Swingroove Special Vol.2

Here's that the rainy day……

 6月になりました。雨の季節です。

そんなシーズンを彩るメロウでちょっぴりグルーヴィーなAORの名盤を集めてみました。

 

 まずは、正統派?AORから…・

Erik Tagg "Rendez-Vous" 1977

 リー・リトナーの"Is It You?"のヴォーカルとして一世を風靡したヴォーカリスト、エリック・タッグのサカンドアルバム。ちょっと頼り無さそうなせつないヴォーカルと、ちょっぴりソウル風味の70sフュージョンサウンドとのミックスは本当に気持ちいいです。昨年めでたくCD化されました。

 

 

 

 

Bill LaBounty "Bill LaBounty" 1981

 「リヴィン・イット・アップ」収録のビルの代表作。ビルとバリー・マン、シンシア・ウェルズの共作によるこのナンバーはまさにAORのリファレンス・ブックといったメロウ&ソフトヴァイヴな雰囲気。ジェフ・ポーカロ、グレッグ・フィリンゲインス、スティーヴ・ルカサー、サンボーン、スティーヴン・ビショップ…。参加ミュージシャンも凄い。AOR入門はこのあたりから。

 

 

Pages "Pages" 1981

 後にMr.ミスターというグループで、全米大ヒットを記録することになるリチャード・ペイジとスティーヴン・ジョージのユニット、ペイジズの3枚目。現在でもソングライターとして活躍する2人だが、ペイジズでは時代の空気を感じさせるソフトなAORサウンドで勝負。ただ3枚目のこの作品はかなり8ビートのロックサウンドが多く収録されているが、4曲目の「カム・オン・ホーム」でノックアウト。トム・スコット、アル・ジャロウ参加。AOR的には、2枚目の「フューチャー・ストリート」がいいかも。ちなみに1枚目はCD化されてません。でも超AORで良い。望むCD化。

 

 

Chris Christian " Chris Christian" 1981

 現在では、クリスチャン・ミュージックの方へいってしまった、80年代初期に日本を中心にブレイクしたシンガー・ソングライター、クリス・クリスチャンの大ヒットアルバム。全米トップ40ヒットとなった「アイ・ウォント・アイ・ニード・ユー」もいいけど、ディヴィッド・フォスター風味のミディ・ナンバー「アイ・ドント・ビリーヴ・ユー」も超AOR。クリストファー・クロス、エイミー・ホランド(M.マクドナルドの奥さん)、ビル・チャンプリン、トミー・ファンダーバーク参加。

 

 

 

Chris Montan "Any Minute Now" 1980

 ジェームス・テイラーなんかのツアーでキーボードを担当していたクリス・モンタン(クリス・モンテスとはちゃいます)の唯一のアルバム。印象的な曲は無いものの全編に流れるゆったりとしたフローティングした雰囲気は捨てがたい。ヴォーカルはランディ・グッドラム(↓で紹介します。)っぽい。「なんとなくクリスタル」の田中康夫も当時ほめてたらしい。AORおたくはこのあたりまで要チェック。

 

 

 

Randy Goodrum "Words And Music" 1994

 アン・マレイからTOTO、スティーヴ・ペリー、ジョージ・ベンソンまで幅広いジャンルのシンガーに曲を提供しグラミー賞も受賞している本国では作曲家、作詞家として名高いランディ・グッドラム。日本では80年代初期にリリースされた「フールズ・パラダイス」の人気がAOR的には高いんですが、今回はこの自作曲のセルフカヴァー集をレコメンド。ベンソンに提供した「20/20」やS.ペリーの「フーリッシュ・ハート」、TOTOの「アイル・ビー・オーヴァー・ユー」それにアン・マレーに提供しグラミーを獲得した出世作「ユー・ニード・ミー」まで、ランディ・グッドラムのライターとしての素晴らしさを実感できます。ささやくようなヴォーカルもクールです。「20/20」ではジェイ・グレイドンが70年代を思わせるハードなギターソロを披露してくれる。

 

 

Lou Pardini "Live And Let Live" 1996

 ランディ・グッドラム同様、作曲家として大きな成功を収めているキーボード奏者ルー・パーディニの初リーダー作。キーボードと同じくらい甘いヴォーカルも大きな魅力。エイブ・ラボリエルとアレックス・アクーニャのグループだったコイノニアにも参加し、アルバムでもそのヴォーカルを披露していましたが、この作品ではヴォーカルを全面にしたAOR作品となってます。スモーキー・ロビンソンに提供し大ヒットした「ジャスト・トゥー・シー・ハー」のセルフ・カヴァーが秀逸。エイブ・ラボリエル、ケヴィン・レトー、リカルド・シルヴェイラら参加。

 

 

Various Artists "Forever Best AOR " 1999

 526日にワーナーより発売されたコンピュレーション。まぁこの手のCDは毎年リリースされ毎回同じ曲ばかりで素人を騙すようなひどいものがほとんどだが、これはまぁまぁの選曲。WEA系の豊富な音源から、アンブロージアの「ビゲスト・パート・オブ・ミー」、ドゥービーズの「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」あたりは当然で面白くも何とも無いが、4曲目にブルース・ロバーツの「アイ・ドント・ワナ・ゴー」を発見し小躍り!。この曲はジョン・トラボルタの兄弟ジョーイ・トラボルタのヒットで知られるものだが、そのセルフ・カヴァーヴァージョンが、ファーストアルバムからチョイスされてます。甘い70’sAORの真髄といったこの曲のためだけにこれを買っても損はありません。他もスティーヴ・キプナー、アンドリュー・ゴールドあたりの通好みのものから、スティーヴン・ビショップまで、AORの雰囲気を軽く味わうならちょっといいかもしれません。でもやっぱり、コンピュレーションとベスト盤は持ってても愛着がわきません。

 

 最後にアーティストだけ聞くと、どこがAORやねん、とつっこみが入りそうなブラック系のAORテイストな作品をいくつか…

Bill Withers "Watching You Watching Me" 1985

 70年代は「ユース・ミー」「エイント・ノー・サンシャイン」「リーン・オン・ミー」などのヒットをとばし、ニューソウルを大きくアピールし、80年代初期には、クルセイダースに「ソウル・シャドウズ」、グローヴァー・ワシントンJRに「ジャスト・ザ・トゥ・オヴ・アス」に参加し、フュージョン・シーンにも大きくアピールしたソウル界のシンガー・ソングライター、ビル・ウィザースの最新作!?。(これ以降新作がでてません。残念)なぜ、ビル・ウィザースがAOR?。そんな声が聞こえてきそうですが、1曲目でシングル・ヒットも記録した「オー・イェー」という曲がほんとうにいいんです。クレジットを見ると、ディヴィット・フォスターとラリー・カールトン、それにビルの共作。ミディアム・テンポの優しい曲です。他にも、グローヴァーとの仕事のプロデューサーだったラルフ・マクドナルドと組んだアルバム・タイトル・ナンバーをはじめなかなかの曲がいっぱい入ってます。

 

Carl Anderson "Pieces Of A Heart" 1990

 ミュージカルの「ジーザス・クライスト」の劇中ユダ役をつとめ、そこでの熱唱が評価されソロ・シンガーの道が開けたというソウル・シンガー、カール・アンダーソンのGRPレーベル移籍第一弾となったこの作品。エピック時代は、上手いんだけど普通のブラコン・シンガーというイメージを、この作品のプロデュースを担当したアンドレ・フィッシャー(元ルーファス、ナタリー・コールの元旦那)とラス・フリーマン(リッピントンズ)が一新。グルーヴ感とクリアでAOR的な爽快感をプラスしたユニークなサウンドになっています。ブレンダ・ラッセル(この人もAORなソウル・シンガーですね)ジョー・サンプル、カーク・ウェイラム、ラス・フリーマンも参加。

 

Leon Ware "Leon Ware" 1982

 マービン・ゲイの「アイ・ウォント・ユー」の作者として知られるレオン・ウェアの82年の作品。共同プロデュースに今は無きLAの音楽界の重鎮だったマーティー・ペイチ(TOTOのディヴィット・ペイチの親父)ということで、当時のクインシー・ジョーンズの作品を思わすゴージャスなアルバムです。ネイザン・イーストやジェフ・ポーカロ、ディヴィット・ペイチあたりが中心となったリズムは悪かろうありません。曲もAORテイストなグルーヴィー&メロウなナンバーの連続!。特にマンハッタン・トランスファーのジャニス・シーゲルとのデュエット「カリフォルニアの恋人たち」は極上なメロウグルーヴ。ソウル系AORのバイブル的な存在です。

 

 

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