Swingroove Review
April 2001
Title/Musicians/Revel |
"The Power Of String" Paul Jackson Jr.(Blue Note) |
Who? |
アメリカのスタジオ・シーンで、もっとも人気のあるギタリストのひとり。ジョージ・ベンソンや、リー・リトナーといった「同業者」ですら、リズム・カッティングの仕事となると、彼を使うという事実からも、その凄さが分かるはず。16ビート系の小気味良いリズム・ギターは、ほんと素晴らしいが、ギター・ソロになると、音の線が細く、ちとショボい…。 |
With? |
ロニー・フォスター チャッキー・ブッカー ウェイン・リンゼイ パトリース・ラッシェン(key) アレックス・アル リッキー・マイナー コーネリアス・マイムス(b) ボブ・ハースト(ac-b) オリー E ブラウン ヴィニー・カリウタ(ds) サム・ライニー ボニー・ジェイムス(sax) ポリーニョ・ダ・コスタ(perc) デニース・ウィリアムス マーヴィン・ウォーレン リン・デイヴィス(vo)・・・ |
Reflection? |
アール・クルー(g)やカーク・ウェイラム(sax)などを迎えた95年の前作「ネヴァー・アローン」以来となる新作が、「ブルーノート」!!よりリリースされました。こんなスムース・ジャズの見本のような作品が、伝統のブルーノートからリリースされるとは…、何とも複雑な気持ちです。(前作も、原盤は、日本のポニーキャニオン制作だったが、アメリカでは、ブルーノートからの発売だった。)打ち込み中心のリズムをバックにした、一時代前のブラコン・フュージョンという雰囲気は、88年のソロ・デビュー作「アイ・ケイム・トゥ・プレイ」から変わらないもので、正直「こんなん、まだやってんの??」といった感じです。切れ味抜群のリズム・ギターが魅力の人なんですが、そのあたりを上手く活かした曲はほとんど無く、ジョージ・ベンソンの味を薄めたようなギター・ソロをフィーチャーした凡庸なナンバーが続いてます。そんな中、ポール・ジャクソンJr.が一歩身を引いたトラック、例えば、5曲目のデニース・ウィリアムスをフィーチャーしたバラッドや、10曲目のマーヴィン・ウォーレンをフィーチャーした、マービン・ゲイの「インナー・シティ・ブルース」なんかのヴォーカル曲では、そこそこ魅力的な演奏も聴かせてくれてます。また、ラストには、ヴィニー・カリウタ(ds)=ボブ・ハースト(b)というユニークなリズム・セクションをバックにしたややジャズ風の演奏も収録されてますが、今後、このあたりを伸ばしていっても面白いと思います。 |
etc… |
この人のリーダー作を聴くたびに思いますが、やはりポール・ジャクソンJr.という人は、サイドメンで活きる人だと言うことです。基本的には、B級スムース・ジャズなので、よほどポール・ジャクソンJr.のギターに惚れこんでいる人以外は、通過しても問題ない位、インパクトの無い作品だと思います。 |
Points? |
★★☆ |
★は1(最悪)〜5(最高)です。
感想を書きこんでいただければ幸いです。