らくがき帖〜音楽編


5.PFM 大阪公演 5月8日 BLUE NOTE OSAKA

待ちに待ったPFMの再来日(27年ぶり!!)公演.
”可能な限り出席!(笑)”を目指して,まずは大阪公演初日,つまり来日公演初日の2ndステージに足を運びました.
運良く公休日だった連れが整理券を取っていてくれたので,
比較的早い順番で入場(BLUE NOTEは早いもの勝ちで好きな席を選べる).

 まず,ステージに目をやると,ドラムセットが2セット,キーボードが2セット,ギター4本,ベースなどなど...ただでさえ狭いステージぎっしりに機材がひしめいていました.
2ndステージの開場は9:00と時刻も遅く,開演まで30分しかないので飲み物とツマミ程度のみオーダー.それよりもBLUE NOTE恒例(?)”グッズを買ってサインをもらおう!(当日グッズを買うと公演終了後にミュージシャンがサインをしてくれる)”に参加するため,さっそくショップへGO.さすがにCDは全部持っているので,ここは日本公演専用のパンフレットを購入.

今回の来日メンバーは,
フランツ・ディ・チョッチョ drums/vocal
フラビオ・プレモーリ keybord/vocal
フランコ・ムッシーダ guitar/vocal
パトリック・ジヴァス bass

以上が正式メンバー.それに加えサポートメンバーとして,
ルーチョ・ファブリ violin/keybord/guitar
ピエトロ・モンテリジ drums
の名前がありました.

 今か今かと待っていると,定刻より少し遅れて照明が落ちる.この時点ですでに拍手が起こり,実際にメンバーが入ってくると拍手の嵐.開演前から観客のテンションはかなり上がっていて,まるでアイドル・グループなみ(笑).さらに入場時からすでに握手攻め.わたしたちも楽譜などで手がふさがっていたディ・チョッチョとプレモーリ以外と握手させていただきました.

1曲目はかなりのファンが予想したであろう名曲”ハンスの馬車”.
27年前の公演には行くすべもなかった田舎の貧乏少年が夢にまで見たPFMの生演奏.それだけで舞い上がってしまい,以後は冷静な判断力を失います.的確なレポは不可能です.以後そのへんを汲んで読んでください.

とりあえずset list.
かなり正確だとは思いますが,興奮・妄想による間違いがあったらごめんなさい.

1.ハンスの馬車
2.幻の映像
3.ペニンシュラ
4.Out of roundabout
5.何処で...何時
6.Four holes in the ground
7.Il banchetto
8.ドルチッシマ・マリア
9.プロムナード・ザ・パズル
10.Mr.9 till 5
11.Altaloma 5 till 9
12.Celebration
e-1.Liver of life

 2曲目以降も全盛期の,日本のファンにはもっとも馴染みの深い曲を立て続けに演奏.
観衆も1曲終わる毎に盛大な拍手で応えます.
大迫力の”out of roundabout”やディ・チョッチョの見せ場の一つでもある”Dove...Quando”.聴きたいと思う曲がことごとく演奏される理想的展開.’80年代以降の曲はいっさいなし.
少なくとも「Ulisse」か「:Serendipity」からは1,2曲やるだろうと思っていた予想が外れ,”これは!?”と思い始めたところに”Il Banchetto”.なんとなんと’70年代版のアレンジではありませんか!(注:’80年代のライブ盤「performance」や’98年のライブ盤「www.pfmpfm.it」ではフュージョン風のまったく違うアレンジがなされていた) ここにいたって”今日は日本公演専用の,日本人ファン専用のセット・リストだ”と確信.

 予想通りそれ以降もすべて’70年代の作品から.まるで27年前の来日公演を再現するかのような演奏.前回見ていないわたしでさえ”おおっ!”と感じたんですから,前の来日公演をじかに見た方々は感無量ではなかったでしょか.

”Mr. 9 till 5 〜 Altaloma 5 till 9”も黄金期のアレンジ.’90年代のライブでは省略されていた”ウィリアム・テル序曲”まで含めてきっちり演奏.日本のファン狙い打ち(笑)

 ムッシーダは華麗なギター・ワークを至る所で披露してくれるし,ジヴァスは派手さはないものの迫力たっぷり,聴き所満載のベースを聴かせてくれました.それにプレモーリのキーボードは圧巻.陶然と音に酔いしれながら奏でる姿も含め噂に違わぬ,いや噂以上の華麗なプレイを披露.今回ゲスト参加のファブリは裏方に徹していましたが,彼の存在が’70年代スタイルの演奏を再現可能にしたとも言えます.しかし,イタリアのグループというだけで,彼らの知名度がこの程度というのは本当にもったいない限りです.

 厳密に言うと全体的に機材の調子は思わしくなく,音響もマズイ部分が多かったのですが,そんなことはまったく気になりませんでした.中盤以降ムッシーダのヴォーカルも調子が良くなかったのですが,これも機材・音響のせいかもしれません.

 ムッシーダの”ラスト・ソング!”の声とともに本公演の最後は”Celebration”.最後の最後まで”齢50にしてこの迫力!!”,と心底驚嘆するほどの圧倒的情熱と迫力を見せつけるディ・チョッチョは全身から”オーラ”を発するかのようで,つい2週間前に見たビル・ブルッフォードが霞むほど.ジャズとロックの違いはあれど,個人的にはディ・チョッチョのほうが数段迫力,存在感とも上でした.

 演奏終了後は言うまでもなく大歓声.一部のファン(もちろんわたしも^^;)はスタンディング・オベーション.さらに”P・F・M!”コールが巻き起こり,メンバーは楽屋に引っ込むこともできずにそのままアンコールに突入.
アンコールも名曲”Liver of life”.比較的メロディアスな曲だというのにメンバーの演奏は迫力満点.とくにディ・チョッチョは渾身の力を込めてドラミング.もちろん荒いとか力任せというのではありません.この曲に限らずすべての曲で,全身全霊を込めて打ち下ろしているような気迫が感じられたということ.

 ”スタジオ録音に比べPFMのライブはパワフル”というのは,ライブ盤を聴いて,噂を聞いて知ってはいるつもりでした.しかし!実際のライブはそんな想像を遥かに凌駕していました.これでは想像不可能.生で実際見ない限り分かりませんでした.このレポでその一端でもお伝えできればと切望しますが,わたし程度の筆力では望むべくもありません.
まさに”ライブは力だ!!”とでも言わんばかりのエネルギーでした.

 すべてが終わってメンバーがステージから降りてきました.再び観衆と握手を交わしながら名残を惜しむように退場.とくにムッシーダは握手を求められると,胸の前で相手の手を(両手で)握り締め丁寧に応えます.その風貌と相まって,まるで新興宗教の教祖みたいに見えたのはご愛嬌(笑)

 今までは(思い入れを含めて)去年のルネッサンスがベストと思っていたのですが,今日のPFMはさらに上をいきます.特別プログレ・マニアではない連れが,”今日のライブは今まででベスト.ルネッサンスより上だった”と断言していたので,あながちわたしの独り善がりな感想ではないと思います.
大満足の一夜でしたが,今回のPFM来日公演レポはまだ続きます(笑)
明日の大阪公演最終日と11日の川崎での東京公演.
体力が続く限り参加予定です.


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