#5


迫りくる、メテ夫ボール。
このままでは、星の命が消えてしまう(真の意味でデッドボール。スケールは宇宙一)。

クラウド達は脳細胞をフル作動させて対策を考えるが、全く良い案が思いつかない。
もともと考える事に慣れてないので、10分もしたら飽きてだして、遊びはじめる始末だ。

「こんなとき、エアリスがいれば・・・」
エアリスだったら、落ちてくるメテ夫ボールをオーバーヘッドキックでブラジルゴールに叩き込んでみせるだろう。
星の危機はもちろん、日本の得点力不足も、まとめて解決。
ムッシュ・トルシエも大喜びだ。

だが、エアリスはいない。

「諦めるんじゃねえ!」
立ち上がったのは、夢見る中年シドおじさん。
「オレ様は、科学の力に賭けてみてぇ・・・ホワイトベースで迎撃だ!」

頭おかしいんじゃねーの?
バカよバカ。
冷ややかな視線がシドを突き刺す。

もうみんなイイ大人だし、最終回だし、いつまでも夢ばかり見てられないし。

だが、30過ぎても少年の心を持ち続けるシド(サンタさんも信じてる)は、納得するはずもない。
こんなコトもあろうかと極秘裏に制作していた、実験的反重力システム(風船20コ)をホワイトベースの機関部にセロテープでくっつけた。

「よし、シエラ行くぞ!」
泣いて嫌がる彼女を操縦席に縛り付け、シドは安全な艦外から命令だ(おいおい)。
「ホワイトベース、発進!!」

ゴゴゴゴゴ。
重低音で響きわたるエンジン音。
そして、ホントに浮き上がる、ホワイトベース。

「おお! スゲーって言うか、もうデタラメだよ!」
予想外の展開に、クラウド達は思わず感嘆。
作ったシドもビックリだ。

が、もともとベニヤ板のホワイトベースは、風にあおられて電線に引っかかり、大破。

東京電力のおじさんに怒られつつ、メテ夫到達まで、あと7日。

***

年の功、ブーゲン爺にお知恵をいただこう。
クラウド達は藁にもすがる思いで、コスモキャニオンを再度訪れた。

ブーゲンは若かりし頃、進検ゼミの赤ペン先生をやっていたので、その知識には期待ができる。
事の顛末を聞いた彼は、ゆっくりと語りだした。

「ホーホーホウ、場当たり主義のいい加減な展開に、そろそろツケがまわってきたんじゃな。それ程の星の危機。そんな時は・・・」
「そんな時は?」

グッと拳を握る、クラウド。

「究極の白魔法・ホーリーを呼ぶのじゃ!」
「ホーリー?・・・それは、どうやって呼べばいい? ケータイ持ってんの、そいつ?」
「祈るのじゃ。祈りながら、ホリ電気のコントローラーで、○ボタンを16連射するのじゃ」
「ホ、ホリ電気!(ああ、なんてひどいダジャレだ!)」

驚くクラウドだが、ホーリーはホリ電気を介して発動するのだ。
総務部長の承認印だって必要なのだ。
この世界では定説。

「祈りが届けば、ファンタジーの力でメテ夫もウェポンも消費税も花粉症もPS2の不具合も消えてなくなるじゃろう。もしかしたら、わしらもな」

だが、クラウドは力無く首を左右に振った。
「・・・終わりだ。急な設定でなんだけど、コントローラーはエアリスが持っていた。彼女は今ごろ、毒虫小僧よろしく東京湾あたりでドザエモンだ」

「ホーホーホウ、これを見るのじゃ」
もったいぶりのブーゲンは、14インチTVにスイッチを入れ、ビデオ再生ボタンを押した。

ブラウン管に映し出されたのは、多摩川に浮かぶ古代種の都。
実はその前にパツキンギャルの無修正ビデオが流れ、ブーゲンが老人とは思えない反応速度でビデオテープを交換するというエピソードがあったのだが、省略。

まあ、とにかく古代種の都だ。
エアリスが生涯無敗の伝説を守ったまま、死んだ場所だ。

「なんのビデオ?」
「わしが趣味で集めてる、死体ビデオじゃ」
「人それぞれだけど、その趣味はどうかと思うよ」
「ホーホーホウ、それはそれとして、祈りがホリ電気に届けば、クリアカラーのコントローラーが、味気ないグレーに変わると言われとるぞ」

カメラは多摩川に入り込み、さらに潜っていく。

「あ、あれは…!」

カメラはバッチリとらえた。
ビニールの長靴やワンカップ大関の空き瓶と共に川底に沈む、所々お魚さんにかじられたエアリスのぷっくりした水死体を。
そして、彼女のコントローラーを。

色は、グレーだ。

「うええぇぇぇ(嘔吐)。グ、グレーだ・・・おええええぇぇぇぇぇ」

しばらくお待ち下さい

ようやく落ち着いたクラウド。
口の中は、まだ酸っぱい。

「エアリスは、既にホーリーを呼んでいたんだ。オレが貞治ボールを金星に投げたときから、こうなることを知っていたのかもしれない・・・」

「溺れてもがいてるときに、たまたま連射スイッチ入れちゃったんじゃないの?」
モンダミンしているティファの推測で、たぶん正解。
うなずく一同。

「まあ、なんにしても、エアリスの祈りはホリ電気に届いていた。なのに、どうしてホーリーは動かない? なぜだ?」

そんなの、ホリ電気に聞いて見ろよ。
あ、そうか。
ということで、ホリ電気に電話してみた。

「あ、もしもし、あのー困るんですよねえ、ちゃんとホーリー発動してくれないと・・・ええ!? ロンゲで黒装束の男が社内に穴を掘りはじめて、それどころじゃない!? それから、2000年1月をもって、ホリ電気は(株)HORIに社名変更しました!?」

うーん。まあこの際、HORIでもいいか。
それより、穴掘り男の方だ。

(すっかり忘れてたけど・・・セフィロス!)

チュッピーに会いたいセフィロス。
彼は、今まさに穴を掘っている最中だった。
砂場で遊んでいた女の子を泣かして奪ったピカチューのシャベルで、ザックザック。
その場所がたまたま偶然なんかの間違いで、(株)HORIの敷地内だったのだ。

そんなバカなー、なんて読者の皆さんは思うかもしれないが、宇宙に放り出されたヒロインをものの数分で発見&救助しちゃうコトに比べたら、まだまだ常識的範疇。

やはり原作同様、最後のシメはクラウドとセフィロスの決戦だ。

***

一方、ミッドガル。
ルーファウス若社長は、ケットシーからのブロックサインを3塁コーチ経由で受け取っていた。
今日もブリーフ一枚だ。

(クラウドくんが、セフィロスのせいで困っている?)

自分でもクラウドへの愛に気づきはじめていた彼(最近、溜息が多いの)は、即時にセフィロス抹殺兵器『シスター・レイ』を完成させる。

これは、綾波レイやアムロ・レイ、南斗水鳥拳のレイなど、レイと名の付くアニメキャラのコスプレイヤー達を一堂に集め、彼らの熱いパッションを軍事的にエネルギー変換して放出するという、とにかく恐ろしい兵器である。

その威力たるや、幕張メッセとビッグサイトに集まった人々を3回蒸発させても、まだビックリマンチョコを箱買いできるほどのお釣りがくるらしい。
しかも、ノン・ニュークリアだから、地球にも思いやり。

休憩時間なのだろう、ちょうどセフィロスが穴から上がってきていた。

「社長、シスター・レイの準備ができました!」
「よし、やっちゃえ」

(目撃!)どきゅーん。
若社長の純愛を乗せて放たれる、光の矢。
それはセフィロスという存在を、この世界から消滅させる。

ハズだったんだけど。

水鉄砲と同じ仕組みで射撃されるシスターレイは、セフィロスにかすりもしないで大ハズレ。
細かな照準補正は、苦手なのだ。

目標を外した殺人ビームは、ときどき善良な市民の命を奪いながら、そのままグルーっと地球を一周。
ブリーフ社長の後頭部を直撃した。

(ち、地球は丸かったのか・・・!)

この瞬間まで、地球は平らだと信じていた若社長。
その命と引き替えに、ひとつお利口になりました。

轟音と閃光。
どくろマークの大きな煙がミッドガルに立ちのぼる。

最期まで愛に生きた彼は、本社ビルと社員30名を巻き添えに、チリとなってほうきで掃かれてゴミ箱の中に消えた。

その悲劇は、翌日の東スポに小さく掲載された。

「(株)神羅は・・・終わりました」
白タイツのケットシーは、放心状態。
出世のために、今までこんな恥ずかしいカッコにも耐えてきたのにね。

会社って何? 生活って何?
人生って何? 幸福って何?

中年男の心を壊しつつ、メテ夫到達まで、あと3日。

***

メテ夫ボールは、その縫い目とサインが肉眼で確認できるほど、近づいている。

その前にセフィロスを倒し、ホーリーを発動させる。
それがクラウド達に残された、最後から2番目の手段だ。
ホントの最終手段は、作者による連載凍結。

クラウドはおもむろに語りだした。

「これが最後の戦いだ。でも、オレにとっては個人的な戦いなんだ。セフィロスを倒し、3万返してもらう。いや、有り金ぜんぶ奪う。それが星を救うことに繋がるから、強盗殺人が正当化されて、ああラッキー。みんなにも、なんのために戦うのか、その理由を見つけて欲しいんだ・・・」

そして、レッドへと視線を移す。

「なあレッド、コスモキャニオンのみんなに会いたいだろ?」
「・・・うん。ていうか、きらめき高校の女子更衣室をもう一度」
「実はオレもなんだ」

クラウドとレッド、がっちり握手。

「みんな、会いたい人にあってきなよ。ニャンまげに飛びついてきなよ。ドラクエ予約してきなよ。一度くらいはPS2をさわっておきなよ。そして、戦う理由が見つかったら、戻ってきて欲しいんだ」

ひとり、またひとり、パーティーから離れていく。

「じゃあ、オレもきらめき高校に・・・」
行こうと思ったクラウドだが、口よりも先に手の出るティファの殺人パンチで断念。

残ったのは、そのティファと、鼻からドクドク血を流すクラウドの2人だけだった。

「ティ、ティファさんは、行かないんですか?(鼻血、止まんないよ・・・)」
「あたしは・・・行くところがないから」
「ええ?」

(じゃあ、今夜はふたりっきりじゃん!!)

クラウド大興奮。
せっかく詰めたティッシュも、鼻から飛び出す勢いだ。

高校生の頃に丸暗記した、ホットドッグプレスのH特集。
今こそ、その成果を!

(えーと、まず、洒落たレストランで食事して、このとき、店から彼女に花束のプレゼントが届くように段取りしておいて・・・うわー面倒くせーから、もういいや!! だいたいそんなコトするヤツ本当にいるのかよ!!)

「ティファー!!」
「い、いけないわクラウドいきなりこんなところでいやホテルならいいとかじゃなくて!」

クラウド決死のダイブ。
体勢十分、どんとこーいと受け止めるティファ。
今夜は記念日。

***

ティファ、横綱相撲で圧倒。

***

朝焼け。

真っ白に燃え尽きたクラウド。
対してティファは、ぷかーとタバコをふかしながら、あー食った食ったの表情だ。
ここら辺が、経験値の差(ティファ:レベル75)。

「誰も来ないわね」
「ん・・・あ、ティファ、おはよう・・・もう少しこのままでいさせて」

そう囁いて、彼女の肩にもたれかかるクラウド。
大丈夫かクラウド。

さらに数時間。
クラウドは昨夜の感動をポエムに綴っていた。

「ひろいひろい宇宙(そら)の片隅 ふたりの創るビッグバン」
「こ、来ないわね、誰も」

そろそろ薄気味悪くなってきたティファは、雰囲気を変えようと必死だ。

「あ、うん・・・もしかして、みんなとっくに来てるんだけど、ふたりの様子を隠れて見ているってオチなのでは?」

物陰でビクッと震える、4人+1匹の影。
ようやく気づく2人。

「・・・見てたの?」

実は、昨夜からずっとのぞき見していたのだ。
しっかりビデオに撮っていたのだ。
もちろんオカズにもしていたのだ。
のだのだうるさいのだ。

ティファ激怒。
クラウドは両手で顔を覆い、イヤイヤしながら恥じらいのポーズ。

さらに数時間。
ティファが立ち上がった。

「そろそろ時間よ」
「でも、まだ誰も・・・!?」

ティファにシメられたバレット以下は、いまだ血の海に沈没中。
蠅も飛んでる。プーン。

「まあ確かにセフィロスをボコるくらい、ティファがいれば十分か」
「そうよ。でも折角だから、コイツらセフィロスの所まで引き回しの刑ね」

決戦の地、(株)HORIへ。

***

HORIの敷地内には、セフィロスの掘った大空洞が。
その広さは、なんと東京ドーム3つ分、積み上げると富士山の4倍だ。

確かに、これではHORIさんも仕事どころではない。

「この奥に、セフィロスがいる・・・」
「コンクリート流し込んじゃえば?」

クリティカルな意見をティファが述べるが、それは水戸黄門が印籠を首からぶら下げて歩くようなものなので、わざわざ苦労して穴を降りていくのだ。

はたして、セフィロスはいた。
「邪魔をすると・・・こてんこてんにのして、チュッピーの餌にしちゃうゾ!」

凄んでみても、日本刀はプレジデント神羅の脳天に突き刺したままなので、完全丸腰状態のお茶目なラスボス。

さっそく、タコ殴り。

ティファのジェットアッパーで顎を砕かれ、シドの有機溶剤でラリパッパし、レッドにウ○コを引っかけられ、バレットのスプレーで投稿規定に反するような落書きをされ、ユフィの忍法でカズダンスを踊らされて笑い者にされたあげく、ケットシーのムー大陸魔法でホンマグロに姿を変える、哀れな元セフィロス現サカナ。

そして、クラウド。

「すべての決着を!」

万能包丁が光を放ち、ズバズビズー。
彼の芸術的な包丁さばきで、豪華マグロの活け作りだ。

「終わったのね・・・」
「わん。やったんだね、オイラ達!」

ようやく電波小説から解放されるよ、と安堵する一同。
だが、クラウドは。

「いや・・・まだだ!」

小皿と醤油をくばり、さばいたマグロで夕食だ。
大事を成し遂げた後に食べるご飯はおいしいね、なんて談笑しつつ、メテオ到達まで、あと数行。

***

HORIが業務を再開すると、あたりはまばゆい光に包まれた。
その輝きは、地上の至る所を覆った。
深夜時間の場所だと迷惑だった。

そして光が消え、一瞬の静寂の後。
ドロドロと、四方から押し寄せてくる、白い粘着性物質。

「あれが・・・ホーリー? ん、んん? う、うえええええええ」
「げげ、アンタ口から何だしてんのよ! ってあたしも、うえええええええ」

クラウドやティファの口からも、ゲボゲボっとホーリーが。
さっき食べた夕飯じゃないよ。

究極の白魔法・ホーリー。
その正体は、エクトプラズムだった。

世界中の人々、そして動物達から絞り出されたホーリーは、あたりに漂っていた霊魂を実体化しながら、メテ夫ボールにからみつく。

星の命運を賭けてその身を削りあう、野球ボールとオカルト物質。

全ての生命の祈りが、心が、吐き気が、この星を救うために、今ひとつになる。
宗教も人種もない。
神羅もアバランチもない。
ソニーも任天堂もセガもない。3DOはどこだっけ。

だが、ホーリーとメテ夫の衝突の余波が、地上に被害をもたらしはじめていた。
メテ夫が星に近づきすぎているのだ。

「きっとホーリーが遅すぎたのよ・・・余裕かまして『戦う理由を見つけてこいよ』なんて言ってる場合じゃなかったんだわ!」
ホントにそうだよ。

さらにその一方で、小さなトラブルも多発。
例えば、実体化したルーファウス(故人)に泣かれるクラウド。

「ひどいよ! ボクというものがありながら、あんな牛女と!」
ブリーフを膝まで下ろしてスクランブル体勢の若社長は、ポロポロ涙を流しながらにじり寄る。

「な、なんですか、社長!?」
彼の思い詰めた雰囲気に、クラウドはおしりのピンチを直感。
なにしろ相手はオカルトなので、自慢の包丁で三枚おろしにしても、2秒で復活してしまう。

「こ、これじゃ、せっかくのホーリーも逆効果だよ!」

星の命と、クラウドの操。
果たしてその運命は。

***

その頃、ミッドガル。

鼻ちょうちんで居眠りしていたマリンが、体をガクンとさせて、ドッキリ寝起き。
アニマル並の子供本能が、彼女に何かをうったえかけたのだ。

(ああ、びっくり。授業中にコレやると、すげー恥ずかしいのよね・・・ん?)
ふと何かを感じ、窓辺に歩み寄るマリン。

「・・・電波のお姉ちゃん?」

口走った途端、マリンの口からゲボゲボッとエアリス・ホーリーが。

あまりの恐怖に失神したマリンをよそに、原作では叶わなかったエアリスの復活が、今まさにファンタジーの力で実現しようとしていた。
「ああ、星の声が聞こえる・・・あたしがいないと話がもたないって、作者も本気で言ってるわ!」

実体を得た彼女は、強力なサイコパワーで周囲のホーリーを取り込んで、みるみる巨大化。
クラウドのおしりに迫っていたルーファウスも、彼の意志とは無関係に吸収され、悲願ならず。

いまやエアリスは、身長57メートル体重550トンでそびえ立つ。

「あ、あれはエアリス・・・?」
ギリギリのところで助かったクラウドは、ズボンをはきなおしながら、その白い巨人を見上げた。
彼女の周囲に、ホーリーが集結しているようだ。

(エアリスがホーリーを取り込んでる?)
マグロのDHAで賢くなっていたクラウドは、瞬時に理解した。

(ということは、えーと・・・さっきまでホーリーがメテ夫を止めてた→そのホーリーをエアリスが吸収→メテ夫を止めるものがなくなる→メテ夫直撃で破滅オチ)

クラウドの予想通り、障害のなくなったメテ夫ボールは、再び炎をまといながら落下をはじめてしまう。
「うわー! これってダメじゃん! エアリスのバカーッ!!」

が、エアリスはメテ夫ボールをらくらく片手でキャッチ。
ついでにバカ呼ばわりしたクラウドを、356文キックで遙かブラジルゴールに叩き込んだ。
以後、クラウドは消息不明。

事情を飲み込めてないエアリスは、マジマジとメテ夫を眺める。
「ナニよこれ・・・うそ、田中メテ夫の2048号二塁打ボール!? しかも直筆サイン付きですって!? キャーッ!!」

実は王貞治以上にメテ夫ファンだった彼女は、スキップしながら大喜び。
その衝撃で、地上は未曾有の大地震。
死者続出。

「ああ・・・こんなに嬉しいのは、お笑いマンガ道場のオマケコーナーで変なオモチャをもらって以来だわ・・・」
足下の大惨事などつゆ知らず、ひとり至福の大巨人エアリス。
成仏した彼女は、メテ夫ボールを大事に抱きしめたまま、ひゅるひゅるる〜と何処へともなく消えていった。

かくして、メテ夫は消えた。
とりあえず守られた星の命。
ホーリーも消え去り、残ったのものは、さけた大地と崩れた落ちた建物の無惨な光景。

でもね、宇宙から見るその青い星は、いつもと変わらぬ美しさだったのさ。

***

エピローグ。

岩山を駆ける、犬の姿。
油性マジックで書かれた13の文字と、デューク東郷まゆ毛。
傍らを一生懸命に走る、いろんな相手に生ませた数匹の子犬。

「!」
立派なオトナの雄に成長したレッド13は、急ブレーキで立ち止まった。
別に、あイケてる雌イヌ発見パツイチ決めてー、という訳ではない。

レッドの眼下に広がるのは、かつてミッドガルと呼ばれた場所だ。
今では瓦礫の山と、巨大なスキップの足跡しかない。

ここへ来ると、思い出すのだ。
かつて一緒に旅をした、バカでエッチでおならプーな人間達のコトを。
レッドは、遠吠えせずにはいられない。

「ばう! 突然だけどこれで終わりだよ! わおーん!!」

ジャン。

現実世界に帰る。


あとがきとかいいわけとか未公開ネタ

ご愛読ありがとう!

これで終わりなんです。
なんだよーなんて思う方もいるでしょうが、原作もこんな感じだったし。
なんていうか、読者(ユーザー)に想像の余地を残すのがイカスみたいなんで。

いろいろとオチは考えたんですけどね。
結末希望アンケートを実施するなんて案もあって、その場合の選択肢も用意してありました。
以下参照。

1.ホーリーで星は救われ、クラウドのおしりも助かって大円満。
2.ホーリーでメテ夫も人類も消滅。
3.ホーリーでメテ夫は消えるが、怒った金星との間に宇宙戦争が勃発。
4.エアリスがメテ夫をブラジルゴールに突き刺し、日本W杯初優勝。
5.チュッピーが疲労でダウン。地球は自転終了。
6.ぜんぶ夢だった。
7.ぜんぶ宝条監督の映画だった。
8.ぜんぶクラムボンだった。

***

4番サッカー編は、本編に名残があります。
6番の夢オチの場合は、学園ラブコメに展開させるつもりでした。

もし8番が選ばれてたら、なにも考えてなかった作者はどうするつもりだったんでしょうね。
自分でも興味があります。


では、最後に。

当作品を受け入れてくれた懐の深い管理人さんと、ここまで読んでくれたガッツのある皆さんと、あと抽選で3名の方に、感謝の気持ちとして投げキッスを送ります。
ちゅ。

現実世界に帰る。