Swingroove Review
May
Jacket |
Title |
Artist |
Review |
☆ |
Both Sides |
Roger Smith |
主にロック系のフィールドで活躍しているというキーボード奏者、ロジャー・スミス。同じキーボード奏者ロニー・フォスターのプロデュースによるソロ・アルバム。打ちこみ中心のリズムにポール・ジャクソンJR、ジェラルド・アルブライト、ルイス・コンテらが、所々でアクセントを加えている。サウンドは若干黒めのスムース・ジャズ。コロコロとしたピアノが涼しげ。S.ワンダーの「オーバージョインド」のインスト・カヴァーは秀逸。それ以外は悪いけど凡庸。 |
3 |
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Out Of The Blue |
Jeff Golub |
1曲目「Wanna Funk?」でやられた!かっこいい!。元AWBのスティーヴ・フェローンとキングクリムゾン!のトニー・レヴィンのグルービーなミディ・ファンクで明けるこのアルバム。スムース・ジャズであればほぼベンソン系のギターになるところを、ソリッドなディストーション・サウンドでドライなブルージーさを出している。プロデュース/キーボードのフィリップ・セスのサウンドメイクもGoo!。気分はNYの1枚。「マンテカ」のギターソロを聴いて一言「お前は松岡直也の和田アキラか!」。でも超おすすめCD。 |
5 |
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Ascention |
Nite Flyte |
スムース・ジャズのサンプル的なサウンド。全員無名のミュージシャンながらギター、キーボード、サックスなどもそつがない。ほぼミディアム・テンポで過ぎて行く彼らのサウンドは、ライトなテンションでBGMにぴったりだが、彼らでしか出来ないという個性は皆無。このテンションの低さはある意味でかつてのニューエイジ・ミュージックにも共通する。匿名希望なスムース・ジャズ。BGMを探してる業界人に。 |
3 |
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Treasure Of The Heart |
Nester Torres |
5年ほど前、ヴァ−ヴ・フォーキャストからアルバムをリリースしていたプエルトリカンのフルート奏者、ネスター・トレスの新作。ネッド&ディヴィッドのマン・ブラザーズのディヴィット・マンがプロデュース。トロピカル風味のスムース・ジャズ作。この手のサウンドにフルートといえばディヴ・ヴァレンティンが先駆者だが、トレスはヴァレンティンほど灰汁は無い。ディヴ・サミュエルズ、マーク・アントワーヌ参加。まずまず気持ちいい。ザヴィヌル・シンジケート出身のベーシスト、リチャード・ボナも一曲で熱演。 |
3 |
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One From The Studio/One From The Stage |
Twin Line Project |
ハンガリーのジャズ・フュージョン・グループにジャケ写のゲストミュージシャンが参加した2枚組み。1枚はスタジオ、もう一枚はライヴ。ベースはジャコ風。イエロージャケッツ+スパイロ・ジャイラといった感じ。豪華なゲストにつられて購入したが見事にすかされた。印象に残らない中途半端なフュージョン。レア物好きのマニア以外は通過したほうが無難。でもラッセル・フェランテはさすがの好演。 |
2 |
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Payne's Window |
Cecil Payne |
マックス・ローチやディズ、ランディ・ウェストンとの共演でも知られるベテランサックス奏者セシル・ペインのデルマーク盤最新作。今作もエリック・アレキサンダー参加。正直、Tもエリ・アレとハロルド・メイバーン狙いで買いましたが大正解。日本制作のリーダー作では、妙な力みや気負いの感じるエリ・アレも、デビュー作を吹き込んだ、デルマークだけに等身大の豪快なプレイを聴かせてくれる。最近、CrissCrossよりリーダー作を発表したドラムのジョン・ファンスワースも良い。あっ、セシルのバリトンもペッパー・アダムス無き今、バリサクをここまで豪快にブロウさせるのは彼しかいない。カッコつけない生成りのジャズ。好盤。また特集でエリ・アレ取り上げます。 |
4 |
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hhh Waltz For Debby |
David Hazeltine Trio |
え古くはマリーナ・ショウやスライド・ハンプトンのバック、最近ではエリック・アレキザンダーとの共演で知られるピアニスト、ヘイゼルタインの最新作が日本のビーナス・レーベルから届きました。タイトルからも想像出来るようにビル・エバンス集です。ソリッドでバピッシュなムードを持つ彼が何故ビル・エバンス?と疑問を持ちましたがどの曲もアドリブに入るといつもの男性的でグルーヴィーなプレイを展開。ジョージ・ムラーツ=ビリー・ドラモンドのリズムもゴキゲンで無意識に足が4ビートのスイングを刻んでしまいます。新主流派だとか、新感覚だとかのスイングしない胡散臭いピアノ・トリオが多い中、ストレート150キロ勝負のジャズ。もしこの日本盤で彼のピアノが気に入ったらシャープ9レーベルでのリーダー作もお勧めします。 | 5 | |
Barefoot On The Beach | Michael Franks | マイケル・フランクス、ウィンダム・ヒル・ジャズ移籍第一弾。「素足の浜辺」というタイトルどおりのシルキーでささやくようなサウンド。制作陣にはチャック・ローブとイエロージャケッツのジミー・ハスリップを迎え、チャックの方はスムースジャズ系のサウンドを、ハスリップの方は、ボサノヴァ、ジャズ風のサウンドを手掛け、アルバム全体のサウンドの幅を持たせている。とはいってもどこを切ってもマイケル・フランクスそのもの、なので今までのファンは絶対に買い!です。ゲストも相変わらず豪華でマイケル&ランディ・ブレッカー、スティーヴ・ガッド、ウィル・リー、ボブ・ジェームス、チャック・ローブ、ジミー・ハスリップ、ボブ・ミンツァー…・、やっぱりはずせない1枚でしょう。 | 4 | |
Got The Magic | Spyro Gyra | こちらもウィンダム・ヒル・ジャズ移籍第一弾。GRP末期に見られた妙なヒップホップ調の曲や彼らのイメージとは違うブラコン調の曲が影をひそめ、良い意味でフュージョンらしい作品に仕上がってます。特にジェイ・ベッケンシュタインのサックスがいつになく歌ってます。ディヴ・サミュエルズの穴をギターのフリオ・フェルナンデスがカヴァー。バーシアのヴォーカルも1曲入ってます。一部チャック・ローブ・プロデュース。 | 3 | |
Miles Rememberd:The Silent Way Project | Mark Isham | 映画音楽からニューエイジ、フュージョンまで幅広く活躍するトランペッター、マーク・アイシャムの新作はマイルス集。それも60年代終わりから70年代初期の「サイケ・エレキ・マイルス」の曲ばかりをセレクト。「イン・ア・サイレントウェイ」「ジャックジョンソン」「ブラックサテン」…。どんなんかな、と思って聞くと「そのままやン…」。ドラム、「バシャバシャ」、ギター「ギャンギャン」ペット「ブヒャ〜」。やってる方は気持ちいいだろうけど、わざわざこのバージョンを聞く意味を考えてしまう。天国のマイルス大笑いの1枚。まぁ、マイルスをトリビュートしたものにはろくなものはありません。マイルス聞きたきゃマイルスを聞きましょう。 | 2 | |
Live At The Berk Jazz Festival | Heads Up Super Band | スムースジャズの人気レーベル「ヘッズアップ」に所属するミュージシャンが集まったライブ盤。ジョー・マクブライド(KB)ケニー・ブレイク(SAX)ジェラルド・ヴィーズリー(B)らのソロアルバムからの曲が中心。このメンバーで「スーパーバンド」とは羊頭狗肉ともいえるが、演奏はまとまっていて、昨今では珍しい?純正フュージョンのライブで70年代から80年代初期のフュージョンブームを経験したものには意外といけるかも。ジョー・マクブライドのキーボードとスキャットのユニゾンはアルバムでもお馴染みだがライブでもカッコイイ。フュージョン・ファンは要チェック。 | 3 | |
Synergy | Dave Weckl Band | 前作と同様、ギターにバジー・フェイトン、サックスにブランダン・フィールズらを擁する、ディヴ・ウェックル・バンドとしての新作。 |
3 | |
Change | Chick Corea & Origin | チック・コリアの現在のパーマネント・グループである「オリジン」の新作。何とこれが初のスタジオレコーディング作とのこと。 |
2 |
黄色のCDがBest Buy!です。
☆は1(最悪)〜5(最高)です。
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