dB(デシベル)は通信の世界ではレベルの単位として良く使われます。通常、関数電卓が無いと計算できません。
マイクロ無線機の点検などで空中線電力を求めるのに必要なので紹介しておきます。電話の発明者であるベルが音の大きさを表すのに使用したことから単位は「B」(ベル)となりました。そのまま使用すると使いがってが悪いので「d」(デシ)を付けて10倍する事にしました。
実際に人間が感じる、たとえばステレオのアンプの出力など、1Wが10Wになれば10倍大きくなったように感じますが100W出しても20倍にしか感じません。
dBm=10log(電力/基準電力) 基準電力:1mW logの根は10
(dBmの「m」は1mW基準の「m」という意味です)電力が1mWならば0dBmとなります。同様に1Wは+30dBmとなります。電力が1mWより小さい場合、たとえば0.1mWは−10dBmとなります。解りやすいように表にしてみますと
dBm |
電力 |
−30dBm |
0.001mW |
−20dBm |
0.01mW |
−10dBm |
0.1mW |
0dBm |
1mW |
+10dBm |
10mW |
+20dBm |
100mW |
+30dBm |
1W |
+40dBm |
10W |
+50dBm |
100W |
+60dBm |
1KW |
の様になります。
電流・電圧を表わす式は有りません。あくまでも電力が基準になりますので、オームの法則より、電力=電圧×電流なので同じ負荷に流れる電流と電圧は比例します。電圧が2倍になれば電流も2倍になり、電力は4倍となります。この2乗に比例する「2」がlogの計算上前に出て
dB=20log(電圧/基準電圧)
(基準電圧は色々有りますが無線の世界ではμVが使用され単位は「dBμ」と表わします)
となるだけです。
3dB
無線機の出力が半分になったら何dB低下するか?答えは「約3dB」です。1/4では3+3で「約6dB」です。
1Wの出力が0.5Wになったときの値を上記の式に当てはめてみます。
1W=+30dBm 0.5W=10log(500mW/1mW)=+26.9897dBm
30−26.989=約3dB となります。
log2=約0.3
空中線電力 0.063W 送信機出力 1Wの無線機には何dBのアッテネータが必要か?
計算を簡単にするため0.063W=約64mWとします。64=26です。
式は10log(26/1)となり、乗数6は前に出て 60log2 となります。値は+18.06dBm=約+18dBm、1Wは+30dBmなので
30−18=12dBのアッテネータが必要だと解ります。
このように2の乗数で表わされるものは「log2=0.3」を覚えておけば簡単に求められます。こじつけですが計算してみましょう。
log2 → 10X=2
10=2のX乗根 X=Y/10 と置くと
10=210のY乗根
10=1000のY乗根 210は1024ですが約1000とする。
103が1000ですからY=3 X=3/10
∴X=約0.3 となります。
その他
log計算のかっこの中のかけ算は足し算、わり算は引き算になります。
0.32Wは何dBm? 10log(320mW/1mW)=10(log25+log101)=10(5log2+log10)=10(1.5+1)=+25dBmとなります。
0.32mWは何dBm? 10log(0.32mW/1mW)=10(log25−log102)=10(5log2−2log10)=10(1.5−2)=−5dBmとなります。