合わせて静止しているはずがガクガク動いていたり。こんな判定能力では、人間様のフォームやリズムを判定するにはまだまだ実力不足。 とにかくリズムを合わせることに急かされるので、フォームはおざなりになりがち。そんな状況で「片足スクワット」を延々とやらされるものだから、見事に腰をぶっ壊して1週間日常生活に支障が出てしまった(実際にピキンときたのはその直後にやったカーディオボクシングだった)。学生時代には100kgぐらい担いでスクワットをしたものだ。若さもあるが、きちんとフォームに気を使っていたのでまったく腰を痛めることは無かった。皆さんに警告しておくが、ヒンズースクワット系の運動は実は非常に危険。特に左右非対称の運動は、フォームに細心の注意を払って。 後は思いつくままに、いいところと悪いところを挙げていこう。 <悪いところ> ・メニューが無駄に階層が深く、選択にも不必要に時間がかかるため、いちいちメニューを選択するのが面倒。特にいろいろなメニューを少しずつやろうとすると、メニュー選択だけでウンザリする。もうちょっとメニューの配置と選択の方法を洗練できないものか。コントローラーだったらボタンをパッパッと押せば済むことを、なぜ時代が進んで面倒になるのだ? ・メインのパーソナルトレーニングの他に、ミニゲームやゼン、カーディオボクシングがあるが、どれも作りこみが浅い。カーディオボクシングなど、中級〜上級と上がっていってもやることはほとんど変わらない。一通りプレイするだけでもそれなりに時間がかかるのに、上級オールまでクリアしても何のご褒美(実績とか)も無いのでガッカリ。そういうところでやる気が削がれるのはなんとも。 ・ダンベル持ってないのでダンベル系のエクササイズはやっていないが、それ以外に関しては概ね運動量が足りない。これで汗だくになるとか筋肉痛になるとか、どれだけメタボな方ですか?キツイ運動はほぼ全て「片足で体重を支え続ける」系。そりゃ片足でずっと立ってるのはキツイが、キツイからって運動量が大きいわけじゃない。しかも前述のように腰に悪いオマケ付き。 ・エクササイズの種類は多いくせに、ずっと同じエクササイズをやらされてウンザリする。日替わりでいろいろな運動をやらせて飽きないようにすればいいのに。特に「片足スクワット」のような無理がある運動が出てくると、ちゃんとクリアするまでいつまでも出続けるので、クリアするか腰を壊すかの勝負になる。また、全く同じセッションを12回繰り返さなければクリア?にならないプログラムがある。バグだと思うが、途中で他のプログラムを選択すると1回目からやり直し。1週間の積み上げがリセットされたときは目が点になった。 ・とにかくゲームとして面白みが無い。例えノンゲームのツール系ソフトだとしても、随所に達成感は必要だ。序盤でメニュー達成系の実績は出尽くして、後はひたすらカロリー累積の実績のみ。マジウンザリ。 ・インストラクターのお姉さんがカワイくない。 <いいところ> ・思いつきませんでした。 6月後半から出張が入ったので、この機会に「ユアシェイプ」と「キネクトアドベンチャー」を利用したダイエットを試みた。次のページにレポートを載せるので、興味のある方はご覧あれ。 条件としては ・ユアシェイプ、キネクトアドベンチャーをあわせて1日1時間〜1時間半程度プレイする。 ・食事は、朝トースト1枚、昼は工場弁当、夜はスパゲティ。大体1日2000kcal程度。好物なので毎晩スパゲティ。週末はビールを2缶ほど。 ・週に一回市営のジムに通う。エアロバイク45分、背中、胸、腕のトレーニングで2時間程度。 ・毎朝食事前に体重を量る。 結果として、1ヶ月で2.5kgの減量になった。まあ体に無理の無いいいペースだろうか。摂取カロリーを減らして毎日運動したので、4kg減ぐらいは期待していたのだが・・・。やっぱりビールを飲んだ次の日は体重が増えていることが多いことが分かった。じゃあ飲むなって?いいや飲むね。 追記:本誌に掲載していたグラフや写真は割愛しました。 |
kinect:ディズニーランド・アドベンチャーズ |
XBOX360 |
2012/08/10 キネクト本2 ハコマルヒーローズ |
基本的にディズニーのファン向けアイテムなので、ディズニーキャラに愛着も無ければ、東京DLにすら行ったことも無い私がプレイすること自体が間違いなのだろうか。私が行ったことのないマイナーな遊園地じゃなくて、読売ランドアドベンチャーでも作れよと言ったらワガママですか? ディズニーランドを舞台にしたアドベンチャーということだが、クロスをアタッチしたり、ピラーをポリッシュしたりなどと試行錯誤の必要は全く無く、「光の道を進め!」と言わんばかりの光の道しるべに従って歩くだけの簡単なお仕事です。ディズニーランドアドベンチャーと言うよりはディズニーランド・ザ・作業という感じ。 対象年齢はものすごく低く、40過ぎの身にはツラい。しかも小学校中〜高学年の私の娘二人は即効で飽きてしまった。 キネクト操作ということで、手を前に差し伸べることでキャラが移動するようになっている。これが最大のガンで、位置の微調整がしにくいし、メニューを開くのも面倒で、何より立ちんぼなんで疲れる。椅子に座ってプレイ出来なくも無いが、誤作動が頻発してイライラする。キャラのZOCに引っかかって動きが止まるのもかなりイラつく。コントローラーでプレイ出来ればいいのに、とプレイ中何度も思ってしまった。アトラクション中で、手を前後に振って前進するところなど、キネクトをいい感じに使っていると思えるが、さすがにそれがずっと続いたらやってられないだろうし・・・。 クリーチャーどもは英語か日本語でしゃべる。吹き替えはきちんとオフィシャルの声優が担当しているそうで、聞きなれた声でしゃべってくれるのはファンには高ポイントだろう。ただ字幕で、ネズミが「ハハッ」とか言うと字幕に(わらう)と表示されるのが、台本を読まされているようで違和感がある。 とにかくお使いお使いまたお使いの連続で、シナリオの展開はまるで無く、ゲームを進める楽しさは皆無。どうせならランドで行方不明になった幼児を追って地下通路を探索するぐらいの毒がほしかったところだ。 お使いの合間にアトラクションをプレイする必要がある。それなりに工夫はしてあるものの、基本的にどれも似たようなキネクト操作で、クソゲーとまでは言わないものの、ゲームとしての面白みは薄い。キネクトのミニゲームなんて、無料でついてくるキネクトアドベンチャーやればもう十分。 丁寧に作ってあるのは確かで、グラフィックやBGMなどの雰囲気は良く出来ているし、ミニゲームや探索要素などのボリュームも十二分に用意されている。しかし、冒頭にファンアイテムと書いた通り、「ミッキーとハグ出来るの?面白そう!」と素で思える人にしか、プレイを楽しむのは難しいのではないだろうか。 子供へのプレゼントとしてそれなりに期待して買ったソフトだが、いささかガッカリさせてくれた1本だ。本作のおかげで、ピクサーとかセサミとかスターウォーズとか、キネクト操作系のゲームはもう一切食指が動かない。 |
ユアシェイプ フィットネス・エボルブ2012 |
XBOX360 |
2012/08/10 キネクト本2 ハコマルヒーローズ |
前作は正直いい出来とは言いがたく、100点満点中で50点程度の内容だったが、本作はいろいろと改善されて、75点ぐらいは付けられる仕上がりになっている。 何より前作でダメだった点は、やたらタイミングにシビアで、そのくせ判定はかなり怪しく、なぜダメ出しされているか良く分からないところだ。画面に合わせるとダメなので、BGMをしっかり聴いて、イライラしながらテンポを合わせたものだ。本作ではそのシビアさがかなり緩和され、わりと適当でもOKになった。また、たとえ良判定でなくても、前作のように同じトレーニングを繰り返す必要がなくなった。そのおかげで、好きな音楽をかけながら気楽にプレイすることが出来るようになった。これがかなり効いていて、知らない音楽を聴きながらやるより、好きな音楽を流したほうがモチベーションが上がるに決まっている。私は1枚40分のクラッシックCDをかけながら、CDが終わるまで運動を続けるのが最近のプレイスタイルになっている。 ただし、あくまで「判定が緩くなった」だけで、「判定の正確さが増した」わけでは全然無いのはプレイすればすぐに分かる。1年たっても技術的な進歩は無かったか。 もう一点、前作はやたらUIが悪く、メニューの階層が適当で、どこに何があるか分かりにくかったが、本作は割りとすっきりしたメトロスタイル?になっていて、メニューを選びやすくなった。また、前作でカーソルをメニューに合わせて「ピッピッピ」と選択が確定するまで腕を上げっぱなしにするのが面倒だったが、本作では「ボタンを押す」「パンチで確定する」操作法により、メニュー選択時のイライラが減少した。特に「表示カロリーをパンチでぶっ壊して先に進む」なんてスカっとするし素早く進めるので、いいアイディアだと思う。獣王記のエンディングを思い出してしまった。 メニューは前作よりいろいろ増えて、ニューヨークやロンドンの都市をジョギングする「ラン・ザ・ワールド」や、意外と運動になる音ゲーライクな「ジャンプロープ」、かなりキツ目の「ブートキャンプ」など、なかなか目新しくて面白い。どのメニューを何回選んだか一目で分かり、メニューを一通りこなすたびにメダルや実績がもらえるのも親切で、プレイ意欲をくすぐる。 さて、それだけ褒めておいて75点?と思う人もいるだろう。なにより一番の問題は、トレーニングの強度や種類がかなり適当、と言うかイイカゲンにしか思えないところ。トレーニングメニューは「腹筋」「腕」「背中」などに分かれているのだが、どれを選んでも同じような運動をやらされることが多い。「プッシュアップが効かない筋肉があるかしら?」なんて言われても、大胸筋(と三頭筋)のトレーニング以外で腕立てやる必要があるのだろうか?そりゃ支持し続けるから背筋もキツいが、そんなアイソメトリックな動作じゃ筋肉に効いているとは言えないだろう。そもそも、ソフトとハードやら環境に金をかけて、「はい、腕立てしましょう、腹筋しましょう」というのもどうかと思うが・・・。あとなんでもランジ(スクワット)を絡めたがるのも疑問。ランジしながらダンベルプレスやる意味があるのか?肩の筋肉をつけたけりゃ三角筋だけに集中すべきだと思う。数式と英文が交互に書いてある参考書を買ってきて「やったね!数学と英語を同時に勉強できるよ!」なんて言う人がいたらかなりのアレだと思う。あと運動の強度。いくつかのトレーニングを組み合わせてメニューを作るのはいい。だがその場合、軽い有酸素系は回数を多く、高負荷の運動は回数を少なくするなりのバランスが重要なはずだが、そこいら極めて適当。メニューの組み立てや順番、レップ数にセット数やインターバル。本来効果を最大限に発揮するためには一番重要そうなその辺を、運動なんかしたことのないピザプログラマーが適当に組んだとしか思えない。1ルーチン中に同じ運動を4セットもやる必要があるのか?あと個人的にファストマウンテンクライム。姿勢的にキツいくせに筋肉に効かないし、判定も無駄に厳しいのがイラつく。しかもあちこちで出てくるし、カンベンしてください。あと腹筋運動のヴィーニーズトゥチェスト。こんな姿勢物理学的に無理だろ!と思ったら、ジムで若いお兄さんたちが同じような運動をやっていた。訂正します。年齢的に無理です・・・。 本作、消費カロリーの累計が分かるようになっているのは親切。で、その累計が1万kcalを超えるぐらいから急激に飽きが来る。前述のように、いろいろなメダルや実績でモチベーションを引っ張ってくれるのだが、1万を越える頃にはその辺のインセンティブはすべて尽きて、残るはカロリー累計15,000、50,000、100,000、150,000、200,000kcalの実績のみになる。20万キロカロリー!毎日100kcal消費しても2000日!黄金聖闘士同士が2回戦えるほどの長さ。この実績を作ったのは誰だあっ!と海原雄山でなくても叫びたくなるレベルだ。ちなみに前作は最後の実績が累計10,000kcalで、そのせいで10,000達成でソフトを売っ払ってしまったんだが、それにしても本作は極端すぎ。10,000→15,000→20,000→25,000ぐらいが妥当な線ではないのか?およそ実績がクソなゲームは内容もクソで、センスの無い人間はゲームの製作に携わらないでほしいと思う。実績システムは功罪あるとは思うが、ディレクターのゲーム的センスの無さをあぶりだすには絶好のシステムになっていると思う。ちなみに私は今のところ累計12,000kcalほど。15,000超えたらとりあえず休止しようかなと思っている。 そんなこんなで、進歩があったわりには私の中では評価が低めの本作。どうせ続編が出るのだろうから、次回はメニューの選定と強度の調整、ついでに実績にも気を使ってほしいところ。個人的にはラン・ザ・ワールドに可能性を感じる。本作では2都市しかないし、ジョギング途中のチャレンジも2種類しかなく、語られるウンチクも1箇所につき2種類しかない。2種類ずくめで飽きが早いのは否めない。そこをもっと充実させて、アクティビティ、ワークアウト、クラス(ダンスやヨガ系)に続くもう1本の柱にしてもいいと思う。途中中断可能でフルマラソン、箱根駅伝なんかがあってもいいかも。風の影響や勾配でスピードが上下しても面白い。現状では走行速度の認識がかなりあやふやで、やはりキネクトの認識力をもっと向上させてほしいところ。キネクトのゲームの問題は最終的にそこに帰着してしまうのが難しいところか。 |
ライズオブナイトメア |
XBOX360 |
2012/08/10 キネクト本2 ハコマルヒーローズ |
これだよこれ!キネクトでコレがやりたかったんだよ! 画面内のキャラクターが自分と同じ動作をするとして、あなたなら何をしたい?ネズミ男をハグしたい?違うでしょ! ゾンビを殴りたかったんでしょ!ナタを振り回してゾンビの腕を切り落とし、大バサミで首をチョンパして、チェーンソーで体をバラバラにしたかったんでしょ?分かってるって。やってくれるぜセガ! と、しょっぱなからテンションが高くなってしまう本作。ハウスオブデッドのバイオレンス振りを見たときも、「セガやるな〜」と思ったものだが、本作はさらにぶっ飛んだ濃厚な本格残虐ホラーになっている。デッドライジングのようにギャグに逃げず、欲望のままにストレートに人体破壊を尽くす快作だ。 ネタバレになるので詳しくは書かないが、冒頭の展開からグッと引き込まれること請け合い。つかみはOK。タイトル画面の雰囲気も良く、プレイ前からホラー気分を盛り上げてくれる。他のキネクト作だと、メニューを選ぶときにダラ〜んと手をテレビにかざしてしまうのだが、本作だと思わず手首をビシッと前方に突き出してしまう。言っていることが分からないとは思うが、プレイした人にはなんとなく納得してもらえるはずだ。おどろおどろしいジャケットデザインも好感触。海外版も同デザインだが、アメリカでは、こういうレイプを連想させる図柄にはかなり厳しいはず。よく審査を通ったものだ。それともそんなことを連想するのはエロオヤジだけですか。すみません。 内容的にはバイオっぽい洋館探索型のアドベンチャーゲームだが、カギを探して右往左往とかそんな面倒なことは一切なく、アイテムはシステム的に絶対に見落とさないし、進行に必要のないものは調べる必要も無いし、戦闘時以外はオートで次の目的地まで行くことも出来る親切設計。もちろん自分の足でギミックを探して歩き回ることも可能。テキスト入力型(そもそも入力する言葉が分からん)→コマンド選択型(分岐が理不尽だよ!)→画面クリック型(そこ何度もクリックしたって!)→ポリゴン探索型(アイテムどこだよ〜)、とアドベンチャーゲームは進化しつつも理不尽なイライラ度はあまり変わらなかったのだが、本作はそんなストレスからは見事に開放されている。本作だって、やろうと思えばカーソル合わせであちこち調べ尽くさなければ進まないゲームにも出来たはず。そうすれば、プレイ時間だって飛躍的に伸びて、「ボリュームが足りない」なんて言われなかっただろう。敢えてそうしなかった製作サイドの英断に大拍手。 操作はキネクトを活用して、ドアを開けるときにはドアを開けるジェスチャー、ファイティングポースで攻撃とガード、刃物を持ったら振り回し、飛び道具を持ったら投げつける動作をプレイヤー自らすることになる。コレが結構雰囲気を良く出していて、私がプレイしたキネクトソフト中では一番臨場感があったと思う。序盤で、体でバランスを取るところでは本当に「おっとっと」てな感じだったし、ゾンビに噛み付かれて振り払うときなど本気になって突き飛ばしてしまう。ただ問題は「歩く」動作で、片足を前に出すと前進、後ろに引くと後退になっている。が、結局二つは同じ姿勢なわけで、「階段を登っていたらいつの間にか降りていた。何を言ってるか〜」状態で、後退したいのに前進して自らトラップに突っ込むとか日常茶飯事。動き回るとすぐにキネクトの効果範囲から外れてしまうし、もうちょっと何とかしてほしいところ。戦闘時の操作性に関しても不満があるが、それはまた後述。 シナリオに関しては、う〜ん。デヴィッド・リンチ的な不条理な悪夢世界を描きたかったのかもしれないが、少々力不足か?冒頭からいい感じの展開で盛り上がっていったのに、敵の正体が見えてくる終盤にかけてグングン盛り下がっていくのが実感できた。まあ私が意味不明な不条理系が嫌いなだけで、私に言わせれば2001年宇宙の旅もクソ映画だし、ツイン・ピークスとかサイレントヒルが好きな人なら結構受け入れられるかもしれない。シナリオで言えば、序盤(列車のシーン)にもうちょっと尺を取ってほしかったか。序盤で出てきたキャラが途中で再登場するのだが、今ひとつ「えっ、あのキャラが!」という驚きに乏しい。もうちょっとそれぞれのキャラを印象付けるエピソードがほしいところ。あとヒロインにどうにも魅力がないのがマイナス。 で、あまり書きたくはないが書かないわけにはいくまい。本編をクリアすると、オマケで「サバイバルモード」が追加される。コレがなんとも酷い出来なのだ。本編を難易度ノーマルでクリアして、そこはかとなくイイ気持ちになって、「さあ、実績目当てにハードでもう1周しようかな」と確かに思った。が、何気なく追加面をプレイしたら、そのあまりの酷さにプレイ意欲を完全に失ってしまった。美味しいフランス料理のフルコースを食べたのに、最後のデザートがゲロマズで全部吐いてしまった、という感じか。 なにが酷いって、まずは勝手に敵をエイミングするのが最大のガン。扉が目の前だ!扉の前の敵を・・・よし倒した、脱出だ!→なぜか背後の敵に向っていく私。それシステムとしておかしいだろ。任意の敵をエイム出来ないので、敵に囲まれたときに、一番近くのまず倒すべき敵に攻撃できないのもイライラする。前述の、前進と後退をうまく認識してくれないのもストレスの素。素早いターンとかサイドステップとかエイムの切り替えとか、もうちょっとキビキビした動作が出来ないものか。リトライ時の長いロードも不愉快。本編ではそれほどストレスに感じなかったのは、結局シビアなシーンが意図的に抑えられていただけ、つまり手加減されていただけだからだと思うと、もう一度本編をトライする気が失せるのも仕方がないところだ。 というわけで、本作をプレイしたら、追加面は一度たりとも触らないことをオススメする。追加面を除けば、十分楽しめることは間違いない。でも、そういうのが入っているというだけで、私にはいささか嫌な感じ。 |
バーチャファイター5 ファイナルショーダウン |
XBOX360 |
2012/12/30 ポラ通 Xbox2012 |
バーチャファイターの最新作の家庭用移植版。最新作と言っても、FSの稼動は2010年夏、基となった初代5は2006年夏なので、結構古いタイトルと言えなくもない。 本作で特筆すべきは、ダウンロード専売でなんと1200MSP!アマゾン価格で1400円程度と、これだけのビッグタイトルにしては破格の値付けだ。 まず始めに、私はVFプレイヤーの中でも数少ないであろうオフ戦専門プレイヤーであることを申し上げる。だからオンラインの状況はよく分からないし、キャラ間のバランスなども言及することができない。40を過ぎると、若い人たちに揉まれて切磋琢磨しようなどという気にはなれないのです。 VF5は無印→R→FSとバージョンアップしているが、Rのことはよく知らないので、無印5の箱版ライブアリーナとの比較を。 まず大きな変更点は、新キャラ2人の追加。新キャラと言っても、一人は3からの出戻りだが。鷹嵐は確かに3では最弱グループだったが、本作では間違いなく強キャラグループの一角だ。3で鷹嵐を使っていた身としては嬉しい限り。なんか1PPとか拾いすぎだし6P+KPPも怪しい性能で66PPPの出番がほぼ無くなってしまったのが寂しいところ。ヒット確認可能な4P+Kとか威力デカくてかかなりズルっぽい。もう一人の新キャラは空手使いのジャン。強キャラっぽいが自分が使うと使いにくし相手にすると対処しにくく、鉄拳ぽくてなんか嫌なキャラ。体重がやけに重いのもズルい。フォアグラにしてやるとか絶対外してる。あと2からの持ちキャラであるリオンが異様にパワーアップしたのが、リオン使いとしては嬉しくもあり、嫌われキャラ筆頭に数えられるほどで悲しくもあり。パンチが最速グループってリオンとしてどうなの。6PPの異様な拾い能力&ダメージとか最初バグかと思ってしまった。 システムの大きな変更は、投げ抜けが3択になったところ。上級者に投げが通らなくてズルい!ということで初心者への配慮のための変更だとは思うが、どうだろうか。全く運任せの2択3択の投げ抜けなんて鉄拳やキャリバーにやらせとけばいいのでは?バーチャ5(&4)のいいところは、とにかく投げだけは逃れたいと思ったら、素人でも投げ抜けを沢山入れられることにあったと思う。もちろん打撃を出されたらカウンターヒットでマズー!ではあるが、それも覚悟の上でひたすら投げ抜けを入れることはできた。本作では投げ抜けは一つしか有効ではないので、抜けても投げられても運としか思いようがない。それってどうよ。あと投げが3択になった関係で、投げの種類がやたら減ってしまった。多彩な投げがキャリバーや鉄拳と比べてバーチャの面白いところだったのに・・・。ジェフリーとか初代からあるスプラッシュマウンテンすら削除だよ。 もうひとつ、投げ抜けはボタン押しっぱなし&レバー入れっぱなしの、いわゆる「ゆとり抜け」が可能になった。これも初心者配慮の結果だと思うが、ゆとりと言う割には結構難しい。むしろ避け抜けの方が簡単?と思えるほど、直感的ではないし、ガード成功後のノータイムの確定反撃もなかなか難しい。その辺は慣れだとは思うが、おっさんにこれ以上新しいことを押し付けないで!と泣き言の一つも出てしまうそんな年頃。 5で不評だった、0フレ投げは削除。まあ妥当なところだが、慣れてしまったせいか、相手の投げをしゃがんでスカしたあとの反撃の投げが私にはとても難しい。投げ相殺、オフェンシブムーブからの攻撃、ボヨンとはずむ不自然なバウンド、ディレイ起き蹴りも削除された。さらに下段投げがレバー+P+G(以前はP+K+G)になった。まあシンプル化の方向でいい変更だと思う。ウルフ使って反撃に立ち投げしようと思って下段投げモーションが出ることがいまだにあるけど。 本作はダウンロード専売、しかも安価という事で、ゲーセン版ノックアウトトライアル(一人用のモード)やLAのクエスト(ゲーセンを渡り歩いてすべての敵を倒す)は割愛されている。LAでクエストモードをキャラ毎にたっぷりやったオフ専の私としては寂しい限りだが、まあ仕方ないところか。キャラ別の特殊なコスチュームも別売りで、本編1200MSPに対してコスチューム全セットが2400MSP!高いと思う人も多いだろが、私はセガへのお布施として購入させていただいた。キャラのコスチュームをいろいろいじるのも結構楽しい。私がカスタマイズしたキャラ(♀)を見て、「何でこの人裸で戦ってるの〜」と娘に訊かれたりも。単なる着せ替えなのでキャリバーに比べると自由度はぐっと低いが、まあキャリバーはアレだしね・・・。有料でさらにかっこいいコスやエロいコスが出たら買わせていただきます。セガさんよろしく。あと実況もDLCでお願いしたい。あと本作の一人用やり込みモードのライセンスチャレンジ、悪くはないが2週目のCPUがやけに硬く(ガード&投げ抜けが)て、あまり意味もなく連戦しないといけないので無駄にキツい。正直LAのクエストモードの方が面白かったかな・・・。コスを全部買うと、特殊なコスキャラと対戦できるモードも追加される。難易度をベリーハードにすると手ごたえがあって楽しい(ハードまでは暴れで勝ててしまう)のだが、全キャラで全員を倒してやろうという気にはなりにくい。どのキャラでどのグループを倒したか表示されるだけでやる気が出るのだが。 あとは4のころから言っているのだが、もうちょっと一般人向けに全体のテンポを落としてもらえないだろうか。下Pの連打をヒジで返すのもいまだに私には難しいし、大技ガード後に確定打撃をぶち込むのも難しい。前述のように、投げや上段技をスカしたときの反撃も難しい。ジェフリーの膝なんて硬化15フレームなのに、14フレームの肘が通らないことがままある。おっさんにバーチャは無理だよと言われればその通りなのだが、もうちょっとお互いの硬化フレームを伸ばして、反撃しやすいようにしてくれてもバチは当たらないのでは・・・。その方がネット対戦のラグや液晶テレビの遅延を吸収できてみんなハッピー!と思うのだけれど。 まあいろいろ言っても、安いんだから取りあえず買え!の一言に尽きる。ハードホルダーから撤退してから、いまひとつ立ち居地が定まらず、かつてのファンとしても応援していいのか罵倒すべきなのかが微妙だったセガ。しかし、本作やオラタンのような良作をリリースしてくれて、もう一度応援してみようかな、という気にさせてくれる。昔から一部に評判の悪いコナミやスクエニ、コーエーはもとより、老舗のナムコやカプコンまでが拝金主義丸出しでユーザーの評判が地に落ちている昨今、ユーザーオリエンテッドな気風をいまだに漂わせるセガがもう一度羽ばたける日が近い、かもしれない。 |
ヘイロー4 |
XBOX360 |
2012/12/30 ポラ通 Xbox2012 |
XBOXを代表するFPSの最新作。ちなみに360ではHALO3、ODST、リーチ、CEA、本作と都合5本のHALO作品が発売されている。 発売前は現行機とは思えない最高峰のグラフィックだとか持ち上げられていたが、実のところプレイ時のグラフィックの綺麗さでは3とあまり違いはない。ただし、プリレンダのデモムービーのリアルさは異常。実写のような、とは昔から使われてきた形容詞だが、まさしく実写と区別が出来ないレベル。コレ本当にCGだよね?主要人物であるハルゼイ博士は、おそらくコンシューマー史上最高にリアルなCGババアだろう。 主人公のマスターチーフの吹き替え声優が交代したことで、2chでは発売前に散々叩かれていた。しかしプレイしてみれば、まあ違和感がないわけではないが、それほど気にはならなかった。なぜなら、そんな些細な問題を吹き飛ばすほどシナリオがクソだった、の一言に尽きる。以下にあらすじを述べるので、ネタバレ要注意。 あらすじ:フォースを使う魔王の封印が解かれ、魔王は人類の抹殺をもくろむ。我等がチーフは精霊の女王から潜在能力を開放してもらい、見事魔王を倒して世界を救う。めでたしめでたし。 ・・・どうですか?これHALOちゃうよ。そんな3流国産RPGみたいな安いシナリオには心底幻滅。固有名詞も、ダイダクトやライブラリアン、プリカーサー、コンポーザー、マントルなどの重要な単語が何の説明もなくポンポン出てきて、プレイヤーを遥か彼方に置いてけぼりにする。ストーリーの意味不明さは3も酷かったが、本作はそれをはるかに超えている。AIのコルタナ絡みの演出も酷く、チーフとAIのラブストーリーなんて誰が見たいんだろう。壊れかけのコルタナの演出も凄まじくウザい。ただし尻は良し。 キャンペーンモードでは、新たなる敵としてプロメシアンという種族が出てくる。あまり評判がよろしくないコイツらだが、私はそれほど悪くないと思う。甲殻を身にまとったデザインはパンツァードラグーンみたいでカッコイイし、エリートと違ってヘッドショットで倒しにくい(ナイト)のもキャラ付けとしては悪くない。ワープで逃げるのがウザいのは確かだが・・・。前作から引き続き登場のコブナント勢力に関して、今までは最高難易度だと攻撃力がバカ高く、エリートと正面で対峙すると一瞬でやられてしまった。そのため、プラズマコンボ以外はほぼ無意味だったのだが、本作ではタイマンなら初期装備でも撃ち勝てる。エリートのAIがバカになっただけという気もしないではないが、プラズマコンボ一辺倒より複数の攻略が楽しめるのはいい。総じてレジェンドでの難度は今までより下がっていて、旧作のようにストレスに苛まれながらプレイする必要はないのはいいところ。 プロメシアン勢が登場した分、フラッドやブルート、ドローンらは出てこない。トータルとして種族が減ってしまい、プロメシアンだけがワラワラ出てくるだけで、キャンペーンモードは単調な印象が強い。あっち行ってボタンを押し、こっち行ってボタン押し、という展開が多いのも単調さに拍車をかけている。何周もしているうちに「まあこんなもんか」とは思えるのだが・・・。 キャラが弱いのも本作の弱点。前作まででは、チーフとコルタナの絶妙な掛け合いも楽しめたし、不死身のジョンソン軍曹、エキセントリックなモニター、渋いシップマスター、(魅力的とは言えないがインパクト抜群の)デアなど、印象的なキャラが多数出てきた。また、無名の海兵隊の台詞なども楽しめた。翻って本作、前述のようにコルタナとの会話はウザいし、ステロタイプの無能な艦長とか、インパクトの薄いラスキー、出番が少ない海兵隊、存在意義のない他スパルタンなど、キャラの魅力は大幅減。 次に、スパルタンオプス。前作にあったCPU殲滅モードのファイヤファイトが廃止され、ストーリー進行が絡んだオプスが導入された。ODSTに比べてリーチのFFは面白みが薄かったが、本作のオプスはさらに薄味。なんといってもその場無限復活なので、死の重みもなければ弾切れの緊張感もなく、クリアしても達成感よりも徒労感が漂う。倒しても倒しても装備充実で無限に湧いてくるスパルタンを相手にするコブナントらが可哀相なくらいだ。「どうせ無限復活なんだから、敵の出現パターンや武器の配置、リスポーン位置なんて適当でいいだろ?」と言ったかどうだか、ゲームとして全く煮詰められていない。キャンペーンでは許容範囲内であったプロメシアンのウザさも、オプスでは不可レベル。もうオプスというよりOOPS!という感じ。ゴールド会員じゃないとプレイできないのもケチ臭い。 というわけで、XBOX期待の超大作にしてすっかり期待はずれだったキャンペーンとオプス。では残る柱である対戦モードはどうか。実はコレがなかなかいい感じ。私はリーチからほぼチームスレイヤー(チームごとの殺し合い)しかやっていないので、本作でもチースレに関して述べる。 本作チースレでは、CODのようにFF(味方撃ち)なし、CODのようにダッシュ標準装備、CODのように途中参加可能、CODのパークのような経験値による能力付加、CODのキルストリークのようなゲーム中スコアによる支援、CODのようなキルカメラ、が導入された。どれだけCODになりたいんだっ!という気もするが、おかげで敷居が下がっているのは確か。3のランクマッチは緊張感があってそれはそれで面白かったが、勝ち負けにあまりこだわらずに大らかにプレイできる本作はアリだとおもう。リーチでは、敵パーティーに武器湧きの管理を徹底されると、もう目を覆わんばかりの虐殺試合になってへこんだものだが、本作は配置武器はランダムで、支援武器もあり、そこまで酷い試合にはあまり当たらなくなった。また、リーチで最大の萎え要素であったアーマーアビリティ(特殊能力)だが、最大のガンであったアーマーロック(一定時間完全無敵)が削除された。誰がなんと言おうとアマロはクソだ。アマロに次いでズルっぽかったジェットパックも弱体化されたのか、会う機会は激減した。リーチでは使えなかったホログラムが強化され、バランスは良くなっていると思う。 リーチで不評だったマップに関しては、本作でも微妙な感じ。私は対戦バランスの良さより、適当な狭さで乱戦が起こりやすく、複雑すぎない構造で、屋外で開放感があり、そのマップならではの外見的特徴があるマップが好みだ。2ではロックアウト他(2のマップは優秀だった)、3ではスノーバウンド(シールドはクソ)、ハイグラウンド、リーチではパワーハウスが好きなマップだ。本作では、私の琴線に引っかかるマップが一つもない(あえて言うならアバンドンか)。12月10日に有料で3つのマップが配信されたが、私の好みと真逆だったので笑えた。なぜか無料で落とせたので文句は言わないが(12/18から無料でDLした人は使用不可能になった)。次回は小規模マップの追加を強く願う。ディスクに入っているのに現時点で使用できないマップがあるのはなぜだろうか? 武器に関しては、今のところDMR一強といった感じか。中距離から遠距離まで満遍なく強く、初期武器として選べるので誰もが使いたい放題。戦闘後の消耗時に突然死したら大体これ。DMRが強いので、同属性のバトルライフルやコブナントカービン、ライトライフルの出番があまり無い。もうちょっと遠距離特化のほうが良かったと思うが、まあ許容レベルではないかと。総じて武器バランスは悪くはないと思う。 というわけで、ネット対戦以外はガッカリもいいところだったHALO4。360最後の超大作?にしてこの出来はヤバくないか。オンも発売1ヶ月でずいぶん人が離れてしまっている。途中参加可能なくせに、マッチングに時間がかかるときも多い。長いシリーズだからプレイヤーに「飽き」があるのは確かだが、このままではHALOシリーズも「過去の名作」のカテゴリーに収まってしまいそうで心配だ。 |
ギアーズオブウォー3 |
XBOX360 |
2012/12/30 ポラ通 Xbox2012 |
HALOと並んでXBOXを代表する大作シューター。こちらはTPS。 ギアーズといえば残虐な肉体損壊シーンもウリの一つ。が、さすがに国内版では、相手の腕を引っこ抜いてその腕で殴るとか、火炎放射器を突き刺して内部から焼き殺すなどの、モータルコンバットライクな処刑シーンは削除されている。グロでもエロでのなんでもござれの私としては残念なところだが、世間一般の感覚からすれば仕方ないところだろう。 HALOでも書いたが、本作もシナリオはクソ。あらすじを述べるのでネタバレ注意。 あらすじ:人類とローカストとランベントが三つ巴で戦っている戦時下で、死んだと思っていた親父を見つけたら、唐突に敵陣営のみに効果がある最終兵器が出てきて、作動して敵は一掃されました。めでたしめでたし。 こんな園児が考えたような安易なストーリーでいいのか?2で、ローカストは実は改造人間なのか?とかクイーンはマーカスの母親なのか?とかローカストの「処理」とは一体?とかいった思わせぶりな前フリは一切なかったことにして、爆弾一発で惑星中の敵を殲滅してハッピーエンドってなにそれ。HALO3や4でも思ったが、これだけ金をかけた超大作なのに、肝心要のシナリオがこの体たらくとはどういうことだ 2が出たとき、一度に出てくる敵の数が格段に増え、技術の進歩に感心したものだ。が、2から3ではそれほど技術的な進化は感じられない。しかし、グラフィックが垢抜けて明るくなり、陰鬱な前作までの雰囲気とは違うが、視認性がよくなって私には好印象。2のインセイン(最高難易度)でウザかった乗り物や固定砲台のシーンは今作ではほぼ無くなった。しかしながら、ガンカーの即死やアーマーカンタスやらで、おそらくインセインはシリーズ随一の難易度だと思う。 2でわりと好評だったCPU殲滅モードの「ホード」。本作では、敵を倒して得た金で武器の補充をしたり装備をパワーアップさせたりでき、また経験値によってレベルアップする新要素が追加された。これが予想外にうまく調整されていて、2のホードより確かに楽しさがアップしている。前作では究極的には盾の管理と篭城、ただそれに尽きたのだが、本作では自由に動き回りながらプレイを楽しむことが出来る。心配していたほど、金の取り合いによるギスギスした関係にならないのもいいところ。シルバーバック(2足歩行ロボ)無双になると白けることもままあるが・・・。10面ごとにボスが出てくるのも新しい。団結して強大なボスに立ち向かうなど、いかにも協力ゲームらしい楽しさだ。しかしながら、前作の最大のネガは「プレイ時間が長すぎる」ということ。本作も同様に、全50面クリアするのに3時間ぐらいかかるので、相当覚悟が無ければプレイすることもままならない。前作であれだけ非難されたのに、なぜ改善してこなかったのか。長くても1時間ぐらいがいいところではないのか?時間が無い人向けに、逆ホードとも言える「ビーストモード」が導入された。が、これが「どうしてこうなった?」と言いたくなるほど面白くない。つまるつまらないは人それぞれだろうが、私にとってはこんなモードが存在すること自体が不愉快なほど面白くなかった。 最後は対戦モード。ギアーズの対戦は、世界観にふさわしい弱肉強食の世界で、弱者はただ肉片になるためだけに存在した。なにしろ死んだら復活できないので、ゲーム開始→すぐ死亡→試合が終わるまで見てるだけ→次ラウンド死亡→すぐ死亡〜を繰り返すだけで、とても初心者が入れる世界ではなかった。3作目にしてやっと、リスポーンできるチームデスマッチが導入され、従来のウォーゾーンに取って代わって主要なゲームモードになった。古参には評判が悪いチーデスだが、私のようなシロートは待ってましたと言いたいほどだ。死んでもポイントが引かれるだけですぐに戦場に戻れるので、前作までほどにはイライラしないで済む。ストレス解消にやってるゲームでストレス溜めるなど本末転倒。ポイントが無くなれば前作同様の生き残り戦になるので、緊張感も十分。古参が何を言おうと、これで大正解。 また、ギアーズの対戦モードには、BOT(CPU)を入れることが出来る。HALOが頑なに入れようとしないBOTだが、その点ギアーズのほうが先にいっている。なにか、対戦メインの人は「対人戦こそ至高でCPU戦など邪道。むしろCPU戦などやっているヤツは対人戦から逃げている敗者」などと思っている節がある。そうじゃないよ。ゲームなんて楽しんだもの勝ち。私はオフラインで対BOT戦を十分楽しんでいる。惜しむらくは敵を最強にしてもいささか弱い点だが、その方がキャンペーンみたいにチマチマした安全第一な戦いにならずに、突っ込んで殺したり殺されたり、を楽しむ事が出来ていいかもしれない。今のアルゴリズムのままでも、4対6の変則対戦や、味方CPUのレベルだけを下げることが出来ればいいのになあ、とは思う。 来年には時代を遡った新作が出る。ODSTのような片手間で作ったスピンオフ作品になるのか、本格的超大作になるのか、期待半分不安半分と言うところだ。 |
Ever17 |
XBOX360 |
2013/08/12 HAKOMARU&DRAGONS |
2002年にドリームキャスト他で発売されたSFギャルゲーアドベンチャーの移植作。名作の呼び声高く、前から興味はあったのだが、プレイするチャンスがなかったのでこの機にプレイしてみた。 ・・・・・なるほど、名作と言われるのも納得の出来だ。360版では旧作のシナリオをさらにリファインしているということで、謎が謎を呼ぶ不可解な展開から、一気にすべての秘密が解き明かされる終盤の怒涛の展開は見事の一言。プレイヤーすべてが引っかかるであろう、ゲームならではの○○トリックには心底唸らされた。古い作品で恐縮だが、名作と言われるYU-NOやイブバーストエラーのようなイキオイだけの文系脳シナリオではなく、きちんとした物理学的考証に基づいた(もちろんゲームゆえの飛躍はあるにしろ)濃厚なシナリオは、ライターの物理学に対する造詣の深さを感じさせる。当然プレイヤーにも物理的教養が要求されるので、例えばシュレディンガーの猫の話=コペンハーゲン解釈=観測による波動関数の収束、あたりを理解していないと、ゲームの真の面白さは味わえないかもしれない。まあとりあえず難しいことは考えずとも、プレイしたことがない人には是非プレイすべき1本である、と断言する。 シナリオだけでなく、システムもよく練られている。バックログ完備、どこでもセーブに分岐での自動セーブ、既読メッセージの高速スキップに選択肢までの早送りなど、過去の同タイプの作品で欲しいと思った機能はしっかりと搭載してある。適度なスピードでメッセージと会話を選択肢まで読み進めてくれる機能もあるので、何度も何度もボタンを押したり間違えて選択肢をとばしてしまうこともなく、コントローラーに触れずしてOVAを鑑賞するような感じでまったりとゲームをプレイすることが出来る。また、例によってすべてのエンディングを見るために何度も再プレイが必要なのだが、「過去に選択したことのある選択肢」と「未選択の選択肢」が色分けされているのも便利。この手のゲームはどの選択肢を選んだか分からなくなるのが常だが、本作ではその点非常に便利。なのだけれども、実際にはある制約によりその辺が完全には有効に機能しておらず、私は結局何度も同じバッドエンドを見た末に、攻略サイトを頼って真のエンドに到達してしまった。プレイヤーに昔のように試行錯誤させたかったのかもしれないが、シナリオが素晴らしいだけに、バッドエンドから抜け出せずに何度も同じシーンを見せられるストレスが排除されていないのはもったいないなあ、と思う。 さて、本作の最大のマイナスポイントであり、ネットのレビューを見ても誰もが指摘している点であるのが、登場人物がポリゴンで表現されているということ。アイマスのように物量を投入したハイレベルなポリゴンならともかく、初見でギョッとするような、ありていに言って下手糞で不気味なポリゴンモデルなのはいただけない。この手のギャルゲーでは萌えが最重要ポイントなはずだが、本作のポリゴンキャラに萌えるのは、プリキュアショーの頭と眼球のデカイかぶりものに萌えるとか、最近エロ動画サイトでよく見る不気味な3DCGポルノで興奮するぐらい難しい。新しいことに挑戦する意欲は買えるのだが、それでもこれはちょっと・・・。と言いつつも、2周目に出てきた女の子は結構カワイイかななどと思ってしまったあたり、慣れって恐ろしいと言うか、人間賛歌は適応能力の賛歌ッ!と言うか・・・。まあポリゴンモデルはともかく、女の子の魅力自体もYU-NOや下級生あたりと比べると一歩劣るかな、というのが正直なところかも。CEROC指定(15歳以上推奨)なんで仕方ないのだが、もうちょっとエロい展開やグラフィックが拝めてもよかったのになあ。 てな感じで、ネタバレを防ぐためにストーリー的なところは一切言及できなくて残念。物理学科卒の私としては物理的考察を書きたくて書きたくて仕方ないのだが・・・。まあともかく余計な先入観を持たずにプレイすることをオススメ。プレイする前にWIKIとか余計なレビューを読むのは止めておいたほうがいいですよ、と老婆心ながら一言。 |