らくがき帖〜音楽編


4.Bill Bruford's Earthworks 大阪公演 2002年4月23日 BLUE NOTE OSAKA

Bill Bruford's Earthworks:BLUE NOTE OSAKAでのライブに行ってきました.
正直Earthworksに関しては,
曲とタイトルが一致しないためセットリストは割愛させていただきます.
と言うより,曲名見ながらCD聴いたことないので,
タイトル自体ほとんど知りません.悪しからず.

開演30分ぐらい前に到着しましたが,
正面の席はほぼふさがっていて,
ステージ真横のカウンター席(せせこましい,がステージにそこそこ近い)か
2階のテーブル席(やや遠い,死角ができる,がゆったりできる)しか空席がなし.
BLUE NOTEはかなりリラックスして音楽を楽しめる雰囲気で
料理もなかなかおいしいので,
ここはゆっくりと音楽に浸れるテーブル席をセレクト.
ドラムセットの多くが死角になっていましたが,
最後にBrufordに直接声をかけることができ,握手もしてもらえたので,
まあ差し引きプラスでしょう(笑)
料理をゆっくり楽しんで,ある程度空腹が満たされたころに開演時間となりました.

セット自体は何の飾り気もありません.
ごく狭いステージにドラムセットとピアノが鎮座し,
隙間にウッド・ベースやサックスなどが置かれているだけ.

定刻通りに4人(今回はカルテット)が入場.
Bill Brufordがライブというより何か学術講演でも始めるかのように
“みなさん,これから今夜の最初のステージ(この日は2ステージ制)を始めます”
みたいな冷静かつ生真面目なごく短い挨拶をして開演.

今回の来日メンバーは以下の通り.

Bill Bruford  drums
Tim Garland  sax etc.
Steve Hamilton  piano
Mark Hodgson  bass

1曲目が終わったあとに
新メンバーTim Garlandの紹介がBrufordからありました.
彼は今回の公演の一方の主役であるらしく
(それは音楽を聴いているだけでもはっきり分かりましたが),
経歴を含めてけっこう丁寧に紹介していました.

肝心の音楽の印象はと言うと,至極まっとうなジャズ.
それは分かりきっていたんですが,
聞こえて来るドラムの音は紛れもないBill Brufordのドラミングで,
YesやCrimsonで聞ける音との間に大きな乖離もありません.
ジャズでもロックでもやっぱりBrufordはBruford.
そのことがCDで聴く以上に実感できました.

Brufordのドラミングの持ち味はtight & sharpで,小気味良くって,アグレッシブかつ鋭角的,それでいて,心地よい躍動感をけっして失っていない点だと感じています.今回はすべてアコースティック楽器だったこともあり,小気味良さと躍動感がより前面に出ていて心地よく音楽に,リズムに浸れました.

Tim Garlandのサックスやクラリネットも素晴らしくて,彼が全体をリードしているような雰囲気すらありますが,そこはそれ,肝心な部分をBill Brufordがしっかりと仕切っています.これは別に彼が“いいとこ取り”をしているというのではなく,若い衆(?)に思う存分力を発揮させて,なおかつ受けて立つと言うような感じです.いや,いつもながら見事なドラミングでした.

P.S.
Crimson以外でBill Brufordを生で見たのは,渡辺香津美とのトリオ以来でしたが,そのときより今回のほうがはるかに上.テクや円熟度云々より本人の“思い入れ”の差でしょうね(笑)


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