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 調節装置・計測装置の用語について
入力
装置の信号原で温度計などの場合の多くは、温度センサ(K・J・R・Pt)等からの信号入力を言います。
現在、電圧・電流入力の場合、統一信号として 電圧 1〜5V 電流 4〜20mA が使用されています
設定
調節計には、機種により多くの設定項目がありますが最も基本になるのが制御の目標値の設定です。
出力
調節計は、機種により様々な「出力」を持っています。単に「出力」と記した場合は、センサ信号入力と目標設定値の比較演算結果の操作出力を指す事が多いようです。
出力として、接点出力・電圧出力・電流出力などがあります。
熱電対 (K・J・R)
熱電対とは、2種類の異なった材質の金属で構成された温度センサです。

各種センサがJIS(日本工業規格),IEC(International Electrical Commission)などで規格化されています。
熱起電力
熱電対の測定原理は、2種類の異なった材質の金属線をつないだ閉回路における両端の接続点の温度差から生じる熱電流を電圧として取り出したのが熱起電力です。
補償導線
熱電対温度センサ専用の接続ケーブルです。熱電対の種類に対応した導線を使用する必要があります。
測温抵抗体 (Pt)
測温抵抗体とは、温度の変化を電気抵抗の変化として測定する温度センサです。

    白金測温抵抗体 Pt100(JIS/IEC),JPt100(JIS)    ・・・・・・旧タイプとしてPt50がありました
信号源抵抗の影響
熱電対入力時の補償導線等の抵抗分が調節計の温度測定に与える影響をいいます。

 
許容入力導線抵抗
一見すると前記の「信号源抵抗の影響」と似ていますが、、白金測温抵抗体入力時の許容される導線抵抗を言います。
レンジスパン
入力範囲の最小値と最大値の幅を言います。

     温度調節計の場合 例)−200〜1200℃の場合、|−200|+1200=1400℃となります。
冷接点温度補償誤差
熱電対を温度センサとする場合、その測定原理から受信器側(調節計,指示計,記録計など)の端子温度を測定する必要があります。

    この端子側を通常、被測定点(温接点)に対して冷接点と呼び、冷点側の測定誤差を冷接点補償誤差と呼びます。
サンプリング周期
入力信号などのデータを読み込み(サンプリング)をする周期を言います。
精 度
測定機器には欠かせない精確さの度合いを「精度」と言います。

    調節計では、「表示精度」,「測定精度」,「設定精度」,「基準精度」,「冷接点補償精度」等であらわされます。
  
表示精度
「表示精度」は、その名の通り測定器の入力に対する表示値の許容誤差範囲を言います。

     
測定精度
測定対象物の繰り返し測定に対する精度で
温度調節計の場合は、「測定精度」は、「表示精度」から「冷接点補償精度」を除いたものを言います。

    仕様書等に「測定精度」と表記された場合、通常「冷接点補償精度」または「冷接点補償誤差」が併記されます。(熱電対入力がある製品について)
設定精度
設定している値の真値に対する許容範囲を「設定精度」と言います。
冷接点補償精度
温度測定における、熱電対入力の場合に生じる計器側の端子温度測定の精度を言います。
+1digit
表示計器及び測定機器等の精度を見ると、ほとんど表記されている「+1digit」は、デジタル表示の最小分解能を言います。
正動作
測定値が大きくなるとそれに正比例して出力値が大きくなる動作を「正動作」と言います。

     一般に低温制御する場合などに多く用いられます。
逆動作
測定値が大きくなりとそれに逆比例して出力値が小さくなる動作を「逆動作」と言います。

    一般に加熱制御する場合などに用いられます。
二位置動作(ON/OFF動作)
2種類の出力状態を持つ制御動作で、ON/OFF動作と呼ばれることもあります。

   逆動作で考えると入力値が設定値より大きい場合"OFF",小さい場合"ON"のように、2つの何れかの状態しか持たない制御動作です。
二位置制御
二位置動作を用いた制御方法を言います。
動作すきま
二位置動作における"ON"する値と"OFF"する値の差を言います。

    これは通常、出力のバタツキ防止と制御の安定性のためにもうけられています。
PID動作
一般にPID動作と言われる制御動作は、比例(Proportional)動作に積分(Integral)動作および微分(Derivative)動作を付加した動作を言います。
比例動作(P動作)
調節計の操作量(MV :Manipulated Value)が入力値(PV :Process Value)と設定値(SV :Setting Value)の偏差の大きさに比例する制御動作を言います。比例(Proportional)の頭文字からP動作と表す場合があります。

    通常、設定値が負荷率が50%の位置にあるため、負荷率50%で入力値と設定値が平衡しないかぎりオフセット(定常偏差)を生じます。
    (比例帯をオフセット(定常偏差)に相当する分だけ手動で移動させる機能を手動リセットと言います。)
比例帯
入力範囲の中で操作量を入力値と設定値の偏差の大きさで比例させる幅を言います。

    比例帯を大きくすると入力の変化に対する操作量の変化は小さくなり,逆に小さくすると操作量の変化は大きくなります。
比例周期
比例帯内において、その偏差に応じて操作出力がON−OFFする時間(1周期)を言います。
オフセット
一般的に「オフセット」は「ずれ」や「偏差」の意味で使用されますが、制御機器で言う「オフセット」とは、操作量が安定した状態(定常状態)での設定値と実際の入力値の「ズレ」を言います。
積分動作(I動作)
「積分動作」は、操作量を偏差の大きさと偏差の生じている時間に囲まれた面積,すなわち積分値の大きさに比例して動かそうとする動作を言います。

     一般的には、比例動作と併用され比例動作にて生じるオフセットを修正する効果があります。
積分時間
「積分時間」は、積分動作だけで比例動作と同じ操作量を得るまでの時間を言います。

     積分時間が短いほど積分効果は強くなります。
微分動作(D動作)
「微分動作」は、操作量を偏差の生じる割合(速さ)に比例して動かし偏差が大きくなるのを未然に防ごうとするものです。
微分時間
「微分時間」は、偏差が一定で増減するとき微分動作だけで比例動作と同じ操作量を得るまでの時間を言います。
デッドバンド
調節動作において、ON〜OFF・OFF〜ONの切り替え時に生じる、動作隙間
温度測定の場合は、「デッドバンド」は、加熱/冷却動作時の加熱側比例帯と冷却側比例帯のすきまを言います。
オーバーラップ
一般的に「オーバーラップ」は、「重なり」や「追い越し」の意味がありますが、ここでは、加熱/冷却動作時の加熱側比例帯と冷却側比例帯の重なりを言います。
リレー接点出力
一般的に温度調節計に使用されているリレーの接点容量は小さく、ヒーターなどの大きな負荷を駆動する事は出来ません。従って外部に電磁接触器を設けて使用します。

 
a接点(ノーマリーオープン:NO)
リレーの接点構造を表す用語で、リレー内部のコイルに電流が流れていない状態(非励磁状態)の時、接点が開いているものを言います。
b接点(ノーマリークローズ:NC)
リレーの接点構造を表す用語で、リレー内部のコイルに電流が流れていない状態(非励磁状態)の時、接点が閉じているものを言います。
電圧パルス出力(SSR駆動用電圧パルス出力)
「電圧パルス出力」は、0/12Vぐらいの電圧パルス信号を用いてSSR(Solid State Relay)の駆動を目的とした出力です。

 
電流連続出力
「電流連続出力」は、一般的にDC 4〜20mAまたは、DC 0〜20mAの制御出力です。

     直接負荷を制御するのではなく外部の電力操作器(サイリスタユニット等)の駆動を目的にしています。
トライアック駆動用トリガ出力
ゼロクロス方式の中容量のトライアックを直接駆動するトリガ出力です。
ゼロクロス方式
SSRやサイリスタ、トライアック等のON/OFFの切り換え方法のひとつで、交流電流の零レベルを境にON/OFFを切り換える方法です。
電源電圧
調節計を動作させるために供給される電源の電圧を言います。
許容周囲温度
調節計等の機器が動作可能な周囲温度を言います。
許容周囲湿度
調節計等の機器が動作可能な周囲湿度を言います。