産後49日目〜旅立ち

専門書などで読んだ子育ての覚え書きをピンクの文字で右脇にのせておきました


かわいいむすめのためならば
どこにいたって とんできまっせ



にんげんさまと ひもあそび
2月29日(出産49日め)
ここ2日間のエンケン一家はかなりハードなスケジュール。24時間誰かしら起きていてエレキまめアイスも寝る間を惜しんで遊んでいます。
そんなわけで、夜中も明け方もなく過ごしています。
早い話が「連日時差ボケ状態」です。アイスはこれから規則正しいおうちにもらわれていくのに、ちょっと心配です。

夜中の3時4時に部屋中駆け回って遊ぶ3匹。1匹でもうたた寝を始めると、他の2匹に「あそびましょ」と起こされて、ロクに寝ていない3匹はナチュラルハイになっています。

アイスだけでもサークルに入れて寝かせようと思ったのですが、ワンワン吠えて「出してください、遊ばせてください」と必死になるので、ついに鳴き癖までつけてしまいました。
アイスが鳴くとエレキがすっ飛んで駆けつけ遊んであげる癖もついています。

新しい家では、どんなに吠えても探してもエレキもまめも他のわんこもいないので、しばらくは鳴き続けそうです。

アイスの心配点は人間より犬に慣れていることです。
今日はなるべく人間と遊んでみました。


子犬の動きが活発になるので、注意が必要。
高い所からの落下物、噛んではいけない物を片付けておく。
人の足元についてまわるので、踏みつけて骨折させないように注意。


アイスのおっぱいくれくれこうげきで
まめママ バレリーナのごとし
このまま3本足で移動します
3月1日(出産50日め)
アイスの体重が1kgを越してからスケールで計れなくなりました。
食欲旺盛なので、多分体重も順調に増えていることでしょう。
まめのおっぱいもほとんどでませんが、アイスはすきあらば吸いついています。


エレキが少し体調をくずし、おとなしくしています。ここ数日の疲れがでたのでしょう。
(実は3日前に、エレキは脱走していて、その疲れも残っているはず)

やはりメス犬のほうが持久力があります。

このところ「アイスがいなくなるのは淋しいです」というメールをたくさんいただきます。
みなさん、本当にありがとうございます。
たくさんの方が読んで下さって、エレキまめもアイスもしあわせものです。

子犬はそろそろ自分の名前を覚えはじめる。

おこられる、ほめられる、がわかってくるので、しつけを開始できる。

まだ子犬を単独で長時間の乗り物に乗せてはいけない。
極度の緊張、恐怖をあたえない。(神経に深く刷り込まれる)


「これからも たっしゃでな」
アイスをはげますご両親
3月2日(出産51日め)
今日は心なしかまめの方が元気がありません。心配です。
朝からアイスの里親さんに渡すもの(アイスの餌、おもちゃ、おしっこのついたトイレシート、覚え書きなどなど)を紙袋に詰めたていたせいか、なんとなく異変を感じているまめママです。
まめはいろんなことに敏感なので、アイスを渡す当日にはその時間前に、シャンプーカットに連れ出してしまうことにしました。その間にアイスを手渡して、部屋からアイスの匂いを消しておこうと思います。

まめも昨年の12月以来、シャンプーをしていなかったのでちょうどいい頃です。
その後は久々にカフェめぐりでもしてみようと思います。
くたびれて家に帰って、すぐ寝てくれるといいんですが・・・

「おとうさんおかあさん
お世話になりました」

お別れのつらさに天を仰ぐご両親


まめがねこんで ちいさくなってしまいました
3月3日(出産52日め)
今日は桃の節句。アイスのお別れ会も含めて近所のお友達が8人も駆けつけて来て下さいました。わんこたちも大はしゃぎです。
里子にだす前日の淋しさを救ってくれました。

朝から何箇所かに吐いた後が残っていて、吐いたのはまめかエレキかアイスかわからずにいましたが、まめの様子がおかしく、部屋の隅でまた吐いているのを発見。とても元気がありません。
それでもお友達が来てくれた時は喜んで元気にふるまっていましたが、みなさんが帰ったとたん元気がなくなり、また吐きました。
まめは、以前エレキが我が家にやって来た時もびっくりして神経性の嘔吐を繰り返しましたが、今回もアイスが明日旅立つのを気配で感じてか、熱もないのに嘔吐を繰り返します。
1日でやせました。

明日はアイスを手放した後、すぐお医者さんです。点滴が必要です。
一番心配していた事態になってしまいました。

なんだか いつもと ようすがちがう


うんめいの朝がやってきました
まだちょっとねむいけど
たびだつことにするわ



あたらしい おかあさんたち
これからなかよくやっていくわ

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おうちにもどるとアイスがいない ・・・
ぼくにはもっと ごはんをください!
3月4日(出産53日め)たびだち
まめの調子がかんばしくないので、アイスの受け渡しを後日に変更してもらおうとも思いましたが、里親さんは今月半ばからお仕事を始めるので、これ以上先送りにしても今度はアイスが可哀相なので(できれば里親さんが1日中お家にいる時期に渡したい)本日決行することにしました。

アイスは2,3日で新居に馴染むことでしょうし、とても可愛がってもらえるでしょう。
まめもエレキも2ヶ月前の生活に自然と戻って元気にはしゃぎまわるでしょう。

わんこたちは思ったよりタフなんだそうで、心配することは何もないんだ、と繰り返し自分に言い聞かせています。

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目の前でのアイスとのお別れは、かなりショックを受けると思い、近所のマスダワープロさん(わんこともだちにも登場してくれています)にエレキとまめを一時あずかってもらいました。まめの体調が悪いので、シャンプーはキャンセルです。

お昼頃、新しい飼い主さん一家がやってきてくれました。

新しい飼い主さんはHPで、アイスの成長を見てくださっていたらしく、ご対面の瞬間から愛情溢れる接し方をして下さいました。
アイスが幸せに暮らしていける喜びと、一抹の淋しさで複雑な思いですが、まめやエレキもこういう旅立ちをして、小さい体ひとつで我が家にやって来たんだなァ、としみじみ感じたりしています。
アイスが旅立って、慌てて部屋の中の匂い消しをして(それでも、まめはアイスの匂いをみつけて探しまくるでしょうが)エレキとまめを迎えにいきます。
なんとか涙をこぼさずに、お別れができました。
新しい飼い主さんに大切に抱かれて出て行く時のアイスの無邪気な顔が目に焼き付いて、思い出すと泣けてきそうです。
別れ際、ちらっと目があった瞬間のアイスのキョトン顔が、瞼に焼き付いています。

こうしてアイスは幸せに嫁いでいきました。

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その後、あいにく雨が降ってきました。
エレキとまめをつれて家に帰ってきました。
最初はエレキもまめもアイスを探していましたが、ためしに餌をあげると、エレキは餌に夢中でアイスのことは忘れてしまったかのようなはしゃぎようです。(あんなに遊んでいたのに〜)
餌入れがが空になると、もっとくれくれと吠えるばかり・・・。

まめは餌に口をつけず、部屋の匂いばかりかいでいます。夜、お医者さんが来てくれるので、アドバイスをしていただこうと思います。

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アイスの飼い主さんから連絡があり、帰宅途中アイスは車に酔って2度吐き(初めてのドライブですから仕方ありません)無事家に着くとおしっこと大きいうんちをしてから、もりもり餌を食べ、持参したおもちゃで元気に遊びだしたそうです。
今夜、夜鳴きをしなければいいな、と願いつつ、長かった1日を終わります。
子犬を譲る時、今まで食べさせていた餌を分けてあげるか、事前に新しい飼い主に購入しておいてもらう。
環境が変わって、ストレスから低血糖症になることがあるので、けいれんをおこす前に、飲み水にはちみつを少量いれて飲ませる。(慣れたらその必要はない)
できれば、今まで使っていたおもちゃや、布などをいっしょにあげるようにすると、子犬も安心する。
車での移動は、頻繁に空気を入れかえる。
(その時、子犬をキャリーバッグかダンボールに入れるかしっかり抱いて、窓から飛び出すことのないように気をつける)







3月5日(旅立ち2日め)
昨夜遅く獣医さんがかけつけて下さり、まめの診察をしてくれました。
昨夜は、まめはアイス探しを止めずっと寝こんでしまいました。
お医者さんに言われるまで気づかなかったのですが、耳の裏側や歯ぐきが真っ白になっていました。そうです、貧血です。
しかも、前歯が1本抜けていました。

お医者さんが言うには、極度の緊張の日々で疲れが頂点に達していて、アイスがいなくなったことで気持ちがゆるみドッと疲れが押し寄せたらしいです。
もう、まめはアイスを探す気力もなくダウンしている状態でした。

歯が抜けていることに関しては、妊娠中の栄養不足で、栄養がみんなアイスに取られていたからではないか、と言っていました。
特に大切な妊娠後期に、妊娠に気づかず栄養価の高い餌を与えていなかったことが大きいのではないかと反省しています。

吐き続けることに関しては、まめの性格(ストレスを発散せずに貯めこんで、ギリギリまでがまんする性格)からくる精神的な嘔吐と診断されました。
太い栄養注射2本を打っているときも体中をカチンコチンに緊張させてじっとがまんしていて(エレキならイヤだイヤだと大騒ぎするところです)お医者さんから「ほら、その緊張がだめなのよ、いやだよーって表現していいのよ」と言われていました。
嘔吐止めの薬を飲ませ、 完全に嘔吐が止まったら、栄養価の高い食事をさせ、しばらく休ませることになりました。嘔吐感があるときは絶食をさせ、とにかく吐かせないことです。1度吐くことでかなりのエネルギーを消費するからです。なにか口にすることで、嘔吐を繰り返してしまうので、水も飲ませません。

こういう性格の犬は、できるだけ入院させず、自宅療養をおすすめします。入院中も耐えに耐えてこじらせてしまうからです。

やはり妊娠、出産というのは母体にかなりの負担をあたえるものなのだと、あらためて感じました。
次の交配はどうしようかと考えてしまいます。

でも、こうして子育て期を進めながら感じたのは、子育てをしている時のまめはとても充実した幸福感を感じているのかもしれない、ということでした。体はボロボロだったかもしれませんが、そして毎日緊張をし続けていたかもしれませんが、まめは確かに満足していました。

エレキもぐったりと寝続けています。がさつなエレキが、アイスと遊ぶときはこわれ物を扱うようにそっと噛み噛みしていたことを思うと、エレキなりに神経を使っていたのでしょう。

まめママもエレキパパも初めての出来事に、この2ヶ月間は緊張の連続だったかもしれません。
今度の時は、もっと楽勝気分なのかもしれません。

かなり母体にに負担をかけてしまい、交配が良かったのか悪かったのかは判断がつきませんが、オスとメスを飼っている限りこの先去勢や避妊手術は避けられないことだと思います。(ブリーダーなら別ですが、仕事をしている身だとお互いにツライ・・・)
どちらを選択するにせよ、飼い主に愛情と責任さえあれば、わんこは充分に幸せを感じてくれるパートナーなんだなと思います。わんこが幸せなら飼い主もさらに幸せですし、ありがたや、ありがたやです。








なにはともあれ、今まで読んでくださったみなさま、はげましのメールを下さったみなさま、
長い間おつきあいいただいてありがとうございました。

また、時々アイスのその後をUpしていきたいと考えております。
そのときは、孫娘の成長を見るつもりで、またこのページに訪れてくださいね。

ゴン太。

アイスのその後はこちら