らくがき帖〜音楽編
Original Crimsonへの幻想,その後のCrimsonが辿った軌跡と今なお進化し続けようとする姿勢などと対比して考えると複雑な思いはあったのですが,余計なことを考えず,素直にステージを観たので,とても楽しめるライブでした.
しかも,かなり右端でしたがけっこう前の席が取れたので,“憧れのミュージシャンを生で見る”という点でも満足できました.
お楽しみのグッズ販売ですが,今回はパンフレットはなし.まあ,当然ですわね.Official bootleg
vol.1は初日完売とのことでブツすらなし.Tシャツはパス.ということで,お買い物はなしで済ませました. Official bootleg
vol.1はネット経由で入手できそうなのでひと安心.それにしても”vol.1”っていうぐらいだから,当然”vol.2”以降も期待してしまいますね.
まず,来日メンバーは,
Ian McDonald (sax, flute, key, vo)
Michael Giles (ds, vo)
Peter Giles (bass)
Mel Collins (sax, flute)
の初期クリムゾンのメンバーにJakko Jakszyk (g, vo)を加えた5人.
さっそくセット・リスト.Crimson好きにはたまらない選曲ではありました(笑)
1. A Man, A City
2. Cat Food
3. Let There Be Light
4. Progress
5. In the Court of the Crimson King
5. Formentera Lady
6. Tomorrows People 〜 The Children of Today
7. If I Was
8. Ladies of the Road
9. I Talk to the Wind
10. Epitaph
e-1. Birdman 〜The Reflection〜
e-2. 21st Century Schizoid Man
1曲目は”A Man, A City”. McDonald & Gilesが演奏する以上,”Picture of the City”という表記よりこちらが正解でしょう.2曲目の“Cat Food”も含め予想以上にパワフルな演奏.なかなか楽しいライブになりそうな予感.
3曲目はMcDonaldのソロ・アルバム「Drivers Eyes」から”Let There Be Light“.Pete Sinfieldが作詞ということでピック・アップしたとは思うのですが,「Drivers Eyes」にはこの曲よりいい曲がいくつもあるので,選曲には若干疑問が残ります.会場の盛上がりも少しトーン・ダウン.
続いてMikel Gilesの新しいソロ・アルバムから”Progress”. この曲は聴いたことなかったのですが,何よりGilesのドラミングが前3曲とは別人のように生き生きとし始め,クリムゾン・ナンバーではないにもかかわらずけっこう盛上がる.
じつは,わたしはドラムが最も好きな,そして音楽を聴く際の最注目楽器で,しかもOriginal Crimson在籍時のMichael Gilesはわたしにとって歴代No.1ドラマー.しかし,前半3曲の彼のドラミングははっきり言って今一つ.とくにこの半年のうちにBill BruffordとFranz di Chochoというずば抜けた力量をもつドラマーを生で見ているだけに,その差が気になったのですがここにきて少し安心.
5曲目はお待ちかねの曲その1,”In the Court of the Crimson
King”.
Steve Hackett の日本公演でWetton & McDonald参加で演奏された映像は見ましたが,このメンツでやる“宮殿”はやはり感無量.観客の盛上がりも段違いです.
続いてPeter Gilesのベース・ソロから始まる”Formentela Lady”.導入部のソロはかなりアレンジが変わっていたので,けっこう新鮮な印象.観客も確信が持てなかったようで,ヴォーカル・パートが始まって初めて”わぁ!”っと歓声が上がりました.
ここでクリムゾン・ナンバーはいったんお休み.
まずは,「McDonald & Giles」より”Tomorrows People”.Michael Gilesがリード・ヴォーカルということもあり,予想以上に盛上がる.演奏面でもIan McDonaldとMel Collinsの掛け合いフルート・ソロなどは聴き応えがあり,ライブ全体でも聴きどころの一つでした.
引き続き,再びIan McDonaldのソロ・アルバムからは”If I Was”.この曲はアルバム収録曲のなかでもメロディアスな秀作で,個人的には前半に演奏された”Let There Be Light“よりはるかに好み.
この後はラスト・スパートでかなり盛上がります.
”Ladies of the Road”はMel Collinsのサックス・ソロが,”I Talk to the Wind”はMcDonaldとCollinsのフルートが,期待通りの迫力があり,まさに圧巻.個人的には本日聴き所ベスト3に入れたいぐらい盛上がりました.
そして本編のトリはやっぱり”Epitaph”.この曲を生で,しかもオリジナル・メンバーの演奏で(半分ですけどね,笑)聴けるというだけで幸せなんですが,ヴオーカルはやはり何と言うか,まあ“う〜〜〜ん”という感じ.....
しかし,後半部のGilesのドラミングは圧倒的な迫力で,それまでの(個人的)もやもやを払拭するに充分.個人的聴き所ベスト1はやはりここですね.
ここでメンバーはいったん退場.
アンコールはまずIan McDonaldのみが登場.彼のエレピで”Birdman”が幕開け.演奏されたのは”Reflection”に相当する部分だけでしたが,できることなら全曲演奏して欲しかった.しかし,色彩感,透明感そして躍動感などを凝集した名作の名演でした.
そして最後の最後.誰もが確信していた通り”21st Century Schizoid Man”.生でオリジナル・クリムゾンを,Gilesのドラムを,McDonaldのサックスを聴けることは絶対ない,と思っていただけに余計な批評は無駄.素直に楽しませていただきました.
アンコール終了と同時に早々と立ちあがって,浮き気味か!?と一瞬焦りました(笑)が,最後は会場全体でスタンディング・オベーション.とても楽しいライブでしたし,オールド・ファンへのプレゼントと考えれば,(頻繁にやるものではないでしょうが)とてもうれしい企画でした.数年後にギターとリード・ヴォーカルを何とかして再来日してくれたらうれしいですね.