交配・出産・産後
まめは誰も知らないうちに出産してしまいましたが
一般的な出産のようすをピンクの文字で右脇にのせておきました。



ことの発端は99年11月14日にエレキとまめが 交配したことからはじまります。(写真はドッキング中!お尻がくっついていらっしゃる!)
まだ1歳にならないエレキと、発情期の出血をほとんどきれいに舐めてしまうまめと、がさつな飼い主という組み合わせです。誰にも予測ができない合体だったわけです。
妊娠可能な時期はメス犬が発情出血してから1週間〜2週間(たいていは11〜13日目)。
エレキがふざけてまめの背中にのって遊んでいるのかと思っていたら(なにせ1歳前ですから)晴れてドッキング!
このドッキングはあまりにも予期せぬ出来事でした。

しばらくして(10日間が過ぎたころ)、まめがつわりの兆候をみせました。
1ヶ月と少しして北海道に住む大好きなまさるおじちゃんが亡くなり、まめの体も安定期に入っているということで北海道に駆けつけました。
交配は、オスがメスの背中に馬乗りになってドッキング。その後はドッキングしたままお互いに外を向き合うかたちでお尻をつけたまま10〜15分は離れません。(無理に離さないこと)

'99.12/29(出産13日前)北海道から戻り、まめはぐったりと寝てばかり。
つわりのあとは、食欲も戻らず出産予定日の2週間前になっても、(おっぱいははれているものの)体重の増加もみられず、おなかも大きくならないため「想像妊娠」という結論がでました。
受精してから3週間は子宮に受精卵が着床しないため、無理な運動はさける。


そとは 氷点下です 
'00.1/4(出産7日前)もう一度北海道にいかなくてはならなかったので 、あわてて出発しました。
妊娠の可能性も無くなったということで、氷点下の雪道で散歩もしました。
今回はとんぼ帰りです。休むヒマもなく乗り物に乗り続けました。
こんなに無理を重ねていて、今思うと冷や汗ものです。
まめは身軽なので、高いところからもピュンピュン飛び降りてもいました。
出産予定日は交配から62、3日め。30〜50日めまでは安定期。出産10日位前からは無理な運動はひかえること。


北海道はエンケンパパもいっしょ 
1/7(出産4日前)ハウスに入って長距離電車にも揺られました。
飛行機にも何度も乗りましたし、ものすごく揺れてもおもらしもせずにふんばりました。
閉めかけたドアに思いきりお腹をはさんだこともありました。
もしや想像妊娠じゃなかったとしたら大変なことだ!と思い、体重を量ると、いつもと同じ2,1Kg。
ああ、やっぱり妊娠はしていないんだな、と確信をもちました。

 ひこうきは ゆれました


からだが だるいの 
1/9(出産2日前)東京の家に戻ってからも、まめは寝てばかり。
さすがのエレキが心配して、そばにつきっきりです。
よほど旅の疲れが出たのだろうと、みんなは思って いました。

1/10(出産1日前)今思うと、このころから頻繁におしっこをしていました。理不尽に もまめはその度にしかられました。トイレシート以外にもそそうをして いたからです。
食事も取らなくなり「またわがままいって!」と、さらに理不尽なことにまめはしか られました。
まめにとっては災難な1日でした。
まさか妊娠していようとは・・・
出産前日になると落ち着きがなくなり、体温も1度〜1,5度下がる。
穴を掘るようなしぐさをくりかえし、産室の準備をはじめる。
お腹を空にして出産するため、食べ物はたべなくなり、頻度に排尿排便をする。


こんなところで うみました 
1/11(出産当日!)夕方からいろんなところで穴掘りをしていました。
想像妊娠ではよくあることなので気にもしませんでした。
ハァハァ息を荒げ、必死で穴を掘るので、「獣医さんに相談しなくては」 と、ソファーにすわりこんで考えていました。
実は交配もしていないのに、こんなふうに想像妊娠をしたのは3度めだったので、ホルモンの バランスが崩れているのではないかと心配していたのです。
出産時は体温が戻り、呼吸が荒くなる。
息を止め、力むようすが見えたら陣痛の始まり。軽い陣痛が何度か続くと強い陣痛になり、第1子が生まれる。続いて10分〜100分の間に第2子、第3子と1匹ずつ生まれます。
強い陣痛があるにもかかわらず生まれてこない場合や、母犬が痙攣を始めた場合は緊急の処置が必要なので、獣医さんに連絡を。

赤ちゃんは半透明の羊膜に包まれて生まれてくる。その後胎盤が出る。
母犬はその羊膜を舌の先で破りへその緒を噛みきり赤ちゃんを舐めて呼吸をうながす。
子犬がうぶ声を出すと母犬は羊膜と胎盤を自分で食べつくす。

へその緒は子犬の体から2〜3cmのところを奥歯で噛み切るが、誰が教えたわけでもないのにこの長さをほとんど間違うことがない。

うずくまって ふるえています 
少しして17:00。このソファーの陰からピィピイ鳴く声がして、慌ててのぞくと、まめが赤ちゃんを産み落とし、へその緒を必死で噛みきっているところでした。
えっ!!!いるはずの無い赤ちゃんがそこにいて、まめが血だらけになっている!!!!
・・・それから先のことは、気が動転してよく覚えていません

確か「ほ、ほ、本!の、の、の、ノート!」犬飼い仲間から以前もらっておいた出産ノートを探そうと部屋中捜しました。慌ててるのでどこにもありません。
「じゅ、じゅ、獣医さんに電話!」今度は電話帳が、それから電話の子機がみつかりません。手は震えているし頭は真っ白。
やっとケータイからまめがよくお世話になる近所のチロママに電話をしました。

本日158g  
それから獣医さん、エンケン隊の友達にTEL。いや、今となってはどういう順番で電話をしたかも定かではありません。なーんも覚えてないんです。電話番号を探すのに果てしなく時間がかかったような記憶はあります。
部屋を歩き回った記憶もあります。ウロウロ、ウロウロ。
時々まめに「大丈夫だよ」と声もかけたと思います。以前、本で読んだことがある「産後はすごく水を飲む」というフレーズを急に思い出し、水をまめの近くに置こうとしたら唸られ、なおさら
頭が真っ白けっけのけになりました。
そしてエレキを見ると、同様にウロウロしていました。
とにかく赤ちゃんは無事に生まれました。産室を作ってあげられなかったので、まめが仕方なく決めた場所、それは寒いソファー裏でした。
かわいそうだった!

胎盤は緑色か青色だったらしく、まめの口元と赤ちゃんの背中はうっすらと青緑色になっていました。すでにまめは胎盤を食べ尽くして いました。

1/12(産後1日め)何時間か過ぎて思うことは、まめだけがどっしり落ち着いていたということ。
あの時見た光景をフラッシュバックしてみると、まめは冷静に淡々と行動をし、最後にはまわりの汚れたじゅうたんなども舐めてきれいに後かたずけまでやってのけました。
今は家具の間に入っていこうとする赤ちゃんをくわえて引き戻し、おっぱいの吸い方を教えて、赤ちゃんのおしりを舐めておしっこのしかたを教えてます。
誰も教えないのにちゃんとやってのけるところなんぞ、たいした智者であります。
ちょっとでもまめがハウスから離れると、赤ちゃんはピーピー鳴きます。
どこにいたってその声を聞くと、まめはすっ飛んで赤ちゃんのもとに走って帰ります。
水は飲みましたが、食事はとりません。カルシウムを入れてカスタードプリンを作って口元にもっていくと、ぺろぺろ食べました。
部屋の一番温かいところにケージを組み立てて、今さら遅いですが産室を作ってあげました。
ほとんど1日中、その中で赤ちゃんをかかえてすごしています。

本日168g
新生児はほとんど(九割)寝て過ごす。
自力で体温調整ができないため、産室を25〜8度に保つ。
排便排尿は母犬が舐めてうながす。母犬が行わない場合は、タオルで刺激してあげなくてはならない。
授乳期の母親は体力の消耗が激しいので、パピーフードなど栄養価の高いものをあたえる。

1/13(産後2日め)まめが大量にうんちをしました。
下痢気味です。
まめは疲れがでたのか、お腹の上に赤ちゃんをのせて熟睡です。

赤ちゃんは自力で温まることができないので、まめが少しでも離れるとピーピー鳴きます。兄弟もいないので、寄りそう相手がいないわけです。犬って本当に淋しがりやだと思います。
1箇所のおっぱいを飲み続けると出が悪くなるようで、そうなるとまめが 赤ちゃんの口元を別のおっぱいに移動させています。
ほうほう、たいしたもんだ。
今日は大量に餌を食べました。ものすごい勢いで、今までのおっとりし た食べ方とは全然ちがいます。
昨日も今日もわずかな時間しかいっしょにいられないので、少し不安でしたが、どうしてどうしてまめはひとりで立派に子育てできそうです。
安心です。ただ、部屋だけは温かくしておかなくてはなりません。
エレキも慣れてきたようです。
母犬が胎盤を食べ過ぎると下痢をおこすことがある。
胎盤は2匹分く以上は食べさせない方がいい。

水分、栄養価の高いフードをたっぷりとらせる。

母犬の乳腺チェックをする。しこりができていたら、乳腺炎になる可能性があるので獣医さんに相談。


オレは甘えん坊  
そしてまだまだ あかんぼう
 


本日200g  
1/14(産後3日め)赤ちゃんはおっぱいを上手に飲むようになりました。両手で交互におっぱいを押してちゅうちゅう吸っています。
おなかいっぱいになると眠ります。
するとそろそろ飽きてきたまめが、トボトボとケージから出てきます。
ちょっと甘えたいナー、という顔をしてこっちを見ます。しかし人間様のひざの上にはすでにエレキが鎮座しているのです。ここ数日で急に彼は甘えん坊になってしまいました。彼にとっては、人間様を独占できるのは初めてのことだったので、すっかり味をしめてしまったようです。
まめをなでなですれば「オレには2倍なでなでしてよね」みたいな顔をします。
なんてヤツだ、きみは。仮にもおとうさんだよ。
しかし、彼だってほんの1年まえはこの赤ちゃんと同じく「おっぱい命ぃ!」だったわけで、犬の成長の早さをつくづく感じます。
ちなみに、赤ちゃんの父になった時点でエレキは人間でいうと17歳、まめは25歳という若さだそうです。エレキはヤンパパなのです。
子犬がちゃんと母乳を吸っているかチェック。
おっぱいにミルクがこびりついて固まっている場合はぬるま湯をひたしたガーゼなどで拭いておく。
子犬が母乳を吸っていないようなら、子犬用のミルクを哺乳ビンから飲ませる。

3日間くらいは母犬は子犬につきっきりなはず。
子犬に触ろうとして唸られるのは、あたりまえの時期なので、無理にさわろうとせず母犬を安心させるのが先決。



本日224g
着実に増えています!
1/15(産後4日め)子育ての要領がわかってきたらしく、上手に休んだり甘えたりするようになってきました。
エンケンが出産後はじめて京都から戻ってきたので、まめは大喜び。早く報告したかったようで、いつまでもいつまでもエンケンに甘えていました。
「あっ、いけないっ!」てな感じで急に赤ちゃんを思い出し、ハウスに様子を見にいきますが、すぐエンケンのもとに甘えに行くまめ。
今日は子育てを随分手抜きしています。
ベッドに赤ちゃんを置いたまま、外からジイッと眺めていたり、首をかしげて赤ちゃんを見つめています。置き去りになった赤ちゃんは丸いベッドの中で、まめを探してぐるぐる動きまわっています。
まめがベッドから抜け出すと、赤ちゃんはそのつど大きい声でピーピー呼びます。
エレキはその又外側(ケージの外)でわんわん吠えます。「オレとも遊んでくださいな、まめさん!」と言っているかのようです。あんたは父親なんだってばさっ!
本日もピーピー泣いてる赤ちゃんは、いつごろになると「わんわん」と吠えるのでしょうか!

エンケンはまめの目を盗んでは赤ちゃんわんこにさわったみたいで、可愛い可愛いと連発していました。そしてすぐにまた京都に行きます。
まめは明日からまた母親にもどるのでしょうか?はたまた、このまま甘えん坊に逆戻りしてしまうのでしょうか?
この時期子犬にさわると、母犬は匂いを消そうと舐める。
母犬も少しずつ落ち着いてくる。

子犬は横向きになっても、自力でうつ伏せにもどれる。





本日248g     
1/16(産後5日め)まめの「熱愛の君」チロくんがお見舞いにきてくれました。
うれしくてはしゃぎまくるまめとは逆に、エレキはくやしくてワンワン吠えたてます。
産室のまわりはオッパイの甘いにおいが立ちこめています。
一定の時間になるとまめは自分で産室に入り、おっぱいをあげます。それ以外はたまに様子を見に行くだけで、赤ちゃんのベッドから離れていることが多くなりました。
赤ちゃんもむやみに鳴かなくなり、母子のリズムができてきたようです。
まめの出血もほぼ止まり、少し体重も増えました。
まめの食事は子犬用のドライフードにカルシウムとカッテージチーズをまぜてあげています。
夜、まめは思わぬ行動にでました。ケージの中から子犬のベッドを外に引っ張り出してきてひっくり返してしまいました。飛び出してきた赤ちゃんを見てまめはとても慌ててしまい、くわえてベッドに戻そうとしましたが、生まれたてのころの重さと違いかなり重くなったのでくわえても持ち上げられず強く噛んでしまったようです。
赤ちゃんはキャキャンと泣き声をあげます。まめがパニックをおこしクーンクーンと鳴き出しました。もとに戻してあげたらやっと落ち着きました。それから後はいっしょにベッドに入っています。
エレキはびっくりしてただ見つめていました。


本日276g     
1/17(出産6日め)まめの毛艶がもどってきました。
赤ちゃんも大きくなり、子犬という感じになってきました。
エンケン隊のKさんが尋ねてくれて、エレキとまめと遊んでくれました。
まめは甘えん坊の自分を思いだし、はしゃぎまくりました。
誰もいなくなると、また母親にもどりせっせと子育てです。

夜、子犬があお向けになったまま戻れなくなっていました。万歳姿に太鼓っ腹はとても可愛いかったのですが、いつまでたってもまめは気づかないし、子犬が苦しそうに動き出したので人間様の手をかしてうつ伏せにもどしてあげました。
子犬にさわると、まめは匂いを気にして舐めまくります。
ケージへの入室を許したのか、エレキが入っても唸りも吠えもしなくなりました。
母犬の出血も止まってくる。
大量におりものがある場合は獣医さんに相談する。

子犬は仰向けになっても自力でもどれるようになってくる。

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