Review
June
David Sanborn:as,key “Timeagain”
w/ Mike Mainieri:vib Christian McBride:ac-b Russell Malone:g Ricky Peterson Gil Goldstein:p key Randy Brecker:tp Don Alias:perc
「2」のつく巨大掲示板のジャズ板では、「ケチョンケチョンのボロカス」だったんで、恐る恐る聴いてみましたが…
意外にもいい、う〜ん、カッコいいわ、これ…。
80年代の「バックストリート」〜「チェンジ・オブ・ハート」〜「クロース・アップ」あたりのペキペキファンク系フュージョンを期待する人には、
ちと違うサウンドなんだろけど…あれからもう20年近くも経ってるんですからねぇ〜聴いてる方も飽きてるし、演ってる方は、当然ながらもっと飽きてるに違いない。
マーカスとまたやって欲しいみたいなことを相変わらず言う人もいるけど、前作の「インサイド」の悲惨な出来を考えれば、こちらも限界。
でこの新作、クルセイダースやシンプリー・レッドなんかを手がけたスチュワート・レヴィンの制作。
曲目を見れば、「カミン・ホーム・ベイビー」「ハーレム・ノクターン」(「探偵マイク・ハマー」を思い出すではないか!)「可愛いアイシャ」「シュガー」「テキーラ」と
ベタ曲が続く、曲目だけみれば、正直、「しょっぱい」んだけど…。
1曲目の「カミン〜」を聴いて、そんないや〜な予感が吹っ飛んだ。
原曲の雰囲気をそんなに崩してる訳じゃないんだけど、オリジナルのダサさは全然感じない、ガッド=マクブライドの腰の据わったリズム、
ジャジーなファンキーさを感じるマローンのギター、クールなエッセンスをサウンドに送り込むマイニエリのヴィブラフォンを従えて、
サンボーンがあのメロディーを奏でる。
軽く吹きながしても、それなりに聴こえそうな曲だけど、結構、ゴリゴリとソリッドに吹いている感じ、そのあたりが安物臭く聴こえない要因か?。
他のベタ曲も、1曲目の「カミン〜」同様、原曲のイメージを上手く保ちながら、アレンジの妙やマローンのギターやマイニエリのヴァイヴを
効果的にフィーチャーするなどによって、チープになりがちな雰囲気をクールに演出している。
1曲目の「カミン〜」の他、原曲よりもややディープに味付けされたサンボーンのアイドルのひとり、スタンリー・タレンタインの「シュガー」や、
ミディアム・アップなアフロキューバン調にアレンジされた躍動感溢れる「テキーラ」もいい感じ。
サンボーンが自由な空間で、思う存分サックスを鳴らしたいという希望を、ハル・ウィナーが叶えた「アナザー・ハンド」という91年の作品があるが、
それと似たフィーリングをこの作品から感じた。
もちろん「アナザー〜」は、もっとジャジーでアブストラクトな雰囲気、こっちは、もっとポップでメロディアスという大きな違いはあるけど、
サックスの音色というか響きに強いこだわりを感じさせるストイックな部分は、同じような気がする。
サンボーンは1945年7月30日生まれ、ということは今年でもう58歳!還暦間近??。
これから、どこに向かうのか?彼の夢のひとつであるストレートアへッドなジャズなのか?彼のルーツであるブルース〜R&Bなのか?
まだ誰にも分からないけど、この作品で、新しいステージに突入したことは間違いないでしょう。
(2003年6月4日)
Marc Copland:p “Marc Copland And”
w/ Michael Brecker:ts John Abercrombie:g Drew Gress:b Jochen Rueckert:ds
8曲目で、マイケル・ブレッカーが、ハンコックの「カンタロープ・アイランド」を演ってる?!ということで購入した1枚。
最近、コープランドは、スイスのレーベル「HatHut」にカルテットとデュオによるディヴ・リーヴマン絡みの録音を残しているが、
当作もその延長線上にあるもの。
まず、気になるそのブレッカーの演奏から。
黒っぽいファンキーなメロディラインの曲を、コープランドは、自分の芸風の「エヴァンス風耽美派」らしく繊細かつモーダルにくずして演奏、
マイケルは、最初は、あのメロディを飄々と吹くが、アドリブになると、ウネウネ、ブヒャブヒャ、きたっぁ〜、ブヒャ〜ヒーィ、ヒィ〜、ヒャァ〜、きたぁぁ!!
という感じで結構なもんです。
自身のソロ作では、最近、「燻し銀」的な地味な演奏の多いマイケルですが、ここでは、コープランドの複雑なバッキングに触発されたのか
アグレッシブなアプローチ。
もう一曲のマイケル参加曲は、コープランドのペンによる2曲目、モーダルなミディアムテンポのナンバーです。
こちらも、マイケル炸裂、曲が始まるや否や、いきなりマイケルのソロに突入!、「カンタロープ〜」よりテンポが速い分、
一聴して、おっキテるぞ、と分かる演奏、コープランドのモーダルでクールなピアノのソロ〜ベースソロを挟んで再びマイケル登場、
ファーストソロ以上にアグレッシブ、いや〜この曲、マイケルにど〜ぞ好きなようにアドリブしてちょ〜だいっ!みたいな感じ。
これらの2曲だけで、もう、マイケルのファンは絶対に聴かないとダメ、必聴!!。
その次の2曲目、ジョン・アバークロンビーとコープランドのデュオによるエヴァンス/マイルスの「ブルー・イン・グリーン」も素晴らしい。
濃密さは、ジム・ホールとビル・エヴァンスのデュオ級の出来、特に、コープランドのピアノ、ビル・エヴァンスの「女性的」といわれる部分を
削除し、アグレッシブな部分を濃縮したような感じ。
パーカーのバップナンバー「エア・コンディショニング」をモーダルにリストラクションした6曲目も面白い、原曲はパーカー??と思うほど、
コープランドとアバークロンビーのソロは、尖っていて、クール。
それらに較べて、9曲目のエヴァンスの名演でもお馴染みの「あなたと夜と音楽と」は、コープランドも、フィーチャーされてる
アバークロンビーのギターも、やや、ベタ?、こっちはもう少し考えて欲しかったなぁ。
コープランドと似た芸風のピアノ奏者といえば、リッチー・バイラークやアンディ・ラヴァーン…といったあたりを思い浮かべるが、
彼らよりも、線が少し細いような気もするが、自身の存在感が薄い分、競演する相手、今作であれば、マイケルやアバークロンビーの演奏を
よく聴き、絶妙なハーモニーによるバッキングで、彼らをインスパイアして最上のアドリブを引き出してるよう。
このあたりは、本作の前にあたるディヴ・リーヴマンとのデュオ作を聴くと、もっと顕著にわかると思う。
マーク・コープランドの前は、マーク・コーエンを名乗り、ジョン・スコのファンクユニットでキーボードも弾いてたりして、
いまいちつかみどころのないピアニストだったが、2枚のディブ・リーヴマンとの競演作と本作からなる「HatHut」レーベルの録音で
やっと、彼のピアニストとしてだけでなく、音楽家としての才能を開花させた感じがする。
50年代〜60年代のビ・バップ〜ハードバップの陳腐な焼き直しの多い、現代のアコースティック・ジャズの世界で、
「今を生きるジャズ」を強くアピールする「コンテンポラリー・ジャズ」(フュージョンにあらず)。
(2003年6月10日)
Steely Dan “Everything Must Go”
Steely Dan:Donald Fagen:vo.key Walter Backer:b,g,vo
w/ John Herrington, Hugh McCracken:g Ted Baker Keith Garlock:ds Walt Weiskopf:ts Bill Charlap:Rhodes etc…
なんていうのかなぁ…確かにここから聴こえてくるのは、まさしく、スティーリー・ダンの音、ポップなようでいてちょっとひねくれてフローティングしたメロディー、シニカルでいてアブストラクトな歌詞…、
ジャズやR&Bのおいしいテイストを上手く取り入れたサウンドメイクなど…
これぞ、スティーリー・ダンのサウンドなんだけど、手放しで喜べない、というか楽しめない。
なんでなんだろう…。
80年に「ガウチョ」を発表して以来、ユニツトとしては、沈黙を続けていたが、
95年のライブ盤で突然復活して以来、そこそこのペースでライブやアルバム制作を行っているけど、
95年以降のスティーリー・ダンは、自分で自分のものまねをしている感じがしてしかたがないんだなぁ。
本作も、70年代〜「ガウチョ」にかけてのサウンドや、フェイゲンの「ナイトフライ」なんかを彷彿させるトラックが大半。
でも当然ながら、当時を越えるものはひとつもない。
2003年の今、スティーリー・ダンでしか出せない音楽というものが全然聴こえてこない。
とはいいつつ、私のような昔からのファンには、そこそこ楽しめるし、どんなサウンドでも、スティーリー・ダンとして
活動してくれるだけで嬉しい…という複雑な側面もあったりして…。
ドナルド・フェイゲン+ウォルター・ベッカー=スティーリー・ダン、
80年の「ガウチョ」までも今も同じだけど、「ガウチョ」までと95年以降というのは、もう、わけて考えたほうがいいのかも。
そう割り切って聴くと、本作は、結構いい、少なくとも、前作「Two Against Nature 」よりはずっといい曲が入っているし、
よりスティーリー・ダンらしい。
特に、爽快感のある7曲目〜レイドバックしたジャジーな雰囲気がカッコいい9曲目のアルバムタイトル曲の流れがいい。
70年代からのファンはやっぱり、「スティーリー・ダン」というブランドに、ある種の「カリスマ性」を求めてしまうなぁ。
2人でしか成し得ない音楽が生まれたときに始めて「スティーリー・ダン」という苗字を名乗らせてやる。
そんな感じで、もっともっと、「スティーリー・ダン」という名前を大切にしてほしいな。
(2003年6月13日)
Luther Vandross “Dance With My Father”
w/ Skip Anderson Reed Vertenley Nat Adderley,Jr. Marcus Miller Jeff Bova Rex Rideout:key Robbie Nevil:g,key Paul Jackson,Jr.Phil Hamilton:g
Byron Miller Reggie Hamilton:b Stevie Wonder:harm.Ivan Hampden:ds Cissy Houston Tawatha Agee :back-vo Queen Latifah Busta Rhymes:rap etc…
一時の危篤状態から脱したものの、予断の許さない病状が続く、「クワイエットストームファン」の最後の星、ルーサー・ヴァンドロスの新作。
本作を制作する過程で、かなり多忙となり、ストレスがたまって過食状態に陥り、倒れたらしい。
元アリスタレコードのトップ、クライブ・ディヴィスが興した「j-records」移籍第2作目となる本作、かなり力の入った中身の濃い作品となっている。
上に記した簡単なクレジットを見ても分かるとおり、スタッフの奇抜な人選は行わず、ルーサーを知り尽くすミュージシャン達と
じっくり、丁寧にコンテンポラリーR&Bサウンドを作ってる感じ。
オリジナル曲、カヴァーともに収録曲も充実。
オリジナルでは、リチャード・マークスとの共作となる超美メロなバラードのタイトル曲や、ポール・ジャクソン,Jr.のジャジーなリズムギターも渋い
旧友マーカス・ミラーとの共作によりミディアム・グルーヴナンバーの8曲目あたりが、特に印象的。
ダニー&ロバータの名曲「クローサー・アイ・ゲット・トゥ・ユー」とビル・ウィザースの「ラブリー・ディ」という2曲のカヴァーもいい感じ。
「クローサー〜」は、女性シンガー、ビヨンス・ノウルズとのデュエット、マーカスと同じく、ソロデビュー作以来の付き合いとなる
キーボード奏者ナット・アダレイ,Jr.の80年代のクワイエットストームテイストなアレンジが、当時のファンの心を打つ、打ち込みじゃない
バイロン・ミラー=イヴァン・ハンプデンのライブなリズムもいい。
「ラブリー〜」は、「クローサー〜」とは反対に、マーカス・ミラーがかなりアップディトなヒップ・ホップテイストにアレンジ、バスタ・ライムスのラップも
ハマってて、これも結構カッコいい。
全体的には、ルーサーの十八番ともいえるうねりながら歌い込むバラード〜ミディアムな美メロ系がメインながら、
適度にラップなどもフィーチャーしたヒップホップテイストなトラックも加えて、昔からのファンだけじゃなく、
今のR&Bファンにも十分にアピールできるかなりの意欲作だと思う。
テディ・ペンダーグラス、ピーボ・ブライソン、ジェフリー・オズボーン、フレディ・ジャクソン…などなどの、ちゃんとした歌の歌えるR&Bシンガーのほとんどが、
メジャーレーベルとの契約を失い、活動の場を狭められてる中、最後の星とも言えるルーサー・ヴァンドロスの
1日も早い病気からの回復、それに、アーティスト活動の再開を切に願わずにはいられません。
(2003年6月14日)
John Scofield “Up All Night”
w/ Avi Bortnick:rhythm guitar, samples Andy Hess:Bass Adam Deitch:drums
& horns(Gary Smulyan:baritone saxophone Earl Gardner:trumpet Jim Pugh:trombone)
「どこまでヤルの??」という感じの「ジャムバンド」作の続編。
正直、ジョン・スコのこの種の路線は、あまり好きじゃないんだけど、今作は、意外にも??結構、楽しめた。
今作に参加してるアンディ・ヘス=アダム・ダイチのリズムが、ジャムバンドっぽいインチキ臭いものじゃなく
ちゃんと「グルーヴ」してるのが良い。
特に、若いドラムのアダム・ダイチ、去年買ったアベレージ・ホワイト・バンドのライブ・ビデオ(2000年収録)
にも参加してて、彼の親父くらいの世代のアラン・ゴリー(b,g,vo)オニー・マッキンタイヤー(g)なんかをインスパイアする程のファンキーなリズムを
叩いていたが、このジョン・スコの新作でも、抜けのよいグルーヴィーでカッコいいリズムを披露してる。
残念ながら、アベレージ〜からは、もう抜けているようだが…。
デヴィット・バーンやショーン・コルヴィンなんかとも共演してるというアンディ・ヘスの地を這うようなベースも良い。
ジョー・ロバーノ=ディブ・ホランド=アル・フォスターとのユニット「スコ・ロ・ホ・フォ」では、ジム・ホールみたいだけど、生気の感じなれない
ミイラのような淡々としたギターを弾いていて、もうダメかな??と思ったりもしたが、ここでのスコのギターは、マジで今を生きてる感じで、
かなりカッコいい。
ギターのキレやウネリは、マイルス時代や、いまだにスコのベスト・ディケイドだと言う人の多い「グラマビジョン」時代とほとんど変わらないし、
むしろ、共演してる人が若いんで、その頃よりももっとフレッシュかもしれない。
全体的なイメージは、ちゃんとしたリズムを得たおかげで、いままでのスコのジャムバンドものと比較して、良い意味で「フュージョン」ぽい。
ソウルグループ、ドラマティックスの名曲のカヴァー「ホワッチャ・シー・イズ・ホワッチャ・ゲット」も、いい感じでレイドバックしてて
気持ち良い、いなたい感じで鳴ってるホーンセクションも雰囲気もの。
ナイル・ロジャーズみたいなリズムギターもカッコいい、そのシックなんかがやりそうな70年代ディスコ調の9曲目も楽しい。
この作品で、スコが求めたものは、ジャムバンドなサウンドなんじゃなくて、小賢しいジャズ臭を廃したR&Bグルーヴなんじゃないかと思う。
いわゆる「ジャズ屋さん」じゃないリズムをメンバーに起用してるのもそんな意図があるからなのかも。
いや〜久々に何度もリピートしたくなるジョン・スコの新譜でした。
80年代のマイルス時代やグラマビジョン時代が一番というファンク好きのやや古株のスコマニアにもお薦めできる「ノリ=グルーヴ」を
十二分に感じることの出来る作品。
(2003年6月14日)
Will & Rainbow “Harmony”
w/ Will Boulware:key Peter Bernstain:g Michael Brecker:ts Steve Gadd:ds Anthony Jackson:b Philippe Saisse:synth
Phoebe Snow:vo
「裏スタッフ」「マイケル・ブレッカーの裏名盤」などと呼ばれた「クリスタル・グリーン/レインボウ フィーチャリング ウィル・ブールウェア」が
最初に発売されたのが、1976年。
昨年、突然、26年!ぶりに、同じ企画の続編が発売、今作はそれに続く3作目となるもの。
基本的なサウンドの雰囲気は、76年からとほとんど同じ、ソフトでメロウなグルーヴがゆるゆると流れてる感じ。
76年では、出ずっぱりのフィーチャリング・アーティストだったマイケル・ブレッカーも、前作では、故ボブ・バーグとその座を分け合い、
そして、今回は、フュージョンっぽいアレンジによる「イスラエル」とヴォーカル入りのブルース「トラブル・イン・マインド」の2曲参加にとどまっているのは残念。
その代わりといっては何だけど、初めてヴォーカリストとして、フィービー・スノウが参加、また、前作から参加のギターのバーンスタインも
かなりフィーチャーされている。
フィービー・スノウは、アイズレーブラザースの名曲「フォー・ザ・ラブ・オブ・ユー」とブルース・スタンダード「トラブル・イン・マインド」の2曲にフィーチャー、
アイズレーのカヴァーは、少しキツい…曲自体のアレンジはいいんだけど、「オバちゃん声」のフィービーが歌う歌じゃない、ミスマッチ、
逆にディープなブルースナンバーでは好演、マイケル・ブレッカーのストレートにブルースしてるテナーもよい。
バーンスタインのギターは、16ビート系のフュージョン調トラックでは、やや線の細さを感じるが、4ビート系にアレンジされたトラックでは、
正統派ジャズギタリストらしい端正な演奏でまずまずだが、ブールウェアの存在感の無いピアノをカバーするフィーチャリング・アーティストとしては
正直、これは役不足だな。
ベーシストには、新しく、アンソニー・ジャクソンが参加、そのせいか?、このシリーズの中では、もっとも、ジャズっぽく落ち着いた雰囲気になっている、
ホレス・シルバーの「ピース」では、激渋のベースソロも披露、う〜ん、渋い、渋い、カッコいいなぁ…。
今回は、ホレスの曲をはじめ、ビル・エヴァンスなんかの名演でも知られる「イスラエル」、ハービー・ハンコックの「ワン・フィンガー・スナップ」
キース・ジャレットの「レインボー」やジョン・アバークロンビーの曲などジャズっぽいレパートリーが多いが、
「イスラエル」や「ワン・フィンガー〜」は、4ビート的なアレンジではなく、逆にフュージョンっぽくグルーヴを効かせて演奏しているのが面白い。
ジャジーな曲では繊細に、グルーヴを効かす曲では腰をすえた骨太なビートを提供するアンソニー・ジャクソンの参加こそ大正解だけど、
それ以外は、このシリーズの中では、残念ながら、もっとも存在感の希薄な作品だと思う。
上でもコメントしてるけど、なんせ、主人公のブールウェアのピアノが相変わらず無味乾燥としてて面白さの欠片もないんで、
このシリーズのキモは、「企画力」に尽きると思うけど、その企画が、フィーヴィー・スノウのヴォーカル入りという他はあんまり見えてこない。
70年代中期〜後期にかけての「ソフト&メロウ」な「クロスオーヴァー」(「フュージョン」と呼ばずあえてこう呼ばせてもらいます)を、
懐かしむ人以外には、あんまりアピールするものは少ないんで、この企画もそろそろ打ち止めにしたほうがいいんではないでしょうかねぇ。
とはいいつつ、個人的には、「クロスオーヴァー」な世代の一番下くらいの年齢?なんで、結構楽しめましたが…。
(2003年6月23日)